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建築士の合格率は?一級・二級建築士の難易度や試験内容まで徹底解説!

更新日時 2020/06/01

「建築士の合格率ってどのくらい?」

「難易度や試験範囲を詳しく知りたい!」

こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

建築士は非常に人気のある資格ですが、合格率や難易度などの基本情報は案外知られていないものです。

そこでこの記事では、一級・二級建築士の合格率をはじめ、試験の難易度や試験範囲、勉強方法のコツなども詳しくまとめました。

建築士を目指す方はぜひ参考にしてくださいね!

建築士の合格率についてざっくり説明すると

  • 建築士の合格率は二級が20%、一級が10%程度
  • 建築士は二級・一級ともに受験資格が厳格に決まっている
  • 試験は二つに分かれているが両方に合格しないと資格取得できない
  • 一級建築士になると高年収が期待できる
目次
  • 建築士の合格率と難易度

  • 二級建築士の資格

  • 一級建築士の資格

  • 建築士の合格率まとめ

建築士の合格率と難易度

勉強する女性

早速、建築士の合格率や難易度を見ていきましょう。

二級建築士の合格率は20%程度

まずは二級建築士の過去5年間の合格率をご覧ください。

学科

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成27年 19,940 5,996 30.1%
平成28年 20,057 8,488 42.3%
平成29年 19,649 7,197 36.6%
平成30年 19,557 7,366 37.7%
令和元年 19,389 8,143 42.0%

設計製図

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成27年 9,456 5,103 54.0%
平成28年 11,159 5,920 53.1%
平成29年 10,837 5,763 53.2%
平成30年 10,920 5,997 54.9%
令和元年 10,884 5,037 46.3%

全体

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成27年 23,680 5,103 21.5%
平成28年 23,333 5,920 25.4%
平成29年 23,735 5,763 24.3%
平成30年 23,533 5,997 25.5%
令和元年 22,715 5,037 22.2%

これらの表を見ますと、学科試験の合格率は例年30%~40%程度、設計製図の合格率は50%前後であることがわかります。

二級建築士は学科と設計製図、両方の試験に合格しなくてはなりません。「全体」の合格率が20%強程度になっているのはそのためです。

二級建築士は誰でも受けられるわけではない

二級建築士の試験は、受験資格が厳格に決まっています(どのような内容かは後述します)。そのため一定レベル以上の知識を持った人しか受けることができません

しかし事前に一定の教育を受けてもなお20%程度しか合格できていない事実を見ますと、二級建築士の難易度はかなり高いと言うことができるでしょう。

ちなみに試験に合格した後は、各都道府県の知事によって二級建築士の資格が交付されます。

木造建築士の合格率はやや上がる

建築士の資格には木造建築士という種別もあることをご存知でしょうか。

実は木造建築士のほうが、二級建築士よりも合格率がやや低くなっています。まずは合格率をまとめた表をご覧ください。

学科

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成27年 519 284 54.7%
平成28年 495 304 61.4%
平成29年 545 262 48.1%
平成30年 544 312 57.4%
令和元年 595 334 56.1%

設計製図

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成27年 301 152 50.5%
平成28年 351 198 56.4%
平成29年 325 247 76.0%
平成30年 316 205 64.9%
令和元年 357 212 59.4%

全体

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成27年 556 152 27.3%
平成28年 558 198 35.5%
平成29年 616 247 40.1%
平成30年 573 205 35.8%
令和元年 637 212 33.3%

上記の表を見ますと、木造建築士の学科試験は合格率が50%~60%程度であることがわかります。製図試験は50%~75%と幅が大きいですが、概ね50%~60%程度の合格率であると考えて良いでしょう。

両方の科目の合格者(全体)は30%~40%で、二級建築士に比べると難易度は比較的低いと言えます。

木造建築士とは?

木造建築士は木造の住宅専門の建築士です。木造住宅においてはスペシャリストと言えるでしょう

受験資格は二級建築士と同じですが、試験の難易度は二級建築士の内容よりもやや簡単になっています。

建物を管理できる規模が多少制限されるものの、木造建築士と二級建築士はほぼ同じ仕事をすることになります

一級建築士の合格率はかなり低くなる

次に一級建築士の合格率を見ていきましょう。まずは表をご覧ください。

学科

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成27年 25,804 4,806 18.6%
平成28年 26,096 4,213 16.1%
平成29年 26,923 4,946 18.4%
平成30年 25,878 4,742 18.3%
令和元年 25,132 5,729 22.8%

設計製図

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成27年 9,308 3,774 40.5%
平成28年 8,653 3,673 42.4%
平成29年 8,931 3,365 37.7%
平成30年 9,251 3,827 41.4%
令和元年 10,151 3,571 35.2%

全体

年度 合格率
平成27年 12.4%
平成28年 12.0%
平成29年 10.8%
平成30年 12.5%
令和元年 12.0%

一級建築士については、「全体」のデータは合格率のみ公表されています。

こちらの表を見ますと、設計製図の合格率は40%前後とやや高いですが、学科試験は20%弱、全体に至っては10%程度の合格率にしかなっていません。かなりの難関資格だと言えるでしょう

一級建築士は二級建築士と違って、国土交通大臣が交付する資格です。より幅広く深い専門知識が必要になります

合格率は低く試験は難しい

建築士の試験は受験資格が定められているため、それなりの知識を持った人しか受験できません。にもかかわらず、一級・二級ともに非常に合格率が低くなっています。

専門知識があっても1~3割しか合格できない資格というのはそれほど多くありません。建築士は他と比べても非常に難しい資格試験であると言えるでしょう

特に一級建築士の難易度は高く、何年もかけてやっと合格する方もいるほどです。

なぜ建築士の合格率は低いのか

建築士の試験がこれほどまでに難しいのにはいくつか要因がありますが、主に以下が挙げられます。

  • 準備に長期間が必要な試験のため、モチベーションが保ちづらい
  • 試験範囲が拡大され必要な勉強量が増加している
  • 試験時間が非常に長い

建築士の試験は、5~6時間かけて問題を解き続けるという大変苛酷な試験となっています。また勉強量もかなり多く、忍耐が必要です。

それなりの時間、しっかり集中できる人でなければ合格できないということですね。

建築士の偏差値

建築士の試験の難しさを偏差値で表すと、一級建築士が66、二級建築士が56程度だと言われています。

似たような偏差値の資格としては中小企業診断士(偏差値67)、社労士(偏差値65)が挙げられます。

これらの資格も難関として知られていますので、建築士がいかに難しい資格であるかわかります。事前の対策を重ねても、誰でも合格できる資格試験ではないのです。

建築士の合格者年齢割合

ここで、建築士の合格者を年齢別に見てみましょう。まずは一級建築士です。

令和元年 一級建築士・年齢別合格者の割合

年代 割合
24~26歳 26.7%
27~29歳 20.0%
30~34歳 20.3%
35~39歳 13.0%
40歳以上 20.0%

上記のデータから平均年齢を算出すると、一級建築士の合格者の平均は32.8歳となります

次に二級建築士の合格者の年齢もご覧ください。

令和元年 二級建築士・年齢別合格者の割合

年代 割合
24歳以下 55.8%
25~29歳 13.4%
30歳代 16.9%
40歳代 10.5%
50歳以上 3.4%

こちらの表から算出すると、二級建築士の合格者平均年齢は28.0歳です

二級建築士の資格は大学卒業後すぐに取る人が多い

上記の年齢分布を見ますと、二級建築士の資格のほうが取得年齢が低いことがわかりますね。

実は二級建築士の資格は大学を卒業してすぐに取る人が多いため、24歳以下の合格者が半分以上を占めるのです。

一方で一級建築士の資格は、やや年齢層が高くなっています

一級建築士は二級よりも難易度が高い試験です。そのため勉強期間もそれなりに長く取る必要があり、二級建築士の資格を既に持っている人や、実務経験をある程度積んだ人が受験していることがうかがえます

二級建築士の資格

希望の芽

ここからは、一級と二級、それぞれの建築士の資格について、仕事内容や受験資格、年収などを見ていくことにしましょう。

まずは二級建築士の資格を詳しく解説します。

二級建築士の仕事内容

建築士とは、主に建物を設計したり、工事の監理をする仕事です。

二級建築士は設計できる建物の規模や構造の範囲が一級建築士よりも狭くなっています。具体的には以下のような内容です。

  • 木造建築の場合は3階建てまで
  • 高さ13m・軒高9mを超える建物の設計はできない
  • 延べ面積1000平方メートルを超える建築物の設計は不可
  • 木造建築以外(RC構造、鉄構造)では高さ13m、軒高9m、3階建未満、延床面積100平方メートルまで設計・工事監理可能

基本的には戸建住宅を作る仕事

上記の条件から、二級建築士はあまり大きな建物を作ることはできないということになります。基本的には一般的な「戸建住宅」の設計を行うのが二級建築士の仕事です。

競技場や高層ビルなど国家的プロジェクト規模の設計には携わることができないというわけですね。

二級建築士の受験資格

二級建築士には受験資格が厳格に定まっています。

  • 大学(短期大学を含む)又は高等専門学校おいて、指定科目を修めて卒業した者
  • 高等学校または中等教育学校において、指定科目を修了し卒業した者
  • 建築整備士、その他都道府県知事が特に認める者
  • 建築士に関する学歴がない場合は、7年以上の実務経験が有る者

つまり二級建築士の試験を受けるためには、それなりの教育を事前に受けなくてはならないということです。しっかり知識を身に付けた上で試験に臨まなくてはなりません。

事前に教育を受けておらず建築に関する知識がない場合においても、7年以上という長期間の実務経験が必要となります

二級建築士の試験

二級建築士になるためには、先ほどご紹介した受験資格を有した上で、試験に合格しなくてはなりません。

二級建築士はどのような試験内容なのか

二級建築士の試験は、「学科」と「設計製図」の二つに分かれています。まずは学科試験の概要からご説明しましょう。

学科試験

  • 建築計画
  • 建築法規
  • 建築構造
  • 建築施工

これらの科目が5肢択一で出題され、制限時間は6時間というかなり長いものになります

次に設計製図の試験内容です。

設計製図

  • あらかじめ公表される課題の建築物について、設計図書を作成する

設計製図の課題は上記ひとつとなりますが、これを5時間かけてこなさなくてはなりません。学科・設計製図ともに、かなり長時間の試験となります

合格基準は?

二級建築士の学科試験は、100問・100点満点のうち58~60点以上の正答率で合格となります。科目別の基準点は13点で、これをクリアした上で総得点を上記の正答率にする必要があります。

設計製図に関しては、点数ではなく出来栄えを見て合否が決定されます

二級建築士として求められる「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」があると認められれば合格です。

「学科」「設計製図」両方に合格して初めて、二級建築士の試験が「合格」となります。どちらか片方に落ちてしまった場合は不合格となりますので、気を抜かずに頑張りましょう。

二級建築士の試験は一級より簡単

二級建築士の試験は一級建築士よりも簡単だと言われており、合格率を見ても難易度が低いことがわかります。

しかし難関資格であることには変わりありません。地道にコツコツ勉強することが大切ですので、忍耐強く対策をしていきましょう

もし将来的に一級建築士を目指す方でも、まずは二級建築士を受けてみてください。理由は後述しますが、二級建築士の資格を取っておくと一級建築士の試験を受けやすくなります。

二級建築士の年収

二級建築士の平均年収は、およそ440万円~520万円程度と言われています。業種別に見ると以下のようになっています。

業種 年収
ゼネコン 500万
建築会社 480万
ハウスメーカー 470万
設計事務所 480万

一級建築士の年収は600万円~700万円と言われており、それに比べると二級建築士の年収はやや低いです

高年収を目指したい方は、ぜひ一級建築士を目指して勉強を続けていきましょう。

一級建築士の資格

知的な女性

次に一級建築士について、仕事内容や受験資格などを見ていきましょう。

一級建築士の仕事内容

一級建築士も、二級建築士と同じく建物の設計や工事監理が主な仕事内容です。

二級建築士との違いは、仕事の内容に制限がないことです

一級建築士はどんな建物も設計できる

一級建築士は住宅だけでなく病院や学校、商業施設、大型の体育館など、どのような建物の設計も可能です

建物の規模にも制限がありませんので、超高層ビルやオリンピック用のスタジアムなど、国家的プロジェクトに参加することもできます。ここは二級建築士とは大きく異なる点ですね。

一級建築士の受験資格

一級建築士の試験は誰でも受けられるわけではありません。以下の受験資格を満たす必要があります。

  • 学校教育法による大学、もしくは高等専門学校、旧大学令による大学又は旧専門学校令による専門学校において、国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業した者(当該科目を修めて同法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)

  • 二級建築士

  • 国土交通大臣が二級建築士と同等以上の知識、及び技能を有すると認める者

学校で指定の科目を学んだ人だけでなく、二級建築士も一級建築士の試験を受けることができます

一級建築士になるためにも二級建築士の資格を取っておきたい

先ほど「将来的に一級建築士を目指す人も先に二級建築士の資格を取るべき」というお話をしたのは、上記の受験資格が理由です。

二級建築士の資格を取っておけば、いずれ一級建築士の試験に挑戦することができます

易しい資格からチャレンジするのは恥ずかしいと思う必要はありません。それに二級建築士の資格も立派な難関資格です。ぜひ、まずは二級建築士の試験にチャレンジし、資格を取っておきましょう。

一級建築士の試験

一級建築士になるためにも二級建築士と同様に、受験資格を満たした上で試験に合格しなくてはなりません。

試験内容は二級建築士と同じく「学科」と「設計製図」

一級建築士の試験も、二級建築士と同じく「学科」と「設計製図」に分かれています。まずは学科試験の内容からご紹介します。

学科試験

  • 学科Ⅰ:計画
  • 学科Ⅱ:環境・整備
  • 学科Ⅲ:法規
  • 学科Ⅳ:構造
  • 学科Ⅴ:施工

これらの科目が4肢択一で出題されます。試験時間は二級建築士(6時間)よりも長く、6.5時間という長丁場になります

次に設計製図の試験内容です。

設計製図

  • あらかじめ公表される課題の建築物について、設計図書を作成する

設計製図の課題作成時間も、二級建築士(5時間)より長く、6.5時間です

二級建築士と比べて試験内容が難しくなる上、試験時間も長くなります。かなりの集中力が必要になりますから、心しておきましょう

合格ラインは?

一級建築士試験の合格ラインを説明します。

まず学科ですが、学科Ⅰ〜Ⅴそれぞれに対して得点基準が設けられています。それらをクリアした上で、合計で85~97点以上の正答率で合格になります

合格基準点は毎年変わりますが、概ね11点~16点くらいが多いようです。

設計製図の試験については、二級と同じく「一級建築士として必要な、建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」があると認められれば合格となります。

学科と設計製図両方の試験に合格すれば、晴れて一級建築士試験合格となります。

一級建築士の年収

一級建築士の年収は、概ね600万円~700万円とされています。各業種の大体の年収は以下のようになります。

業種 年収
ゼネコン 650万
建築会社 640万
ハウスメーカー 660万
設計事務所 600万

二級建築士と比べると、各業種ともに120万~150万円ほど一級建築士のほうが年収が多いです

仕事内容も一級建築士のほうが幅広いですし、年収面でも大きく開きがあります。やはり建築士の仕事をするなら、一級建築士の資格を持っておきたいですね。

倍率という考え方は間違い?

一級・二級建築士の試験を受ける時に「倍率」を気にする方が時々いるようです。

しかし建築士の試験には倍率という概念はありません。合格者の人数制限はありませんし、得点が合格ラインに達していれば合格となります。

建築士の難易度はあくまでも合格率を基準にしたものです。人数制限は特にありませんから、合格ラインに達することを目指して勉強していきましょう!

建築士の合格率まとめ

建築士の合格率まとめ

  • 建築士は一級・二級いずれも合格率が10%~20%と低く、難易度の高い資格である
  • 学科試験は科目ごとに基準点が決まっており、全てをクリアする必要がある
  • 二級建築士の資格があれば一級建築士にチャレンジできる
  • 高年収を目指すためにも一級建築士の資格を持っておきたい

二級も一級も建築士であることには変わりありませんが、仕事の範囲や年収で比べるとかなり大きな差があります。

ぜひ、まずは二級建築士の試験にチャレンジし、その上で一級建築士を目指していきましょう。

国家の歴史に残るような、素敵な建物を作ってくださいね!

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