育児と税理士受験の両立から仕事の魅力まで|税理士の脇田弥輝さんに取材しました!

更新

「育児をしながら税理士などの難関資格を取ることって本当にできるの?」

先日女性の育児中のリスキリングが話題となりましたが、事実として学びなおしで税理士をはじめとした難関資格を目指している方は多くいらっしゃいます。

そこで、今回は専業主婦から税理士試験に合格し、子育てと税理士業を両立されている脇田弥輝様に育児と試験勉強の両立をはじめ、税理士業の魅力についてインタビューしてきました!

男性・女性問わず参考となるお話が盛りだくさんとなっています。ぜひ最後までご覧ください!

このページにはプロモーションが含まれています

育児と税理士試験を両立した受験生時代。

お話しする脇田さんの画像

育児以外の日々のやりがいを求め勉強をスタート

person1
加藤

本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます。 資格Timesを運営しております、加藤と申します。

本日はどうぞよろしくお願い致します。

person2
脇田様

脇田弥輝税理士事務所で代表を務めております。脇田弥輝(わきたみき)と申します。

本日はよろしくお願い致します。

person1
加藤

はじめに、なぜ税理士試験に挑戦されようと考えたのか教えてください。

person2
脇田様

実は人生で資格試験をうけたことがほとんどなくて。 専業主婦となり、子供が1歳4か月ごろからやっと自分の時間ができ「育児以外の何かを始めたい!」と思ったときに税理士試験が初めて視野に入りました。

様々な試験と比較したのですが、私が比較的数字に強いこともあり一番税理士が夢中になれそうだと思いました。また、税理士試験は科目合格制を採用しているので育児と両立できそうだというのも決め手の一つです。

大手予備校の無料体験講座を受け、勉強をスタートさせました。

person1
加藤

税理士試験の試験制度も決め手の一つだったのですね。

person2
脇田様

そうですね。 他の難関資格よりも育児と両立しやすそうだと当時は思いました。

「科目合格制度を使えば、2~3年で取得できそう!子供が4歳以降に働ければいいな…」 と思い勉強を始めましたが、実際には合格まで7年もかかってしまいました。

学習時間の確保に苦労する毎日

person1
加藤

受験を始めた当時はお子さんが1歳ということですが、育児と学習を両立するために工夫していたポイントを教えてください。

person2
脇田様

幸いにも子供がよく寝てくれるタイプでしたので、「日々一定の時間に子供を寝かせ、勉強時間をつくる」ことを意識していました。

子供が上手く寝てくれれば、昼は2時間・夜3時間の勉強を確保できました。でもいつもはそんなにうまくいかないので、一日の勉強時間はだいたい3時間前後でした。こどもを寝かしつけるときに一緒に寝落ちしてしまうこともたくさんありました。

person1
加藤

お子さんが幼い時は、どうしても勉強時間はコマぎれになりませんでしたか?

person2
脇田様

そうですね。どうしても、とぎれとぎれの勉強スタイルになっていましたね。

なので、家の中で隙間時間に勉強する仕組みを作っていました。

たとえばトイレにもフックを取り付け、そこに教材をかけて読んでいました。

person1
加藤

コツコツ短い時間の学習を確実に積み上げていったのですね。

机に向かわないとなかなかできない計算問題はどのように勉強されていたのですか?

person2
脇田様

子供が寝ている時に集中して頑張ってました!

私は予備校の通信講座で勉強していたのですが、どうしても1回3時間の講義動画が一度に視聴できないときも沢山ありました。なので講義配信された2日以内に視聴を頑張って終え、夜の時間に計算をしていましたね。

勉強が辛い時の対策は?

person1
加藤

育児と学習の両立のなかで、「学習を続けるのが辛い」と感じるような瞬間はございましたか?

person2
脇田様

不合格が2年続いたときが一番つらかったですね。

試験勉強を始めてから育児以外にする事が出来たのは楽しくよかったのですが、2年間勉強して何の結果も出せなかったのには落ち込みました。

模試の結果もよかったんですよね。

ただ、税理士になることは私のキャリアの拡大に直結していました。少しさぼりたいな、遊びたいなと思っても税理士の仕事をしている将来の自分を想像すると頑張る事ができました。

person1
加藤

税理士の仕事に強い憧れがあったんですね。

person2
脇田様

そうかもしれません。

私には他に資格も充実した実務経験もないので、資格を取らずに再就職したら仕事の幅は限られてしまうなという危機感があったのも頑張れた理由だと思います。

育児がひと段落付いたら仕事を探してパート…というのがまだまだ一般的な風潮だったときに、「パートもいいけれど、資格を取ってやりがいのある充実した仕事をしたい!」という思いが人一倍強かったのかもしれませんね。

脇田さんの勉強の原動力と改善ポイント

person1
加藤

税理士合格には数年の学習が必要だったかと思いますが、長く学習を続けられた原動力はなんですか?

person2
脇田様

これは税理士試験ならではかもしれませんが、自分の努力が着実に積み上がっているのが成果としてみえたのが長く続けられたカギかもしれません。

試験合格までは7年かかりましたが、科目合格制を利用して着実に合格科目を増やしつつ大学院に入学・修了(税法免除)をして、自分が着実に合格へとステップアップしているのが日々実感できていました。

長丁場でしたが、受験3年目以降は辞めるほど「辛い!」という気持ちにはなっていないと思います。

person1
加藤

不合格になった際、学習や生活面で改善されたポイントがありましたら教えてください。

person2
脇田様

まずは、受験1~2年目のお話をしますね。 当時の反省点としては、何よりも覚悟や真剣さが足りなかったことです。 私が理系学部出身ということもあり数字に強かったので、税理士試験を甘く見ていました。

3年目から腹をくくり、勉強のスタンスが形成されていきました。

また、運がいいことに子供が大きくなるにつれ時間を確保できたのも学習が改善できたポイントです。子供が預かり保育に入ったり、小学生になるとまとまった時間ができました。

また受験生ママに多いのですが、「子供を完璧に見れないことへの罪悪感」の払拭を意識しました。

例えば「GWとかは子供と一日遊んでもいいな」と気持ちが揺らいでも、「いま遊んで1年合格がのびるのは嫌だから勉強しよう!」と心を鬼にして頑張りました。

とはいっても、自分の頑張りだけでなく周囲のサポートのおかげもあって3年目以降の合格に繋がりました。

person1
加藤

自らの反省も踏まえつつ、周囲のサポートやマインドを入れ替えたところもポイントだったようですね。

学習面の具体的な改善についてもう少しお聞きしてもよいでしょうか?

person2
脇田様

1~2年目は「模試の点は良いのに本試験は取れない!」という悪い傾向がありました。

そこでやっと「模試慣れしてしまっている?」と気づき、3年目に予備校の基礎コースに入り直し、基礎を学びなおすことを決めました。

最初の数年は、予備校の質問解答に最適化してしまっていたと言えますね。

脇田さんの多様な業務内容を深掘り

業務に取り組む脇田さんの画像

開業のきっかけは子供の一言から

person1
加藤

続いて、脇田様のキャリアについてお伺いします。一人事務所としての開業を選んだ理由とは何かありますか?

person2
脇田様

キャリアとしては、ご縁があり務めていたパート・税理士法人を経てベンチャー企業に勤め、最終的に事務所開業となりました。

元々、開業は考えていませんでした。

ベンチャーは激務に加え内部の人と合わず、数か月で退職をしました。 幸いにも失業手当がでたので一日中家にいたのですが、こどもが嬉しそうだったんですよね。そのとき、初めて「開業するのもいいかも?」と思いました。

自宅を仕事場にすれば、家賃・人件費がかからないのも魅力でした。

person1
加藤

開業後についても教えていただいてよろしいでしょうか?

person2
脇田様

開業してからは、知人の依頼を受け申告をするのが初仕事でした。

そこからは知人やお客さんの紹介で仕事が繋がっていき、今の仕事が形成されていきました。

多岐にわたる仕事内容

person1
加藤

今現在どのようなお仕事を手掛けているのでしょうか?

person2
脇田様

今は顧問税理士業に加え、大学の非常勤講師やセミナー活動が主な業務範囲ですね。

person1
加藤

様々なことに取り組んでいるんですね!

person2
脇田様

今は顧問契約先が20数社あり顧問税理士業が仕事の大部分を占めていますが、他にも大学の非常勤講師としてゼミの論文指導を行っています。

ほかにもセミナーでは「つまらない話を難しく言うのはやめよう」ということを一貫して意識しており、たのしくわかりやすく、日常生活の事例を意識したお話をしています。

ウケがいいと嬉しいですね。

脇田様の現在のお仕事内容・受験についてより詳しく知りたい方は、「脇田弥輝オフィシャルブログ「子育てママ~専業主婦から税理士☆合格体験&お仕事日記」」のHPもぜひご覧ください!

仕事で大切なのは「信頼感の形成」

person1
加藤

お仕事をされる上で大切にされている価値観はありますか?

person2
脇田様

経営理念として、「『外部の先生』ではなく『内部の敏腕経理』と思っていただき、お客様とともに事業を成長させる」 ことを大切にしています。

その企業の部外者ではなく、「私がその会社の社長だったら、役員だったら…?」を考えて仕事をしています。

各企業様が一番損しない節税を一緒になやんだり、仕事を適切に分担したり、逆に教えてもらったりしながら、事業を共に成長させることを常日頃意識しています。

person1
加藤

信頼感の形成を大切にされているんですね。

person2
脇田様

私側は顧問契約企業は20数社とありますが、顧問先の税理士はわたし1人なので、先方に「ほおっておかれる」という意識を持たれないようにという点は気を付けています。

即レスや「話しやすい雰囲気作り」も大切にしていますね。

脇田さんが実感する税理士取得の魅力

person1
加藤

脇田さんの感じる税理士資格の取得のメリットや魅力とは何ですか?

person2
脇田様

やはり税理士は独占業務なので、「信頼の獲得度合い」が資格の有無でかなり違うように感じます。

実務経験の有無で仕事が決まることもありますが、「資格があったから入った仕事」は本当に多く、資格を取って良かったと毎日思います。

また開業したからこそ、責任を伴いますが依頼の幅が広がりました。

法人勤めだったらここまで多くの仕事は来なかったと思うし、上司に逐一依頼された仕事内容を言うのは恥ずかしいですもんね。

person1
加藤

開業できたからこそ、責任と判断が伴いつつも自由度と仕事の可能性が広がったのですね。

これからのキャリア形成

person1
加藤

お話を聞いていると、脇田様の受験当時に思い浮かべていたキャリアや夢は大部分が叶っていると思います。いかがでしょうか?

person2
脇田様

そうですね!税理士の勉強していた時の夢は大体叶いました。

出版の仕事にも恵まれ、子供も大きくなり税理士の仕事もたくさんできるようになりました。

person1
加藤

今後の目標はありますか?

person2
脇田様

やはり「経営理念を大事にし続ける」というのは大前提で、あとは顧問税理士をつけていない方にもセミナーなどで「税のことをわかってもらう」仕事をもっと増やしたいですね!

person1
加藤

現状維持ではなく、様々なことにどんどん取り組んでいるのですね。

person2
脇田様

確かに、「面白そうと思ったことは断らずにチャレンジ!」というスタンスです。

税理士試験受験者へのメッセージ

person1
加藤

最後に、税理士受験者の方にメッセージをお願いします。

person2
脇田様

税理士の試験は厳しく、長丁場になりがちです。私も7年という歳月がかかりました。

また、「資格をとらなくても仕事はできる。実務経験の方が大切。」という声が一定数あるのも事実です。

でも資格をとったら、景色は変わります。キャリアの幅が本当に広がります。

ぜひ、みなさんも一度合格を目指したら最後までやり抜いてほしいです!

途中で辛くなってしまうことももちろんあると思いますが、私は7年勉強と続け資格を取得してよかったと心から感じています。

person1
加藤

本日は貴重なお話をいただき、誠にありがとうございます。

資格Timesは資格総合サイト信頼度No.1