行政書士の「竹尾光弘」は何者?詐欺の手口や対処法を解説
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「行政書士の詐欺事件が発生しているので、事前に手口を知っておきたい」
行政書士を名乗る人物から架空請求のメールが届く事件が発生しています。
「行政書士法」「裁判」「差押さえ」などの言葉に不安になってしまいますが、内容をきちんと見ると架空請求の詐欺メールであることがわかります。
今回は、「行政書士 竹尾光弘」が差出人となっている架空請求メールについて、このメールが詐欺メールであることを詳しく解説していきます。
行政書士を名乗る詐欺事件についてざっくり説明すると
- 「行政書士 竹尾光弘」からのメールは架空請求
- その名前の行政書士は登録されていない
- 登場する会社名と同名の会社は実在するが、事業内容が全く異なる
- 届いたら「無視」するのが鉄則
行政書士「竹尾光弘」とは?
行政書士とは、行政書士法に基づく国家資格で、行政文書の専門家です。役所などの官公署へ提出する書類の作成や、実際に提出を行います。
そんな行政書士の肩書きを利用した詐欺事件が発生しています。
怪しい「債権移行通知」メール
2017年辺りから、「行政書士 竹尾光弘」という差出人名で不特定多数の人間に以下の様な文面で有料コンテンツの未払いなどを請求するメールが届くという事件が発生しています。
債権移行通知 平成29年9月1日
債権譲渡通知会社(運営会社) DTI Service, Inc. (以下「DTI」または「当社」)
通知人 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ株式会社 Strategic Decision Initiative, Inc. 担当行政書士 竹尾光弘
冠省 早速ですが、当職は、債権譲渡通知会社より依頼を受け、行政書士法第1条の3第2項に基づき、本書面を作成しましたので、送付致します。
当社は、貴殿に対し有料コンテンツの未払い金の弁済方法を以下のように定めて貸し渡しました。
すでに相当な期間が経過しているにもかかわらず、貴殿からは未だ全く返済がなされておりませんし、誠意ある回答どころか、居所も明かさず、着信拒否をするなど、現在まで、何らの連絡すらされないままとなっており、当社の善意を踏みにじる、あまりに不誠実な態度であると言わざるを得ず、当社は貴殿に対して、強い憤りを感じております。
有料コンテンツ登録データ、有料コンテンツ使用のデータ等、証拠はすべて揃っております。
つきましては、今般、当社は貴殿に対し、本書面を以て、以下のとおり申し入れ致します。
【要求】
1.有料コンテンツ運営会社に対しての未払い金を、本書面到着後3日間以内に支払い請求を通知致します。
2.期日の猶予を希望する場合には具体的な返済可能日を文書にて回答下さい。
3.本件が解決するまでの間、回答や連絡事項はすべて書面のみといただき、電話・メール、手紙、訪問、その他、方法の如何を問わず、直接の折衝はご容赦ください。
なお、もしも弁済意思があり、分割払いを希望されるという場合には、新たに連帯保証人を用意され、公正証書を作成する、などの適切な保全措置を講じることを条件として、検討する用意があることを付記します。
ただし、上記期間内に送金がなされず、何らの誠意ある回答も頂けない場合には、弁護士に一任の上、訴訟や仮差押え、その他の法的手続きに移行する覚悟でおります。
また、訴訟の場合には、別途、遅延損害金や訴訟費用等も付加されることになりますので、ご承知おきください。 早々
※こちらの通知内容に見覚えがない、現状こちらの有料コンテンツのご利用がない方、今後ご利用をされない方、有料コンテンツの登録はしたけれど実際にご利用がない方は会員削除申請を運営会社に提出及び和解申し立て、交渉いただくよう協力致しますのでお早めにご連絡ください。
以上
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お問い合わせ
ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ株式会社 Strategic Decision Initiative, Inc. 担当行政書士 竹尾光弘
電話番号 03-6907-2741
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このような内容のメールが届いた際には、内容を鵜呑みにするのではなく、必ずおかしいと疑うことが必要なのです。
担当行政書士「竹尾光弘」の正体
メールの差出人である、担当行政書士の「竹尾光弘」なる人物の正体ですが、架空の人物であると推測されます。
行政書士は基本的には、行政書士法第6条に基づいて日本行政書士連合会の持つ行政書士名簿に名前が登録されています。
さらに、名簿に載っていない人物が「行政書士」の肩書きを名乗ることは行政書士法違反となります。
このメールの差出人である「行政書士 竹尾光弘」は、行政書士連合のHPで調べてみても名前が掲載されていない、つまり登録がされていないため、架空の人物であると推測できるのです。
怪しいメールが詐欺である理由
「竹尾光弘」が架空の人物であると推測されることからも、この怪しいメールが架空請求であると言えますが、その他にも詐欺であると言える根拠が三つあります。
ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ株式会社
まず、根拠の一つ目は実在する会社の業務が、メールの文言の内容と乖離することが挙げられます。
メールに登場する「ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ株式会社」ですが、これは同名の会社が実際に存在します。
しかし、実在する「ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ株式会社」は、企業向けに海外の市場調査や海外進出のサポートをする会社であり、有料コンテンツ等を提供するような会社ではありません。
行政書士法第1条の3第2項
次に、メールの文中に登場する「行政書士法第1条の3第2項」についてです。
「行政書士法第1条の3第2項」というのは、主に役所への対応に不服を申し立てるための規定であるため、この法令を根拠にして、個人に請求が行くことは不自然で、通常はありません。
そもそも電子メールは使わない
最後に、通知手段として使われているメールであることです。
しっかりした債権の回収業者であれば、債権の請求を行うのに送受信の記録が改竄されやすい電子メールのような媒体は使わず、届けた証拠が残る内容証明郵便等で送るのが一般的です。
また、送付年月日、契約番号などの具体的な情報も記載してあるのが普通です。
しかし、このメールではそういった個々の契約にかかる具体的な記述が一切ありません。
これらの根拠があるため、このメールは架空請求の詐欺メールであると推測され得ます。
このように、行政書士の詐欺に関する基本知識を持っておくことで、この手のメールの不自然さにはすぐに気づくことができるのです。
詐欺は無視するのが一番
では、このメールが架空請求の詐欺メールであるとして、実際に自分や家族に届いてしまったら、どのように対応すれば良いのでしょうか。
それは、とにかく「無視」することです。詐欺への対応は「無視」が一番です。
メールが詐欺であると判断できた場合には、相手に連絡など決してせずに、無視をしていれば問題ありません。
しかし、冷静に詐欺メールであると判断できず、記載されている連絡先にメールや電話などをしてしまうと、個人の連絡先を相手に知らせてしまうこととなり、その後相手から連絡が入って直接的に金銭の請求をされるようになってしまいます。
何度も言いますが、詐欺メールが届いても「無視」することは鉄則中の鉄則です。
文句を言いたくなったり、場合によっては有料コンテンツ利用等に思い当たる節があったりして焦って電話をかけてしまうと、詐欺師の思う壺になるのです。
恫喝まがいの電話が続いたり、言葉巧みに口座に現金を振り込ませられたりすることになるのは、絶対に避けなければなりません。
架空請求の特徴
今回取り上げた、「行政書士 竹尾光弘」の詐欺メール以外にも、架空請求のメールやハガキは多く出回っています。
それらの架空請求の文面はどれも、「誰にでも当てはまるような理由」となっています。
不特定多数に送りつけ、そのうちの何%かだけでも反応があれば多くのお金を手にすることができるような仕組みであるため、誰もがなんとなく「思い当たる節があるかも?」というような理由をつけて送りつけて来ます。
そこに、冷静に判断させる時間的猶予を与えないように「〇〇日以内に」「早急に」、さらに脅威や焦りを感じさせるような「法的手段」「債権回収」「裁判」などのワードが並べられているのがよくあるパターンです。
よくよく読むと内容に具体性がまるでない、というようなことも多いのですが、人間の心理を微妙に突いてくるような文面を詐欺師は心得ているのです。
このような内容のメールやハガキが届いたら、まずは冷静に、客観的に、内容と状況を見てみることが大切です。
行政書士を装った詐欺についてまとめ
行政書士を装った詐欺についてまとめ
- 詐欺メールは不自然な点が多いことを心得る
- 詐欺が来ても無視する
- 詐欺師は誰にでも当てはまりそうなメールで判断を狂わせてくるため注意
今回は行政書士を騙った人間からの架空請求メールについて取り上げました。
「行政書士 竹尾光弘」が差出人であるメールが届いたら、まず「詐欺」であると思って間違いありません。
「行政書士法」「裁判」「差押え」などの言葉に焦って冷静に判断できないことも実際には起こり得るかも知れません。
しかし、普段から架空請求を含む各種詐欺事件について関心を持ち意識しておくことで、いざ自分の身に降りかかったときにも落ち着いて本質を見抜くことが出来るでしょう。