ネットワークスペシャリスト対策法は?おすすめ参考書から独学のコツまで解説!
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「ネットワークスペシャリストってどんな対策をすれば良いの?」
と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
ネットワークスペシャリスト試験は、IT系資格の最高峰である高度情報技術者試験の一つに数えられます。
難易度の高い試験なので、適切な対策法を実践しなければなりません。
今回は、ネットワークスペシャリストの対策法について、おすすめの参考書や独学のコツ、勉強時間の目安などをお伝えします。
これを読めば、ネットワークスペシャリストに合格する方法がよく分かるはずです。
ネットワークスペシャリストの対策法をざっくり説明すると
- 独学はインプットとアウトプットの徹底が大事
- 生活リズムやスケジュール管理も重要
- 数ヶ月から半年の勉強時間が必要
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ネットワークスペシャリストの基本情報
ネットワークスペシャリストは、大規模で強固なネットワーク環境の構築・運用ができるネットワークエンジニアの資格です。
取得者にはネットワーク全般の幅広い知識が必要になります。
情報システム基盤に関する一連の作業で、中心的な役割を担うことがその役割です。基盤の企画や要件定義から開発・運用までを主導します。
また、高度な専門性を活かした技術支援もネットワークスペシャリストの仕事です。
ネットワーク社会の現代においては、エンジニアに必須の資格とも言えるでしょう。
情報処理技術者試験の中でも高度情報技術者試験の一つに数えられ、IT系国家資格では最上位に位置する資格です。
ネットワークスペシャリストの試験形式
ネットワークスペシャリスト試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4つに分けて実施されます。
各試験の試験時間や出題形式、出題数は以下の通りです。
試験 | 試験時間 | 出題形式 | 出題数 |
---|---|---|---|
午前Ⅰ | 9:30〜10:20(50分) | 四肢択一式 | 30問 |
午前Ⅱ | 10:50〜11:30(40分) | 四肢択一式 | 30問 |
午後Ⅰ | 12:30〜14:00(90分) | 記述式 | 3問 |
午後Ⅱ | 14:30〜16:30(120分) | 記述式 | 2問 |
午後Ⅰに関しては3問中2問を、午後Ⅱでは2問中1問を、それぞれ選んで解答します。
全ての試験が100点満点です。
ネットワークスペシャリストの試験内容
試験対策を行うには、まず試験範囲をきちんと把握しておくことが重要です。
以下では各試験の出題範囲を解説します。
午前Ⅰ
午前Ⅰ試験の出題範囲は、応用情報技術者試験と同じく、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3分野です。
配点は1問3〜4点で、60点以上の得点で合格となります。
テクノロジ系17問、マネジメント系5問、ストラテジ系8問の計30問という出題構成です。
問題は全て、同時期に実施される応用情報技術者試験の午前試験から選定されます。
考察問題が多く選ばれ、文章題が少ないことが特徴です。
出題数の多いテクノロジ系でいかに得点できるかが、合格のカギとなるでしょう。
午前Ⅱ
午前Ⅱ試験は、午前Ⅰと同様の試験範囲から、以下の6分野が出題されます。
-
コンピュータ構成要素
-
システム構成要素
-
ネットワーク
-
セキュリティ
-
システム開発技術
-
ソフトウェア開発管理技術
午前Ⅱの配点は各4点×25問です。こちらも60点以上の得点が合格点となります。
ネットワークの新傾向問題が減少していることもあり、ネットワークとセキュリティの問題さえ押さえれば、十分合格点を取ることが可能です。
午前Ⅰと試験範囲は同じですが、問われる内容が高度になるため、難易度は上がります。
午後Ⅰ
午後Ⅰ・Ⅱに関しては、どちらも以下の範囲から出題されます。
-
ネットワークシステムの企画・要件定義・開発に関すること
-
ネットワークシステムの運用・保守に関すること
-
ネットワーク技術・関連法規・標準に関すること
-
ネットワークサービス活用に関すること
-
ネットワーク・アプリケーション技術に関すること
午後Ⅰでは3問から2問を選んで解答します。配点は各問50点で、60点以上得点すれば合格です。
長文を読解した上で、語句を答えたり、記述を行う問題が中心となります。
設問数が多いので、問題文を素早く読解し、即座に解答を導き出す能力が必要です。
午後Ⅱ
午後Ⅱでは2問中から1問を選んで解答します。長文を読んで、設問に答えるという形式です。
一つの大問には多くの設問が含まれるため、時間内に文章を読解し、素早く解答しなければなりません。
長文の分量は10ページ以上に及ぶため、ざっと文章を読んでその外観を捉えることが重要です。
標準レベルの問題で確実に得点していくことが、合格へのカギとなるでしょう。
おすすめの対策法は?
ネットワークスペシャリストの4つの試験に共通して有効な勉強法が、インプットとアウトプットの徹底です。
インプットとは、テキストを読み込んで基本的な知識を蓄えること、アウトプットは問題集や過去問で演習を行うことになります。
インプットの際は、基本的な知識を中心に記憶し、試験内容の全体像を大まかに捉えることが重要です。
特に午前試験は知識量がものを言う試験なので、インプット作業が大切になります。
知識不足を感じる人は、インプットにより多くの時間を使いましょう。
アウトプットでは、演習を通して問題の形式になれることが大事です。
また自らの弱点を克服し、その部分を確実に克服していくことも必要になります。
分からない箇所はテキストに戻ってじっくり復習を行いましょう。
ネットワークスペシャリストは演習量が得点能力に直結する試験です。そのため、徹底的に演習をこなすようにしましょう。
インプットからアウトプットという流れで勉強することで、知識が頭に定着しやすくなります。
独学合格可能な試験
ネットワークスペシャリストは難易度の高い試験ですが、独学で合格することも可能です。
独学で勉強する際は、上記の勉強法を徹底することが重要になります。
また独学では勉強以外の部分も大切です。具体的には、スケジュール管理やモチベーション維持の工夫などが挙げられます。
仕事などで限られた勉強時間を有効利用するためには、スケジュール管理が必要です。
勉強するべき内容をきちんと把握した上で、それを元に1週間単位の計画を立てましょう。
その際は、ノートやスマホなどを活用して予定を可視化しておくことがおすすめです。常にやるべきことを明確に意識できるようになります。
また試験勉強は長期に及ぶため、どうしてもやる気が落ちてしまうこともあるでしょう。
モチベーション維持の工夫としては、目標点数や目標正解数などノルマを設定することがおすすめです。
日々の勉強から達成感を得られる仕組みを作っておくことで、勉強が継続しやすくなります。
ポイントごとに正しいやり方を押さえよう
試験勉強はインプットからアウトプット、試験直前の仕上げ作業という流れで進めることがおすすめです。
まずはテキストを読み込むインプット作業から始め、ある程度知識が固まったらアウトプット作業へ移行します。
テスト直前期には、実力を落とさないよう注意しながら、最後の仕上げを行いましょう。
インプット
まずはテキストを一回読み、全体の流れを把握しましょう。読み終わったら再び頭から読み始めます。その後は何周も繰り返し読みましょう。
反復して読み続けることで、徐々に知識が定着していきます。
初めのうちは分からない用語や概念も多いです。そのため、1周するのには時間がかかるでしょう。
しかし、読み続けるうちに自然と理解が進むため、読むスピードは速くなります。
途中で飽きてしまうこともあるでしょうが、根気よく読み進めることが重要です。
インプットでは、基本的な知識や頻出事項をじっくりと頭に入れることを心がけましょう。
アウトプット
知識がある程度定着してきたら、問題集や過去問での演習に進みましょう。ネットワークスペシャリスト試験の対策には、特に過去問演習が有効です。
過去問を解くことで問題の形式に慣れ、出題傾向や頻出範囲を把握できます。また自分の弱点を発見し、それを克服することも可能です。
間違えた問題や不安な部分はテキストで復習し、頻出範囲を中心に知識の穴を埋めていきましょう。
特に午前試験は、過去問からの出題が目立つため、演習を徹底的に行うことが重要です。
午後試験でも、長文形式の試験に慣れるためこのアウトプットの過程を通じて、問題の傾向をつかみ慣れる必要があります。
ちなみに過去問は、IPAの公式サイトや市販の問題集を通じて入手することができます。
直前期も注意が必要
試験直前期には、過去問や問題集で間違えた部分の復習や、苦手分野の穴埋めなど中心に行いましょう。
知識は時間とともに忘れてしまうものなので、本番前にテキストを読み返して復習しておくことが肝心です。
たとえ十分な実力がついていると感じても、勉強は継続するようにして下さい。
直前期に油断して気を抜いてしまうと、実力が落ちてしまい試験本番で力が発揮できない可能性があります。
試験本番を終えるまでは、同じペースで勉強を続けることが大切です。
勉強時間は長期間にわたる
ネットワークスペシャリスト試験に合格するには、午前Ⅰ試験が免除されたとして、数ヶ月から半年の勉強時間が必要です。
これは試験範囲全体の基本的な知識はあるものの、ネットワークに関する専門知識はないという想定になります。
専門知識を網羅するのにある程度時間がかかるということです。
一方で、ネットワークに関する知識も持っている場合は、30〜60時間の勉強が目安となります。
専門知識を持っていることは、試験勉強における大きなアドバンテージになるでしょう。
この場合は、論述対策や問題の形式に慣れることに一定の時間が必要です。勉強法は過去問演習が中心となるでしょう。
勉強時間は配分が大事
試験勉強は要領よく行うことが重要です。そのためには、勉強時間の配分を意識しましょう。
ただ闇雲に勉強時間を費やすだけでは、かえって合格が遠のいてしまうこともあります。
自分の状況を鑑みて、対策すべきところにより多くの勉強時間を使うべきです。
応用情報技術者などの資格を取得した上で試験に臨む場合は、ある程度の基礎知識があるため、午後試験対策に時間を注ぐ方が良いでしょう。
午後試験は長文式かつ記述式で、これらの難しい要素を克服するには、十分な演習量が必要です。
一方で基本的な知識に不安がある場合は、まずは午前試験の対策をメインに行うべきでしょう。
基礎知識は4つの試験に共通して必要な土台となるため、確実に身に付けておかなければなりません。
各試験での対策法
各試験では形式や傾向が違うため、それぞれ個別の対策を考える必要があります。
午前Ⅰ試験
午前Ⅰ試験の問題は、応用情報技術者試験や基本情報技術者試験の午前試験からの流用がほとんどです。そのため、大半が基本的な問題になります。
よって、それらの過去問を繰り返し行うことで対策が可能です。
直近3〜5年分の過去問を解き、傾向を掴みながら知識の穴を埋めていきましょう。
分からない部分はすぐにテキストで確認することが重要となります。
演習を行う際は、7、8割以上の正答率を目指すべきです。
午前Ⅰ試験に関しては目新しい知識はないため、基礎的な知識を盤石にすることを心がけましょう。それは試験全体における土台となります。
午前Ⅱ
午前Ⅱ試験では、ネットワークからの出題が全体の7割です。また全体の15%はセキュリティ分野からの出題が占めます。
そのため、それら2つの分野を重点的に対策することが、合格点を突破するためには必要です。
午前Ⅱの問題は、ネットワークスペシャリストの過去問からの出題が半数程度となります。
そのため、過去問演習を中心とした対策が有効です。
ここでは、ネットワークやセキュリティの技術に関する基本的な知識をきちんと押さえるようにしましょう。
それらの知識は午後試験にも応用可能です。
それ以外の分野についても、幅広く知識を習得することが望ましいと言えます。
午後Ⅰ
午後Ⅰ試験は長文問題で、出題は記述式と語句穴埋めが中心です。
内容としては、最新の技術動向や高度な技術内容に関する問題が出題されます。
午後Ⅰでは、ネットワークの技術に関する基本的な知識を固めておくことが重要です。
それは午後Ⅱにおいても必要な基礎となるため、インプット作業にはより多くの時間を使うべきでしょう。
ネットワークの基本的な技術が理解できれば、それを応用して最新技術も理解することができます。
そうなれば、定番問題と応用問題ともに対応することが可能です。
また長文内容を効率よく読解するための読解力が必要になってきます。
これは、文章の要旨を捉える練習を繰り返すことでつく力となります。
午後Ⅱは特に入念に対策
午後Ⅱ試験は、午後Ⅰと同様に長文問題ですが、数十字の短い記述が多く出題されることが特徴です。
午後Ⅱにおいても、まずは基本技術に関する知識をインプットしておくことが大前提となります。
文章の内容を正しく理解するために必要です。
インプット作業の後は、過去問演習に移りましょう。
演習量をこなすことで、問題の解き方を身に付きます。また解答のスピードを上げることも重要です。
記述の際は、求められているキーワードを確実に押さえつつ、根拠や考えを明確に示すような論述を心がけましょう。
読解力に不安を感じる場合は、文章を読む練習も必要です。
おすすめ参考書
ネットワークスペシャリストの独学におすすめの参考書は、「徹底攻略 ネットワークスペシャリスト教科書」です。
基本的な知識から応用的な内容まで、これ一冊で全て学べるという有用な参考書です。
難易度の高い午後試験に関しては『2023 ネットワークスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策』を使うのが良いでしょう。
試験の頻出用語や技術について、分かりやすい解説がされているので魅力的と言えます。
特に午後試験について徹底的な分析がされているため、鬼門となる午後試験対策には積極的に活用したい一冊です。
午後試験の解法を詳しく知りたい人向けの参考書も
午後試験の解法についてより詳しく理解したい場合は、「ネスぺR4 本物のネットワークスペシャリストになるための最も詳しい過去問解説」がおすすめです。
令和4年度の午後試験Ⅰ・Ⅱの解説だけで400ページもの分量があり、他の参考書を圧倒する午後試験対策の充実ぶりが魅力です。
思考プロセスに加え、解答の組み立て方やありがちな間違いなども解説してくれるため、細部に至るまで徹底的に学べます。
ちなみに「ネスぺR4」は令和4年度版ですが、他の年度に関しても出版されています。
効率のよい対策をするために押さえるべきポイント
勉強は効率よく行うことが肝心で、がむしゃらに勉強するだけでは逆効果になりこともあります。
以下では勉強する際に重要となるポイントをいくつか紹介します。これはネットワークスペシャリスト試験に関わらず、あらゆる資格試験対策に応用可能です。
生活リズムを崩さない
生活リズムが崩れると脳のパフォーマンスが落ちるため、勉強の効率も悪くなります。
生活リズムを正すには、規則正しい睡眠が大切です。睡眠をきちんと取るためには、睡眠に関する決まりを作ると良いでしょう。
例えば、日をまたぐ前には就寝することや起床時間を決めるなどです。
睡眠から生活リズムを一定に保ち、頭の働きを良くすることを意識しましょう。
メリハリを持って勉強する
勉強にメリハリを持たせるために、1日の勉強時間をあらかじめ決めておきましょう。
終わりが見えることでモチベーションを維持しながら勉強することが可能です。
どの分野にどれだけの時間を使うということまで事前に決めておき、時間内に終わらせることを目標にして勉強しましょう。
時間内に終わらなかった場合は、むやみに勉強時間を伸ばす必要はありません。
終わらなかった原因を考察し、次の日に活かしましょう。
勉強を続けるうちに最適な時間設定が見えてくるはずです。
達成感を得ることが目的でもあるので、実現可能な設定にすることをおすすめします。
スケジュールを定める
合格には継続的な勉強が何より大切です。そのために、まずは学習スケジュールを立てましょう。
合格までの道筋をはっきりさせておくことで、勉強が継続しやすくなります。
スケジュールを立てる際は、試験範囲をきちんと把握した上で、自分に必要な勉強時間を設定することが大事です。
また、全てを満遍なく対策するのではなく、頻出範囲を重点的に特訓するような学習スケジュールにすることを心がけましょう。
疑問点をなくす
試験勉強でつまづいた時はなるべくその場で解決するようにしましょう。
分からない箇所はテキストを読み返して復習するのがおすすめです。
つまづきをそのまま放置しておくと、知識の習得が不完全になり、本番で足元をすくわれるかもしれません。
午前試験対策においては、理解できない用語はその都度テキストで確認し、知識の穴を埋めていくことが大切です。
また午後試験対策では、解説書を読んで解答の流れを知ることが重要になります。
その流れを自分なりに再現すれば、疑問点を解消することもできるでしょう。
通信講座の活用もおすすめ
独学での最大のデメリットは、モチベーション維持が難しいことです。
特に多忙な社会人や主婦の方が資格取得を目指す場合、仕事や家事を理由に勉強が疎かになることも少なくありません。
忙しい中でやる気を継続させることは困難と言えます。
そのため、試験勉強はなるべく短期間で効率良く済ませることがおすすめです。勉強法としては、通信講座を利用するのが良いでしょう。
通信講座のメリット
通信講座なら試験対策に特化した講義を受けられるため、合格に必要なエッセンスだけを学ぶことができます。
独学で一から悪戦苦闘するよりも、はるかに効率的な勉強と言えるでしょう。
通信講座では費用がかかることがネックですが、予備校に通う場合と比較すれば、安い受講料で講義を受けることができます。
大原の通信講座が最もおすすめ
ネットワークスペシャリスト対策の通信講座を受講するなら、資格の大原が最もおすすめです。
この講座は、午前Ⅰ試験の基本的な対策から、鬼門の午後Ⅱ試験の応用的な解答ノウハウまで教材と講師の講義でしっかり学習することができます。
4つの試験の合格点を突破するための要素が余すところなく網羅されているため、ネットワークスペシャリスト試験合格を目指すためにはピッタリの講座であるといえるでしょう。
ネットワークスペシャリストの対策法まとめ
ネットワークスペシャリストの対策法まとめ
- インプットからアウトプット、試験直前の仕上げの3段階
- モチベーション維持の工夫をするべき
- 通信講座で効率よく学ぶのもおすすめ
ネットワークスペシャリストの対策法について解説しました。
独学での勉強では、インプットからアウトプットへという流れが基本になります。
またスケジュール管理やモチベーション維持の工夫など、勉強以外の部分も重要です。
独学に不安を覚える人や多忙で勉強時間が取れない人は、通信講座の活用をおすすめします。