税理士合格に近づく過去問活用法|勉強のポイントやおすすめの過去問集まで解説!
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税理士
脇田弥輝
「税理士試験の過去問はどのように活用していけばいいの?」
「税理士の過去問を解き始めるタイミングが分からない…」
税理士勉強中の方の中にはこのようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
税理士の合格を目指す中で、過去問の活用と勉強法はとても重要です。過去問の使い方・取り組み方次第で合格の可能性が大きく変わると言っても差し支えないでしょう。
過去問を使いこなせない人はなかなか合格はできません。
こちらの記事では、税理士試験対策の過去問活用方方法やおすすめ勉強法について解説していきます。
税理士の過去問活用法についてざっくり説明すると
- 税理士試験では他の資格試験とは異なり、過去問の類題が出題されることは少ない
- 科目によって差はあるものの、税理士試験においても過去問は非常に良い教材である
- 過去問を上手に活用することで得点力の向上だけでなく、学習効率も高めることができる
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税理士試験で過去問を軽視すると失敗する?
過去問を取り組み方が不適切だったり、軽視してしまうと試験に失敗する可能性が高まります。
実際、「過去問学習の方法がよく分からない」などといった理由で過去問を直前までスルーしてしまう人や、そもそも過去問にほとんど触れずテキストと問題集だけで勉強を進める人が多いのが実情です。
過去問は総仕上げだけにしない
税理士の過去問を1度だけ本番直前に解く人がとても多いですが、過去問は試験直前に総仕上げとして解くためだけのものではありません。
しかし実態は、過去問を本番直前の腕試しだと思っている人がとても多いのです。
確かにそういった使い方も全くない訳ではありませんが、これでは過去問の良さがほとんど活かせておらず、とてももったいない使い方になっています。
過去問学習で意識すべき点
過去問に取り組む上で、特に意識すべきポイントが4点あります。
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過去問で頻出論点を把握しようと努めること
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難問・奇問を見分けて、勉強しなければならないレベルを把握すること
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本番の試験形式に慣れること
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時間内に問題を解き切る訓練をすること(これだけ直前期)
この4つを意識して過去問を解くのがまずは大切です。
特に過去問題集にはどの論点が過去にどれくらい出題されたのか記載されているケースが多いので、これらのデータを生かして重点的に取り組むべき論点などを見極めていくと良いでしょう。
税理士試験で過去問学習が大切な理由
まずは、過去問が大切な理由を正しく知ることが大切です。
それを知らずに非効率な勉強法で勉強してしまうと、合格を遠ざけてしまう大きな原因となってしまうので要注意です。
では、過去問学習が大切な理由にはどのようなことが挙げられるでしょうか?
過去問は最良の問題集
過去問は普段日常的に使う問題集のように、日々の勉強に取り入れるものです。
具体的には、テキストを読んだ後の問題演習と並行するような形で過去問を解き進めるのが良いでしょう。
他の国家試験と異なり、税理士試験では過去問と同じ問題や類題が出ることは基本的にありませんが、出題のレベルや解かなければいけない水準を把握するのにとても役立ちます。
出題形式に慣れる
どの試験にも独特の出題形式やクセがあったりしますが、過去問演習をすることで出題形式に慣れることができます。
出題形式に慣れるだけで得点力は大きく向上するので、できるだけ長い年度さかのぼって過去問をこなすようにしましょう。
また、上述のように過去問を解くことで出題レベルも把握することができます。
その中で、確実に得点しなければならない問題や、逆に出題頻度も低くいわゆる誰も解けないような難問奇問などの分別なと、本番試験で解答を進めるコツが掴めるようになります。
さらに、レベルを掴むことはその後の勉強の指針にもなるため、過去問は重点的に取り組む必要があるのです。
実際の本番においての対応力を鍛える
当然、試験当日は緊張しているため普段通りの力を100%発揮するのは難しいかもしれません。いきなり難問にあたってしまい、その後の問題の取り組みに影響が出てしまうこともあります。
しかし、過去問で十分に演習を重ねておくことで本番の対応力が磨かれ、このような事態が起きても落ち着いて対処することができます。
このように、日頃から過去問で丁寧に勉強していくことで、様々なメリットがあるのです。
税理士試験における過去問の使い方
過去問は早い段階で触れておく
過去問には直前期の演習に使う用と普段の勉強に使う用の2種類があります。
税理士試験の過去問のうち、直前期の総仕上げに使うのは法改正などの観点から、直近2年分程度で良いでしょう。
それ以前の過去問は、問題集として普段の勉強の中で取り入れていきましょう。
具体的には、テキストを一読して問題集の問題を解く段階に入ったら、それと並行して過去問にも取り組み始めると効果的です。
早いうちから過去問に触れておくことで、それだけ過去問による恩恵を早く享受できます。
5年分は最低でも解く
税理士の過去問をこなす量の目安としては、5~10年分となります。
過去問は最低でも5年分は解いておく必要がありますが、余裕があれば10年分は解いておきましょう。多くこなすほど、出題傾向や本番での対応力が身に付くからです。
5年分であれば2年分は直前期に残しておいて、3年分は普段使いにすると良いでしょう。
直前期の2年分については必ず時間を測って本番と同じ時間配分でチャレンジするようにしましょう。 できれば、本番同様の時間配分と雰囲気を体感するという意味では模試も追加で受けておくのがおすすめです。
日程的に合わないなどで模試に参加できない場合は、過去問を生かして本番さながらの演習を必ずこなしておいてください。
予想問題集も活用しよう
直前期の時間を測った過去問演習が足りない方や、もっと量をこなしておきたい人は、市販の予想問題集を活用するのがおすすめです。
予想問題集は過去問ほど優れてはいないので普段使いの勉強には不向きですが、本番の時間配分と同じ設定で取り組むことにより試験慣れはできるでしょう。
また、市販の予想問題であればこれまでに解いたことのない、いわゆる初見の問題がいくつか紛れています。 そのような問題に対応できるかなど分析することで、自分の今の知識を図る指標にもなるでしょう。
日程的にゆとりがある人は、ぜひ過去問に加えて予想問題に取り組んでみてください。
過去問は反復と復習が命
人間は忘れる生き物です。
普段使いの過去問については1度やったら終わりではなく、難問・奇問を除いて満点が取れるようになるまでしつこく繰り返し解くようにしましょう。
このように、解きっぱなしにせず、しっかりと時間をかけて復習することで知識として定着していきます。
また、単なる答え合わせだけでなく、解説もしっかりと丁寧に読み込むことを意識してください。
過去問の問題と解答を暗記してしまうくらい重点的に取り組むことで、より深く脳にインプットされ問題分の誤りの箇所などに瞬時に気付けるようになります。
深く理解している分野を着実に増やしていくことで、自然と得点も延びていきます。
おすすめの過去問集は?
税理士試験の過去問は、前年度のものであれば国税庁で確認することが可能です。
当然これだけでは足りないので、市販の過去問集も購入する必要があります。
市販の過去問集としてはTACが出版している税理士受験シリーズがおすすめです。
過去問の数は5年分と多くはないですが、解答・解説が非常に分かりやすいほか、過去10年分の出題分析も確認することができます。
ちなみに上記リンク先は簿記論の過去問集ですが、こちらのシリーズではどの科目でもそれぞれ過去問集が用意されているので安心してください。
また、最近は中古品売買の発達に伴ってインターネット上で使用済みの予備校教材なども購入することができますので、選択肢の一つとして考えても良いでしょう。
ただし、古いものであればあるほど現在までの法改正などに対応できない問題が増えていくので、中古であってもできるだけ年度が新しい教材を買うようにしましょう。
税理士の過去問勉強法に関するまとめ
税理士の過去問勉強法に関するまとめ
- 過去問は総仕上げだけではなく、日ごろの勉強にも取り入れるのがおすすめ
- できるだけ早い学習段階で過去問に触れておくのが良い
- 復習が非常に大切であり、解きっぱなしにしない
税理士は超難関資格ですが、その分取得することによるメリットは絶大です。
そして、税理士試験の突破には過去問演習が必ず役立ちます。決して過去問を軽視することなく、効果的に日々の学習に取り入れていきましょう!