TOEIC新形式の変更点は?旧形式との違いや新しい出題形式の対策勉強法を解説
「TOEICの新形式の変更点って?」
「いつから変わったの?新しい出題形式はどんなの?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
TOEICでは2016年5月29日に問題数や出題形式などが改訂され、それ以降はいわゆる「新形式」の試験が実際されています。
今回はそんなTOEICの新形式の変更点について、旧形式との違いや新しい出題形式に対応するための勉強法などを解説します。
これを読めば、TOEICの新形式の特徴や各目標スコアを取得するための勉強法などがよくわかるはずです。
TOEICの新形式の変更点についてざっくり説明すると
- 簡単なパートの問題数が減少
- 難しいパートの規模は拡大
- 文脈を理解していなければ解けない問題が増えた
- 対策にはスタディサプリを活用するべき
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TOEIC新形式の全体的な変更点
TOEICでは時代の流れに適応するため、出題内容の改訂が度々行われています。
以下では最も新しい問題数や出題形式について、いつから変わったのかや旧形式との違いを含めて解説します。
TOEIC新形式はいつから?
直近の改訂は2016年5月29日に実施された一部の問題数・出題形式の変更で、現在は全てこの新形式で試験が実施されてます。
団体特別受験制度であるIPに関しても、2017年4月以降は新形式に移行しているため、団体でTOEIC L&Rテストを受験する場合でも、新形式に合わせた対策を行わなければなりません。
そのため、これからTOEIC対策の参考書や問題集を買う際は、必ず新形式に対応した教材を選びましょう。
新形式と旧形式を比較一覧表
新形式と旧形式では問題数や一部の試験内容が異なります。詳細は以下の通りです。
Part | 内容 | 問題数 | 内容の変化 |
---|---|---|---|
Part1 | 写真描写問題 | 旧形式:10問 新形式:6問 |
無し |
Part2 | 応答問題 | 旧形式:30問 新形式:25問 |
無し |
Part3 | 会話問題 | 旧形式:30問 新形式:39問 |
画像付きの問題や3人での会話問題が追加 |
Part4 | 説明文問題 | 旧形式:30問 新形式:30問 |
画像付きの問題が追加 |
Part5 | 短文穴埋め問題 | 旧形式:40問 新形式:30問 |
無し |
Part6 | 長文穴埋め問題 | 旧形式:12問 新形式:29問 |
無し |
Part7 | 文章読解問題 | 旧形式:シングル28問+ダブル20問 新形式:シングル29問+ダブル10問+トリプル15問 |
3つの文書を読解する問題や適切な箇所に一文を挿入する問題が追加 |
各Partの問題数の振り分けが改訂
リスニングとリーディングで100問ずつ、試験時間が計2時間ということは変わらないものの、改訂によって各パートの問題数が変化しました。詳細は以下の通りです。
簡単なパートの問題数が減少
リスニングセクションで比較的得点しやすいと言われているのはPart1とPart2ですが、改訂によってそれらの問題数が減少しました。
またリーディングセクションにおいても、最も文章が短く、得点源とすべきPart5の問題数が減ってしまったので、特に初級者によっては不利な状況になったと言えるでしょう。
難しいパートの問題数は増加
一方で、リスニングセクションで最も長い英文を聞かなければならないPart3の問題数は増加しました。
またリスニングパートでも、長い英文を読解しなければならないPart6とPart7の問題数は増えており、簡単なパートが縮小された分、難しいパートが大きくなったという格好です。
試験問題の傾向が変化
リスニングのPart3、4では、発言の意図を判断する問題が増加しました。
この問題では音声では直接言及されていないことを推量して答えなくてはならないため、ある程度の思考力・想像力が必要です。
またリーディングのPart6では、文章全体の流れを掴めていないと解けない穴埋め問題が頻出になったので、新形式では長文の内容をしっかり理解することが求められます。
総じてリスニング・リーディングともに、試験内容はやや高度になったとも言えるでしょう。
新形式で難易度は変わった?
TOEICの運営団体である一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の公式発表によると、新試験に移行したことによる難易度の変更はないそうです。
しかし、簡単なパートが縮小されて難しいパートが拡張されたことや、試験内容自体がやや高度になったと考えられることを踏まえると、少し難しくなったとも言えるでしょう。
実際、新試験の受験者の口コミなどを見ると、改訂によって試験が難化したという意見が数多く認められます。
Part別の出題形式の変化
ここからは改訂による変更点を、パートごとに解説します。
リスニングテストの変更箇所
まずはリスニングセクションの各パートの変更箇所を具体的に紹介します。
Part1:写真描写問題
パート1の写真描写問題は、改訂によって問題数が10問から6問に減少しました。
このパート比較的難易度が低く、あらゆる受験者にとっての得点源と言えるので、問題数が減少したことによってスコアを伸ばしにくくなったと言えるでしょう。
またかつては数問間違えても7、8問は取れていたところが、問題数が減ったことによって、得点を稼ぐには一つひとつを確実に取らなくてはいけなくなりました。
Part2:応答問題
パート2の応用問題は、新形式では問題数が30問から25問に変更されています。こちらも比較的得点しやすいパートであるので、初級者を中心に不利な状況になったと言えるでしょう。
なお、このパートでは選択肢が印刷されていないので、確実に得点するには、選択肢の音声をしっかり聞き取る必要があります。
Part3:会話問題
パート3の会話問題は、改訂によって問題数が30問から39問に増加しました。
また内容にも変更があり、3人での会話に関する問題や図表に関する問題、話者が暗示している意図を読み取る問題が追加されています。
さらに「I’m going to」を「I’m gonna」とするような口語上の短縮形や、主語が省略された文章なども含まれるようになったので、攻略するにはネイティブの日常会話に慣れておくのが良いでしょう。
Part4:説明文問題
パート4の説明文問題に関しては、改訂による問題数や内容の変更はありません。
ちなみにこのパートでは、アナウンスやナレーションなどミニトークに関する問題が出題されます。対策としては、公式問題集などで頻出のテーマを把握しておくのが良いでしょう。
リーディングセクションの変化
続いてはリーディングセクションの各パートの変更点を紹介します。
Part5:短文穴埋め問題
パート5の短文穴埋め問題は、改訂によって問題数が40問から30問に減少しています。
ちなみにこのパートでは単語や文法の知識がストレートに試されるので、考えすぎなずサクサク答えていくことが重要です。
Part6:長文穴埋め問題
パート6の長文穴埋め問題は、新形式になって長文が一つ増え、問題数が12問から16問に変更されています。
改訂によって、より時間設定がタイトになっているので、長文は全てを丁寧に読んでいくのではなく、設問の答えになりそうな部分を重点的に読んでいくのが良いでしょう。
Part7:1つの文章&複数の文章
パート7の長文読解問題は、改訂によって問題数が48問から54問に増えました。
またかつては1つもしくは2つの文書を読んで設問に答えるという形式でしたが、新形式では3つの文書に関する問題も出題されます。
よってより長い英文から、効率よく解答に必要な情報だけを拾っていくような読解ができるように練習しておきましょう。
TOEIC改訂で得する人・損する人
ここからはTOEICの改訂によって、受験者にはどのような影響があるのかということについて解説していきます。
テクニック重視だと苦労する
新形式では、発言の暗示された意図を読み取ったり、文章全体を理解することなどが求められるので、より文脈を深く理解することが必要です。
そのため、旧式のテストに合わせて、キーワードだけを読み取って判断するなどのテクニックで得点を稼いでいた人にとっては、好ましくない状況になったと言えるでしょう。
よってこれまでテクニック頼りで受験していた人や、これからTOEICに初挑戦するという人は、より本質的な英語力を身に付けられるような対策をするのがおすすめです。
地道に実力をつければ問題なし
新形式になって若干難易度が上がったとはいえ、手がつけられないほど難しくなったわけではありません。
単語や文法の学習を地道に行い、文脈を理解できるだけの英語力をしっかり磨きながら対策を十分に行えば、問題なく対応することができるでしょう。
また改訂されたのは全体の1割程度に過ぎないため、基本的な対策方法が大きく変わるというわけでもありません。
ただし、かつてよりもきちんとした理解が求められるようになったため、ハイスコアを狙う人ほど、丁寧に問題を処理していくということを心がけるのが良いでしょう。
新しいTOEICで高得点をとるコツ
以下では新形式のTOEICでハイスコアを取るためのコツをいくつか紹介します。
新形式に対応した時間配分
新形式のリーディングセクションは以下のような時間配分で解くのが良いでしょう。
パート | 問題数 | 時間配分 | 1問あたりの時間 |
---|---|---|---|
Part5 | 30問 | 10分 | 20秒 |
Part6 | 16問 | 10分 | 37秒 |
Part7 | 54問 | 55分 | 61秒 |
合計 | 100問 | 75分 |
難易度が高く、分量が多いパート7にできるだけ多くの時間を残したいので、パート5、6はスピード感を持って解くように心がけてください。
先読みで効率良く問題を解く
リスニングセクションでは、選択肢の内容を予め把握することによって、音声の理解度を高めることができます。
よって選択肢が明記されているパート3とパート4に関しては、問題同士の合間や各パート冒頭の説明部分などを利用して、選択肢を先読みしておくのが良いでしょう。
またリーディングに関しても設問を頭に入れておいた方が、メリハリをつけて英文を読解することができるので、こちらも設問を先読みしてから本文に進むべきです。
その他、TOEICテストを解く際に有効なコツ・テクニックは以下の記事でより詳しく扱っています。参考になさってください。
常に最新の英語に触れる
先述した通り、新形式のTOEICではネイティブが普段使っているような口語表現も取り入れられています。
そのため、日頃からネイティブの会話をよく聞くようにして、口語表現の聞き取りに慣れておくのが良いでしょう。
特に最新の英語のニュースやドラマに触れれば、試験勉強のモチベーションアップにも繋がるのでおすすめです。よって息抜きがてらにそうしたコンテンツを楽しむ習慣をつけてみましょう。
新形式に慣れて得点力アップ
新形式に対応するために最も効率的な対策法は、新形式の問題をたくさん解いて、出題傾向や問題形式に慣れることです。
よって公式問題集など、新形式に対応して問題集を使って、数多く問題演習をこなすのが良いでしょう。
なお、試験直前期には本番と同じ時間設定で試験1回分の問題を解き、時間配分などのシミュレーションをしておくのがおすすめです。
また復習で知識を補強することでより効率よく得点力は伸びていくので、問題演習の後は間違えた箇所を中心によく復習をするようにしましょう。
新形式TOEICの勉強法
ここからは新形式のTOEICで目標スコアを取得するための勉強法について解説します。
500点を目指す初心者なら
500点を目指す段階では、単語や文法の基礎がまだできていないはずなので、まずは中学・高校レベルの単語と文法を完璧にすることから始めるのが良いでしょう。
早くTOEICに特化した対策をしたいという気持ちも理解できますが、基礎が固まっていないのに闇雲に問題演習などをしても十分な学習効果は得られません。
よって効果的・効率的にスコアを伸ばしたいなら、まずは基礎を盤石にすることが先決です。
600点は基本と実践的な学習
600点が視野に入ってきたら、基礎はある程度固まっていると言えるので、本格的なTOEIC対策に取り掛かると良いでしょう。
具体的にはTOEICの新形式の問題を1問1問じっくり解くことに取り組み、それと同時にリスニングに慣れるためにたくさん聞き取りを行うべきです。
なお、問題演習で間違えた問題やあやふやな箇所に関しては、単語帳や文法書を開いて基本をしっかりと復習するようにしましょう。
700点は問題演習を繰り返す
目標スコア600点と700点では、対策法はあまり変わりません。引き続き実戦演習を行い、アウトプットをしながらTOEICで点数を伸ばすコツを探っていくのが良いでしょう。
またTOEIC専用の単語帳や熟語帳を使って、語彙力強化に励むのもおすすめです。
例えば、後述する「金のフレーズ」の860点レベルや990点レベルの単語を覚えるなどすれば、かなりTOEICの英語が理解しやすくなるでしょう。
800点はもう一段階レベルアップ
800点を目指す段階になれば、時間配分を工夫するなど、ハイスコアを戦略的に狙っていくことを心がけるのが良いでしょう。
また時間配分だけでなく、解答スピード自体も上げていくことが必要です。
さらに本番形式で問題を解いた後は、わからなかった単語や文法をシラミつぶしに復習して、知識の穴を埋めていくことも得点アップには欠かせません。
900点は苦手をつぶそう
900点を目指す人は、単語や文法などの基礎知識や各パートの解き方などは大方身に付いているはずなので、後は弱点克服に取り組むのがおすすめです。
苦手なパートがある場合は、それを重点的に特訓するのが良いでしょう。
また単語や文法の知識の穴を、隙間なく埋めていくという作業も並行して行うべきです。
なお、ハイスコアが取れるようになってくればくるほど、改善すべき箇所は限られてくるので、自分自身を客観的に分析するということがより重要になるでしょう。
TOEIC新形式対策におすすめの教材
以下では新形式のTOEICの対策におすすめの教材をいくつか紹介します。
やはり「公式問題集」がおすすめ
問題演習には公式問題集を使うのがおすすめです。本番の試験を作成しているETSが同じように作った問題が収録されているため、出題傾向や問題形式を把握するには絶好の教材と言えるでしょう。
TOEICでは過去問が公開されていないので、TOEICの受験者なら必ず持っておくべき1冊です。
なお、新形式に対応した公式問題集は1〜9なので、まずは最新の「問題集9」を購入し、必要に応じて他も買い足すと良いでしょう。
単語帳は「金フレ」が人気
単語帳は「金のフレーズ」を使うのがおすすめです。TOEICの単語帳では最も売れている一冊と言えるので、これを買っておけば間違えないでしょう。
また600点〜990点レベルの単語が4つのレベルごとに収録されているため、あらゆる受験者に有用な教材だと言えます。
ちなみにこの単語帳では、TOEICの頻出単語をフレーズで覚えていくため、単語の用法も合わせて暗記することができ、効率的・効果的に実践的な語彙力を高めることができるでしょう。
文法を学ぶなら「でる1000問」を使おう
文法書は「でる1000問」を使うのが良いでしょう。こちらは「金フレ」の著者でもあるTEX加藤氏が執筆した教材なので、金フレと合わせて利用すれば一貫性の高い学習ができるはずです。
こちらもTOEICの文法書では、常にトップの売り上げを誇っている教材なので、信頼度は申し分ありません。
ちなみにこの教材の魅力はとにかく膨大な演習量をこなせることで、TOEICで出題される文法事項や語彙を網羅的に学習することができます。
アプリなら手軽に勉強できる
忙しい社会人や学生の場合、まとまった勉強時間を確保することが難しいという方もいるでしょうが、そのような方にはアプリを活用して対策を行うのがおすすめです。
アプリならスマホさえあればいつでもどこでも学習できるので、通勤・通学時間や休み時間などのスキマ時間を使って、効率的に対策を進めることができます。
スタディサプリは最強
試験対策の効率性や学習効果にこだわるなら、スタディサプリの「TOEIC L&R TEST対策コース」を利用するのが良いでしょう。
スキマ時間を使って、TOEIC20回分に相当する演習問題をこなすことができるため、確実なレベルアップに繋がるはずです。
また文法やテクニックが学べる映像授業が視聴できたり、ディクテーションやシャドーイングのトレーニングができたりと、コンテンツは実に豊富なので充実した対策となるでしょう。
なお、一人で対策を進めるのは心細いという場合は、専属コーチがつく「パーソナルプラン」がおすすめです。
実践力を磨くならベルリッツ
実践的な英語に触れながらTOEICスコアを伸ばした方はベルリッツがおすすめです。
ベルリッツのTOEIC講座では、実際の会話で使用される英語表現の習得を目指しています。
中学や高校の授業が文法や和訳に焦点を当てる一方で、実生活で役立つスピーキングスキルの練習は不足しがちなため、ベルリッツの講座でロールプレイや実践練習を行うことは英会話に応用可能なスキルを身につけ、英語力を底上げすることに繋がってきます。
また、TOEICのスコア目標を基に、550点、650点、750点を目指すための3つの異なるレベルのコースが提供されているため、過度に難しい内容や、すでに理解している内容の無駄な繰り返しを避けることが可能となり、英語力の効率的な向上が期待されます。
TOEICの新形式の変更点まとめ
TOEICの新形式の変更点まとめ
- 長文の数・量が増加した
- 英語力自体を高めるような対策をするべき
- ネイティブの口語表現に慣れておくことも大切
- アプリやスタディサプリを有効活用するのがおすすめ
TOEICの新形式の変更点について解説しました。
新形式では、簡単なパートの規模が縮小し、難しいパートの問題数が増加しています。また長文のボリュームも多くなりました。
さらに発言の意図を問う出題や文章全体の流れを理解していないと解けない問題も頻出となったため、新試験では文脈をきちんと理解することが必要です。
よって公式は難易度に変更はないとしているものの、明らかに難化していると言えるでしょう。
そのため、スタディサプリなども活用しつつ、旧形式よりも入念に対策して臨まなければなりません。
ちなみにスタディサプリでは専属コーチ付きのパーソナルプランもあるので、ぜひお試しください。