中小企業診断士に最短合格するための勉強法|独学でのスケジュール管理のポイントは?
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中小企業診断士
平井東
「中小企業診断士に合格したいけど、忙しくて勉強の時間があまりとれない・・・」
「短い時間の中でどうやって勉強したら独学でも中小企業診断士に合格できるんだろう・・・」
仕事や家事に追われ、このような状況に陥っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな方のために中小企業診断士の効率的な勉強法を紹介しています。毎日忙しく、勉強時間があまりとれないとしても、最低でも1000時間ほどの勉強時間を確保すれば合格の可能性は十分にあるのです。このように最短で中小企業診断士に合格するためには、まず勉強の質を高める必要があります。
「勉強の質を高める」とはどういうことでしょうか。言い換えると、「どれだけ効率の良い勉強法を身につけられるかどうか」ということです。これによって、最短で中小企業診断士に合格できるかが決まります。
この記事を読んで勉強の質を高めるための正しい勉強法・学習スケジュールをマスターし、最短で中小企業診断士の合格を目指しましょう!
中小企業診断士の勉強法についてざっくり説明すると
- 独学で最短合格するには勉強の質を高める必要がある
- 合格ラインを意識する
- 過去問演習を早めにスケジュールに組み込む
- 一次試験と二次試験の勉強を並行しておこなう
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中小企業診断士の勉強法でよくある失敗例
独学の方は、中小企業診断士の最短合格のために様々な方法を試しながら勉強していることでしょう。しかしそのような試行錯誤の中でよく陥ってしまう失敗があります。具体的には、以下の4点が挙げられます。
中小企業診断士の勉強法でよくある失敗例
- 試験範囲を絞らない
- 過去問をギリギリまで解かない
- 基礎を固めないまま難問に手を出す
- 一次試験対策で燃え尽きる
これらすべては、勉強時間を十分とることができる学生などの場合は失敗にはならないかもしれません。時間がたくさんあれば隅から隅まで勉強することができるからです。
しかし、仕事や家事により毎日勉強に充てられる時間が限られている方には、正しい勉強法とはならないのです。他の受験生がよく陥る失敗と同じような失敗をしないよう、事前に失敗例を学び、気を付けていきましょう。
以下、詳しく説明していきます。
試験範囲を絞らない
中小企業診断士の試験は範囲が広く、全てを理解しようとすると時間がかかります。独学で全範囲を網羅しようとすると応用問題に対処できないこともあるため、重点的に勉強することが効率的です。
一部の範囲に絞り、60点を超える得点を目指すべきです。必ず頻出分野があるので、それらを重視して勉強すれば、満点を目指す必要はないのです。
このアプローチは「最適な効果を最小限の努力で」を実現する戦略でもあります。ビジネスなど他の分野でも応用できる考え方で、全体を把握しようと焦らず、ポイントを絞って効果的に取り組むスキルは、多くの場面で役立つ重要な能力と言えるでしょう。
過去問をギリギリまで解かない
多くの人は、まず基本事項を勉強するところから始めるでしょう。基本の知識が完璧に備わっていないと過去問を解いても意味がないと思うかもしれません。
しかし、過去問を試験本番直前まで解かないでいると、直前に演習問題を解いたことと同じになってしまいます。それでは過去問の意味がありません。過去問は早くから解いてこそ意味があるのです。
過去問は、試験の出題傾向を理解し、その対策をたてるためのツールです。そのため、早いうちからスケジュールに過去問演習を組み込み、出題傾向をあらかじめ知っておくことが、本番までのスケジュール作成に役立ちます。
基礎を固めないまま難問に手を出す
とりあえず過去問演習を積めばいい、と思っている方も多いでしょう。応用問題を何度も解けば問題には慣れてくるかもしれません。
しかし、特に基本の知識を問われる中小企業診断士の一次試験においては、そのような勉強法では通用しません。試験では難問が出されることは少なく、そのうちの多くが基本問題です。基本問題をしっかり得点していくことが合格へとつながるのです。
わずかな難問にとらわれず、基本の知識をしっかり身につけましょう。
一次試験対策で燃え尽きる
中小企業診断士の合格には、一次試験の基礎知識の習得と、二次試験での応用力が求められるため、両方への対策が必要です。一次試験に向けて基本を詰め込むだけでなく、応用力を高める二次試験対策も欠かせません。
このプロセスには、一次と二次の対策をバランス良く行うスケジュールが求められます。
この段階的なアプローチは、一つの大きな目標を達成するための戦略的思考の例です。成功への道のりは一度に進むものではなく、段階ごとに適切な焦点と努力を必要とします。この思考法はキャリアや他のプロジェクトでも役立つ一般的な原則であり、常に視野に入れておくべきでしょう。
中小企業診断士の最短合格に向けた勉強法のコツ4選
ここまで、中小企業診断士試験の勉強法の失敗例を紹介してきました。それでは、このような失敗をしないためにはどのような勉強をしたらいいのでしょうか。
中小企業診断士に最短で合格するためのコツは、大きく分けると以下の4点です。
中小企業診断士の最短合格に向けた勉強法のコツ
- 合格ラインを意識する
- 過去問を有効活用する
- 繰り返し学習する
- 二次試験を見据えた一次試験対策をおこなう
これらを頭の中に置きながら勉強を進めることが大切です。これらを意識しているかどうかで、勉強の質はかなり変わってくるのです。3つのコツをしっかりマスターしていきましょう。
それでは、それぞれ詳しく説明していきます。
合格ラインを意識する
前述の通り、中小企業診断士には、一次試験、二次試験ともに60点という合格点が存在します。つまり、中小企業診断士の試験に合格するにはこの最低ラインを越えさえすればよく、満点を取らなくても良いのです。40点は捨てても合格できてしまいます。
よって、満点を目指して完璧な知識を身につけようとするのではなく、合格ラインを目指し、最低限必要な知識の習得に全力を注ぎましょう。最短合格のためには、このような効率化が必須なのです。
過去問を有効活用する
先ほど失敗例でも紹介したように、過去問を早めにスケジュールに組み込み、解き始めることはとても大事です。かといって、独学の方はよく陥りがちな失敗ですが、ただ過去問演習を積むだけでも意味はありません。ひたすらに過去問を用いて問題演習を繰り返しても、効率良く知識は身につきません。
過去問の活用の仕方にも正しい方法・効率の良い方法が存在するのです。過去問は、中小企業診断士の試験を作成している中小企業診断協会が出す唯一の問題集です。よって、過去問をうまく活用することで、毎日の勉強を最大限効率の良い勉強に変えることができるでしょう。
早速、どのようにして過去問を活用していくのかを紹介していきます。
重要論点の把握する
中小企業診断士の一次試験は、科目数が7つととても多いため、すべてを勉強していては時間が足りなくなってしまいます。そこで過去問の出番です。まず、数年分の過去問を見てみましょう。
すると、明らかに数年に一度出題されている箇所、さらには毎年出題されている箇所があることに気がつくでしょう。その分析がしっかりとできれば、合格にかなり近づくことができます。
しかし、この出題頻度が高い論点は、過去問を実際に解いてみなければわかりません。そのため、重要論点を把握するために過去問を解いてみることが、中小企業診断士の合格には何よりも大切なのです。また、今後の学習スケジュール作成のためにも、早めの時期に過去問をまずは一度解いてみましょう。
頻出問題をマスターすれば合格は目前
数年分の過去問を解いてみると、まったく同じ問題があったり少し言い方を変えただけの問題があったりと、何度も出題される箇所がわかってきます。その頻出箇所はいわば、合格のために最低限必要な知識であり、言い換えればその頻出問題をマスターしなければ合格からは遠のいてしまいます。
また、過去の頻出問題は今後も出題される可能性がとても高いです。だからこそ、その頻出問題をマスターするように勉強することで、効率的に合格ラインを目指すことができるのです。
繰り返し学習する
中小企業診断士の試験は科目数が多いうえにそれぞれの範囲が広く、すべての科目を学習しても、一度で覚えきれないことがほとんどです。初めに学習した科目は、すべての科目の勉強を終えた頃には忘れてしまっているでしょう。
ここで人間の脳の話になりますが、人間は一度しか頭の中に取り入れていない知識は、時間がたつと徐々に忘れていってしまいます。しかし、時間をおいて何度か勉強すると記憶に定着します。
よって、繰り返し学習を取り入れることはとても効果的なのです。繰り返し必要箇所を勉強することで、しっかりと知識を詰め込みましょう。特に、頻出箇所などの重要な箇所はより多くの反復をこなうなど、効率化をはかりましょう。
二次試験を見据えた一次試験対策をおこなう
中小企業診断士に合格するには、一次試験に合格した後、二次試験にも合格しなくてはいけません。しかも、一次試験と二次試験の間は短期間であり、とても一次試験後に二次試験の勉強を始めるようでは間に合いません。つまり、一次試験の勉強をしながら二次試験の勉強も並行して進めなければならないのです。
また、二次試験に出題される4科目ですが、これらは一次試験で出題される7科目と密接に関わっています。一次試験と二次試験それぞれで出題される科目を表にまとめました。
一次試験科目
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
二次試験科目
- 事例Ⅰ(組織・人事)
- 事例Ⅱ(マーケティング・流通)
- 事例Ⅲ(生産・技術)
- 事例Ⅳ(財務・会計)
一次試験と二次試験の関わり
二次試験では、「中小企業の診断及び助言に関する事例」について4つの事例が出題されます。この4つの事例は、以下の表のようにそれぞれ一次試験で出題された7科目と密接な関わりがあります。
二次試験科目 | 関わりのある一次試験科目 |
---|---|
事例Ⅰ(組織・人事) | 企業経営理論 |
事例Ⅱ(マーケティング・流通) | 企業経営理論、運営管理 |
事例Ⅲ(生産・技術) | 運営管理 |
事例Ⅳ(財務・会計) | 財務・会計 |
このことから、二次試験の対策もしながら一次試験の勉強をすることで、二次試験の勉強時間を短縮でき、効率的な勉強をおこなうことができるとわかります。
一次試験と二次試験についての詳細な情報に関しては、以下の記事を参考にしてください。
科目を跨いだ横断的な学習も大切
上で述べたように、中小企業診断士の試験では、一次試験に必要な知識を用いて二次試験がおこなわれます。そのため、一次試験の勉強をする際は科目ごとに勉強するだけで良いかもしれませんが、二次試験ではその勉強法では通用しません。複数の科目を結びつけながら勉強する必要があります。
さらに、一次試験の勉強をする際は二次試験の対策も同時にすべきであると先程お話ししました。よって、二次試験対策でもある一次試験の勉強の際は、科目ごとに独立して勉強するのではなく、複数の科目間の繋がりを意識した勉強をおこなうべきなのです。
また、科目を跨いだ横断的な学習をおこなうと、異なる科目間に存在する共通部分をまとめて覚えることができます。類似している点なども比較しながら覚えることができます。これは、共通部分を二重に学習したり類似点を混同したりする恐れがなく、とても効率的な勉強法だと言えます。
中小企業診断士の勉強ノウハウを学ぶ方法
ここまで中小企業診断士試験に最短合格するための方法を見てきました。
一方で、例えば科目ごとのより具体的な勉強法や勉強時間、より詳細な学習スケジュールについては、まだまだ明瞭でない点もあるかと思います。
そこでおすすめなのが、中小企業診断士試験のプロである予備校講師の方が持つ、中小企業診断士試験の勉強ノウハウそのものを学ぶことです。
大手資格学校のクレアールでは、ベテラン講師である古森先生が執筆した中小企業診断士試験の攻略本「非常識合格法」を出版しています。
こちらの本では中小企業診断士の資格試験のプロの目線から1次試験と2次試験の並行学習法や状況別の最適な学習プランまで記されており、試験勉強をされている方にとって極めて参考になる内容となっています。
クレアールでは現在、この「中小企業診断士試験の攻略本」を先着100名様限定で無料プレゼントしています。
中小企業診断士試験に最短合格するためのノウハウを無料で手に入れるチャンスです。受験生の方であれば必ず手に入れておきましょう!
中小企業診断士の勉強法まとめ
中小企業診断士の効率の良い勉強法まとめ
- 合格点+αを目標にする
- 過去問演習を早めにスケジュールに組み込む
- 過去問の頻出問題をマスターする
- 繰り返し学習し知識を定着させる
- 複数科目を並行して勉強する
さて、ここまで中小企業診断士に最短合格するための効率の良い勉強法を紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
中小企業診断士の試験はとても難しい試験であり、一発で合格するのは至難の業です。中小企業診断士の試験に出題される科目数はとても多く、分野も多岐にわたっているからです。しかし、独学の方でも最短合格の可能性は十分にあります。
そのためには、正しい勉強法・学習スケジュールを身につけることが不可欠です。これまでお話ししてきたことをすべてしっかりと頭に入れ、効率の良い勉強を目指しましょう。そうすれば中小企業診断士の合格はそぐそこです!