一級建築士合格までの勉強時間は?独学者の勉強方法から学科試験対策まで詳しく解説
「一級建築士合格までの勉強時間はどれくらい?」
「試験に独学で合格することはできるの?」
このような疑問を感じた方は多いはずです。
一級建築士は難しい資格の1つです。そのため、独学で合格を目指そうと考えている人は本格的な対策が必要となるでしょう。
この記事では、一級建築士の試験の勉強時間から勉強方法・学科試験の対策まで詳しく解説していきます。
この記事を読み終わった頃には、一級建築士の試験勉強を始める準備をしっかりと整えることができるでしょう。
一級建築士合格までの勉強時間についてざっくり説明すると
- 一級建築士の試験合格までの勉強時間は、初学者で約1000時間
- 一級建築士の試験の合格率は約10%、二級建築士の試験が約20%
- 初学者でも独学で合格は可能だが通信講座の方がずっとおすすめ
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一級建築士試験に合格するための勉強時間
一級建築士試験に合格するための勉強時間には、目安の時間が存在します。しかし、初学者と経験者で知識量に違いがあるように、合格までの勉強時間も人によって、大きく差があるのです。
一級建築士試験の合格者の勉強時間は、一般的に学科試験の場合は初学者で1000時間から1500時間と言われています。初学者でも勉強時間は、人によって変わってくるため、幅が広くなっているようです。
学校で建築系を学んでいる方であれば、800時間から1000時間の勉強時間が必要とされています。
これらの数字を参考にした上で、受験者の生活スタイルに合わせた勉強時間・方法を見つけていくと良いでしょう。
生活スタイルは人によって異なるため、受験者ごとの勉強時間・勉強方法を見つけ出して、勉強のスケジュールを立てる必要があるのです。
二級建築士の勉強時間と比較すると
二級建築士試験の合格を目指している初学者の方で、独学で合格を目指す場合は、約700時間が必要となってきます。
また、二級建築士試験に合格している方は一定の知識を持った状態で一級建築士試験に挑む形になるため、勉強時間も大幅に短縮できます。
その場合は、二級建築士試験の勉強に掛かった時間より少し多めに設定しておきましょう。一級建築士試験になるとニ級建築士試験よりも難しくなるため、勉強時間は多くなるはずです。
一級建築士に合格するための勉強期間は?
一級建築士試験に合格するための勉強時間は1000時間から1500時間と言われていますが、どれくらいの勉強期間になるのか気になるはずです。
ここでは、一級建築士試験の目安の勉強期間についても解説していきます。
1年間での学習が現実的
試験に合格する方の中には、勉強期間が短期間の場合もあります。このように勉強期間は人によって異なりますが、最低1000時間の勉強時間が必要と言えるでしょう。
勉強時間を1000時間に設定した場合、勉強期間は約1年間になるでしょう。年単位で勉強期間を設定した方が一級建築士試験に向けて、ゆとりを持って勉強できるはずです。
ただし、ゆとりを持った計画を立てたとしても、継続的な勉強を行うことが一級建築士合格には必要です。
勉強期間が定まった後は現在から逆算をして、細かい勉強時間のスケジュールを決めていきましょう。「1ヶ月」・「1週間」・「1日」という細かい単位で学習スケジュールを立てることがおすすめです。
例えば、勉強時間は1000時間、勉強期間が1年間の場合は毎日3時間以上は勉強する必要があります。毎日、3時間の勉強時間を確保することが難しい方は休日にカバーするようにしましょう。
一級建築士試験の平均受験回数
一級建築士試験の受験回数は人によって異なりますが、一般的に4回以上受験している方が多いようです。
2019年に学科試験の有効期限が延長するということが発表されて、令和2年3月1日に改正建築士法が施行されました。
このことで、学科試験の免除期間が3年から5年に延びて、製図試験も調整しやすくなったのです。
例年の試験日は7月の第四日曜日
一級建築士試験の日程は例年、7月の第4日曜日になっています。しかし、場合によっては試験日程が変更になる可能性もあるでしょう。
正確な情報を知るためには「建築技術教育普及センター」の公式ホームページを参照してください。
短期間で合格した人の具体例
ここでは、短期間で合格した方の勉強時間を紹介しましょう。
独学で勉強を行い、勉強時間が400時間で試験に合格した方がいるようです。合格の勉強時間の目安が初学者で最低1000時間となっているため、相当時間が少ないと感じるでしょう。
試験勉強を独学で行う場合は、自分に合った勉強計画・方法を立てることが重要となってきます。学習内容は1週ごとに分けて、勉強を進めていくことで短期合格を達成できたようです。
また、他の勉強方法としてスマホの過去問アプリ・音声教材を取り入れていたことで、短期合格に大きく近づくことができるようです
時間配分としては、座学300時間・アプリ50時間・音声教材50時間で合わせて、400時間になります。これはあくまでも一例になるため、参考程度にして下さい。
各科目ごとの勉強時間について、受験者の得意・不得意から時間配分を決めましょう。試験対策をしっかりと行なうことで、合格に大きく近付くはずです。
平日・休日で異なる勉強スケジュール
社会人・忙しい方が試験勉強をする際は、平日・休日の勉強スケジュールを変えるのがおすすめです。
休日は勉強時間を多めにすることをおすすめします。また、スケジュールが変更になり当初の計画と違った場合を考えて、予備日を作っておきましょう。
また、社会人が勉強時間の確保するためには、「通勤時間」・「昼休み」・「帰宅後」のこの3つがメインとなるでしょう。
3つとも人によって差が出てくるため、断定的なことは言えませんが、平日の勉強時間としては約2時間ほどになり、ある程度の学習を行えるはずです。
このように仕事の合間にも学習を行えますが、平日は仕事もあり、帰宅してからの勉強が困難であることも事実です。
そのため、平日は特に無理をしない範囲で学習をするよう心がけましょう。
それに伴って休日の勉強時間は、平日の勉強時間よりも多く確保しましょう。平日に勉強できなかった分もカバーする必要があります。勉強時間は6時間以上行うことができれば、良いでしょう。
一級建築士試験の勉強期間は年単位になるため、モチベーションを保つことも大事です。早めから時間に余裕を持って、勉強をコツコツと積み重ねていきましょう。
一級建築士資格の試験内容
合格のために適した学習スケジュールを組むためには、試験についての深い理解が必要不可欠でしょう。
以降では一級建築士試験の試験内容について、詳しく解説していきます。
一級建築士試験の概要
一級建築士試験の「出題科目」・「出題形式」・「出題数」・「試験時間」をまとめると、以下のようになります。
出題科目 | 出題形式 | 出題数 | 試験時間 |
---|---|---|---|
学科Ⅰ(計画) | 四肢択一式 | 20問 | 計2時間(学科Ⅰ・学科IIを合わせて) |
学科II(環境・設備) | 四肢択一式 | 20問 | |
学科III(法規) | 四肢択一式 | 30問 | 1時間45分 |
学科IV(構造) | 四肢択一式 | 30問 | 2学科で計2時間45分(学科Ⅳ・学科Ⅴを合わせて) |
学科V(施工) | 四肢択一式 | 25問 | |
設計製図 | あらかじめ公表する課題の建築物についての設計図書の作成 | 1課題 | 6時間30分 |
学科試験の区分としては「学科の試験」・「設計製図の試験」に分かれています。
また、2021年度の一級建築士試験の合格基準点は125点中87点でした。
さらに、二級建築士試験の合格率は約20%で、一級建築士試験の合格率が約10%になります。
一級建築士試験の方が難易度が高く、しっかりとした試験対策が必要と言えるのです。
5種類の学科試験と製図試験がある
一級建築士試験に合格するためには、学科試験の5種類に合格しなければいけません。更に、製図試験があり、テーマが決められている実技試験です。
「学科の試験」・「設計製図の試験」に合格するために、しっかりとした試験対策をしましょう。
なお、一級建築士の難易度についてはこちらでも詳しく解説しています。
独学に向いている人の特徴
一級建築士試験を勉強する際、独学が向いている方の特徴は、以下のようになります。
- 勉強を計画通りに学習して、モチベーションを保てる
- 解けない問題があっても、諦めずに臨機応変に対応できる
- 製図・計画などデザインの要点を分かりやすく説明できる
このように客観的な判断ができて、臨機応変に対応できる方には独学が向いているでしょう。
初学者でも独学合格は可能
一級建築士試験は、科目数が多く難易度が高いです。しかし、初学者でも独学で合格を狙える試験でもあります。
試験勉強する際は、時間配分に気を付けることが大事です。1つの科目に集中し過ぎてしまうと、他の勉強が疎かになる可能性があります。
また、独学ではテキストを使って内容を理解していくようにしましょう。その後、過去問でアウトプットを進めていく流れが一般的になります。テキスト・過去問を上手く活用して、知識を深めて問題に慣れていくと良いです。
なお、建築士の独学合格についてはこちらも参考にしてください。
初学者と経験者のテキスト選び
一級建築士試験に独学で合格するためには、自身に合った参考書・テキストを選ぶ必要があります。
自分に合っていない参考書・テキストを使っていても、効率良く勉強は進みません。参考書・テキストを選ぶ際は、見やすくて理解しやすいものを選びましょう。
ここでは、一級建築士試験で使用する参考書・テキストを選ぶポイントについて紹介していきます。社会人・忙しい人は限られた時間を有効に使っていきましょう。
初学者には薄い参考書がおすすめ
一級建築士試験が初めての方は、最初に建築分野の用語・問題に慣れると良いです。薄めで何度も繰り返して解きやすいテキストを選びましょう。分厚いテキストを選んでしまっては、途中で諦めてしまう可能性があります。
また、経験者が使用するテキストに進む前に、最低でも薄いテキストを5回は解いておくと安心できるはずです。
経験者には絵や図が豊富なテキスト
経験者の場合は一級建築士の内容を本格的に理解していくとこから始まります。基礎の部分だけではなく、早い段階から応用の部分に触れていくことになるでしょう。
そのためには、「図」・「表」・「絵」などを用いたテキストを選ぶことがおすすめになります。
建築分野は、立体的に物事を理解しなければなりません。試験で役立つ知識を身に付けるために、「図」・「表」・「絵」でも解説している参考書にすると良いでしょう。
一級建築士独学におすすめの勉強方法
続いて、一級建築士試験を独学で合格するためにおすすめの勉強方法を紹介していきます。効率的に勉強を進めていき、試験に合格出来るようにしましょう。
疑問点は検索・質問で解決する
試験勉強を進めている際に参考書・過去問で分からないことがあるはずです。その際の対処方法方としては、解説を読んだり検索してみると良いでしょう。自らが調べて見つけ出した答えなら、忘れにくいはずです。
それでも分からないことがあれば、周囲に相談してみるもありでしょう。同じく一級建築士試験の勉強を行っている方もいるはずです。独学は1人になりがちですが、同じ仲間がいればとても心強いでしょう。
また、すぐに分からないところが解決しない場合は他の問題を解くなどして、解ける問題を増やすようにしましょう。
分からない問題で勉強が止まっていては、試験に合格することが難しいです。気持ちを切り替えて、新たな問題に取り組んでみましょう。
試験内容はインプットから行う
一級建築士試験の勉強は、5種類の科目を理解していきます。その中で法規以外の科目(計画、環境・設備、構造、施工)に関して、参考書から取り組んで内容を把握するところから始めましょう。
参考書から問題に取り組んだ方が勉強がしやすくなるはずです。まずは参考の内容を理解して、しっかりと知識を身に付けましょう。
ちなみに初学者は、建築の専門用語・問題の傾向を掴むところから始めましょう。
いきなり、専門用語が書かれているテキストを読んだとしても、頭に入ってこないはずです。初学者でも取り組んでいきやすいことを1つずつ行いましょう。
製図の問題に関しては、「図」・「絵」・「表」が多く使われているテキストを選んで学んでいきましょう。
これは立体図がイメージしやすく、試験で役に立つからです。頭の中でイメージできるようになれば、理解も深めやすくなるでしょう。
主語・述語を明確にした勉強をする
出題科目の学科Ⅰ「計画」の分野では、主語・述語をハッキリとした文章が書けるように心掛けましょう。また、文章が長くなり過ぎないように簡潔にすると読みやすい文章になって、伝わりやすくなります。
これは全科目に共通しており、勉強をする際には相手に伝わりやすい文章を書けるように練習しましょう。もし、1人で不安の場合は第三者に添削してもらうと良いです。
試験時間も意識して問題を解く
「学科の試験」・「設計製図の試験」とも試験時間に限りがあり、日頃から試験勉強する際から時間を意識するようにしましょう。
試験勉強の段階から時間を意識しておくと本試験際に、焦せらずに落ち着いて取り組むことができるはずです。
一級建築士試験の学科試験は全部で125問もあり、1問に費やすことができる時間は多くありません。
そのため、解けない問題は後に回して、1問で多く解くことを意識しましょう。最後に解けない問題を解いていくようにすると良いです。
製図の試験では、「ゾーニング」が大事になってきます。ちなみに「ゾーニング」とは、空間をテーマ・用途に区分することです。製図において、空間を区分できる力は必要です。
過去問は出来る限り多く解いて慣れる
学科試験の問題は、過去問から約9割ほど出題されています。過去問を使った試験対策を行うことは、本試験で大きく影響します。また、試験勉強をする際に過去問を使うことは効率の良い勉強方法です。
一級建築士試験の出題科目の「法規」に関しては、「法令集」・「過去問」をしっかりと学ぶことができれば、満点を目指すことも可能です。
隙間時間を活用した勉強も必須
一級建築士試験に合格するためには、勉強時間をしっかりと確保する必要があります。また、隙間時間を活用することも効果的な勉強に繋がるでしょう。
ここでは隙間時間を使った勉強方法について、解説していきます。
アプリや音声教材も使って勉強
試験勉強をする際に座学での勉強だけではなく、会社の通勤・家事の合間などの隙間時間を活用することをおすすめします。隙間時間を上手く活用できるかどうかで勉強の進み具合は大きく変わってくるでしょう。
勉強方法としてはテキストのみならず、「アプリ」・「音声教材」を使う方法もあります。「アプリ」・「音声教材」を使う勉強方法はテキストで学んだ内容を復習できたり、苦手な科目を克服できるでしょう。
通信講座もおすすめ
上記のように、一級建築士は独学でも合格を目指すことが可能です。しかし、独学で集中的に学習すべき点がわからず、余計な時間がかかってしまうことも事実でしょう。
そのため、やはり通信講座を用いて合格を狙うのが最もおすすめと言えるでしょう。理解しやすい教材や学習サポートが揃っており、最短合格を狙えるのが通信講座の強みです。
特に、スマホを使って隙間時間に実力アップを狙えるスタディングは最もおすすめできる通信講座となっています。
価格も破格の安さを誇り、大手予備校の10分の1の価格で受講できるのです。
他にも魅力がたくさん詰まった通信講座となっているので、一級建築士対策を行いたい人はぜひスタディングの講座を検討してみてはいかがでしょうか?
一級建築士合格までの勉強時間についてまとめ
一級建築士合格までの勉強時間についてまとめ
- 一級建築士の試験は「学科の試験」・「設計製図の試験」に分かれている
- 試験内容は「インプット」・「アウトプット」で覚える
- 隙間時間に「アプリ」・「音声教材」を使うのも有効的
一級建築士合格までの勉強時間について、項目に分けて解説してきました。
試験の合格率が約10%となっていますが、初学者でも独学で合格することは十分可能になっています。
人によって、試験の勉強時間は大きな差が生じてきます。
ただ、勉強時間には余裕を持って、焦らずに落ち着いて知識を深めていきましょう。
1人でも多く方が一級建築士の試験に合格して、活躍することを願っています。