電験三種の勉強法とは?各科目の勉強法や独学での勉強時間・理論の攻略法も紹介

更新日時 2020/08/14

「電験三種に合格するにはどんな勉強をすれば良い?」

「各科目の勉強法は?勉強時間はどのくらい?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

電験三種は合格率が10%を下回る難関試験です。そのため、勉強法を工夫して合格に最適な試験対策を行わなければいけません。

今回は電験三種の勉強法について、各科目の対策法や独学での勉強時間、理論の攻略法などを解説します。

これを読んで、効率のよい勉強方法について考えるきっかけとなれば幸いです。

電験三種の勉強法についてざっくり説明すると

  • 科目別合格を積み重ねて合格を目指す
  • まずは全ての基礎となる理論から攻略する
  • 合格には1,000時間の勉強が必要

電験三種合格にむけた勉強法

空を見る女性 電験三種試験は合格率8〜9%の難関試験です。そのため、合格するには適切な仕方で勉強しなれければいけません。

科目合格で取得を目指そう

電験三種では科目別合格が認められており、「理論」「電力」「機械」「法規」の各分野でそれぞれ合格点を超えれば、その科目に関しては翌年・翌々年の試験で受験を免除されます

電験三種全体の合格率は非常に低いですが、科目別の合格率に関しては20%前後であり、それほど低い水準ではありません。

そのため、科目別合格を活用して3年程度で合格を目指すというのは、十分に現実的な方法です。

電験三種の合格基準点

電験三種の合格基準点は年度によって若干異なりますが、どの科目も100点満点中60点以上取れば確実に合格できます。

ちなみに過去5年間における各科目の合格基準点は以下の通りです。

理論 電力 機械 法規
令和1年度 55 60 60 49
平成30年度 55 55 55 51
平成29年度 55 55 55 55
平成28年度 55 55 55 54
平成27年度 55 55 55 55
5年間の平均 55 56 56 52.8

電験三種の科目別合格率

過去5年間における電験三種の科目別合格率を確認しておきましょう。

理論 電力 機械 法規 全体
令和1年度 18.4% 18.3% 26.7% 17.7% 9.3%
平成30年度 14.8% 25.1% 19.5% 13.4% 9.1%
平成29年度 19.4% 13.6% 16.3% 16.2% 8.1%
平成28年度 18.5% 12.4% 24.3% 14.2% 8.5%
平成27年度 18.1% 19.5% 10.7% 20.0% 7.7%
5年間の平均 17.84% 17.78% 19.5% 16.3% 8.54%

上記を見ると、科目別合格なら全体合格に比べてややハードルが下がることが分かります。決して簡単というわけではありませんが、正しい仕方で勉強すれば十分に合格が目指せるでしょう。

「理論」から順番に攻略しよう

さて科目別合格を目指すなら、対策を行う順番が重要になります。科目によっては出題範囲が重複している部分もあるため、どれから先に攻略するかによって勉強の効率が大きく変わってくるからです。

効率よく学習を進めたいなら「理論」から勉強し始めるのが良いでしょう。理論では他の3科目の基本となる知識を扱うので、理論さえ攻略しておけば、他の科目の勉強をスムーズ行うことができます。

その後は「電力」「機械」「法規」の順番で学習するのがおすすめです。

参考書だけでなく動画教材も利用しよう

学習の初期段階は参考書を用いてインプットをするでしょうが、より学習効果を高めたいなら、参考書に加えて動画教材も用いるのがおすすめです。

活字だけの学習よりも、映像講義でわかりやすい解説を受けた方が知識をより深めることができます

またスマホアプリや通信講座のeラーニングシステムなどを利用して、スマホ学習を行うのも良いでしょう。

スマホアプリを活用して効率よく学ぶ

多忙な社会人なら満足な勉強時間が確保できないという場合も多いでしょう。そんな場合はスマホアプリを使うのがおすすめです。

アプリならスマホさえあればいつでもどこでも勉強できるため、通勤時間や休憩中などのスキマ時間を有効活用することができます。

例えば「電験法規完全暗記アプリ」ならテンポよく問題演習ができ、学習の進捗も管理できるのでおすすめです。

試験時間を意識して問題演習をしよう

問題演習を始めたばかりの頃なら、理解を深めるために1問ずつ時間をかけて解いても問題ありません。しかし、試験本番が近づいてきたら、試験時間を意識した問題演習に切り替えましょう

いくら理解を深めたところで試験に合格できなければ意味がないので、与えられた試験時間の中で全ての問題を解けるように練習しておくべきです。

電験三種の試験時間・問題数

電験三種の試験時間・問題数は以下の通りです。

科目 試験時間 問題数
理論 90分 20問(A問題14問・B問題3問)
電力 90分 20問(A問題14問・B問題3問)
機械 90分 20問(A問題14問・B問題3問)
法規 65分 16問(A問題10問・B問題3問)

なお、B問題には小問が2つ含まれます。

見直しの時間も必要なので、小問1問あたり3〜4分で解いていくのがおすすめです。わからない問題は後回しにしても構わないので、スピード感を持って解き進めるようにしましょう。

ちなみに問題は全て五肢択一式です。

解答の根拠を明確にして過去問を解こう

電験三種の試験では、過去問と同様の問題がもう一度出題されることはまずありません。そのため、過去問演習では解答プロセスの理解を重視し、初見の問題にも柔軟に対応できる応用力を身に付けるべきです。

正答率や解答の暗記にこだわる必要はないので、解説をよく読み込み、1問1問解答に至るまでのプロセスを確認しましょう

過去問を解く際も明確な根拠の元で解答できているかどうかを意識するべきです。

電気の専門雑誌もおすすめ

「新電気」などの専門雑誌には、電験三種の「理論」の試験対策方法や様々な専門知識に関する記事が掲載されています

そのため、時々目を通せば良い試験勉強になるでしょう。

また理論以外の科目についての試験対策特集が組まれることもあるため、常に最新号の内容をチェックしておくのがおすすめです。試験勉強の良い息抜きにもなるので、気が向いたら一読してみましょう。

電験三種向けの専門雑誌

電験三種向けの専門雑誌には以下のようなものがあります。

題名 内容 出版社
新電気 電気にまつわる最先端技術を紹介・電験三種の受験解説や直前予想問題を掲載 オーム社
電気と工事 元々は電験三種の指導雑誌として発刊・現在は電験二種対策の情報を豊富に掲載 オーム社
電気計算 電気設備の保安管理に関する情報を掲載・電験三種の受験指導も充実 電気書院

電験三種のおすすめ参考書・テキスト

試験勉強の質を高めるには、質の高い教材を用いることが重要です。以下では電験三種におすすめの参考書や過去問集を紹介します。

参考書はみんなが欲しかったシリーズ

参考書は「みんなが欲しかった!」シリーズを用いると良いでしょう。教科書と問題集がセットになっているため、一冊で十分な学習ができます。

初心者や独学者に向けて書かれているため、解説が非常に丁寧でわかりやすいことが魅力です。

4科目それぞれに対応したテキストが販売されているため、効率よく知識を習得するには全て同シリーズで学ぶのが良いでしょう。

過去問集は10年分以上は欲しい

電験三種の試験では過去問からの流用は少ないものの、試験形式に慣れるという意味では、やはり過去問演習は重要です。

十分な演習量を確保するためにも、過去問集は10年分以上の問題が収録されているものを使うのが良いでしょう。

例えば上記の参考書と同じシリーズの「みんなが欲しかった! 電験三種の10年過去問題集」がおすすめです。十分なボリュームがあるので、出題傾向の分析にはとても役立つでしょう。

通信講座なら効率よく勉強できる

電験は電気に関する資格試験の中では最も難しく、独学では行き詰まってしまうという方が多いのも事実です。そのため、時間や場所を問わず効率よく学習することが可能な通信講座を利用することもおすすめです。

特にユーキャンの電験三種対策講座は6冊のメインテキストでしっかり基礎から学習できるだけでなく、講師の添削問題も受けられるため、独学よりも格段に効率的に合格を目指すことができます

ユーキャンの講座は69,000円(税込)という受講価格で、試験対策を効率的に行い最短で合格を目指せるため、コスパもよいといえるでしょう。

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電験三種の科目別勉強法

笑顔の女性 ここからは電験三種の勉強法を科目別に紹介します。

科目ごとに注意するべきポイントが異なるということを意識するだけでさらに的確な学習スケジュールを立てることが可能になります。

「理論」は基礎知識の定着が必須

先述した通り、理論は他の3科目の基礎となる重要科目です。そのため、特に力を入れて取り組むのが良いでしょう。

理論の出題範囲は広く、覚えるべき公式も多様です。よって難易度は若干高めと言えるでしょう。

まずは直流回路と交流回路・電磁力・静電気などの基本知識をきちんと押さえるのがおすすめです。その後は問題演習を繰り返し、基礎的知識の応用力を磨きましょう。

暗記事項も多い理論ですが、実際の出題では計算問題が大半になります。なので得点能力を高めるには十分な問題演習が欠かせません。

「電力」は発電方法ごとに理解しよう

電力では発電・送電・配電に関する問題が大半を占めます。そのため、実務経験がある者にとっては比較的対策しやすい科目と言えるでしょう。

一方で、実務経験がない初心者なら、それぞれの仕組みや設備を一から理解しないといけないため、対策にはそれなりの時間が必要になります。初学者の場合はインプットにより多くの時間をかけると良いでしょう。

また、電力に関しては例年出題傾向が似通っているので、過去問演習も十分に行い、その傾向を把握しておくのがおすすめです。

「機械」は主要4機械の理解を優先

機械は電験三種の中でも出題範囲が広く、暗記事項が多い科目です。実務でよく用いられる機械に関する問題が多いため、この科目も実務経験者に有利と言えるでしょう。

一方で、初学者の場合は「電力」同様、インプットに多く時間を割かなければいけません。

特に直流機・変圧器・誘導機・同期機の4つは重要なので、真っ先に勉強すると良いでしょう。それらだけで問題の大半を占めるので、「四機」を万全にしておけば大きく科目合格に近づきます。

「法規」は法律や設置基準を暗記しよう

法規には、電気事業法や電気工事法をはじめ、電気設備の設置基準や電気施設管理に関する知識など、暗記すべき事柄が実にたくさんあります。

そのため、まずはそれらの暗記を優先して行うと良いでしょう。なお、試験では法規で定められた具体的な数値に関する問題も出題されるため、暗記学習はアバウトではなく、ある程度綿密に行うのがおすすめです

また暗記学習だけでなく、十分な問題演習もこなす必要があります。計算問題や正誤判定問題・穴埋め問題など、問題の形式も豊富なので演習を繰り返して柔軟な対応力を身につけなければいけません。

電験三種合格までの勉強時間

赤青の背景に時計 続いては、電験三種合格までにどのくらいの勉強時間が必要なのかについて解説します。

合格までの勉強時間は1,000時間

先述したように科目別合格の制度を利用して数年越しの合格を目指すなら、必要な勉強時間は1,000時間程度と言われています。

毎日3時間勉強したとしても340日ほどかかる計算になるため、多忙な社会人が合格を目指す場合は、相当の年月がかかることを覚悟した方が良いでしょう。

またダラダラ勉強していれば、いつまで経っても合格できないので、学習スケジュールや通信講座の利用も視野に入れて勉強法を工夫するなどして、試験対策の効率化に取り組まなければいけません。

勉強期間は3年

電験三種を一発合格する人は珍しく、科目合格を積み重ねて合格を目指すのが一般的です。

ただし、科目合格による免除が適用されるのは翌年と翌々年だけなので、少なくとも1回の試験で1、2科目には合格しなければいけません

順調なペースで合格していけば、3年で資格を取得することができるでしょう。それ以降になると科目別合格の期限が切れてしまうので、合格するのが難しくなってしまいます。

そのため、しっかり勉強して3年以内に合格することを目指すべきです。

初心者はより長い勉強時間が必要

電験三種の受験者は、電気工事士としての実務経験を有するものなど、ある程度の事前知識を持っている者が多いです。

それでも10人に9人は不合格となるため、かなり難しい試験と言えるでしょう。

なお、上記で解説した1,000時間という勉強時間はあくまで平均的な数値なので、受験者の状況によってはさらなる勉強が必要になる場合もあります。

実務経験のない初心者の場合は1,000時間では不十分なことが予想されるので、1,500時間を目安に勉強すると良いでしょう。

電験三種の独学はおすすめ?

畑を歩く男性 電験三種に独学で合格しようと考えている方もいるでしょう。そうした方は以下の内容を参考にしてください。

電験三種の独学は難易度が非常に高い

電験三種は合格率10%未満の難関試験です。ちなみに難易度が高い理由としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 内容が高度に専門的である上に出題範囲が広い
  • 1,000時間という長期の学習が必要
  • 過去問からの出題が少ない

電験三種は内容が専門的である上に出題範囲が広いので、1年で合格することはまず無理です。3年程度の時間をかけて合格を目指すことになるので、その過酷さに挫折してしまう受験者もいます

また過去問からの出題が少ないことから、解法の暗記だけでは乗り切れず、より本質的な理解が必要です。そのため、対策も難しいと言えるでしょう。

よって、電験三種の独学での合格は不可能ではないものの、かなり険しい道のりになることは確かです。

電験三種の独学合格が難しい理由

電験三種の独学合格は、以下のような点で難しいと言えるでしょう。

勉強モチベーションが維持できない

ここまで解説してきた通り、電験三種に合格するには1,000時間という膨大な勉強時間が必要です。

学習が長期に及ぶことは避けられないため、独学ではモチベーションの維持が課題になります。1年程度ならともかく、3年も高いモチベーションを維持するのは至難の技といえるでしょう

また独学では質問できる相手がいないのが普通なので、疑問点の解消も困難です。このことが学習意欲を下げる原因になることもあります。

試験傾向の把握が無意味になる場合も

電験三種では過去問と同様の問題は出題されないため、折角過去問演習などで試験の傾向や出題形式を把握したとしても、それが水の泡になる可能性もあるのです。

そのため安定的に得点するには、本質的な内容理解と応用力が必要になります。しかし、独学でそれらを身に付けるのは簡単なことではありません。

特に初学者の場合は、テキストを理解するだけでも苦労する可能性もあるのです。

学習スケジュール通りの勉強ができない

独学での試験対策を成功させるには、はじめに学習スケジュールを立て、それに沿って計画的に学習を継続する必要があります。

しかし、これは非常に困難です。電験三種の試験勉強は長期間に及ぶため、途中で挫折してしまう人も少なくありません。

また学習スケジュールを立てないで学習を進めてしまう者もいます。しかし、学習スケジュールがないと学習状況をコントロールするのが難しいので、結果的に準備不足を招いてしまう場合も多いです。

そもそも内容が理解できない場合も

テキスト学習を中心とした孤独な学習では、そもそも電験三種の専門的な内容を理解できないという場合も多いです。

試験対策のプロである講師の授業が受けられたり、疑問点をすぐに解消できる環境にある方が学習効果が高いのは明らかでしょう。

電験三種不合格になる人の勉強法

本を読む少年 ここからは電験三種に不合格になる人がやりがちな勉強法を紹介します。以下の内容を反面教師としてお役立てください。

「理論」の復習不足

「理論」の勉強が不十分なために、基礎知識がきちんと習得できず、他の科目の勉強が捗らないというケースは多いです。

先述した通り、「理論」は他の3科目の基礎を作る重要な科目なので、特に力を入れて勉強しなければいけません。一度勉強を完了した後も、定期的に復習をするべきです。

勉強時間でいうなら、1,000時間のうち350〜400時間程度は「理論」の対策にあてるのが良いでしょう。

過去問の暗記をしてしまっている

上記でも解説した通り、電験三種の特徴は過去問と同様の問題が出題されないということです。

そのため、かなり難易度が高い試験なのですが、一部にはそのことを理解せず、過去問の解答を暗記して試験に臨む者もいます。しかし、それでは良い結果は期待できません。

合格するには解答のプロセスを含めた本質的な理解が必要になります。試験勉強の際は間違った理由を考えるなどして、どんな問題にも対応できる柔軟性を身につけなければいけません。

暗記ばかりで応用ができていない

電験三種に合格するには、基本的な知識をどのように組み合わせるかという応用力が必要になります。

不合格者の中には解き方を丸暗記して試験に臨む者がいますが、それでは初見の問題には対応できません。

なお、応用力を身に付けるには十分な演習量が必要です。過去問演習だけでは不安な場合は、追加で問題集を購入するのも良いでしょう。

電験三種の勉強法についてまとめ

電験三種の勉強法についてまとめ

  • 初心者なら1,500時間の勉強が必要
  • 350〜400時間程度は「理論」の勉強に費やすべき
  • 独学は厳しいので通信講座を活用するのがおすすめ

電験三種の勉強法について解説しました。

電験三種の勉強は、全ての科目の基礎となる「理論」から始めるのがおすすめです。

電験三種に合格するには1,000時間程度の勉強が必要になりますが、そのうち350〜400時間程度は理論の対策に費やすと良いでしょう。

また、電験三種では過去問と同様の問題が出題されることはまずないので、より本質的な理解が必要になります。解答プロセスを理解することを意識して、柔軟な対応力を身につけましょう。

なお、独学合格は厳しいので通信講座の活用がおすすめです。

以上を内容を参考に、ご自身の勉強法を必要に応じて見直し、電気主任技術者試験合格を目指してください。

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