年金アドバイザーの難易度はどのくらい?合格率・勉強のポイントまで徹底解説
「年金アドバイザー資格を取得するために、詳しい内容を知りたい!」
資格取得を目指した時には、まずその概要を確認することが必要です。
この年金アドバイザーという資格、「名称からなんとなくイメージはつくけど、詳しい内容はちょっと・・・」といった方が多いのではないでしょうか。
この記事では、「年金アドバイザーとはなにか?」について詳しく解説し、さらに難易度や合格率・合格のポイントなど受験に役立つ情報を細かくお伝えしています。
最後まで読み終えていただければ、年金アドバイザー資格について明確なイメージが固まります。勉強のポイントを押さえることができ、前向きに受験に取り組めるはずです!
年金アドバイザーの資格についてざっくり説明すると
- 複雑化した年金制度をきちんと理解していることを証明する資格
- 金融機関従事者の受験が多く、実用性がある
- 合格率から予想するほど、難易度は低くはない
- 3級から受験するのが一般的
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年金アドバイザーの難易度はどのくらい?
資格試験はその難易度によって、勉強に対する取り組み姿勢や勉強時間も大きく異なってきます。年金アドバイザー資格の難易度はどのくらいなのでしょうか?
以下の記事で、詳しく解説しています。対策も含めて考えていきましょう。
そもそも年金アドバイザーってどんな資格?
もともと、一般国民のための社会保険制度である年金について、なぜアドバイザーといった資格や仕事が必要とされているのでしょうか?
一番の理由は、現在の年金の制度は、一般の人には非常にわかりづらいものとなっており、正確に把握することが困難だからです。
年金は、昨今の国民年金法や厚生年金法などの法律改正、頻繁に行われる経過措置により、複雑さを増しました。そこで、その内容をきちんと理解し、適切な助言を行うことができる人が求められるようになりました。
年金アドバイザーとは、こうした複雑化した年金制度をきちんと理解し、高齢者の方々に対して年金の相談や助言を行うスキルを身に着けていることを証明する資格です。
その資格の内容から、受験者の多くは銀行員です。実際、窓口担当者は直接顧客から相談を受ける機会も多く、年金関連の知識は身に着けていなければならない必須の知識です。
このように、特に銀行員において需要がある資格ですが、内容は一般人でも関わりのある制度のことです。年金の知識は身につけておけば、将来的に必ず役に立ちます。
自分自身や周りの人のため、知識を身につけておきたい方にはぜひおすすめの資格です。
年金アドバイザーの合格率・受験者数はどのくらい?
年金アドバイザーは3つの階級に分かれており2級・3級・4級と3段階になっています。それぞれの級の合格ラインは、試験委員会で最終調整が行われることもありますが、各試験ごとに100点満点中60点以上とされています。
下記に年金アドバイザーの合格率を一覧表にしています。
4級では60%以上の合格率に対し、3級では30~40%、2級になると20%台の合格率となっています。
級 | 試験回 | 合格率 | 受験者数 | 平均点 |
---|---|---|---|---|
4級 | (2020年3月実施) | 中止 | 中止 | 中止 |
(2019年3月実施) | 60.17% | 1,323人 | 64.48点 | |
(2018年3月実施) | 60.17% | 1,323人 | 64.68点 | |
3級 | (2020年10月実施) | 38.51% | 10,256人 | - |
(2020年3月実施) | 中止 | 中止 | 中止 | |
(2019年10月実施) | 39.13% | 8,337人 | 52.16点 | |
(2019年3月実施) | 31.95% | 6,885人 | 48.33点 | |
(2018年10月実施) | 35.61% | 7,425人 | 35.61点 | |
(2018年3月実施) | 38.33% | 8,298人 | 51.37点 | |
2級 | (2020年3月実施) | 中止 | 中止 | 中止 |
(2019年3月実施) | 21.06% | 1,325人 | 44.27点 | |
(2018年3月実施) | 26.37% | 1,638人 | 44.27点 |
合格率では試験の難易度が測れない!
受験を考えた時に、気になるのがその難易度です。取り組む姿勢も難易度によって変わってくるでしょう。
上記の表を見て、「年金アドバイザーって、意外に簡単な資格なのかもしれない」と思ったのならば、少し注意が必要です。
この試験の特徴として、合格率のデータからは試験の難易度を計ることができないという点があります。
なぜなら、年金アドバイザー試験の受験者の実に75%は金融機関の業務従事者だからです。
日々業務の中で「年金」の知識に触れる上、資格取得が昇進や昇給に関わっていることもあるため、一般の人に比べて資格取得に向けたモチベーションが相当高いといえます。
このことから、どうしても合格率は高くなる傾向にあります。
つまり、受験者の背景に違いがあることから、合格率のデータのみを参考にして難易度を推し量ることができません。
この試験は受験者の事前知識や実務経験の有無で、勉強時間や受験レベルが大きく変わってくる試験といえます。
上記の表から各級の合格率をみると、決して低くはありません。だからと言って簡単な試験だと言える内容ではないということです。
年金アドバイザー資格の生かし方
資格を取得した後の生かし方についても触れておきましょう。
年金アドバイザーの受験者の多くが、職場で資格取得が必要になり申し込みます。つまり、日常的に大いに役立つ知識ということです。
金融機関・公的機関
金融機関では、窓口などで金融商品の提案を行う際、年金に対するアドバイスが必要な場合があります。資格は信頼につながります。お客様との信頼関係を築く上で重要な役割を果たします。
また公的機関で、年金について直接アドバイスをおこなう業務に従事する場合があります。年金について正確な知識が求められます。
保険・不動産
また間接的な例でいうと、保険や住宅購入などの話にも年金アドバイザーの知識は関わってきます。
年金をもらえる時期を考慮し、それに合わせて行動を起こす人は少なくありません。
高額な商品を提供するサービスは、その人のお金に関するライフプランのことを十分に考慮する必要があります。そういった点で、知識をフル活用できます。
その他
また、自分自身にとっても年金は老後の生活を支える基本となる大切なものです。人にサービスを提供する際にも役立つ知識ですが、自分の老後の見通しをたてる上で、大いに役立つことでしょう。
年金アドバイザー試験の試験概要
試験を受けるにあたって、まず押さえておきたいのが試験の内容です。試験概要を正確に把握することで、対策を立てやすくなります。しっかり確認しましょう!
年金アドバイザーの出題形式・試験時間
試験形式は各級で異なりますので、下記に一覧表にしてあります。回答方式は各級でマークシートと記述式に分かれており、すべて満点は100点です。
級 | 出題形式 | 問題数 | 試験時間 |
---|---|---|---|
4級 | 三答択一 | 50問(各2点) | 90分 |
3級 | 五答択一 | 30問(各2点) | 150分 |
事例五答択一 | 10事例20問(各2点) | ||
2級 | 記述式 | 10題(各10点) | 180分 |
受験資格はあるのか?
年金アドバイザーの受験資格は特にありません。年齢・性別・学歴等制限はなく、誰でも希望した級に受験申し込みが可能です。
この資格を初めて受験する人の中には、「4級から順番に受験していこう」と考える方もいるかもしれません。ですが4級の難易度は低いことは知られており、残念ながら資格としてのアピール度も低いです。
4級から順に受験しなければならないということはありません。どの級にも受験資格がないことから、3級から受験するのが良いでしょう。
3級合格が目安となる
さて、前述のとおり、年金アドバイザーの資格は、まずは3級合格を目指すのが一般的です。そこで、この記事では3級合格に的を絞って、内容を詳しく確認していきましょう!
3級合格を目指そう!
年金アドバイザーの受験等級の中で、3級は特に人気です。
受験者数も年間15,000人と大変多く、2級や4級の受験者数と比べるとそれぞれ10倍以上の受験者数です。さらに3級のみ、年に2回試験が行われています。
その理由に、実用性が高く、昇進・昇給の基準となりやすいという点があげられます。迷ったら3級を受験するというほど、スタンダードになっています。
また、難関試験といわれる社会労務士試験をご存知でしょうか。本命は社会保険労務士の資格取得でありながら、受験を希望する人もいるようです。
年金アドバイザー3級の勉強は、社会保険労務士試験の足掛かりとなることが知られています。
3級の勉強時間は40~60時間
では、どのくらい勉強すれば、合格ラインに達することができるのでしょうか。
一般的には3級の勉強時間は40時間から60時間だと言われています。しかし、受験者の背景によってもともとの知識レベルが全く異なります。勉強時もそれによって大きく異なります。
3級試験の難易度が上がる
3級と4級を比較したときに、その合格率の違いが気になります。4級試験は60%とかなりの合格率です。比べて3級は30~40%と4級と比べてずいぶんと低く、難易度が高いことがうかがえます。
理由として考えられるのが、4級は三答択一のところが3級になると五答択一となるため、選択肢が増え難易度が増すこと、3級には事例問題が追加され応用力が必要となることなどがあげられます。
3級を受験する際には、より正確な知識を身につけるといった受験対策が必要です。
事例問題は難しい!
ここで、3級事例問題の難しさがわかるデータがあるのでご紹介します。
3級の基本問題(60点満点)の平均点が35点前後であるのに対し、事例問題(40点満点)の平均点が17点前後と、なんと半分も得点できていないのです!
事例問題は応用力が試されます。年金の制度をきちんと整理し、理解できていないと得点に結びつくのは難しいと言えます。
とはいえ、事例問題は100点満点中40点の配点があります。獲得できるか否かによって合格を左右する大事なところです。試験前には十分対策を行っていきましょう。
2級の難易度はさらにUP
2級の合格率は20%と、さらに難しい試験となります。
専門的な内容が問われ、回答形式はマークシートから記述式に変わるため、年金制度の中身をきちんと理解することはもちろんですが、細かい部分があいまいな記憶のままだと正答は難しくなります。
2級合格にために必要な勉強時間は、50時間~100時間といわれています。
生活の中からきちんと勉強時間を捻出して、計画的に取り組みましょう。
年金アドバイザーの勉強のポイント3選
効率的に年金アドバイザーの勉強をすすめるために押さえておきたいポイントを3点解説します。ぜひ参考にしてください!
①基本を固める!テキストは3回以上読もう
まずは基本のテキストを一度最初から最後まで目を通します。
この時にわからないところで止まってしまわずに、軽く流し読みしてください。
その後、問題集や過去問を解きながら、分からない箇所が出てきたときにテキストに戻って復習するといった方法がお勧めです。
最終的にはテキストは3回は読み直すとよいでしょう。
おススメのテキスト:「年金相談の実務」
年金アドバイザー2級3級を受験する際に、おすすめのテキストは「年金相談の実務(2,530円税込)」(経済法令研究会)です。
実例を通して年金相談の基本的な知識を確認することが可能underlineです。特に金融機関での実務経験がない方は、テキスト学習のみでは応用が利きにくい部分があります。
実例を通して学習することで、より理解が深まり確実な知識を習得することができます。こちらは年度ごとに改訂されますので、勉強に用いる場合は最新のものを準備するようにしましょう。
②過去問演習が合格へのカギとなる
受験に際して必ず押さえておきたいのが、過去問です。なんと年金アドバイザー試験問題の95%は過去問と類似したものが出題されます!
このことから試験において、過去問を徹底して学習することが合格のカギになることは間違いありません。テキストで試験の内容をつかむことができたらさっそく過去問に取り掛かりましょう。
テキストでインプットしたことを、過去問題演習を使ってアウトプットします。それを繰り返すことで、どんどん実力が身につきます。
ここで重要なのが、間違えた問題をそのままにせず学習しなおすことです。
なぜ間違えたのか、足りない知識は何なのかを整理して次に進むようにしましょう。あいまいにしたまま次に進むと、また同じところで間違える原因になります。
慣れてきたら、本番の試験を意識して時間をはかりながらチャレンジすることをおすすめします。時間配分を間違えると、問題を最後まで解けないといったことが起こります。せっかく正答できる問題で点数を失いかねません。
過去問を手に入れよう!
次に、過去問題集のおすすめ本をご紹介します。
銀行業務検定協会から各級ごとに「年金アドバイザー 問題解説集」が出版されています。こちらは全国の書店やインターネットで簡単に入手が可能です。
この過去問題集は簡潔明瞭な解説が掲載されていますので、初学者にとっても理解しやすくなっています。必ず最新の問題集を購入するようにしましょう。
③通信講座フォーサイトを利用しよう
年金アドバイザー3級の取得を目指すのであれば、通信講座であるフォーサイトを使って勉強するのがおすすめです。
フォーサイトではeラーニングシステムを採用しているので、一流講師による講義をスマホでいつでも受講できます。そのため、毎日仕事や家事で忙しい方でもちょっとした隙間時間に学習を進められるでしょう。
独学で闇雲に勉強するのとは学習効率が全く異なるので、落ち続けて多くの時間を失うこともありません。この機会にぜひ一度チェックされてみてはいかがでしょうか。
年金アドバイザー試験の特徴と難易度まとめ
年金アドバイザーについてまとめ
- 難易度は受験者の事前知識や経験によって異なるので、その点考慮し自分に合った対策を行う
- まず、3級を受験することが望ましい
- 年金アドバイザー3級の合格率は30~40%、必要勉強時間は50時間前後
- 基本テキストと事例テキストを読み、過去問を繰り返し勉強する
- 通信講座で効率よく学ぶのも非常におすすめ
年金は私たちの暮らしと切り離すことができない、大切な「お金」の話です。勉強は、仕事にも役立ち、もちろん自分自身の為にもなります。
年金アドバイザー資格に合格すれば、自信を持って適切なアドバイスができるようになり周りから頼りにされることでしょう。ぜひこの機会に資格取得にチャレンジしてみてください!