宅建の農地法を解説!3条4条5条の違いや地目など農地法を完璧に理解しよう

更新日時 2019/12/30

「宅建士試験の農地法ってどのように勉強すればいいの?」

「宅建の農地法の論点がなかなか覚えられない!」

このような疑問やお悩みをお持ちの方、いらっしゃいませんか?

宅建士試験において農地法はほぼ毎年出題されている論点であるため、覚えられないからと言って捨てるのはオススメできません。

しっかりと取り組めば確実に得点できる論点なので、しっかりと勉強していきましょう。

今回資格Timesでは宅建試験における農地法の出題傾向や3条・4条・5条の内容などについて解説していきます!

宅建の農地法の出題についてざっくり説明すると

  • 難しく感じるのは最初だけ
  • 各条文をしっかりと区別すること
  • 宅建は過去問演習が重要

農地法の出題数

大きな疑問

宅建試験において、農地法に関する問題は毎年1題出題されることが多いです。

そして、出題される内容の傾向が過去問から掴めるため、過去問教材が非常に参考になります。

具体的には事例が何条に当てはまるのか、その条項で定められていることと選択肢の内容が合っているのかといったことに重きを置いて、地目などについて押さえてくと効率的な勉強ができます。

宅建試験の農地法の問題の勉強法

勉強する男性

まず、宅建の農地法の勉強で必要なことは農地法が制定された目的や背景を知ることです。

農地法は、原則として農地を保護して農業を振興させることが目的の法律であることを理解しましょう。

その上で、主に与えられた事象が3条・4条・5条のどれに対応するのかを考え、そして3条・4条・5条のそれぞれで違う点はどこかをしっかりと覚えることが必要です。

そのため、3条・4条・5条の内容について学んだ上で、比較してそれぞれの違いを理解することを心がけましょう。

農地法の出題内容

テキストと眼鏡

農地法の概観

農地法の概観とは、農地法の目的などのことです。

農業を営むつもりのない者が農地を持つと、食料自給率が下がってしまうなどの悪影響が出ます。

そこで、食料自給のための農地の確保や農業従事者の地位の安定と経済的な安定を目的として農地に関する厳しい規制が行われているのです。

つまり、農地法は農地を守るためにある法律で農地を他の目的に転用するときに規制が強くなります。

農地法に関わる地目

農地法が規定している「農地」は、農地と採草牧草地があります。

農地は「耕作の目的に供される土地」であり、採草牧草地は「農地以外の土地で、主として耕作や家畜の放牧、家畜用の飼料等にするために草を取る目的で使われる土地」を指します。

田畑や牧場が農地法の適用を受ける、と覚えておきましょう。

地目の判断基準

地目の判断基準には3つのポイントがあります。

  • 登記簿上の地目ではなく事実状態で判断される

  • 使用目的ではなく客観的に判断する

  • 一時的な状態では判断しない

農地以外の地目で登録されていても、現状農地とみなせる場合は農地とみなし、作物を作っていても家庭菜園のような規模のものであれば農地とはみなさず、休耕地でも農地とみなされる、ということです。

押さえておくべきは上記3点で、特に最初の「現況で判断する」というフレーズは重要です。これら地目に関する項目もしっかりと覚えておきましょう。

これら判断基準をまとめると、農地法の適用に関しては「農業をする土地として使えるポテンシャル」を重視していることになります。

では、ここで過去問を一つ見てみましょう。

> 登記簿上の地目が山林となっている土地であっても、現に耕作の目的に供されている場合には、法に規定する農地に該当する。

どうでしょうか?

正解は〇です。農地法は現況主義であるため、現況で判断します。

3条

3条の対象となる場合

農地法第三条は、権利移動に関する条項です。

農地から農地、採草牧草地から採草牧草地の地目の変更を伴わない権利移動をする場合、3条が関わってきます。

採草牧草地から農地への転用を伴う権利移動がある場合や、農地から牧草採草地への転用が伴う場合は5条の規定を受けるため注意が必要です。

許可の申請先

3条の場合、農業委員会の許可を得る必要があります。4条・5条の場合は許可権者が都道府県知事となりますので、しっかりと区別しましょう。

なお、農業委員会の許可がない契約は無効となります。

取引ごとの3条許可の要不要

売買のみならず、贈与や貸借・使用権設定・質入れ等耕作者が変わってしまう場合はどれも許可が必要になります。

一方で、抵当権の設定や売買の予約など、所有権移転につながりかねないことであっても、その時点で耕作者が変わらないものであれば許可は不要となります。

「その時点で耕作者が変わらない」というところがポイントになります。

3条許可が不要となる場合

権利を取得する側が国や都道府県である場合や、土地収用法による収容、民事調停法による農事調停の場合は3条に関する農業委員会の許可が不要になります。

個別事案としては、遺産分割による権威移転の場合があります。

このケースであれば、許可をしないわけにはいかないため許可は不要となりますが、その代わり農業委員会に届出が必要となります。

なぜ届出が必要になるのかというと、所有者の把握をするためです。

4条

4条の対象となる場合

農地法4条の適用を受けるのは、農地の転用に関することです。

農地から農地以外に転用をする場合で、権利移転を伴わない場合に4条の規制が関わってきます。

ちなみに、4条の規制を受けるのは農地だけであり、採草牧草地は4条の規制を受けません。

この点はしっかりと暗記しておきましょう。

許可の取り方

もしも農地から農地以外への転用をした場合、都道府県知事の許可を得る必要があります。

許可を得ずに転用をした場合、中止のうえ原状回復を求められることになります。

4条許可が不要となる場合

4条に関する許可が不要なケースも押さえる必要があります。

  • 市街化区域内の農地であらかじめ農業委員会に届け出をしてある場合
  • 国・都道府県による転用の場合(例外あり)
  • 土地収用法により収容した農地を転用する場合
  • 市町村が道路や河川等の公共施設に転用する場合
  • 土地区画整理事業で道路、公園等の公共施設に転用する場合

以上のケースの場合、4条の許可が不要になるので過去問演習などを通じてしっかりと覚えるようにしましょう。

国・都道府県による転用の場合の例外については、農業や地域の振興につながるような道路建設や水路などを作る場合は協議は不要ですが、それ以外の学校・病院などへの転用の場合は知事との協議が必要となります。(許可まではいらない点に注意)

5条

5条の対象となる取引

5条の対象となる取引は、転用目的の権利移転です。

農地から農地以外(農地から採草牧草地も含む)への権利移転を伴う転用、採草牧草地から採草牧草地・農地以外への転用を伴う権利移転がある場合は5条の規制対象となります。

「転用と、権利移転の両方がある」場合は5条と覚えておきましょう。

許可の取り方

5条の許可などの決まりは、4条の場合と同様に都道府県知事の許可が必要になります。

許可がなかった場合は3条4条と同じく、契約の無効と転用の工事は中止したうえで原状復帰を命じられることになります。

「3条と4条が合体したような形」 と覚えましょう。

許可不要な場合。

許可が不要な場合のケースは、4条と同様です。

国や都道府県による転用の場合の協議についても同様であるため、4条と5条はセットで覚えましょう。

ちなみに、農地を農地以外のものにするために貸し付ける場合も5条許可が必要となり、一時的に貸し付けて資材置き場などに利用する場合も許可が必要となります。

345条の比較

許可を得る際の申請先は、3条許可は農業委員会・4条と5条は都道府県知事の違いがあります。

4条と5条は一時転用の場合でも許可が必要となる点に注意が必要です。

これら3条~5条までの申請先の違いやどのような取引の際に何条の規制がかかてくるのかは、自分で表などを作成して覚えると効果的です。

一度書いたら終わりにするのではなく、何も見ずに同じ表を書くことができるまで繰り返し勉強しましょう。

借地人の保護

引き渡しによる対抗力

借地人の保護を考える際には、土地の所有者が変わった場合を想定してみましょう。

本来、民法で定められるところでは借地人は借地権の登記があって始めて対抗力を持ちますが、農地法では耕作人を守るために引き渡しを受けていることで対抗力を持つことになります。

このように、民法の一般的な解釈と農地法での解釈に違いがあるので、しっかりと整理しておきましょう。

契約期間の特例

民法での契約期間は20年までとなっていますが、農地の賃貸借契約は50年まで伸ばすことができます。

民法と農地法の関係は一般法と特別法という関係にあり、特別法が優先されるため農地の賃貸借は50年まで伸ばすことができる、というわけです。

契約期間が長い理由は、農地を通じて国民に対する食料の安定供給の確保という観点からです。

解約時の制約

賃貸借の期間満了前に更新しない旨の通知(通知には都道府県知事の許可が必要)をしないときは、従前と同一条件でさらに賃貸借をしたものと見なされます。

基本的には、土地の貸借契約を解約する場合は互いの合意があれば十分であるとされています。

また、農地の賃貸借契約を解除・解約する場合には、原則として都道府県知事の許可を受ける必要があります。

農地を保有できる法人の要件

法人が農地を保有する場合、農地所有適格法人のみが農地を所有することができます。

その法人形態は株式会社(公開でないもの)、持分会社、農事組合法人であり、売り上げの大半が加工や販売までを含めた農業に関係するものである必要があります。

さらに、農業関係者の議決権が総決議権の1/2を占めており、また役員の過半数が加工や販売までを含めた農業の常時事業者であることと、役員と重要な使用人(農場の長など)のうち1人以上が農作業に従事していることも求められます。

なお、農地所有適格法人であっても農地を工作目的で借りることができます。

これらの内容はそこまで重要ではなく、選択肢に出てくることもありますが基本的には他の選択肢を読めば正解が導けるようになっているため重要論点ではありません。

余裕があれば学習する程度で十分でしょう。

農地法の効果的な学習方法

スマホで学習

農地法は一見、複雑で難しそうに見えますが、実際の問題の難易度は普通程度です。

まずはテキストを読み込みつつ、読んだ後はすぐに過去問などに取り組んでみてください。

農地法は、出題される論点がほぼ決まっているため過去問演習をしっかりと行えば自然と理解でき、解けるようになります。

とっつきにくいのは最初だけであり、過去問を5~10年分くらい解けば出題のクセや引っ掛けるポイントなどもわかってきます。

とにかく、宅建は1点が非常に重い試験になるので、捨て問題にするのは絶対にやめましょう。

宅建の農地法に関するまとめ

宅建の農地法に関するまとめ

  • 宅建は1問が重いため、捨て問題にしない!

  • 過去問演習を繰り返せばできるようになる!

  • 制定された目的からしっかりと理解する!

宅建試験で出題される農地法は、コツさえつかめれば確実に1点を取れる論点です。

そのため、最初わからなくても不安に思う必要はなく、あきらめずに取り組むことが重要です。

宅建は取得するメリットが大きなしかくなので、勉強頑張ってください!