衛生管理者の資格取得に必要な勉強時間は?勉強方法や難易度・合格率まで徹底解説!
「衛生管理者試験の合格に必要な勉強時間は?」
「勉強方法は?難易度・合格率はどのくらい?」
こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
衛生管理者試験に合格するには、第二種なら2ヶ月、第一種なら3ヶ月程度の勉強期間が必要です。
今回は衛生管理者試験の勉強時間について、勉強方法や難易度・合格率を含めて解説します。
これを読んで、衛生管理者試験に向けた学習スケジュールを立てるのにお役立て下さい。
衛生管理者試験の勉強時間についてざっくり説明すると
- 第二種は60時間・第一種なら100時間必要
- 勉強方法としては通信講座の利用がおすすめ
- 合格率は第二種が50%以上・第一種が45%程度
このページにはプロモーションが含まれています
衛生管理者合格に必要な勉強時間は?
衛生管理者には第一種と第二種があり、第一種の方が難易度の高い試験です。そのため、第一種の方が長い勉強時間を要します。
一般的に合格までに必要な勉強時間は、第一種が100時間、第二種が60時間と言われています。
難易度の高い第一種でも数ヶ月の勉強期間で取得できるため、1年以上勉強しなければならない難関国家資格と比べると取得しやすい資格と言えるでしょう。
ただし、上記の勉強時間はあくまで目安であり、実際にはもう少し長い時間が必要な場合もあれば、短期間で合格できることもあります。
また勉強内容や対策法、学習スケジュールなどをいかに工夫するかも重要です。
初学者の場合は、勉強期間を長めに設けて、余裕のある対策を行うのが良いでしょう。
衛生管理者合格までに要する学習期間
衛生管理者の試験は一年を通して頻繁に実施されるので、勉強を開始する時期はそれほど意識しなくても良いでしょう。
試験日をまず決めて、そこから逆算して学習スケジュールを立てるべきです。必要な学習期間に関しては以下を参考にしてください。
第一種は試験の3ヶ月以上前に始めよう
第一種試験を受験する場合は、およそ100時間程度勉強すれば合格できる可能性が高いでしょう。
よって1日平均1時間勉強するとして100日間、つまり3ヶ月強の学習期間が必要になります。
3ヶ月以上勉強するのは長過ぎると感じる方もいるはずですが、働きながら勉強すると予想以上に捗らないこともあるため、余裕を持った設定にしておくべきです。
第二種は2ヶ月前からで問題ない
一方で第二種試験の場合は60時間程度の勉強が必要と言われています。
そのため、1日1時間勉強するなら、2ヶ月程度の学習期間を設けておくのがおすすめです。
第二種は第一種よりも難易度が低いため、試験日の2ヶ月前から勉強し始めれば十分ですが、間に合うか不安な場合はもう少し早めに始めると良いでしょう。
紹介する勉強期間はあくまで目安
100時間や60時間というのはあくまで一般的な水準であり、それぞれの事前知識や学力などによって必要な勉強時間は増減します。
特に第二種を取得して第一種に進む場合は、すでにある程度の基礎知識は身に付いていると考えられます。
その場合は100時間も必要ないことが多いでしょう。一方で全く予備知識がないところから独学で合格を目指すなら、3ヶ月では足りない可能性もあります。
衛生管理者試験の内容と難易度
ここからは、第一種・第二種衛生管理者試験の内容や難易度について詳しく解説します。
第一種と第二種の試験内容は?
第一種と第二種では対応できる業種が異なるため、出題範囲も違います。
第一種の方が広範囲の業務に携われるため、出題内容は高度で、合格率も低いです。
第一種の出題範囲と合格率
第一種衛生管理者の試験範囲・出題数・配点は以下の通りです。
試験範囲 | 出題数(問) | 配点(点) |
---|---|---|
労働衛生・有害業務に関して | 10問 | 80点 |
労働衛生・有害業務以外 | 7問 | 70点 |
関係法令・有害業務に関して | 10問 | 80点 |
関係法令・有害業務以外 | 7問 | 70点 |
労働生理 | 10問 | 100点 |
また第一種の過去5年間の平均合格率は45%程度です。偏差値が49であることを見ても、そこまで難易度が高い試験ではありません。
ちなみに過去5年間の第一種衛生管理者試験の合格率は以下の通りです。
年度 | 合格率 |
---|---|
令和3年 | 42.7% |
令和2年 | 43.8% |
令和元年 | 46.8% |
平成30年 | 44.2% |
平成29年 | 45% |
第二種の出題範囲と合格率
一方で第二種衛生管理者の試験範囲・出題数・配点は以下の通りです。
試験範囲 | 出題数(問) | 配点(点) |
---|---|---|
労働衛生・有害業務以外 | 10問 | 100点 |
関係法令・有害業務以外 | 10問 | 100点 |
労働生理 | 10問 | 100点 |
第二種の合格率は例年50%を超えています。偏差値は45で、第一種以上に簡単な試験であると言えるでしょう。
なお、過去5年間における第二種衛生管理者試験の合格率は以下の通りです。
年度 | 合格率 |
---|---|
令和3年 | 49.7% |
令和2年 | 52.8% |
令和元年 | 55.2% |
平成30年 | 52.4% |
平成29年 | 54.9% |
難易度が上昇している点に注意
衛生管理者試験は決して難易度の高い試験ではありませんが、近年は第一種・第二種共に合格率の低下が目立ちます。
そのため、今後は少し難易度が高くなる場合もあるため、入念な対策が必要です。難易度の上昇具合によっては、上記で解説した以上の学習期間が必要になる可能性もあります。
参考までに以下のデータをご覧ください。
試験 | 平成26年度の合格率 | 令和3年度の合格率 | 下落幅 |
---|---|---|---|
第一種試験 | 56.3% | 42.7% | -13.6ポイント |
第二種試験 | 66.0% | 49.7% | -16.3ポイント |
上記を見ると、どちらの試験においても過去7年間で10ポイント程度合格率が低下していることが分かります。
これ以上難易度が高くなる可能性もあるので、早めに取得しておいた方が良いとも言えるでしょう。
一発合格率はより一層低い
衛生管理者試験は、何度か挑戦して合格する人が多いです。その証拠に、初回受験時の合格率は、第一種で約20%、第二種で35%以下と言われています。
そのため、初めて衛生管理者試験に挑戦する場合は、見かけの合格率以上に難しい試験であると思って勉強するのが良いでしょう。
合格率が低下している要因
以下は過去5年間の衛生管理者試験における受験者数と合格者数のデータです。
- 第一種試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|
令和3年 | 68,210人 | 29,113人 |
令和2年 | 43,157人 | 18,916人 |
令和元年 | 68,498人 | 32,026人 |
平成30年 | 67,080人 | 29,631人 |
平成29年 | 65,821人 | 29,636人 |
- 第二種試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|
令和3年 | 36,057人 | 17,922人 |
令和2年 | 22,220人 | 11,729人 |
令和元年 | 33,559人 | 18,511人 |
平成30年 | 32,985人 | 17,271人 |
平成29年 | 31,537人 | 17,302人 |
上記を見ると、第一種・第二種共に受験者数は増加傾向にあることが分かります。しかし、合格者数は過去5年間でそれほど増加していません。
また合格基準は過去5年間で一定です。
よって、近年の衛生管理者試験では、合格者数を一定にするために、試験問題の難易度調整が行われていると考えられます。
しかし、令和元年度の試験では合格者数・合格率ともに上昇したので、改元をきっかけに合格率低下に終止符が打たれる可能性もあります。
短期間で一発合格を目指す勉強方法
衛生管理者試験に一発で合格したいという場合は、以下の勉強方法を参考にしてください。
まずは学習スケジュールを設定
独学で勉強する場合は、まず学習スケジュールを立てましょう。衛生管理者試験の勉強方法はインプットとアウトプットが基本なので、スケジュールではその時間配分を決定します。
具体的にはインプットとアウトプットを「7:3」の割合で行えるように、時間配分を行いましょう。
またインプットはアウトプットと並行しても行えるため、少なくとも試験の1ヶ月前には過去問を用いたアウトプット作業を始めるべきです。
直近の試験日程を確認
令和5年度の第一種・第二種衛生管理者試験の日程は以下の通りです。学習スケジュールを立てる上での参考にしてください。
令和5年 | 北海道 | 東北 | 関東 | 中部 | 近畿 | 中国四国 | 九州 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
6月 | 16 | 7・23 | 2・7・16・23 | 2・16・23 | 2・7・16・23 | 2・23 | 2・23 |
7月 | 7・28 | 7・15・28 | 7・13・15・22・28 | 7・13・15・22・28 | 7・15・22・28 | 7 | 15 |
8月 | 17 | 5・17・25 | 5・17・24・25・28 | 5・17・25 | 5・17・25 | 5・25 | 5・25 |
9月 | 1・27 | 1・8・24 | 1・8・10・16・18・24 | 1・8・16・18・24 | 8・10・16・18・24・27 | 10・16 | 1・8・24 |
10月 | 22 | 9・13・22・27 | 9・13・21・22・27 | 9・13・22・27 | 13・22・27 | 9・13・27 | 9・13・27 |
11月 | 12 | 5・18 | 5・12・18 | 5・12・18 | 5・12・18 | 18 | 18 |
12月 | 1・15 | 1・15・21 | 1・6・10・15・21 | 1・10・15・21 | 1・6・10・15 | 1・15 | 1・15 |
なお、試験日は追加される可能性があります。上記は令和4年12月21日更新分です。
間違えた・悩んだ問題にチェック
問題集や過去問はある程度の分量があるため、2周目以降は解く問題を限定していくのが良いでしょう。
そのため、つまづいた問題のあるページの端を折ったり、問題番号に○X△の印をつけることなどがおすすめです。
チェックした問題を重点的に解き直せば、自らの弱点を克服できるため、得点力アップに繋がるでしょう。
参考書と問題集を何周もする
通信講座などの授業で予め試験内容を学ぶ場合は、テキストを一読するだけでもかなりの理解が可能ですが、独学ではそうはいきません。
市販のテキストで内容を一から理解しなければならないので、何度も繰り返し読むことが重要です。初めはあまり理解できなくても良いので、とにかく反復することを意識しましょう。
参考書を何度も読む込んだりせず、効率よく合格を目指したいという場合は、通信講座を利用するのがおすすめです。
おすすめテキストで合格を目指す
衛生管理者の勉強を始める際に、おすすめのテキストを使って勉強を開始することをおすすめします。
おすすめのテキストは、内容がわかりやすいだけでなく、テキスト構成や図表を使った説目のサポートなど幅広いサポートがなされています。
資格Timesでは、衛生管理者のおすすめテキストとして「この一冊で合格!村中一英の第一種・第二種衛生管理者テキスト&問題集」をおすすめします。
このテキストは、インプットした知識を1問1答形式で確認することを通して、理解度を確認する学習スタイルを採用しています。
これにより、知識を身につけたつもりにならず、テストを通して着実に知識を身につけることができます。
また、難しい内容の法律を図をふんだんに用いて解説してあるのもおすすめポイントです。
これにより、法律の核となる内容を中心に理解を深めることができるでしょう。
過去問の反復が合否を決める
参考書の読み込みである程度の知識を習得したら、早速問題集や過去問で演習を行いましょう。
衛生管理者試験に関しては、過去問は1年分ずつ解くのではなく、科目ごとに解くのがおすすめです。
何度も反復して問題を解けば、頻出範囲や出題傾向などが感覚的に分かるようになるため、できるだけ多くの演習量をこなすようにしましょう。
解説を何度も読んで得点アップ
問題集や過去問は「解きっぱなし」ではなく、間違えた問題を中心に解答をよく読み込むべきです。
また不安な箇所に関してはテキストに戻って入念に復習するようにしましょう。適宜インプットをし直すことによって、試験に必要な知識だけを効率よく習得することが可能です。
衛生管理者試験対策講座を利用する
独学での勉強が不安な場合は、衛生管理者試験対策講座を利用するのも良いでしょう。
対策講座を利用すれば、2日間程度の短期間で合格に必要な知識を習得することができます。そのため、多忙な社会人にもおすすめです。
また対策講座を利用すれば、合格できる確率も上がります。例えば、公益社団法人労務管理教育管理センターで講座を受講した受験生の合格率は80.4%(2019年度)です。
以下のような対策講座が開講されているので、試験勉強に活用して下さい。
講座名 | 主催団体 | 費用 | 会場 |
---|---|---|---|
衛生管理者試験対策講座 | 労務管理教育管理センター | 会員:20,300円 一般:25,400円 | 東京 |
衛生管理者講座 2日間コース | 株式会社ウェルネット | 第1種:25,500円 第2種:23,500円 | 北海道・宮城・茨城・埼玉・千葉・東京・神奈川・石川・大阪・広島・山口・福岡 |
スキマ時間を使って学習を習慣化
働きながら衛生管理者の取得を目指す場合は、スキマ時間を有効利用することが重要です。
アプリで勉強時間の管理ができる
独学で合格を目指すなら、「Studyplus」などの学習管理アプリを利用するのがおすすめです。
こうしたアプリで勉強時間を管理しておけば、試験勉強の進捗を適宜客観視することができます。自分でノルマを立てるなどすれば、勉強が継続しやすくなるでしょう。
また「クイズ衛生管理者」などのアプリを利用すれば、スマホを使って問題演習が行えます。通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を利用して勉強できるので、多忙な社会人にはおすすめです。
通信講座で効率的に学ぼう
試験内容を効率的に学ぶなら、通信講座の活用がおすすめです。
図表を豊富に用いたテキストや、すぐに疑問を解消できるサポート体制が整っているので、難しい内容もすらすら学ぶことができるでしょう。
資格Timesでは、通信講座を受講する際には、アガルートの講座をおすすめします。
アガルートを受講することで明快で分かりやすい講義をスマホでいつでも受けられるので、ちょっとした隙間時間も生かして知識を蓄えることができます。
また、講座費用も極めてリーズナブルなので、独学で勉強するのとさほど変わらぬ出費で受講できるのも魅力です。
ぜひ一度アガルートの衛生管理者講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか?
衛生管理者試験の勉強時間についてまとめ
衛生管理者試験の勉強時間についてまとめ
- 第一種は3ヶ月前・第二種は2ヶ月前から対策を始める
- 第一種でも偏差値49なので難易度は易しめ
- 近年は合格率が低下しているので注意
衛生管理者試験の勉強時間について解説しました。
衛生管理者試験に合格するには、第一種で100時間、第二種で60時間程度の勉強が必要と言われています。よって第一種は3ヶ月前、第二種は2ヶ月前頃から対策を始めましょう。
なお、上位資格である第一種でも合格率45%・偏差値49程度なので、難易度はそれほど高くありません。しかし、近年は合格率が低下傾向にあるため注意が必要です。
独学の勉強方法としては参考書と問題集・過去問の反復が有効になります。効率よく対策を行いたいという場合は、通信講座の利用もおすすめです。
是非試験の合格を目指してみてください!