二級建築士の独学合格を目指すには?勉強法や勉強時間・スケジュールまで徹底解説
「二級建築士に独学合格するためにはどのような勉強法で進めていけばいいの?」
「二級建築士の独学合格に必要な勉強時間はどれくらい?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
二級建築士は不動産業界や建築事務所などで活用できる資格です。
二級建築士試験に合格するためにはどれくらいの勉強時間が必要なのか、独学でも合格をめざせるのか気になる人も多いと思います。
こちらの記事では、二級建築士の独学勉強法や勉強スケジュールなどについて解説します!
二級建築士の勉強法や勉強時間などについてざっくり説明すると
- 二級建築士の合格に必要な勉強時間は500〜1000時間
- 勉強の順序を意識しながらインプットとアウトプットを進めると良い
- 勉強期間は長期になるため、しっかりとスケジュール管理などを行うこと
- スキマ時間もうまく活用していこう
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二級建築士は独学可能?
二級建築士は、学科試験に関しては独学で合格することが可能です。
その理由として以下のような点が挙げられます。
- 学科試験の出題傾向が毎年変わらないため、対策を練りやすい
- 合格ラインが60%(学科は100満点中、おおよそ58~60点以上の正答にて合格)という低い基準であるため、ある程度のミスは許される
しかし、独学でも目指せるとはいえ、学科試験から製図までの期間が短い点や製図の図面については第三者によるチェックが必要であることなどを勘案すると、独学だと難しい面もあります。
学科試験の独学は可能でも、製図試験に関しては独学だと難しいという人も出てくる可能性については留意する必要があります。
二級建築士合格に必要な勉強時間は500時間以上
2級建築士の勉強期間の目安は、建築初学者の場合で1年間、建築系の科目を履修したことのある方で半年間と言われています。
勉強時間で換算すると、建築初学者で合計1000時間、建築系の科目を履修したことのある方で合計500時間くらいが目安です。
1年間で1,000時間勉強するためには、単純計算で1日あたり3時間以上は勉強する必要があるため、かなり大変であることは否めません。
そのため、長期的な戦いになることは覚悟しておきましょう。
二級建築士の独学勉強法
二級建築士は独学でも合格することが十分に可能です。
こちらのトピックでは、独学で合格するための勉強法をお伝えしていきます。
二級建築士の勉強はテキストをやり込む
学科試験の勉強は 「テキストと過去問をやりこむ」という勉強法が合格を目指す上で重要なポイントになってきます。
テキストは市販のテキストで問題ないので、何冊も買うのではなく自分で厳選した一冊をやりこみ、内容を理解できるまで何周も読み込みましょう。
テキストを読む際には、勉強する順番も意識しましょう。
一番最初に「法規」から勉強することで勉強する内容の全体像を理解できるようになります。
法規を最初に勉強する理由
法規を最初に学ぶべき理由は、学科試験でつまずく人が最も多い科目が「法規」だからです。
法規の出題は、試験に出てくる問題を建築基準法が掲載されている「法規」を参照しながら解いていくイメージです。
特に法律の勉強に慣れていない人は、法規の引き方に慣れておらず失点を重ねてしまいがちので、早めに対策を始めると良いでしょう。
演習を繰り返すことで、法規のどの辺りに答えの該当箇所があるのか、よく出されるひっかけのポイントは何かなど出題の傾向も掴むことができます。
学科試験は過去問をやり込むのが大切
学科試験は過去の問題と出題傾向があまり変わらないことから、過去問をひたすらやり込むことが重要です。
過去問をこなせばこなすほど実践力が身に着くため、できるだけ多くの過去問に触れましょう。
特に「建築計画・建築構造・建築施工」は出題傾向が変わらないので、過去問をやり込んだ量が得点に直結します。
6割の得点を取れれば合格可能な試験なので、普段の演習では余裕を持つためにも7割を目指してやり込むと良いでしょう。
過去問を解く量の目安としては、過去5ヵ年分を5周ほど解くとほぼ確実に合格レベルに到達できるでしょう。
出題科目の中でも、得意な科目は3回・苦手な科目は5回解くことで出題のパターンが見えてきて、本番でも対応できるようになります。
製図試験は通信講座などを使って
製図試験の対策は、公式に公開されている模範解答に目を通してから、徹底的にパターンを叩き込むことが大切です。
トレースで図面を何枚も書いていくことで、製図のスキルを習得することができます。
製図試験の難しいポイントは、設問条件をしっかりと読み解き、構想を練って図面に落としていくエスキスの作業です。
このエスキスまでのステップを独学で身に着けるのはかなり難しいため、無理を感じたら通信講座などを活用するなど、柔軟に対応していきましょう。
スタディングで学科も製図試験も対策可能
学習を効率的に進めたいという方には通信講座の利用がおすすめです。
資格Timesがおすすめする建築士講座はスタディングです。
スタディングのオンライン講座は受講費用が学科対策と製図対策セットで88,000円となっていて、大手通学予備校の5分の1以下という破格の費用で受講することができます。
また、講義は全て一流講師によるオンラインの動画講義で提供されるため、スマホやタブレットを使ってちょっとしたスキマ時間などに学習を進めることが可能です。
勉強の進め方がわからない方や、仕事との両立でなかなか勉強時間が取れない方などはぜひスタディングの通信講座の受講を検討してみてください。
二級建築士の独学スケジュール
実際に二級建築士に独学合格するにはどのようなスケジュールで勉強していけばよいのでしょうか。
試験のスケジュールと目標をおさらい
二級建築士の試験は学科と製図の2つに分かれており、年度によっても異なりますが以下の日程であることが多いです。
- 学科試験:7月の第一日曜日
- 製図試験:9月の第二日曜日
ざっくりと言ってしまえば7月前半に学科試験があり、その2ヶ月後に製図試験があるとイメージしておけば問題ありません。
また、学科と製図のそれぞれの合格基準は以下のようになっています。
- 学科試験:4科目の100点満点で、合計58〜60点以上の正答で合格
- 製図試験:4段階区分の最上位「ランクⅠ」を獲得で合格
学科の方は合格基準がそこまで高くないので、多少のミスは許されます。
一方で製図の方は「『知識及び技能』を有するもの」と判断される必要があり、重大なミスを一つでもしてしまうと合格できない試験になっています。
合格率自体は学科も製図そこまで変わらないですが、その点では製図の方が細心の注意が必要と言えるでしょう。
それでは、この合格基準を満たすために具体的にはどのようなスケジュールで勉強すればよいのかを見ていきましょう。
初学者の場合
まずは初学者の場合です。初学者の場合は一般的に1,000時間程度の勉強時間が必要と言われています。
この内学科試験に使う時間は700〜800時間程度になるでしょう。
半年で合格を目指すスケジュール
簡単にスケジュールをまとめるとこのようなイメージになります。
月 | 内容 |
---|---|
1月 | 学科勉強開始 |
7月 | 学科試験 自己採点後製図勉強開始 |
9月 | 製図試験 |
また、学科までに800時間程度の勉強をするための具体的な勉強時間は以下のようなパターンが考えられるでしょう。
〈毎日勉強できる場合〉
項目 | 勉強時間 |
---|---|
平日 | 4.5時間 |
土日 | 4.5時間 |
合計(半年) | 810時間 |
〈土日しかまとまった時間がない場合〉
項目 | 勉強時間 |
---|---|
平日 | 2時間 |
土日 | 10時間 |
合計(半年) | 770時間 |
既習者の場合
初学者の場合です。初学者の場合は一般的に500時間程度の勉強時間が必要と言われています。
この内学科試験に使う時間は300時間程度になるでしょう。
3ヶ月で合格を目指すスケジュール
簡単にスケジュールをまとめるとこのようなイメージになります。
月 | 内容 |
---|---|
4月 | 学科勉強開始 |
7月 | 学科試験 自己採点後製図勉強開始 |
9月 | 製図試験 |
また、学科までに300時間程度の勉強をするための具体的な勉強時間は以下のようなパターンが考えられるでしょう。
〈毎日勉強できる場合〉
項目 | 勉強時間 |
---|---|
平日 | 3.5時間 |
土日 | 3時間 |
合計(半年) | 302時間 |
〈土日しかまとまった時間がない場合〉
項目 | 勉強時間 |
---|---|
平日 | 1時間 |
土日 | 10時間 |
合計(半年) | 321時間 |
二級建築士の勉強におすすめの参考書・アプリ
こちらのトピックで、建築士試験の勉強に使える参考書やアプリを紹介していきます。
初学者向けの参考書
初学者の場合は、まずは建築用語や概念を勉強して全体像をつかみましょう。
最初の内は、なるべく薄い参考書を準備して何周も読み込んでいきましょう。
二級建築士におすすめの参考書
二級建築士勉強にあたっておすすめの参考書は 「スタンダード 二級建築士 2023年版」 です。
出版社は建築士資格試験研究会、価格は3,520円です。
全部で446ページで構成されているこの参考書は、過去の出題傾向を分析して初心者でもわかるように丁寧に解説してくれています。
学科試験4科目の復習と整理と過去問3年分が収録されているため、インプットとアウトプットが効率よく行うことができます。
購入者からの口コミも好評なので、テキスト選びに迷ったらこのテキストを購入すると良いでしょう。
経験者向けの参考書
経験者の場合であれば、初めから本格的な参考書を選んでも良いでしょう。
ただし、文字ばかりで分かりづらいテキストよりも図や表、イラストが多用されているものを選ぶようにしましょう。
二級建築士におすすめの参考書
経験者が二級建築士の合格を目指す場合のオススメ参考書は 「令和5年度版 2級建築士試験学科ポイント整理と確認問題」 です。
出版社は総合資格、価格は3,630円です。
全部で387ページで構成されており、テキスト内の「ポイント整理と確認問題」という項目では重要ポイント編で要点学習、確認問題で理解度チェックができます。
また、過去問から合格に必要な問題が厳選されているため、非常に効率的な勉強が可能で、基礎知識のインプットに最適です。
分野別に問題がされているため、自分の苦手分野などを集中的に勉強することも可能です。
次にオススメするテキストは 「令和4年度版 2級建築士試験学科過去問セレクト7 Now&Next」 です。
出版社は総合資格、価格は3,630円です。
全部で886ページとかなり分厚いテキストで、このテキストを読み込めば試験範囲はすべて網羅できます。
オリジナル解説をつけた過去7年分の問題を収録されており、「解説がどの教材よりもわかりやすい」と評判です。
建築士の勉強に役立つアプリやサイト
紹介した参考書の他にも、建築士の勉強に役立つアプリやサイトが存在するのでそちらを紹介していきます。
また、時間があれば建築遺産などをめぐるのも勉強なるため、ぜひ実践してみてください。
「2級建築士」受験対策
2級建築士受験対策は、過去問を徹底的に繰り返して行うことができるアプリです。
スマートフォンで勉強ができるため、ちょっとしたスキマ時間や通勤時間などを利用して勉強することができます。
毎日隙間時間を使って勉強できるのが大きなポイントで、これまでスマートフォンでゲームなどをする習慣がある人は、その習慣を勉強に置き換えてみましょう。
e-建築用語集
e-建築用語集は、学科試験のための○×式の問題集を無料公開しているアプリです、
こちらもスマートフォンで学習できるため、通学時間や通勤時間で勉強できるのがポイントです。
ダウンロードしておき、ちょっとしたスキマ時間ができたらこのサイトで勉強していくと良いでしょう。
宅建士と建築士の相性は抜群
建築士と相性の良い資格はいくつかありますが、中でも宅建士は特に相性が良いです。
同じ不動産の資格ですが、建築士は建築のプロフェッショナルで宅建士は不動産売買のプロフェッショナルという違いがあります。
宅建士と建築士のダブルライセンスについて解説します。
具体的なダブルライセンスのメリット
建築士と宅建士の資格を取得しておくことで、不動産に関する総合的な知識が身に着き顧客に対して様々な視野から提案ができるようになります。
そのため、不動産業界では非常に貴重な人材として評価され、様々な企業から重宝されるでしょう。
具体的な相談例としては、建築士の知識を生かして建物に関する技術的な提案をして、宅建士の知識を生かして売買後の法律関係や資産としての活用方法などを提案できるようになります。
一級建築士でも二級建築士でも、宅建士とのダブルライセンスのメリットは絶大です。
また、宅建士と建築士は出題範囲の重複が多いため、勉強がしやすい点もメリットです。
具体的には宅地建物取引業法、区分所有法、建築基準法、都市計画法、建物構造などが重複しています。
現在宅建士を取得している人は、ぜは建築士の取得を目指してみると良いでしょう。
宅建士以外の相性が良い資格
1級建築施工管理技士
1級建築施工管理技士は工事責任者には必須の資格であり、建築士との相性も良いです。
特に、建設や土木の業界は深刻な人手不足の状況なので、1級建築施工管理技士の取得はキャリアアップに直結します。
特に監理技術者や主任技術者の不足は深刻なので、有資格者が優遇されるのは間違いありません。
企業内でキャリアアップしたり昇給や昇任につながるだけでなく、転職を目指す際にも大きな武器となる資格なので、建設業界で自分の価値を高めたい人は取得を目指してみてください。
1級土木施工管理技士
1級土木施工管理技士も、深刻な人手不足の状況にあります。
建設や土木業界では就労者の高齢化が進んでおり、また若い人たちも積極的に募集しない傾向にあるためです。
しかし、有資格者不足や、震災からの復興支援、オリンピックに向けたインフラの整備などもあり、土木施工管理技士が活躍できるフィールドはかなり広がっています。
需要も高く、多くの人企業が人材不足で悩んでいる資格なので、土木施工管理技士も自分の価値を高めるためにはピッタリの資格と言えるでしょう。
二級建築士の取得メリット
「建築士を取得するとどのようなメリットがあるのか」を理解すると、より勉強のモチベーションアップにつながります。
企業内でのキャリアアップにつながる
主に建設会社や設計事務所では、建築士資格を取得していることが昇級や昇格の要件になっているところがあります。
建物の規模が大きくなり、より高い専門性が高いレベルになると知識と経験が豊富な人にしか仕事を任せられません。
建築士の資格を持っていることが豊富な知識を持っている証明となるため、大きな案件を任され出世につながる、という好循環が発生するのです。
なお、建設業界以外でも、不動産売買の世界でも建築士の知識は役立ちます。
土地や建物の仕入れや自社物件の建設にあたって、建築士の専門的な知識や技能が生かされる場面は多いので、幅広い世界で活躍が見込まれます。
転職に有利
建築士の資格を取得しておくことで、転職の際に有利に作用します。
その際には、できれば一級建築士を取得しておくとより自分を魅力的にアピールできます。
大手の建設会社にもなると一級建築士の保有が応募条件となる求人があり、そのような求人は非常に待遇がよく魅力的な求人が多いです。
また、収入アップを目指す以外にも、自分のキャリアの選択肢が広げるという意味でも、持っていて損することはありません。
転職市場は前よりも格段に活発にっているため、今では年齢を問わずに多くの人から転職を経験しています。
中でも建設関係の仕事は実務経験が非常に重要なので、40代を超えている人であっても建築士取得者の価値は非常に高いのです。
独立も視野に入る
建築士の資格を独立開業につなげることも可能です。
現在建設業界などで働いており、将来的な独立開業を目指している場合は取得を前向きに検討しましょう。
設計事務所を開設をする際には建築士事務所の登録が必要になります。
なお、建築士事務所登録の登録にあたって以下のような要件をクリアしている必要があります。
- 事務所となる場所がある
- 管理建築士が常勤
- 登記の目的に「建築物の設計・工事監理」が含まれる
管理建築士とは建築士事務所を管理する建築士のことで、管理建築士は建築士でなければなることができません。
なお、開業した建築士事務所は管理建築士の等級によって、一級建築士事務所、二級建築士事務所、木造建築士事務所に分けられます。
一級建築士事務所が最も信頼性が高いため、将来的な独立を目指しているなら一級建築士を目指すべきです。
日頃から「自分が事務所を経営していたら」というイメージを持ちながら仕事に取り組むことで、独立後にも活用できるスキルが身に着くでしょう。
独立開業によるメリット
独立開業することで、定年という概念が消えて元気である限り生涯現役で働くことができます。
特に、近年では働くシニア層が増えており、65歳以上でも適度に働くことが認知症の予防や健康の維持に役立っているという研究結果も出ています。
つまり、独立開業していつまでも働くことで、収入源の確保などの金銭的なメリットがあることに加えて健康の維持にも役立つのです。
年金に関する不安なニュースが多い昨今において、独立開業することのメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
2級建築士の独学勉強法まとめ
建築士の勉強法や勉強時間のまとめ
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500~1000時間の勉強時間が必要になるため、モチベーションの維持も大切
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二級建築士は独学でも取得が狙えるが、途中で無理を感じたら講座利用をしよう
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出題パターンはある程度決まっているため、過去問をやり込んでおくと良い
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スマートフォンを使った勉強もできるため、スキマ時間をうまく活用しよう
建築士は独学でもある程度は対応できる試験です。
しかし、難易度は低くないため、長期に渡る勉強を覚悟しましょう。
勉強する順番にも注意を払いながら、計画的に勉強することを心掛けていきましょう。
また、スマートフォンでも勉強できるサイトやアプリもあるため、通勤時間などのスキマ時間も有効活用することで効率よく勉強することができます。
取得することで様々なメリットがある魅力的な資格なので、ぜひ取得を目指してみてください!