LPIC・LinuC試験ってどんな試験?問題内容や違い・移行制度まで解説!

更新日時 2021/01/18

LPIC・LinuCにはどんな違いがあるの?

今後どっちかがなくなるって本当?

このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。

LPIC・LinuCはどちらもLinuxの活用スキルに関する資格で、試験内容や難易度に大きな違いはありません。

ただし両者には微妙な違いがあるため、「どっちを受けたら良い?」と迷うこともあるでしょう。

ここではLPIC・LinuC試験について、両者の違いや問題内容、移行制度などを解説します。

これを読めば、LPIC・LinuCのそれぞれを正しく理解できるようになるはずです。

LPIC・LinuC試験についてざっくり説明すると

  • 前者は国際資格で後者は日本市場に特化した資格
  • 難易度に大きな違いはない
  • 日本で活用するならどっちを受けても良い
目次
  • LPICとLinuCってどんな資格?

  • LPIC・LinuCの難易度は?

  • LPICの試験内容は?

  • LinuCの試験内容は?

  • LPIC・LinuC試験の対策方法

  • LPIC・LinuCを取得することのメリット

  • 試験日・会場・受験資格など試験制度をチェック

  • LPIC・LinuCとあわせて受験したいおすすめの資格

  • LPIC・LinuC試験についてまとめ

LPICとLinuCってどんな資格?

顔を向き合う二人 LPICとLinuCはどちらもLinux活用するスキルを証明する資格です。両者は混同されがちですが、LPICの方が歴史のある国際資格です。

一方でLinuCは比較的新しい日本人向けの資格になります。

LPICはグローバル志向のLinux資格

LPICはLinux技術者向けのLPI認定資格です。Linux Professional Institute(LPI)は、オープンソースプロフェッショナルのキャリアを支援するために認定試験やプログラムを運営する団体になります。

LPICは世界180カ国以上で展開され、国際的に通用する資格で、LPICとは「Linux Professional Institute Certification」の略語です。

認定試験は英語やドイツ語、日本語などで受験でき、日本では東京都にあるLPI日本支部によって運営されています。

ちなみにLPICには、LPIC-1からLPIC-3までの3つのレベルが存在します。

LinuCは日本市場に最適化されたLinux資格

LinuC(リナック)とは、LPI-Japanが作成する日本独自の資格です。LinuCは「Linux Professional Certification」の略語であり、正式名称は「Linux技術者認定試験 LinuC」といいます。

LinuCのスローガンは「日本市場に最適化した試験・運用サービス」であり、日本市場のニーズに合わせて設計された資格試験です。

ちなみにLinuCが始まったのは2018年であり、まだ新しい資格になります。

2018年及び2019年度の試験においては、上記で紹介したLPICの形式を踏襲した従来型の試験でしたが、2020年4月から試験内容が刷新されました。

新しいテスト(Version 10.0)では試験範囲が大幅に変更され、クラウド時代を意識した出題内容になっています。ちなみに、現代はクラウド活用や主要技術のオープンソース化によって、多様な機器がITしている時代です。

そのため、改定後のLinuCはこれからの時代をエンジニアとして生き抜くために必須となる技術を習得できる資格と言えるでしょう。

現在LinuCには、「LinuC L1&L2 version 10.0」と「LinuC L3 Speciality」という3つの試験があります。

またLinuC L1&L2に関しては、それぞれ2つの試験に合格する必要があります。

LPICとLinuCの違いは?

LPICとLinuCはどちらもLinux技術者試験ですが、LPICが世界中で実施される試験なのに対し、LinuCは日本市場に特化した試験です。

また、LPICは受験者に対しスコアと合否の判定しか開示しません。一方でLinuCの受験者はスコア及び合否判定の他、項目別のスコアも知ることができます。

試験の難易度や受験費用に関しては両者に大きな違いはありません。また日本市場においては、資格の評価及び需要も同程度です。

ちなみにLinuCはLPICの情報漏洩問題を受けて開発されたという経緯があるため、セキュリティの高さには定評があります。

LPICからLinuCへの認定移行制度がある

現在LPI-Japanが運用するのはLinuCですが、過去にはLPICを運用していました。

そのため、2018年8月以前にLPICを取得した者に関しては、簡単な手続きによってLinuCへ認定移行することが可能です。また受験履歴に関しても、LinuCとして確認・管理することができるようになります。

また2018年9月以降にLPICを受験した者は、受験したLPICと同一のLinuC試験(LPIC101ならLinuC101)を半額の受験料で受けることが可能です。

当面はどちらも無くならない

LPI-JapanはLinuCだけを運用するようになりましたが、LPICを日本で受けることも可能です。

日本市場においてはLinuCとLPICの価値に大差はないため、好きな方を受験すると良いでしょう。ただし海外企業への就職など国際的に資格を活用したい場合は、グローバルスタンダードであるLPICの方が優秀です。

これから取得するLPICに関しては、LinuCへの認定移行はできないため、両者に互換性はありません。しかしLPI-Japanが運用していない現在のLPICを取得した場合でも、LinuCを半額の受験料で受けることは可能です。

LinuCとLPICどっちの受験がおすすめ?

LinuCは日本市場に最適化した内容であり、試験結果の開示も詳細です。そのため日本で活用することを考えるなら、LinuCを受けるのが良いでしょう。

一方LPICでは国際的に通用するLinuxの活用スキルが学べるため、グローバルに活躍したい人におすすめです。

またLinuCを取得してもLPICで優遇措置を受けることはできませんが、LPICを取得すればLinuCで優遇措置が受けられます。

LPIC・LinuCはいずれも実用性抜群

Linux技術者は世界的に不足しているため、LPIC・LinuCは共に需要の高い資格です。

LPICの受験者は2016年時点ですでに27万人を超えています。またLinuCは2018年に始まったばかりですが、累計受験者数は4万人以上です。

そもそもLinuxとはUnix系OSの一つで、WindowsやMacのように使用することができます。他にもDTP環境やDTM環境として用いることも可能です。

またサーバや開発環境はもちろん、動画編集環境、CAD環境として使うこともできます。

LPIC・LinuCのどちらを取得しても、それらのスキルを証明することが可能です。

Linuxの活躍の場は多い

LinuxはDTP環境やDTM環境として用いることができます。

ちなみにDeskTop Publishing(DTP)とは「卓上出版」を指す用語です。つまりパソコンのデータを元に、印刷物を作ることを意味します。その制作環境としてLinuxが活用可能なのです。

DTPの知識があれば、パソコン上で印刷データを簡単に作成できるため、様々な職場で重宝されるでしょう。

またDTMは「Desktop Music」という和製用語の略語です。こちらはパソコンや電子楽器などを用いて音楽を制作することを意味します。

WindowsやMacのような機能に加え、印刷や音楽活動にも使えるため、Linuxの用途は幅広いと言えるでしょう。

LPIC・LinuCの難易度は?

談笑する三人 LPIC・LinuCにはどちらもレベル1〜3という試験区分が存在します。特にレベル1、レベル2に関しては、両者の難易度は同じくらいです。

また、レベル1には101と102、レベル2には201と202という2つの試験があること、有効期限が5年間であることも両者で共通しています。

しかし今後は両者の差別化を図るために、LinuCの試験内容が変化してくことも考えられます。

合格率は50%以下と推定される

公式による合格率の公表はありませんが、累計受験者数及び累計合格者数から試算したLPIC全体の合格率は35%程度です。

ここからレベル1の合格率は50%程度、レベル2は20%程度、さらにレベル3はそれ以下ということが推測できます。

LPICとLinuCの難易度は同程度であるため、LinuCの合格率も上記に近い数字になるでしょう。

つまりLPIC・LinuCのどの試験においても、合格率は50%以下だということです。

LPICの試験内容は?

スマホを見る女 以下ではLPICのレベル1〜3における試験内容を解説します。

レベル1(Level1)

レベル1を取得するには、LPIC101とLPIC102の2つに合格する必要があります。

LPIC101

公式サイトによるとLPIC101の試験内容は以下の通りです。

トピック 内容
システムアーキテクチャ ①システムハードウェアの決定・構成 ②システムの起動 ③ランレベル及びブートターゲットの変更・システムのシャットダウン及び再起動
Linuxのインストールとパッケージ管理 ①ハードディスクレイアウトの設計 ②ブートマネージャのインストール ③共有ライブラリの管理 ④Debianパッケージ管理の実行 ⑤RPM・YUMパッケージ管理の実行 ⑥仮想化ゲストとしてのLinux
GNUとUnixコマンド ①コマンドラインの作業 ②テキストストリームへのフィルタ適用 ③基本的なファイル管理の実行 ④ストリーム・パイプ・リダイレクトの使用 ⑤プロセスの作成・監視・終了 ⑥プロセスの実行優先度の管理 ⑦正規表現を使用したテキストファイルの検索 ⑧基本的なファイル編集
デバイス・Linuxファイルシステム・ファイルシステム階層標準 ①パーティション・ファイルシステムの作成 ②ファイルシステムの整合性の維持 ③ファイルシステムのマウント・アンマウント ④(削除済み) ⑤ファイルのパーミッション・所有権の管理 ⑥ハードリンク及びシンボリックリンクの作成・変更 ⑦ファイルシステム階層標準(FHS)の把握

トピックの中では「GNUとUnixコマンド」の重要度が最も高く、出題数も多くなります。

LPIC102

一方でLPIC102の試験内容は以下の通りです。

トピック 内容
シェル・スクリプト ①シェル環境のカスタマイズ ②簡単なスクリプトのカスタマイズ
ユーザーインターフェースとデスクトップ ①X11のインストール・設定 ②グラフィカルデスクトップ ③アクセシビリティ
管理タスク ①ユーザーアカウント・グループアカウント・それに関連するシステムファイルの管理 ②ジョブのスケジュール設定及びシステム管理タスクの自動化 ③ローカリゼーション・国際化
必須システムサービス ①システム時刻の更新 ②システムロギング ③メール転送エージェント(MTA)の基本 ④プリンタの管理・印刷
ネットワークの基礎 ①インターネットプロトコル ②固定ネットワーク構成 ③基本的なネットワークのトラブルシューティング ④クライアント側のDNSの設定
セキュリティ ①セキュリティ管理タスクの実行 ②セットアップホストセキュリティ ③暗号化によるデータの保護

LPIC102では「管理タスク」における「ユーザーアカウント・グループアカウント・それに関連するシステムファイルの管理 」が最も出題数の多い項目になります。

一方で「ユーザーインターフェースとデスクトップ」はウェイトの低いトピックです。

レベル2(Level2)

レベル2もレベル1同様、LPIC201とLPIC202に合格する必要があります。

LPIC201

LPIC201の試験内容は以下の通りです。

トピック 内容
キャパシティプランニング ①リソース使用量の測定・トラブルシューティング ②将来のリソースニーズの予測
Linuxカーネル ①カーネルコンポーネント ②カーネルのコンパイル ③カーネルランタイム管理・トラブルシューティング
システム起動 ①SysV-initシステムの起動のカスタマイズ ②システムの復旧 ③代替ブートローダ
ファイルシステムとデバイス ①Linuxファイルシステムの操作 ②Linuxファイルシステムの管理 ③ファイルシステムのオプションの作成・設定
高度なストレージデバイスの管理 ①RAIDの設定 ②ストレージデバイスのアクセス調整 ③論理ボリュームマネージャ
ネットワーク設定 ①基本的なネットワーク設定 ②高度なネットワーク構成・トラブルシューティング ③ネットワークの問題におけるトラブルシューティング
システムメンテナンス ①ソースからのプログラム作成・インストール ②バックアップ操作 ③システム関連の問題についてのユーザーへの通知

LPIC201では「キャパシティプランニング」における「リソース使用量の測定・トラブルシューティング」が最も分量の多い項目になります。

LPIC202

LPIC202は以下のような試験内容です。

トピック 内容
ドメインネームサーバー ①DNAサーバ設定の基本 ②DNSゾーンの作成・保守 ③DNSサーバーの保護
Webサービス ①Webサーバーの実装 ②HTTPS用のApache構成 ③プロキスサーバーの実装 ④リバースプロキシとしてのNginxのインストール・構成
ファイル共有 ①SAMBAサーバーの設定 ②NFSサーバー構成
ネットワーククライアント管理 ①DHCP設定 ②PAM認証 ③LDAPクライアントの使用法 ④OpenLDAPサーバの設定
電子メールサービス ①電子メールサーバー ②メール配送の管理 ③POP及びIMAPデーモンのインストール・構成
システムセキュリティ ①ルータの設定 ②FTPサーバーの保護 ③セキュアシェル(SSH) ④セキュリティのタスク ⑤OpenVPN

LPIC202の重要トピックの一つは「ファイル共有」です。SAMBAサーバーに関するスキルが求められます。

レベル3(Level3)

レベル3では、LPIC300、LPIC303、LPIC304のいずれかに合格することで、各専門分野のLPIC-3認定を受けることができます。

LPIC300

LPIC300は混在環境に関する試験になります。試験内容は以下の通りです。

トピック 内容
OpenLDAPの設定 ①OpenLDAPレプリケーション ②ディレクトリの保護 ③OpenLDAP Serverのパフォーマンスチューニング
認証バックエンドとしてのOpenLDAP ①LDAPとPAM・NSSの統合 ②Active Directory・Kerberos・LDAPの統合
Sambaの基礎 ①Sambaの概念・アーキテクチャ ②Sambaの設定 ③正規のSambaメンテナンス ④Sambaのトラブルシューティング ⑤国際化
Samba共有設定 ①ファイルサービス ②Linuxファイルシステムと共有・サービスパーミッション ③印刷サービス
Sambaユーザとグループ管理 ①ユーザアカウント及びグループの管理 ②認証・認可・Winbind
Sambaドメイン統合 ①PDC・BDCとしてのSamba ②AD互換のドメインコントローラとしてのSamba ③Sambaをドメインサーバとして設定
Sambaネームサービス ①NetBIOS・WINS ②Active Directoryの名前解決
LinuxおよびWindowsクライアントでの作業 ①CIFS統合 ②Windowsクライアントでの作業

上記のように、LPIC300ではSambaに関する出題が大半を占めます。

LPIC303

LPIC303はセキュリティに関する試験です。以下のような内容が出題されます。

トピック 内容
暗号化 ①X.509証明書・公開鍵鍵盤 ②暗号化・署名・認証のためのX.509証明書 ③暗号化ファイルシステム ④DNS・暗号化
ホストのセキュリティ ①ホストの強化 ②ホスト侵入検知 ③ユーザー管理・認証 ④FreeIPAのインストール・Sambaの統合
アクセス制御 ①任意アクセス制御 ②強制アクセス制御 ③ネットワークファイルシステム
ネットワークセキュリティ ①ネットワークの強化 ②ネットワーク侵入検知 ③パケットフィルタリング ④仮想プライベートネットワーク

LPIC303では、各トピックからセキュリティに関する問題が幅広く出題されます。

LPIC304

LPIC304のテーマは「仮想化とハイアベイラビリティ」です。試験内容は以下の通りになります。

トピック 内容
仮想化 ①仮想化の概念・理論 ②Xen ③KVM ④その他の解決ソリューション ⑤Libvirt・関連ツール ⑥クラウド管理ツール
高可用性クラスタ管理 ①高可用性の概念・理論 ②負荷分散クラスタ ③フェイルオーバークラスタ ④エンタープライズLinuxディストリビューションのハイアベイラビリティ
高可用性クラスタストレージ ①DRBD・cLVM ②クラスタファイルシステム

LPIC304では、高可用性クラスタに関する問題は多く出題されます。また仮想化に関してはXenとKVMは特に重要です。

LinuCの試験内容は?

こちらを見る女 LinuCにもLPIC同様、レベル1〜3が存在します。各レベルの構成もLPICと同じです。

レベル1(Level1)

レベル1の認定を受けるには101試験と102試験に合格する必要があります。

101試験

101試験(Version 10.0)の内容は以下の通りです。

トピック 内容
Linuxのインストールと仮想マシン・コンテナの利用 ①Linuxのインストール・起動・接続・切断と停止 ②仮想マシン・コンテナの概念と利用 ③ブートプロセス・sytend ④プロセスの生成・監視・終了 ⑤デスクトップ環境の利用
ファイル・ディレクトリの操作と管理 ①ファイルの所有者・パーミッション ②基本的なファイル管理 ③ハードリンク・シンボリックリンク ④ファイルの配置・検索
GNUとUnixコマンド ①コマンドラインの操作 ②フィルタを使ったテキストストリームの処理 ③ストリーム・パイプ・リダイレクトの使用 ④正規表現を使用したテキストファイルの検索 ⑤エディタを使用した基本的なファイル編集
リポジトリとパッケージ管理 ①aptコマンドによるパッケージ管理 ②Debanパッケージ管理 ③yumコマンドによるパッケージ管理 ④PRMパッケージ管理
ハードウェア・ディスク・パーティション・ファイルシステム ①ハードウェアの基礎知識・設定 ②ハードウェアのレイアウト・パーティション ③ファイルシステムの作成・管理及びマウント

101試験はLPIC101とよく似た内容になっています。ただし、LinuC101では「Linuxのインストールと仮想マシン・コンテナの利用」が最重要のトピックです。

102試験

102試験(Version 10.0)では以下のような内容が出題されます。

トピック 内容
シェル・スクリプト ①シェル環境のカスタマイズ ②シェルスクリプト
ネットワークの基礎 ①インターネットプロトコルの基礎 ②基礎的なネットワーク構成 ③基礎的なネットワークの問題解決 ④クライアント側のDNS設定
システム管理 ①アカウント管理 ②ジョブスケジューリング ③ローカリゼーション・国際化
重要システムサービス ①システムの時刻管理 ②システムのログ ③メール配送エージェント(MTA)の基礎
セキュリティ ①セキュリティ管理業務 ②ホストのセキュリティ設定 ③暗号化及びデータ保護 ④クラウドセキュリティの基礎
オープンソースの文化 ①オープンソースの概念・ライセンス ②オープンソースのコミュティ・エコシステム

102試験ではLPIC102の「ユーザーインターフェースとデスクトップ」にあたるトピックが削除され、代わりに「オープンソースの文化」が追加されています。

レベル2(Level2)

レベル2における201試験・202試験の詳細は以下の通りです。

201試験

201試験(Version 10.0)の試験内容は以下の通りです。

トピック 内容
システム起動・Linuxカーネル ①ブートシステム・GRUG ②システム起動のカスタマイズ ③カーネルの構成要素 ④カーネルのコンパイル ⑤カーネル実行・管理とトラブルシューティング
ファイルシステム・ストレージ管理 ①ファイルシステム設定・マウント ②ファイルシステム管理 ③論理ボリュームマネージャの設定・管理
ネットワーク構成 ①基礎的なネットワーク構成 ②高度なネットワーク構成 ③ネットワークの問題解決
システムの保守・運用管理 ①makeによるソースコードからのビルド・インストール ②バックアップ・リストア ③ユーザへの通知 ④リソース使用状況の把握 ⑤死活監視・リソース監視・運用監視ツール ⑥システム構成ツール
仮想化サーバー ①仮想マシンの仕組み・KVM ②仮想マシンの作成・管理
コンテナ ①コンテナの仕組み ②Dockerコンテナ・コンテナイメージの管理

201試験ではLPIC202における複数のトピックが一つのトピックに統合され、「仮想化サーバー」や「コンテナ」などのトピックが追加されています。

そのため、201試験の方がLPIC201よりもボリュームが多いと言えるでしょう。

202試験

202試験(Version 10.0)では以下のような内容が出題されます。

トピック 内容
ネットワーククライアントの管理 ①DCHPサーバの設定・管理 ②PAM認証 ③LDAPクライアントの利用方法 ④OpenLDAPサーバーの設定
ドメインネームサーバ ①BINDの設定・管理 ②ゾーン情報の管理 ③セキュアなDNSサーバーの実現
HTTPサーバー・プロキシサーバー ①ApacheHTTPサーバーの設定・管理 ②OpenSSL・HTTPSの設定 ③nginxの設定・管理 ④Squidの設定・管理
電子メールサービス ①Postfixの設定・管理 ②Dovecotの設定・管理
ファイル共有サービス ①Sambaの設定・管理 ②NFSサーバーの設定・管理
システムのセキュリティ ①ipitables・firewalldによるパケットフィルタリング ②OpenSSHサーバーの設定・管理 ③OpenVPNの設定・管理 ④セキュリティ業務
システムアーキテクチャ ①高可用システムの実現方法 ②キャパシティプランニング・スケーラビリティの確保 ③クラウドサービス上のシステム構成 ④典型的なシステムアーキテクチャ

202試験においても、LPIC202よりも内容の濃い試験だと言えます。

具体的には「システムアーキテクチャ」の項目が追加され、LPICでは300で扱う高可用システムも試験範囲です。

レベル3(Level3)

LinuCのレベル3は、情報処理推進機構(IPA)の基準において以下の5分野で「レベル3」に位置付けられます。

  • ITスペシャリスト

  • アプリケーションスペシャリスト

  • ソフトウェア ディベロップメント

  • カスタマーサービス

  • ITサービスマネジメント

試験はLPIC同様、300、303、304の3つです。

300試験

300試験では、Windows、UNIX、Linuxシステムなどの混在環境において重要となるスキルが試されます。300試験の試験内容は以下の通りです。

トピック 内容
OpenLDAPの設定 ①OpenDAPのレプリケーション ②ディレクトリの保護 ③OpenLDAPサーバのパフォーマンスチューニング
OpenLDAPの認証バックエンドとしての利用 ①PAM・NSS・LDAPの統合 ②アクティブディレクトリ・Kerberos・LDAPの統合
Sambaの基礎 ①Sambaの概念・アーキテクチャ ②Sambaの設定 ③Sambaの保守 ④Sambaのトラブルシューティング ⑤国際化
Sambaの共有設定 ①ファイルサービス ②Linuxファイルシステムの共有・サービスのパーミッション ③プリントサービス
Sambaのユーザ・グループの管理 ①ユーザアカウント・グループアカウントの管理 ②認証・許可・Winbind
Sambaのドメイン統合 ①SambaのPDC・BDC ②Samba4のAD互換ドメインコントローラ ③Sambaのドメインメンバーサーバとしての設定
Sambaのネームサービス ①NetBIOS・WINS ②アクティブディレクトリの名前解決
Linux・Windowsクライアントの操作 ①CIFS連携 ②Windowsクライアントの操作

300試験ではSamba3.6・Samba4の両方が出題範囲です。新たに追加されたSamba4の重要項目は「アクティブディレクトリ ドメインコントローラ」になります。

303試験

303試験のテーマはLPIC303同様、セキュリティです。以下のような内容が出題されます。

トピック 内容
暗号化 ①X.509証明書・公開鍵の基礎 ②暗号化・署名・認証のX.509証明書 ③暗号化ファイルシステム ④DNSと暗号化
ホストセキュリティ ①ホストの堅牢化 ②ホストの侵入検知 ③ユーザの管理・認証 ④FreeIPAのインストレーション・Sambaの統合
アクセス制御 ①任意アクセス制御 ②強制アクセス制御 ③ネットワークファイルシステム
ネットワークセキュリティ ①ネットワークの堅牢化 ②ネットワークの侵入検知 ③パケットフィルタ ④仮想プライベートネットワーク(VPN)

303試験に関しては、LPIC303とほぼ同内容の試験です。

304試験

304試験では仮想化や高可用性技術に関する知識が求められます。試験内容は以下の通りです。

トピック 内容
仮想化 ①仮想化の概念・理論 ②Xen ③KVM ④その他の仮想化ソリューション ⑤Libvirt・関連ツール ⑥クラウド関連ツール
高可用クラスタ管理 ①高可用性の概念・理論 ②ロードバランスクラスタ ③フェイルオーバークラスタ ④エンタープライズLinuxディストリビューションにおける高可用性
高可用クラスタストレージ ①DRBD・cLVM ②クラスタファイルシステム

304試験に関しても、LPIC304とほぼ同じ試験内容です。こちらでもXen・KVMが特に重要になります。

合格基準点は65~75%のスコア

LPIC・LinuCの合格ラインはどちらも65〜75%程度の得点と言われています。

得点は必ず200〜800点におさまるように採点されるため、全問不正解なら200点、全問正解なら800点です。

LPIC・LinuCの合格点は、(統計的なシステムによって500点前後になるよう調整されているようなので、800点満点中500点以上の得点が必要になります。

単純計算なら62.5%以上の正答率が必要ですが、場合によっては60%程度の正答率で合格できることもあるようです。

試験問題のうち8割は比較的得点しやすい問題だと言われているため、練習段階では80%以上の得点を目指すと良いでしょう。問題演習は試験時間と同じ設定で行うのがおすすめです。

90分間の試験時間

LPIC・LinuCは共にCBT方式で行われます。CBTとは「Computer Based Testing」の略で、コンピュータを用いて行う試験のことです。

試験時間はどの試験も90分間、問題数は全て約60問という設定で行われます。

試験は全国のCBT会場で随時実施されるため、好きな日時及び会場で受験することが可能です。また採点はコンピュータによってその場で行われるため、試験終了後と同時に合否が分かります。

Linuxは今後ますますエンジニアの基礎教養に

Linuxは無料で提供されているOSの一つです。先述したように様々な用途があり、性能としては優れています。

エンジニアを目指す段階では、PHPやJavaScript、Pubyなどのプログラミング言語の習得を重視する者が多いです。しかし、実際にエンジニアとして働く上ではSQLやLinuxの知識が重要になります。

よってエンジニアとして高いレベルで活躍したならば、基礎教養の一つとも言えるLinuxの活用スキルを身に付けておくべきでしょう。

そのためには、LPICやLinuC試験を受けるのがおすすめです。

Linucの試験内容は下記の記事も併せてご覧ください。

LPIC・LinuC試験の対策方法

伸びをする女性 LPIC・LinuCの試験対策に用いる参考書は1、2冊に絞るべきです。1つのテキストをやり込むことによって、各問題の完成度を高めることを意識しましょう。

そうすれば解法を組み合わることによって、試験本番で出題される問題を全て類似問題として処理することが可能です。

全ての問題を事前に対策するのは不可能なため、未知の問題にも対応できる応用能力を身に付けることが重要になります。

独学で挑戦する人もいる

LPIC・ LinuCに独学で合格することも可能です。独学で対策する場合、まずは「あずき本」と呼ばれる「Linux教科書」シリーズの読み込みから始めましょう。

最初はざっと1回読み、試験内容の概要を把握します。読み終わったら再び頭から読み直しましょう。

1日1章・1週間で1周を目標に、3周程度読み返します。特に1周目は詰まる部分も多いと思いますが、根気よく読み進めましょう。理解が難しい部分は適宜ノートにまとめることもおすすめです。

教科書の内容がある程度把握できたら、Ping-tや模擬試験などで問題演習を行います。ちなみにPing-tとは、IT系資格の受験者に向けた学習サイトです。

Ping-tの問題は5〜10周程度反復し、解法を体に染み込ませましょう。間違えた問題や分からない部分に関しては、適宜あずき本で復習することも大切です。

Udemyの講座活用が最もおすすめ

LPIC・Linucの対策を行うなら、Udemyの講座が最もおすすめです。

プロの講義を他の講座と比較しても超お手頃価格で受講できるため、多くの人が手軽に受講を始めることができます。

Udemyの数ある講座の中でも特に資格Timesがおすすめする講座は、「【5日でできる】はじめての Linux 入門(LPIC Level1対応)」です。

実際のLinuxの知識を身につけることはもちろん、LPIC試験対策も実際のコマンド操作を通して効果的に行える点が非常に魅力的でしょう。

Udemyの公式サイトはこちら

その他のLinuC対策講座の利用もおすすめ

パソコンスキルに長けている人でなければ、Linuxの操作を独学で習得するのは難しいでしょう。独学に限界を感じる場合は、悪戦苦闘して時間を浪費するよりも対策講座を利用して短期で効率的に学ぶのがおすすめです。

特にLPIC・LinuCのレベル3まで取得したいと考える場合、レベル1・2に関しては早期に取得しておくべきです。

Linuxの活用スキルは各企業で重要されているため、社内で対策講座を実施している場合もあります。また社内講座がない場合は、個人で以下のような講座を受けることも可能です。

講座名 受講料
Winスクール LPIC資格対策講座(Level1) 148,000円
techhub e-Learning LinuC101/102対策講座 各講座15,000円
Schoo LPIC/LinuC(レベル1)試験対策 月額980円

通信講座も効果的に活用しよう

Linuxの基礎知識を一から身に付けたい場合は、通信講座がおすすめです。通信講座なら好きな時間に自宅で受講できるため、多忙な社会人でも勉強時間が確保しやすくなります

例えば上記で紹介したtechhub e-leaninigであれば、LPIC・LinuC101講座は理解度テストを含めて30時間、102講座は理解度テストを含めて24時間で受講することが可能です。

そのため、働きながら勉強する場合でも短期集中で合格を目指すことができます。ちなみに受講料は15,000円〜30,000円程度です。

また以下の通信講座もあります。

講座名 受講料 受講期間
札幌情報技術学院 LINUXエンジニア養成講座 45,000円 18ヶ月
Knowledge Serve Linux講座 18,900円 3ヶ月

札幌情報技術学院では随時入学を受け付けています。申し込めばすぐに利用できることも通信講座の魅力です。

人気の参考書・問題集は?

LPIC・LinuCには、市販の対策テキスト及び問題集が多数出版されています。おすすめは、やはり先述した「Linux教科書」シリーズです。

翔泳社が出版するテキストで、表紙の色にちなんであずき本と呼ばれています。これ以外にも参考書が存在しますが、複数のテキストを併用するよりもこれ一冊を何周も読み込む方が実力アップには効果的です。

ちなみにLPICのレベル1〜3のそれぞれに対応するあずき本が存在します。

またLPIC・LinuCの問題集としては「スピードマスター問題集」シリーズがおすすめです。同じく翔泳社の出版物で、あずき本に対応する問題集になります。

過去問での問題演習もしよう

LinuCの公式の過去問は存在しません。しかし先述したPing-tなどのサイトを通じて入手することが可能です。

またLPICに関しても過去問の公開はありませんが、「LPI認定試験情報」などのサイトを通じて手に入れることができます。

過去問演習は出題形式や頻出範囲の確認するのに有効です。また試験本番での時間配分の作戦を立てる上でも重要になります。

過去問を解く際は、時間を測って本番の試験時間以下で解く練習を行いましょう。正答率は80%以上を目標にするべきです。

一つの過去問を最低3回は反復して解くことをおすすめします。

LPIC・LinuCを取得することのメリット

風船と女性 LPIC・ LinuCを取得すれば以下のような恩恵を受けることができます。

Linuxのスキルは仕事でも評価される

近年ではクラウド上でLinuxを利用するケースも多く見られます。そのため、Linuxサーバーを管理できるエンジニアはIT業界で重宝される人材です。

先述したようにLinuxはサーバーOSとしても、DTPやDTM環境としても利用できます。幅広い用途を持つため、Linuxスキルがあれば様々な現場で活躍することが可能です。

就職・転職も評価される

LPIC LinuCの合格者は即戦力と見なされるIT人材です。そのため、取得すれば就職・転職を有利に進められます。

また、IT業界では仕事の効率化・コスト削減のためにLinuxを活用する動きがあるため、Linuxスキルの需要は不況の影響をあまり受けません。むしろ不況下の方が需要が高まるとも言えるでしょう。

試験日・会場・受験資格など試験制度をチェック

談笑する女性たち LPIC LinuCの試験はCBT方式で行われます。大半がマウスによる選択問題ですが、一部はキーボードを用いた入力問題です。実技や面接試験はありません。

試験は随時実施され受験のチャンスは多い

LPIC LinuCでは、全国各地の会場で随時試験が実施されます。受験者は好きな日時を選んで受験することが可能です。

いつでも受験できるので、思い立った日から短期集中型で合格が目指せます。そのため、早く合格することをモチベーションに勉強すると良いでしょう。

試験終了と同時に結果が分かるという手軽さも魅力です。

試験は全国各地で受験可能

LPIC LinuCの試験は、ピアソン社が提供する全国のテストセンターで実施されます。会場は企業内の一室や職業訓練学校などに設けられています。

テストセンターは北海道から沖縄まで全国各地に存在するため、近隣の会場を選びましょう。

LPICの試験会場はこちらから確認できます。

申し込みはWEBから行える

LPIC LinuC共にWEBから申し込みが行えます。LPICの場合は、公式サイトの各試験のページにある「バウチャーを購入する」から申し込みが可能です。

またLinuCを申し込む際は、公式サイトの「今すぐ購入する」から受験チケットを入手することができます。

ちなみにLinuCを受験するには、EDUCO-ID及びピアソンVUEアカウントの作成が必要です。

受験料は15,000円

LPIC LinuC共に受験料は15,000円(税抜)です。受験は随時可能ですが、試験を受けるたびに決して安くない受験料がかかるため、きちんと対策して一発合格を目指しましょう

またLinuCに関しては割引制度が存在します。具体的には、LinuCレベル3(300試験・303試験・304試験)を不合格となった場合、再受験する際は5,000円(税抜)で受験することが可能です。

ちなみにLinuCレベル3の受験料は従来30,000円でしたが、2019年7月1日の改定によって半額の15,000円に値下げされました。上記の割引制度が導入されたのも同じ時期です。

再認定ポリシーについて

LPIC LinuCには有意性の期限が存在します。各試験の有意性は5年間が期限です。そのため、認定日から5年以内に同一レベルもしくは上位レベルの認定を受ける必要があります。

再認定を行えば、「ACTIVE」な認定ステータスをさらに5年間維持することが可能です。一方で期限を過ぎてしますとステータスは「INACTIVE」になってしまいます。

資格認定条件に注意しよう

LPIC LinuCの認定を受けるには、下位レベルの有意な認定を保有している必要があります。例えば、LPIC-2の認定を受けるには、LPIC-1において「ACTIVE」な認定ステータスが必要です。

LPIC-1及びLinuCレベル1に関しては前提資格保有条件はありません。

また認定には下位レベルの認定が必要ですが、試験に関しては誰でも受験できます。そのため先にLPIC-2に合格し、後からLPIC-1を受けることも可能です。

受験の際は先述した再認定ポリシーに注意しましょう。有意性の期限が存在するため、最初の受験から5年以内に次の試験を受ける必要があります。

LPIC・LinuCとあわせて受験したいおすすめの資格

パソコンを見る女性 LPIC LinuCは共に、101、102、201、202、300、303、304の順番で難しくなります

またLPIC・LinuCと合わせてVBAエキスパートやCCNAを取得することもおすすめです。

VBAエキスパート

VBAエキスパートとは、Excel VBA及びAccess VBAの操作スキルを測る試験です。試験にはExcel VBA ベーシック、Excel VBA スタンダード、Access VBA ベーシック、Access VBA スタンダードの4つがあります。

特にExcel VBAに関しては様々な職場で活用可能なツールのため、受験する価値は十分です。

ちなみにVBAエキスパートの難易度は、LPIC・LinuCの300、303、304と同水準と言われています。

一般的にVBAはMOSよりも難易度及び評価が高いとされているため、LPIC LinuCの取得後にはぜひ挑戦してみましょう。

CCNA

CCNAはLinuC・LPICと同様、ITインフラ初心者が最初に取得するような資格であり、ITインフラ業界では最もメジャーな資格の一つです。

CCNAは、世界最大手のコンピューターネットワーク機器開発会社であるシスコシステムズが認定する資格なので、信頼性も高いといえます。

CCNAはLinuC・LPICと比べて若干難易度が高いですが、その分取得することで就職や業務で有利になる資格です。未経験からの勉強の際は講座を利用すると効率よく対策が可能でしょう。

CCNAの対策は、初心者からでも3ヶ月で取得が見込めるウズウズカレッジのCCNAコースが特におすすめです。インフラエンジニアへの就業支援まで行っているので、資格取得後の就職もスムーズです。

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LPIC・LinuC試験についてまとめ

LPIC・LinuC試験についてまとめ

  • どちらかがなくなる予定はない
  • 現在両者に互換性はない
  • どっちを受けても間違いなく仕事には活かせる

LPIC・LinuC試験について、両者の違いなどを解説しました。

日本国内においては難易度や影響力に大きな違いはないため、どっちを受けても仕事上でメリットがあります。

ただしグローバルに活用したいという場合は、LPICの方が良いでしょう。2020年現在、LPICからLinuCへの認定移行は適用されないため、よく考えて選ぶ必要があります。

試験勉強には対策講座や通信講座を利用して、最短での合格を目指しましょう。