データベーススペシャリストは価値がある?資格のメリットから転職状況まで解説!
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「データベーススペシャリストって価値の高い資格なの?」
「データベーススペシャリストとして活躍するにはどのようなスキルが必要なの?」
このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。
データベーススペシャリストは、IT技術の発達に伴って今後ますます価値が上がっていくと考えられています。
難易度は高いものの、将来性が高く多くの企業で活用できる魅力的な資格なので、積極的に取得を検討することをおすすめします。
ここではデータベーススペシャリストの取得メリットや、転職での生かし方などについて解説します!
データベーススペシャリストの取得メリットなどについてざっくり説明すると
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難易度は非常に高い試験だがその分取得メリットは大きい
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高いITスキルを有している人材は貴重なので、転職の場面では大きな武器になる
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将来性も高く高年収も狙える
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企業内外から厚い信頼を得ることができ、キャリアアップにつながる
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データベーススペシャリスト試験の基本情報
データベーススペシャリストは、企業活動において必要な膨大なデータを管理したり、ビジネスの意思決定をする際のデータ分析基盤を提供するデータ管理者などが取得を推奨されています。
公式サイトによると、「高度なIT人材として専門知識を持ち、情報システムの要件定義や開発・運用までにおいて中心的な役割を担ったり、またこれらへの技術支援を行う人」を対象としている試験です。
情報処理技術者試験の高度情報技術者試験に分類されており、レベルは最高の4に位置付けられています。
近年の合格率は14%台とかなり低くなっていることから、難易度の高い試験であることが分かります。
ビッグデータの活用がこれまで以上に重要になってくる時代の中で、データベーススペシャリストはこれらの貴重データを活用できる人材として期待されています。
どんな内容が出題されるか?
データベーススペシャリスト試験は、午前1・2、午後1・2の合計4つの試験があります。
午前は択一式試験で、で午後は記述式試験が行われます。
午前試験
午前Ⅰ試験の内容は応用情報技術者の午前試験と同じく、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系となっています。
出題構成はテクノロジ系17問、マネジメント系5問、ストラテジ系8問の計30問となっており、テクノロジ系のウェイトが重いことが分かります。
ちなみに、すべての問題は同じ時期に行われる応用情報技術者試験の午前問題から選ばれています。
午前Ⅱ試験の出題範囲は、以下の6分野になっています。
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コンピュータ構成要素
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システム構成要素
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データベース
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セキュリティ
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システム開発技術
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ソフトウェア開発管理技術
午前Ⅱ試験の配点は各4点で全25題が出題されます。
出題傾向としてはデータベース分野で7割、それ以外で3割が出題されています。
得意分野にできれば得点源となるデータベース分野を重点的に勉強しましょう。
ウェイトは重いものの、データベース分野の問題はいずれも過去問で出されたものや過去問に類似した問題であるため、対策はしやすいです。
なお、どちらの試験とも100点満点中60点以上の得点で合格となります。
午後Ⅰ
午後Ⅰ試試験の出題範囲は次の3分野です。
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データベースシステムの企画・要件定義・開発に関すること
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データベースシステムの運用・保守に関すること
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データベース技術に関すること
午後試験Ⅰは全部で3題が出題され、その中から2問を選択して解答します。
配点は各問50点であり、60点以上の得点で合格となります。
出題の形としては、問題文の長文を読んでその内容を設問に沿うかたちで記述していく試験となっています。
択一式試験よりも難易度は上がりますが、丁寧に読めば問題文の中に解答のヒントが隠れているのを見つけることができるため、問題文をよく読みヒントを探すことを心掛けましょう。
ヒントさえ見つけられれば比較的簡単に対応することができるため、焦らずに設問を読むようにしましょう。
午後Ⅱ
午後試験Ⅱは2問が出題され、その中から1つを選んで解答する形となっています。
配点は設問の中で異なりますが、60点以上の得点で合格となります。
問題文のページ数が9~14ページほどあるため、読むだけでも疲れてしまう試験です。
制限時間内に長文を読み込んで記述しなければならないため、読解力も同時に必要となります。
なお、データベースの設計などが頻出問題として挙げられるので、必ず押さえておきましょう。
午後Ⅱ試験はデータベーススペシャリストの中で最も難関となるので、ここを苦にせずにスラスラと解けるようになると合格が大きく近づきます。
難易度の高い試験
データベーススペシャリストは情報処理技術者試験のレベル区分で最高峰のレベル4となっており、難易度は情報技術系の資格の中でも最も高い部類に入ります。
難易度を偏差値で表すと67となっており、税理士や司法書士と難易度は近いです。
受験者層は中堅以上のエンジニアが多く占めており、数年の経験を積んだエンジニアがキャリアアップや年収アップを目指して受験するケースが多いです。
そのため、受験者のレベルも自然と高くなり、難易度を押し上げている要因となっています。
また、午後試験では長文読解が出題されるため、設問の要求を正しく理解できる読解力、正しく記述する論述力も必要になります。
単なる知識だけでなく様々なスキルが求められることから、難易度がかなり高いことが分かります。
データベーススペシャリストは価値ある資格
データベーススペシャリストは難易度が非常に高い試験であり、データを扱う唯一の国家資格でことから非常に価値の高い資格であると言えます。
難しく価値の高い分、取得メリットも多いです。
将来性が高い資格
データベーススペシャリストは、ITの発展やデータ化がこれからますます進んでいくにつれて、よりニーズの高い資格となるでしょう。
また、データベースを使いこなすためのITに精通している人材不足は顕著なので、データベーススペシャリストはどの企業からも喉が手が出るほど欲しい人材なのです。
そのため、資格を取得しておくことで将来的な選択の幅が増えていくことは間違いなく、将来性は非常に高い資格です。
また、貴重な人材であるデータベーススペシャリストは高年収の人が多く、1000万円を超える年収を稼いでいる人もいます。
注意点としては、将来性の高い資格である一方で、情報が更新される頻度や新たな技術が導入される頻度が高い点があります。
つまり、常に勉強する姿勢を保ち続けて最新の情報を仕入れていかなければなりません。
最新の技術に関しては特にアンテナを張りながら目を光らせてチェックする必要があるでしょう。
企業からの評価が高まる
データベーススペシャリストという資格を持っていることで、他の企業からの信頼を得やすくなります。
具体的には、初対面の際にこの資格を持っていることを伝えることで、相手に「この人はデータベース管理に関する専門知識を持っているため、即戦力になる」という印象を持たれやすくなります。
また、データベース管理に関して高い知見を持っていることで、各方面から頼られて仕事にやりがいが生まれるでしょう。
相手に安心感を与えることでその後の話し合いをうまく進めたり、関係を良好に保つことができるため、ビジネスの場で多くのメリットがあるでしょう。
転職に効果を発揮
データベーススペシャリスト資格を取得することで、さらに高いレベルで仕事をしていくための実力を兼ね備えているエンジニアとしてアピールできるようになります。
近年は、日本でも転職市場の高まりがあり中途採用を積極的に行う企業が増えています。
転職市場では、自身の実力と経験がものをいう世界であるため、資格を持っていることで実力をアピールしやすくなり結果的に選考で有利に働きやすいのです。
実際、年収アップを目指してデータベーススペシャリストの資格を取得する人も多いため、転職の場で役立つ場面は非常に多いでしょう。
また、就職活動の場合でも人事から高い評価を受けやすく、面接を有利に進められるでしょう。
この場合
「なぜこの資格を取得したのか」「資格を取得して今後どのように生かしていきたいか」など、資格を取得した経緯を明確に説明できるようにしておくことで、就活が盤石になるでしょう。
資格を持っているというアピールだけでなく、それらをどう活かしていくかなど、将来のビジョンもアピールすると好印象です。
他の国家資格の一部免除も
データベーススペシャリストの資格を保持することで、以下の試験の一部が免除されるメリットがあります。
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中小企業診断士の1次試験科目の一部免除
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弁理士試験の論文式筆記試験選択科目の理工V免除
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技術士試験の第一次試験の専門科目「情報工学部門」が免除
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ITコーディネータ試験の一部が免除される専門スキル特別認定試験を受験可能
このように、かなり多くの試験において免除を受けることができ、資格取得の際の負担が少し軽減されるメリットがあります。
ダブルライセンスを取得することにより、より自分の活躍できるフィールドを広げることに繋がり、より自分の市場価値を高めることができます。
他の資格取得を容易にするという面からも、データベーススペシャリストは非常に価値のある資格であると言えるでしょう。
データベーススペシャリストに必要な能力
そもそもどんな仕事をしてるの?
データベーススペシャリストの仕事は、以下の3つが主に挙げられます。
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データベースの企画・設計・要件定義
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データベースの実際の開発
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データベースの管理・運用
1つ目は、顧客の管理データの種類に応じて要望に合ったデータベースの内容検討・分析・中身の設計を行い、顧客が「このようなデータが欲しい」とリクエストしてきたときに応えるための作業です。
2つ目は、実際にデータベースアプリケーションを使って顧客のニーズに合わせたデータベースを開発していき、市場のトレンドなどを分析しています。
なお、開発にあたっては「Oracle Database」や「MySQL」など、開発ごとに最適なアプリを使っていくことになります。
3つ目は、データを適切に保存できるようにデータベースを常に最適化したり、データベースのパフォーマンスの監視や不正アクセスに備えたセキュリティ管理などを行っています。
膨大なデータには個人情報なども含まれるため、セキュリティ管理は非常に重要な作業です。
このように、データベーススペシャリストの業務は多岐に渡るため、多くの企業で活躍が見込まれるのです。
幅広いスキルが求められる
データベーススペシャリストはデータベースソフトを使うため、前述した「Oracle Database」や「MySQL」など、各アプリの知識や理解が必須となります。
また、知識だけでなくそれらを実際に使いこなせる実務能力も必要になります。
また、実際のデータベースを設計・開発・運用するには社内で協力し合って行わなければなりません。
つまり、部署内のコミュニケーションだけでなく他部署などの様々な人と利害調整しながら円滑なコミュニケーションを取らなければ企業全体のパフォーマンスを上げることは出来ないのです。
また、ビジネスを広く見通せる論理的思考力も身に着けておくとより正確なデータベース管理ができるようになります。
具体的には、納期やデータベースの設計の最適化を制約条件の中で考えることが重要です。
合わせて取ることでより価値が上がる資格
データベーススペシャリスト単体でも魅力的な資格ですが、合わせて取得するとより効果的な資格があります。
データベースに関する資格は国家資格だけではなく、ベンダー資格と呼ばれる民間資格も存在します。
データスペシャリストはシステム開発の設計などの上流工程が中心であるのに対し、ベンダー資格は製品の操作スキルなどより実践的な知識を習得することができます。
そのため、ベンダー資格も併せて取得してダブルライセンスを実現できれば、より幅広い能力がアピールすることができ自らのスキルと価値を上げることができます。
オラクルマスター
オラクルマスター試験は「日本オラクル社」が運営する「Oracle Database」の管理法や操作法などの技術力を認定する試験です。
オラクルマスターは4つのグレードで分かれており、簡単なランクから順に「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」となっています。
オラクルマスターは実践を重視する試験内容であるため、知識重視のデータスペシャリストと試験の傾向が異なり、試験対策方法もまた違ってきます。
難易度としてはランクのブロンズ・シルバー・ゴールドはデータベーススペシャリストよりも難易度が低く、プラチナはデータベーススペシャリストよりも難易度が高い試験となっています。
オラクルを日常的に職場で操作する機会がある人は、実践的なスキルを身に着けて技能を高めるという意味でも取得を目指してみると良いでしょう。
注意点としては、飛び級受験はできず1番下のランクから受験する必要が点です。
地道に勉強して徐々に高いランクを目指すようにしましょう。
MCP
MCPはマイクロソフト認定資格プログラムと呼ばれており、マイクロソフト製品の知識・技能を試す試験です。
レベルは低い順から「エントリー」「アソシエイト」「エキスパート」「マスター」の4つに分かれています。
この試験の対象者はかなり幅広く、インフラ系やデベロッパー系の他にもデータベース開発者向けの内容も用意されています。
そのため、自分の行っている業務や高めたいスキルなどを勘案して受験すると良いでしょう。
特にマイクロソフト製品を日常的に使っており、それらの知識や技能を高めたいと考えている人の取得がオススメです。
注意点としては、オラクルマスターと同じく飛び級受験ができないため1番下のランクから受験する必要があることです。
データベーススペシャリストの取得メリットまとめ
データベーススペシャリスト資格の価値まとめ
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今後ますます発展するIT業界で重宝される資格
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将来性がとても高く、高い年収を狙うこともできる
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就活だけでなく転職でも大きな武器になり、自分のキャリアを広げることができる
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他の資格の一部免除規定もあるため、ダブルライセンスを狙いやすくなる
データベーススペシャリストは難易度は高いものの、取得できたときのメリットは非常に大きいです。
自分のスキルを高めたい方・年収アップを狙いたい方・IT業界で活躍したい方など、多くの人にとって様々なメリットを享受できる資格です。
ITは今後ますます発展していくと考えられるため、将来性も申し分ありません。
データベーススペシャリストは魅力たっぷりな資格なので、ぜひ取得を目指してみてはいかがでしょうか?