社会福祉士の本音は?仕事の大変さや将来性・今後の年収についても徹底調査!
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「社会福祉士として勤めている人の本音が聞きたい!」
「社会福祉士は仕事がないって本当?」
このような疑問や不安をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
社会福祉士は困っている人たちに寄り添い様々なサポートをしており、大きなやりがいがあります。
しかし、一部では「仕事がない」といった声もあります。
こちらの記事では、社会福祉士の将来性や実際に働いている人の本音、また「仕事がない」という意見の真相などについて解説していきます!
社会福祉士の大変さや本音などについてざっくり説明すると
- ストレスを感じやすく、離職してしまう人が多い
- 関係各所と連携しなければならず、忙しい
- 仕事内容は多岐に渡る
- 社会的な必要性は高く、やりがいは大きい
社会福祉士の本音
離職してしまう人が多い
医療施設で働いている社会福祉士の方から、「離職してしまう方が多い」という本音が多く聞かれます。
医療の現場にいると、介護福祉士や看護師の資格を持っていないと自身が役に立っている実感を感じづらいです。
また、看護師の方が専門的な医療の知識を持っているせいか、「社会福祉士が必要とされていない」という感情を抱く人も多いです。
社会福祉士は相談することが主な仕事なので、医療現場では自分のスキルを活かす場面が少なく無力さを感じてしまう可能性は高いです。
特に、仕事に対して誇りを持っている人ほどこのような状況に陥りやすいと言えます。
社会福祉士が職場に一人
グループホームで働いている社会福祉士からは「職場に社会福祉士が一人しかしない」という本音もよく聞こえます。
また、社会福祉士が世話人を兼務している場合は管理業務がほぼできません。
社会福祉士は1箇所の職場に何人もいるわけではないので、通常の管理業務ができないことに加えて悩みを共感してくれる人がいないため、ストレスは溜まりがちです。
自立ができにくい環境
児童養護施設で働いている方からは、「子どもがなかなか自立できない」という本音が聞かれます。
「残業しても勤怠管理の都合上、サービス残業になってしまう」という職場もあり、待遇の面で不満を抱えている方も多いです。
実際の現場では過保護な職員も多く、子どもの自立を支援するための施設であるはずなのに自立から遠のいてしまうという、本末転倒な事態になってしまっているのです。
社会福祉士が感じているやりがい
社会福祉士の仕事は必要性が高く、やりがいも大きいです。
様々な利用者と接することで多様な価値観に気付く
社会福祉士のやりがいは、自分が対応した人が自立したり、感謝の言葉をもらえたときに感じることができるでしょう。
社会福祉士は相談者と長期に渡って信頼関係を築いていくため、関わった人がより良い生活を送れている時には、大きな達成感を感じることができるでしょう。
社会福祉士の仕事は高齢者や障害者など社会的弱者に関わることが多く、困っている人たちをサポートする存在として感謝されることが多いです。
実際の業務はつらいことが多々ありますが、相談者から感謝の言葉をもらえたときは「頑張ってよかった」と感じることができるはずです。
主体的に働けるやりがいも
社会福祉士はそれぞれの置かれている環境の中でベストな方法を考え、やり方を変えていく必要があります。
言葉では簡単でも実際に行うのは難しいもので、時には失敗してしまう事もあります。
しかし、工夫に工夫を重ねてやり方を考え、何事も主体的に取り組むことができる仕事なので、つらい反面やりがいも大きく魅力的な仕事でもあるのです。
色んな職種の人と仕事ができる
社会福祉士の大半の業務は資格を持っていない人でも行うことができますが、無資格者より有資格者の方が信頼されるのは当然です。
実際の仕事はケアマネジャーや医者・看護士・介護福祉士といった有資格者と協力する機会が多くありますが、こちらも有資格者であることで高い見識を持っていることが証明でき、同等の立場として評価されやすいです。
そのため、独占業務は無くても社会福祉士という肩書を名乗ることができるのは非常に重要なポイントなのです。
社会福祉士の主な仕事内容
カウンセリングではニーズを明確に
サービス利用者との面談では、ニーズを明確にすることが重要です。
その面談での話し合いが困難な精神状態にある方は、特別な対応として個別に「カウンセリング」を行うケースがあります。
このような場合は社会福祉士だけで対応することは困難であるため、精神面のケアのプロフェッショナルである精神科医やカウンセラーなどと協力して行うことになります。
電話相談で問題解決をアシスト
実際に会って面談をするだけでなく、電話による相談でサポートをするケースもあります。
具体的には、悩みや問題を抱えているものの面談までは必要ないケースです。
このような場合は日常の困っていることや求めていることを電話で聴取して、今後の方針やニーズを確認し、対処や調整を行っていくことになります。
関連機関へ連絡・必要な対処も
相談者がすべて一人で行政機関で手続きすることは困難です。
そこで、相談者のニーズに合わせて必要な援助を行い、関係者への連絡調整を行うことも社会福祉士の大切な仕事です。
例えば、医療的ニーズの必要な方であれば病院に連絡して必要な対処を依頼したり、通院に付き添いが必要であれば送迎の手配などが挙げられます。
書類作成は代行契約まで
役所などに提出する書類を利用者に代わって作成したり提出することもあり、具体的には以下のような書類の作成提出を行います。
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利用者や患者の情報記録
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面談の記録
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会議報告書
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サービスプラン書
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行政への提出書類
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病院への提出書類
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意見書
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契約書類記入
このように扱う書類は多岐に渡り、社会福祉士の仕事の幅の広さが分かります。
会議によってサービスの向上に貢献
企業内の連絡会や報告会議などに参加して情報共有を行うこともあり、ケアカンファレンスへの参加などが挙げられます。
ケアカンファレンスとは、利用者にとって最適なケアプランを作成する際に医療関係者、サービス事業者、利用者本人が集まりどのような介護サービスを提供するかを検討する会議です。
このような利用者の必要なサービスについて話し合う会議に社会福祉士も参加し、サービスの見直しを行うことも大切な仕事です。
介護業務では直接的援助も
社会福祉士は介護の現場でも活躍しています。
高齢者や障害者の施設などで働く場合は、介護の人材が不足していることが多いため社会福祉士が直接的な援助を行うことが多くあります。
社会福祉士が実際に行う介護業務は手伝い程度の場合もあったり、支援員という立場を兼務して本格的に行う場合もあります。
後見人業務も増加傾向に
高齢化の進展に伴って後見人業務を行う社会福祉士も増えています。
実際に社会福祉士が後見人として認められる事例が多くなってきており、後見人になることで被後見人の財産管理などを行うことになります。
また、年に1回~数回は家庭裁判所へ状況報告する義務が課されるため、後見人制度の信頼を守るためにも社会福祉士は大切な役割を果たしています。
トラブル解決・権利擁護も大きな仕事
トラブルの解決など、社会福祉士は突発的なニーズに対応しなければならない場合も多くあります。
例えば、「家に柵をつけてほしい」と高齢者から相談を受けた場合は、リフォーム業者などに連絡して打ち合わせに立ち会うこともあります。
また、例えば利用者が公共交通機関に乗せてもらえない事案が発生したら、場合によっては差別事項や人権侵害にあたるなど、権利の擁護なども行うことになります。
講習会・研修会でスキルアップを
社会福祉士は、他事業所へ行って利用者との関係づくりの方法、サービス改善のコンサルティングなどを行うことがあります。
このような講習会や研修会を通して地域住民へ理解を広め、福祉の重要性を説いているのです。
また、資格取得やスキルアップのための研修を開いたり、社会福祉士自身のスキルアップを図るために研修会に出席することも大切な業務です。
企画で利用者のコミュティを援助
地域住民と利用者が交流できるように、社会福祉士と介護職員が協力してイベントを企画することもあります。
交流の目的だけでなく、グループ援助やコミュニティ援助の一環として行う場合もあります。
特に高齢者がコミュニティに参加することは様々な面でメリットがあるため、非常に重要度が高い仕事と言えるでしょう。
スーパーバイズで相互にアドバイス
スーパーバイズとは、後輩の社会福祉士や同様の仕事をしている職員の悩み・問題を聞きアドバイスをすることです。
また、自分自身も先輩やスーパーバイザーの方に相談してもらったりアドバイスを貰ったりすることがあります。
社会福祉士は「利用者本位を目指す」という立場上、職場の理念や価値観と対立することがあり得ます。
そこで、会社内で上司と相談するよりも社会福祉士同士で話し合った方が問題が解決するケースが多く、建設的なのです。
コーディネートではフォローアップを
現場で仕事を手伝ってくれるボランティアが来る場合は、業務伝達やフォローアップを行う必要があります。
このようなコーディネートの場では、福祉実習の実習生や見学者などにも社会福祉士が対応することが多くあります。
実際の社会福祉士の仕事を知ってもらうためにも、重要な機会と言えるでしょう。
社会福祉士の育成をすることも
職場内外部を問わず、社会福祉士の後継者を育成することも大切な仕事です。
資格手当の拡充を図ったり、勉強会を開催したりして仕事のモチベーションやスキルの向上を図っているのです。
このように、社会福祉士の育成と同時に社会福祉士の認知度の向上や労働環境の改善を図り、社会福祉士の地位の向上を目指しています。
面談は様々な場所で
社会福祉士の相談業務は様々な場所で行っており、
児童相談所であれば児童やその家族と行うことになります。
また、相談者が社会福祉士のいる施設や事務所に来ることもあり、逆に社会福祉士が家庭訪問して相談を行う場合もあります。
高齢者や障害者施設であれば利用者と、病院なら患者となど、各場所でニーズのある人と面談を行い問題やニーズについて話し合っています。
その上で、聞き取った情報から必要な援助の内容を把握したり、ケアプランやサービスプランの作成に役立てています。
社会福祉士の仕事の大変さ
社会福祉士は困っている人に寄り添いながら仕事をしていくため、人との距離が近い仕事です。
そのため、相手から急な相談を受けることがあったり気を遣いながら話をする必要があり、自分自身が精神面にも肉体的にも疲弊してしまうことが多いです。
相手も人間なので、時には信頼関係を築くことはなかなか難しいケースがある点も社会福祉士のつらい面です。
また、「困っている人を助けたい」と思っていても、相談相手の希望が法律上許容できず十分な支援ができないこともあり得ます。
このような実務上の問題を抱えている社会福祉士の本音は多く聞かれており、相談者や地方自治体によってその後の対応は異なる点に注意しましょう。
この点をまず踏まえた上で、1人1人の相談者に対して適切な対応をし、自分ができることをしっかり行うことが重要です。
高い給料目当ての取得は禁物
社会福祉士の資格を取得しても、福祉の仕事はなかなか給料が高くないのが現実です。
専門性が高い資格でありながら資格手当が支給されないところもあるので、単にお金目当てで社会福祉士の資格を取るのはおすすめできません。
あくまでも仕事に役立たせる目的を持ち、スキルアップすることを取得のモチベーションにしましょう。
資格の有無で業務内容は変わらない
社会福祉士の仕事の多くは、資格がなくても行うことができます。
しかし、MSWという病院のソーシャルワーカーや行政の福祉職員の採用は、社会福祉士の資格を取得していることが条件であることが多いです。
とはいえ、資格の有無に関係なく仕事はしなければならず、資格を取得してるからといって特別な仕事を任されるわけではありません。
このように、資格の有無で業務内容が変わらない点は社会福祉士のつらい面と言えます。
頑張っても報われないことも多い
社会福祉士の仕事は、思ったように進まず大変に感じる場面が頻繁にあります。
相手の状況や精神状態を把握してベストな支援ができるように努力しても、結果的に上手くいかないこともあり得ます。
自分の努力が報われないことも多々あるため、相手からの感謝の言葉をモチベーションに頑張ろうとしている方は要注意です。
自殺念慮がある方の対応をすることも
社会福祉士として仕事をしている以上、過酷な環境にいたり精神的にとても辛い人達と関わるがあります。
相談者の中には「自殺してしまいたい」「死にたい」という危険な考えを持っている方も多くいるのです。
このような辛い状態から抜け出すためには、双方に相当の努力が求められます。
対応次第で生死が分かれてしまうこともあり、「もし亡くなってしまったらどうしよう」というプレッシャーを感じる場面も実際にあるのです。
社会福祉士は仕事の正解がない
支援の仕事は正解が無く、ルーティン仕事をしたい方には向きません。
逆に、正解がないからこそ相手の話を聞きながらベストを尽くすことにやりがいを感じることができます。
自分のひらめき力や発想力次第で大きな貢献をすることも可能なので、その点を楽しみながら仕事をすると良いでしょう。
突発的な残業はよくある
社会福祉士の仕事は基本的に相手の都合に合わせなければならないため、依頼があれば定時など関係なく残業をして対応しなければなりません。
ある程度の予定を立てて仕事をすることが基本ですが、見通しが立たない仕事もかなりあるため、残業が発生することもザラです。
そのため、柔軟に対応していく必要があり、業務の負担が大きい点もつらい面と言えます。
面談が続くと精神的にはもちろん身体的にも疲れる
福祉職の仕事は相手の話を聞くことが多く、心身ともに疲弊してしまいます。
相手の気持ちの解釈などを少しずつ確認しながら進めていく必要があり、想像以上に気を遣います。
相手の悩みを逐一聞きながらベストな解決策を出すのは容易ではないため、社会福祉士のキャリアが浅いとストレスを感じやすいでしょう。
社会福祉士とケアマネの違い
社会福祉士よりケアマネの年収が高い
一般的に、社会福祉士よりもケアマネの方が年収は高くなる傾向にあります。
ケアマネは介護のプロであり、近年は人材不足もあって待遇が徐々に良くなりつつあるのです。
また、ケアマネ資格に加えて他の福祉系資格を取得するなど付加価値を付けることができれば、年収がさらに上がるケースもあります。
社会福祉士の方が試験の難易度は高い
資格試験の難易度という観点では、ケアマネよりも社会福祉士の方が難しいです。
社会福祉士は試験が難しいことに加えてそもそもの受験資格のハードルが高く、受験資格をクリアするだけで福祉系大学の卒業などが必要となります。
そのため、全体的な難易度は社会福祉士の方が高く「幅広い福祉の専門家」として活躍できます。
仕事内容と質は全然違う
管理職の立場である社会福祉士と、現場でサポートをしていくケアマネでは仕事内容や質がかなり違います。
責任が重いのは社会福祉士であるため、その分やりがいも大きくなります。
介護の現場職として活躍するのがケアマネで、管理職の立場で統率したりするのが社会福祉士の役目、というイメージです。
社会福祉士の方が給料は低い
ケアマネの平均年収は以下のようになっています。
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基礎資格が医療系資格の場合は350~400万
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基礎資格が福祉系資格の場合は300万~350万
ケアマネ資格と相性が良い資格を併せて取得していると、平均よりも高い年収を稼ぐことも可能です。
一方、社会福祉士の年収の平均とは児童養護施設、障害者福祉センター、老人ホームなどで280~400万となっています。
社会福祉の中でも福祉事務所や市役所など、公務員として働くことができれば年収はより高くなりますが、多くの社会福祉士はケアマネよりも低い年収で仕事をしていることが多いのです。
ケアマネで年収を上げるには
ケアマネの年収に影響するのは、具体的に以下のような要因です。
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人的ネットワークをどの程度持っているか
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基礎資格が医療系資格なのか福祉系資格か
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就職する施設の種類や規模はどの程度か
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パソコンスキルはどの程度あるのか
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ケアプラン作成能力があるかどうか
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成年後見制度や医療知識、介護保険の知識があるか
このようなスキルが身に着いているとケアマネとしての評価が上がり、年収を増やすことができます。
ケアマネの年収は年齢でなく経験やこのような付加価値が年収に影響するため、ぜひ積極的にスキルアップを目指すべきです。
社会福祉士の現状と今後
社会福祉士の仕事の年収・月収
社会福祉士の仕事の月収は大卒の場合およそ17万円〜20万円、年収は250万円〜300万円程度です。
短大・専門学校卒の場合はおよそ15万円〜18万円、年収は180万円〜230万円ほどになります。
家庭を養う場合は、大きい病院のMSWか公務員として働くのがおすすめで、より収入を増やしたい場合は独立して自分の事務所を構える選択もアリでしょう。
独立して事業が軌道に乗れば、年収1000万円超えも夢ではありません。
消えない職業であり「仕事がない」は間違い
「仕事がない」という声もある社会福祉士ですが、社会福祉士は様々な時代背景もあり今後も消えない職業です。
活躍できるフィールドは広く、老人ホームや社会福祉施設など多岐に渡ります。
さらに、高齢化の進展に伴って介護の現場でも活躍できるため、将来性も高く需要のある職業だと言えるのです。
社会福祉士は困っている方と密接に関わる、社会的必要性の高い仕事なので「仕事がない」という声は誤りです。
仕事の将来性・安定性
社会福祉士の仕事の将来性と必要性は非常に高く、高齢化社会を迎えている日本では様々な場面で活躍できるでしょう。
病院などの医療現場から地域の社会福祉施設まで幅広い場所で活躍できるため、仕事がなくなることは考えられません。
また、安定的に収入を得ることも可能で、高齢化社会になるにつれて介護を必要とする場面も増えるため、活躍する場面も今後増えていくでしょう。
社会福祉士の大変さや本音などのまとめ
社会福祉士の大変さや本音などのまとめ
- 仕事は大変だが、将来性は高くやりがいも大きい
- 「仕事がない」という噂は誤り
- 後継の社会福祉士の育成なども重要な仕事
- 活躍できるフィールドは広く、魅力たっぷり
社会福祉士は困っている方を相手にする仕事なので、独特の大変さがあります。
ストレスを溜め込まないように気をつけつつ、利用者とうまく付き合っていきましょう。
社会福祉士は将来性が高くやりがいも大きい仕事なので、ぜひ仕事についてしっかりリサーチして多くの人の役に立てるように頑張ってください!