証券アナリストの難易度は?合格率から勉強時間・独学法まで徹底解説!

「証券アナリストの資格に興味があるけど、難しそう?」

このように思っている人もいるのではないでしょうか。

証券アナリストの資格は、決して難しい試験ではないのです。 コツコツと勉強を進めていけば、合格する事は可能でしょう!

この記事では、証券アナリストの難易度や合格率、勉強時間・独学法まで徹底的に紹介していきます。

証券アナリストの難易度についてざっくり説明すると

  • 証券アナリストの難易度は難し過ぎる事はない
  • 証券アナリストの勉強方法は通信講座とテキスト
  • 証券アナリストの資格習得は独学でも可能

証券アナリスト試験の難易度は?

証券アナリストの難易度表

証券アナリストの資格に興味を抱いた人なら、試験の難易度や合格率が気になるのではないでしょうか。もし、試験の難易度が高ければ受験するのをためらってしまうかもしれません。

その不安を解消するためにも事前に情報を把握する事から始めてみましょう。数値だけではなく、詳しい情報についても知る事で自然と気持ちに変化が生まれてくるはずです。

ここでは、証券アナリストの資格習得を目指す人が気になる難易度や合格率をご紹介していきます。試験勉強をする前に証券アナリストの資格の事をしっかり理解して、気持ちから気合いを入れていきましょう!

資格試験の合格率

まずは証券アナリストの合格率について、紹介していきます。

以下のグラフは1次試験・2次試験の合格率の推移となっています。なお、2020年春の1次試験は中止となったので、2020年度1次試験は1回しか行われておらず、その分秋の受験者数が多くなっています。

2022年度の合格率は一次試験は約48%、二次試験は45%となりました。ちなみに過去の合格率については一次試験が47%~55%、二次試験が45%~53%の間で推移しています。

一次試験の合格率は50%前後のパターンが多いです。

また、ニ次試験では合格率は50%を超えることはここ数年なかったのですが、2020年には53%と久しぶりに過半数が合格する結果となりました。

一次試験・二次試験とも50%前後の合格率が出ており、一次試験の合格率と大きな差はないです。計画的に勉強をして知識を深める事が出来れば、証券アナリストの資格習得に大きく近づくでしょう。

合格ラインは公表されている?

証券アナリストの一次・二次試験の合格率について上記で説明しましたが、次は各試験の合格ライン(合格点)が気になりますね。残念ながら、各試験(一次・二次)の合格ライン(合格点)は公開されていません。

試験の合格ライン(合格点)がハッキリと分からないため、困惑する人もいるでしょう。しかし、過去の試験結果や受験者の声を参考にすると、ある程度の合格ライン(合格点)が予測する事が出来ます。

一次試験は6割程度が合格ライン(合格点)で、二次試験は5割以上の点数が必要です。これはあくまでも1つの目安となりますが、試験の合格を目指す上で参考になるでしょう。

勉強内容・試験合格は難しいのか

上記では、証券アナリストの一次・二次試験の合格率を紹介してきました。続いて証券アナリストの勉強内容ですが、出題には数学の要素が多くなっています。更に専門的な内容が多く、学習する難易度は高いです

もし、数学が苦手な場合でも勉強時間をしっかりと確保してコツコツと学んでいけば、克服する事は出来るでしょう。専門的な内容についても慣れる事が大事になり、先入観を持たずに学習していく事をおすすめします。

ちなみに証券アナリストの試験の合格率は50%前後となっています。他の難易度の高い国家資格と比べると、決して難しくはないでしょう。

試験の合格を目指して高い志を持ち、日々勉強を重ねていき高い意欲があれば合格は可能です。

証券アナリストの資格試験について

ここまで読み進めてきたあなたは、証券アナリストの資格を目指す意思が固まっているのではないでしょうか。

証券アナリスト試験に合格するためにはいくつかの注意点をしっかり押さえておく必要があるでしょう。

証券アナリストになるためには、「日本証券アナリスト協会」の通信講座を受講しなければいけません。通信講座を受講後、試験を受ける事が出来、各試験(一次・二次)の全科目の合格が必要です。

ちなみに証券アナリストの試験は「日本証券アナリスト協会」が主催しており、第一次・第二次試験に分かれています。証券アナリストの資格を取得するには、1.5~2年ぐらいが必要となるでしょう。

試験の受験資格

証券アナリストの試験の受験資格は、「日本証券アナリスト協会」の通信講座を受講する事が必須です。それ以外の受験資格には制限はなく、学歴・年齢などは関係ありません。

他の国家試験では受験資格には制限がある場合もありますが、証券アナリストの試験はないです。

自らが証券アナリストの資格に興味を持った時から、挑戦する事が出来ます。また、年齢・学歴に関係がないため、誰でも受験する事が可能です。

一次試験を受験できる人は、一次レベルの通信講座の受講を終えた人です。この一次講座は誰でも受講する事が可能になっています。

続いて、二次試験を受けられる人は一次試験と流れは同じで、二次レベルの通信講座の受講を終えた人です。

通信講座を1回受講した人は、受講した年度の翌年以降の3年間に実施される証券アナリストの試験を受ける事が可能です。

試験は合計で3回分が受験可能になっています。ちなみに初回の試験は、通信講座を受講した年度の翌年の事を指します。

二次レベルの通信講座は、一次試験に合格者した人が受講する事が可能です。二次試験の合格者は3科目を合格した後、合格した年を含めて3年以内に二次レベルの通信講座の受講する必要があります。

一次試験に合格した人が二次レベルの通信講座を期間内に受けなければ、また最初の一次レベルの通信講座を受講し直さなければなりません。

時間に余裕を持って、計画的に手続きを進めていきましょう!

証券アナリスト試験日程や会場は?

証券アナリストの一次試験は年に2回ほど開催されており、春は4月下旬・秋は9~10月になっています

また、二次試験は年1回だけで春の6月上旬で各試験(一次・二次)とも、日本証券アナリスト協会の講座を受講した年度の翌年から受験が可能です。

申込期間については、一次・二次受験で異なっています。主に受ける試験の2ヶ月半から1ヶ月半前になっているでしょう。

例として、2023年度の証券アナリストの試験日・申込期間は以下の通りとなりました。

一次試験 試験日 申込期間
1回目(春) 2023年4月23日(日) 2023年2月6日~3月6日
2回目(秋) 2023年9月24日(日) 7月14日~8月14日
二次試験 試験日 申込期間
1回目(春) 2020年6月4日(日) 2020年3月13日~4月13日

全ての開催試験の試験日・申込期間は異なっています。

国内・国外 試験場所
国内(9都市) 札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、松山、福岡
海外(3都市) ニューヨーク、ロンドン、香港

国内では9か所、国外では3か所で受験が可能です。

試験範囲や出題内容・形式

ここまで証券アナリストの試験の概要について、説明していきました。証券アナリストの試験の概要が分かったところで、次に証券アナリストの試験範囲や出題内容・形式について紹介してきます。

証券アナリストの試験は一次・二次に分かれており、出題される科目も各試験(一次・二次)によって細かく分かれています

まず、どのような分野・科目が試験に出題されているのか確認していきましょう。

事前に情報収集をする事で試験勉強する時に、きっと役立つはずです。自分自身が受ける試験内容をしっかりと把握してから、試験勉強に取り組んでいくようにしましょう。

証券アナリスト試験の出題範囲

証券アナリストの試験範囲について、以下にまとめてみました。

ちなみに証券アナリストの試験の科目は、一次試験と二次試験で異なってきます。一次試験は出題範囲は3科目で8項目に分かれているのです。

分野名 科目名
証券分析とポートフォリオ・マネジメント 軽量分析と統計学・ファンダメンタル分析・・・
財務分析 会計学・財務諸表分析
経済 マクロ経済学・ミクロ経済学

一次試験は3科目の各科目ごとに合否が決まっており、全てに合格する事が必要です。

二次試験は4科目12項目に分かれており、以下のようになっています。

科目名 項目名
証券分析とポートフォリオ・マネジメント 軽量分析と統計学・ファンダメンタル分析・・・
コーポレート・ファイナンスと企業分析 財務会計・財務諸表分析・・・
市場と経済の分析 マクロ経済学・ミクロ経済学・・・
職業倫理・行為基準

二次試験は4科目あり、総合得点で合否が決まるようになっています。ただ、「職業倫理・行為基準」の科目が一定水準を満たしていない時は、不合格なので注意が必要です。

証券アナリスト試験の出題内容・形式

ここでは、証券アナリストの一次試験の出題内容・形式について紹介していきましょう。一次試験は証券分析業務の基本的な知識や分析力が問われて、テキストから問題が出されます。

答案用紙はマークシートで、全ての問題は正解が1つになっています。問題は計算・穴埋め問題を含む選択肢です。

続いて、二次試験は証券分析業務の知識と実務の応用力など問われています。

出題はテキストの内容からそのまま出される事はなく、計算問題もあります。記述式の応用問題が出題されるため、一定以上の理解が必要です。

二次試験は一次試験に比べて、高度な知識が求められるようになります。基礎から応用の問題が出題されるようになったため、日頃からの試験勉強の積み重ねが大事です。

証券アナリスト試験の対策方法

ここでは試験の対策方法について説明していきます。

試験の対策方法を正しく押さえることで効率の良い勉強が可能になります。

限られた時間の中でも、合格を目指したい人は多いはずです。確実に合格に近づくためにも正しい勉強法をここで押さえていきましょう。

試験に合格するための勉強法

現在、証券アナリストの資格の取得を目指す人におすすめの勉強法は、「日本証券アナリスト協会」の通信講座を受けて、テキストを中心に勉強を進めていく事です。

まずは基礎の部分を固めるためにも、講座でインプットした知識をテキストでアウトプットすることが大切になります。

勉強の成果を確かめたいと思っている人は、「日本証券アナリスト」の公式サイトのマイページからWeb練習問題を解く事をおすすめします。

自分の力を確認する事が出来れば、勉強の効率は向上するでしょう。

しかし、短時間で確実に合格したい人にとって、テキストだけでは不安な部分もあります。

そんな人にはTACなどの予備校・通信講座などを各予備校・通信講座のカリキュラムを参照して受講を検討してみても良いでしょう。

独学は可能?

証券アナリストの資格の習得を目指す人の中には、独学で勉強しようと考えている人もいるはずです。

独学で証券アナリストの資格取得をする事は、十分可能です。独学で合格するためには、日頃から勉強を効率良くする必要があります。

例えば、試験日までの勉強計画を具体的に立てる事です。更に総まとめテキストの理論内容を理解して、練習問題をコツコツと解いていく事が大事になっていきます。

証券アナリストの試験は6割以上、過去問と同じ問題が出るため繰り返して解く事が合格への近道です。

何度も問題を解いていく事で、試験当日に落ち着いて望む事が出来ます。

証券アナリストの独学については、以下の記事でより詳しくお伝えしています。

証券アナリスト試験の勉強時間

勉強する人

資格を習得するためには、人それぞれの勉強対策があると思います。その中でも合格する勉強時間の目安も気になるでしょう。

合格した人の声を参考にすると、一次試験の平均的な勉強時間は約200時間です。

また、二次試験の勉強時間も平均200時間になっており、中には300時間以上も勉強する人もいます。

人によって勉強時間は異なってきますが、自分が納得するまで取り組むのが良いでしょう。

目安の勉強時間に到達するための例としては1週間で15時間以上勉強するとして、3か月ほど勉強する必要があります。

受験生は社会人が多く仕事があるため、勉強する時間に制限があるでしょう。

平日に時間がない人は、休みの土・日にまとめて勉強する事になりますね。

科目別勉強法

ここでは一次試験と二次試験で出題される各科目の勉強法について、順に解説していきます。一次試験で「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」・「財務分析」・「経済」の3項目が出題されます。

1つ目の「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」は、証券アナリストの中でも重要な科目で理系的な要素も多くあるので、各知識の理解を深める事が大切になってきます。

具体的には株式や債券からファンダメンタル分析までそれぞれの知識背景や仕組みを理解に重点を置いて勉強する必要があります。

2つ目の「財務分析」は、会計学や財務諸表分析が必要です。

具体的には損益計算書・貸借対照表の基本知識を押さえることから利益計算のルールまで図の見方やなぜその操作に至るかまで学習を進めていく必要があります。

3つ目の「経済」は、マクロ経済学とミクロ経済学の2つの分野を勉強しなければなりません。

証券アナリストの「経済」では証券投資などの経済分析や経済予測のための論点が中心に出題されるため、頻出範囲を中心に学習する必要があります。

続いて、二次試験は「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」・「コーポレートファイナンスと企業分析」・「市場と経済の分析」・「職業倫理・行為基準」の4科目があります。

二次試験では、プロとして必要な考え方や倫理的な基準についての職業倫理がプラスされてきます。職業論理はある一定の基準を満たさないと不合格になるため、しっかりと勉強しましょう。

証券アナリストの資格を取得する方法

証券アナリストの試験の一次・二次試験を見事に合格した人は、ようやく資格の習得が出来ると胸を膨らませますね。

一次・二次試験に合格すれば、資格を習得が出来ると思う人もいるかもしれません。

実は二次試験に合格しても、すぐには証券アナリストの資格を取得する事は出来ないのです。

それは実務経験が3年未満の場合で、一定期間の経験を積まなければ登録する事が出来ません

実務経験が3年未満の人は「検定会員補」と登録して、3年の実務経験を積む必要があります。3年の実務経験後は、証券アナリストに登録する事が可能になるのです。

証券アナリストの実務経験を積むには

実務経験を積める場所としては以下のようなところがあります。

  • 金融機関の資産運用・証券投資相談業務・リサーチレポートの作成
  • 証券・債券・株式・不動産の投資業務
  • 債券・株式等発行の資金調達業務
  • IR・監査法人の監査業務

上記以外のところでも実務経験を積む事は、可能です。

証券アナリストの資格を習得には知識だけではなく、実務経験を積む事も大事になっています。

証券アナリストの資格を習得するメリット

証券アナリストの資格を取得した時のメリットとしては、就職・転職で有利になります。

特に金融業界や一般企業のIR部門への転職や異動には、専門的な知識と実務経験も積んでいる証券アナリストは有利です。

また、一般企業の経理部門に所属している人は、他の同じ部門の社員と差別化が出来ます。経理部門では、日商簿記を取得している人が多くいるでしょう。

その中で証券アナリスト資格を持っている事で、他の社員と差別化する事が出来、部門内でも重要な役目を任される機会が高くなります。

証券アナリストの難易度まとめ

証券アナリストの難易度まとめ

  • 証券アナリストの合格率は1次で53%、2次で45%である
  • 証券アナリストは受験資格として通信講座受講があるため注意が必要
  • 目安の勉強時間は200時間

この記事では証券アナリストの難易度や合格率から勉強時間・独学法まで解説してきました。

忙しい社会人でも日々コツコツと勉強を積み重ねる事が出来れば、合格にグッと近付きます。

証券アナリストの資格の取得は独学でも十分可能なっています。自らのスキルアップや仕事に生かしたい人・興味がある人は是非チャレンジして見て下さい。

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