菓子検定ってどんな資格?試験概要・各級の特徴・独学勉強法まで全て解説!
「菓子検定」という資格をご存知でしょうか?
「菓子検定」は洋菓子と和菓子、衛生という、菓子作りについてを網羅した検定です。お菓子作りに興味を持っている人なら、気になる検定でしょう。
そこで、この記事では、菓子検定とはどんな試験なのか、どのように勉強すればいいのか、また将来のステップアップにつながるのかなどを紹介していきます。
ぜひ最後までご覧になってみてください。
菓子検定についてざっくり説明すると
- 洋菓子を中心に、和菓子と衛生に関しての知識がつく
- 「製菓衛生師」や「菓子製造技能士」などを目指す人におすすめ
- 年に2回実施されている
菓子検定ってどんな資格?
菓子検定とは、洋菓子や和菓子、衛生についての知識を測る検定です。
ただ、検定の目的は食を楽しむことにあるので、お菓子に興味がある人は、挑戦する価値がある検定といえるでしょう。 ぜひ、この記事を読むことで菓子検定について詳しくなってくださいね。
菓子検定とは
菓子検定は、お菓子の可能性を知ってもらい、食べることを今以上に楽しむことを目的とした資格です。そのため、お菓子の食材はもちろん、道具や製菓法、文化、歴史まで幅広く学んでいきます。
また、様々なお菓子の作り方のコツについても深く学べるので、お菓子を食べるのが好きな人から作る人まで、誰でもお菓子の魅力を再発見できる検定です。
菓子検定の主催団体
菓子検定の主催団体は、大阪あべの辻調理師専門学校・辻製菓専門学校と料理検定・菓子検定委員会です。
辻調理師専門学校・辻製菓専門学校は、1960年に前身の辻調理師学校が設立されて以来続く、調理学校の老舗です。
調理師という食の専門家を輩出している組織が実施する検定ですので、お菓子についての理解を安心してつけられるといえるでしょう。
菓子検定に合格すると合格者特典が手に入る
菓子検定に挑戦して合格すると、合格者特典として「認定バッジ」と「認定証」を得られるのが魅力の1つです。
バッジには、フランス語で「美食は常に進化し続けるものである」という文字が刻まれています。この言葉には、合格者にもっと料理の素晴らしさを知って欲しいという願いが込められています。
そのため、このバッジを見ながらお菓子作りをすれば、よりおいしいものが作れるようになるのではないでしょうか。
ちなみに、この検定は2020年6~7月に実施されるものが6回目です。まだまだ希少なバッジですので、挑戦する価値はかなりあります。
菓子検定の難易度
菓子検定には、2級と3級の2つがあります。それぞれに難易度や出題範囲、試験時間などが異なりますので、ここで詳しく解説していきます。
菓子検定3級の試験範囲
菓子検定3級の試験範囲は、洋菓子と和菓子の基本的な知識と栄養や衛生についての初歩的な部分が問われます。
内訳は洋菓子が80~90%で和菓子が10~20%、栄養や衛生についてが数%となっています。お菓子の基本的な知識が問われるので、難易度は易しい方です。
対象者は「お菓子に興味を持つ人」となっているので、お菓子作りの初心者でも受験可能です。お菓子が好きな人は、1度挑戦してみてはいかがでしょうか。
菓子検定3級の洋菓子部門
菓子検定3級の洋菓子部門では、日本で馴染みのある欧米の代表的なお菓子について出題されます。
例えば、プリンやショートケーキ、クッキーなど。成り立ちは名前の由来、お菓子についての初歩的な知識が問われます。
また、洋菓子に使われる小麦粉や砂糖、卵などの原材料についてや、調理器具の使い方なども問題として出題されます。
材料や器具を上手に扱うかどうかで、お菓子の味は大きく違うので初歩的な部分とはいえ重要です。しっかりと学ぶ必要があります。
菓子検定3級の和菓子部門
菓子検定3級の和菓子部門では、昔から馴染みのある日本のお菓子について出題されます。
例えば、柏餅やおはぎ、ようかんなど。洋菓子と同様に、歴史や作り方などが出題されるほか、行事や節句など日本文化と菓子を関連付けたものも出題されます。
また、和菓子で使われる米粉やきな粉などの原料や調理器具についての知識が問われます。ここも、基本的な部分ですが、菓子作りの根幹部分です。しっかりと知識を身につけていきましょう。
菓子検定2級の試験範囲
菓子検定2級の試験範囲も、洋菓子と和菓子の知識と栄養や衛生についてより深い知識が問われます。内訳もほぼ同じと考えてください。
洋菓子が約80%で和菓子が約20%、栄養や衛生が数%出題されます。出題内容は3級と比べて深まるので、難易度は少し難しくなります。
そのため、お菓子に深い関心がある人やお菓子作りの経験者を対象とした検定といえるでしょう。お菓子作りやスキルのステップアップをしたい人は、2級を考えてみてください。
菓子検定2級の洋菓子部門
菓子検定2級の洋菓子部門では、フランス菓子を中心に出題されます。
お菓子の構成や由来、基本生地とクリームについてなど。また、実際のレシピを見て、材料や分量、作り方を応える問題もあり、実際に菓子作りの経験がないと難しい内容も加わってきます。
さらに、3級と同様に、調理器具の使い方についての問題もあります。「お菓子」だけにこだわらないようにしましょう。それが合格する秘訣です。
菓子検定2級の和菓子部門
菓子検定2級の和菓子部門では、饅頭や餅菓子、団子などの作り方や材料、由来などが出題されます。
また、白玉粉・餅粉・上用粉・上新粉など様々な種類の粉の性質や特徴に関して問われます。専門的な知識が必要とされるので、実際に調理経験がないと難しいといえるでしょう。
また、地域のお菓子や日本茶についての出題もありますので、幅広い知識が求められます。実は、日本茶は和菓子に使われる原材料の1つです。関係ないと考えず、しっかりと勉強をするようにしましょう。
菓子検定の出題形式
菓子検定の出題形式は「団体受験」と「個人受験」で違いがあります。団体受験ならマークシート方式が採用され、個人受験ならCBT方式が採用されます。
CBT方式では、日本に150箇所ある指定の会場に行き、その場でコンピューターを使って受験をする方式です。
受験時間は受験するレベルによって違いがあります。3級は50問の45分試験で、2級は80問の60分試験です。
菓子検定の合格率、合格ライン
受験するにあたって、気になる合格率と合格ラインを説明していきます。
合格ラインは、3級と2級両方とも、一律で100点満点中70点以上です。つまり、3級なら35問正解で合格、2級なら56問正解で合格できます。
合格率に関しては、公式サイトで公表されていないので、はっきりとはわかりません。しかし、出題範囲が公式アプリや公式ブックの内容が中心になるので、それほど難易度が高い試験ではないと考えられています。
菓子検定を取ることをおすすめする人
菓子検定は受験資格がないので、菓子作りに興味がある人すべてにおすすめできる検定です。
ただ、洋菓子や和菓子、また衛生面まで勉強をするので、パティシエなどを目指して就職や転職をしようと考えている人には、特におすすめといえるでしょう。
もちろん、転職など仕事に関係なくても趣味に活かせるので、お菓子作りに興味を持っている人やお菓子を通して我が子に「食育」をしたいママさん・パパさんは挑戦する価値がある検定です。
菓子検定の勉強法
菓子検定には、おすすめの勉強法があります。独学でも十分に勉強時間を短縮できるので、ここではおすすめの勉強法を紹介していきます。
菓子検定の勉強法は?独学は可能?
菓子検定の勉強のスタイルは、スクールなどがないので独学が基本です。その際は、出題範囲である公式アプリとテキストを用いて勉強します。
この2つに絞って勉強をすることで、合格率を高められるでしょう。また、勉強時間の短縮にもなります。
ちなみに、出題は解説からもあります。そのため、問題ばかりに集中するのではなく、解説文までしっかりと熟読するようにしてください。
また、菓子検定は2級から受検しても大丈夫ですが、2級試験には3級の内容も出題されることがあるため、2級から受検される方は3級のテキスト内容にも目を通す必要があります。
公式テキスト・問題集
公式テキスト・問題集はそれぞれ評論社より出版されています。
- 3級 菓子検定公式問題集&解説3級 1,320円
- 2級 菓子検定公式問題集&解説2級 1,430円
菓子検定の勉強時間の大半は公式テキストや問題集です。ネットや書店で購入できるので、受験する人は探してみてください。
ただし、級によって値段が少し違うので、購入前に注意するようにしましょう 。
菓子検定の勉強をするメリット
菓子検定の勉強をするメリットはいくつかあります。ここでは、大きなメリット2つを紹介していきます。
菓子検定を取ることで菓子ついて詳しくなる
1つ目のメリットは、お菓子作りに詳しくなれることです。
お菓子の材料や器具の使い方、作業工程などを学ぶので、よりお菓子作りのレベルを高められるのです。お菓子作りが趣味の人なら、今まで以上においしいお菓子が作れるようになります。
もちろん、就職や転職をするときに、「お菓子に対する知識がある」という証明にもなるのもメリットといえるでしょう。
国家資格へのステップアップも
2つ目は、菓子検定を取ることで、「製菓衛生師」や「菓子製造技能士」などの国家資格も視野に入ってくることです。
「製菓衛生師」は和菓子・洋菓子などジャンルを問わず、様々な製菓技術を身につけたことを証明する国家資格で、スイーツを作るパティシエには必須の資格と言えます。
「菓子製造技能士」はパティシエに必要な知識と技能を問われる国家試験のため、菓子製造技能士の合格したものこそ、プロのパティシエを名乗ることができます。
例えば、製菓衛生師になるには、菓子作りの技術だけでなく、衛生面の知識が求められます。また、菓子製造技術士になるには、菓子作りの高い技術が必要です。
菓子検定は、菓子作りと衛生に関する勉強をするので、この検定を取れば国家資格へとステップアップしやすくなるのです。
プロを目指す人は、ぜひ菓子検定から始めてみてください。まだ菓子に関する勉強をしていない人でも、受験資格は誰にでもあるので、軽い気持ちで受験してみてはいかがでしょうか。
菓子検定の試験日程・会場・申し込み方法
菓子検定を受験するために大切な、試験日程や会場、申し込み方法などを説明していきます。
菓子検定の基本情報
まず、菓子検定は毎年6~7月と12~翌年1月の計2回行われています。 第6回と7回は以下の通りです。
・第6回:個人受験は2020年6月1日(月)~7月31日(金)。団体受験は2020年6月5日(金)または6日(土)に予定されています。
なお、申し込みは、個人申し込みなら、2020年4月1日(水)から試験希望日の3~4日前までです。団体申し込みなら、2020年2月3日(月)~4月30日(木)までです。
・第7回:個人受験は2020年12月1日(火)~2021年1月31日(日)。団体受験は2021年12月11日(金)または12日(土)に予定されています。
菓子検定の実施会場は、個人(CBT方式)の場合、全国約150ヶ所のテストセンターの中から希望のテストセンターで受検します。
もし団体で申し込んだ場合や学校や企業で行われることが多いようです。
菓子検定の受験料・受検資格は?
菓子検定の受験料は、下記の通りです。
・3級:1,000円 ・2級:1,500円
受験料は級によって違いがあるので、自分が受験する級の受験料をしっかりと確認するようにしましょう。
なお、支払いはクレジットカードとコンビニ・ペイジーによる支払いが可能です。クレジットカードなら、受験希望日の3日前の14時まで。
コンビニ・ペイジーなら、受験希望日の4日前の17時まで申し込みできます。受験料と合わせて、確認しておくようにしてください。
菓子検定の受験者の声
菓子検定は実際にどのような方々に受験されているのでしょうか。また、受験者の方はどのような感想を持っているのでしょうか。
ここでは菓子検定の受験者の声をチェックしてみましょう。
菓子検定はお菓子付きの方やパティシエなどの料理家を目指されている方から注目を集めている資格であることが分かります。
また、勉強内容も面白いと口コミで評判でした。
菓子検定と合わせて取りたいおすすめ資格
菓子検定と相性が良く、合わせて取りたいおすすめの資格があるので、紹介していきます。
料理検定
料理検定は、菓子検定と同じ辻調理師専門学校・辻製菓専門学校と料理検定・菓子検定委員会の主催によって行われる試験です。
菓子作りと料理には共通点も多いので、お互いの知識をつけることで、それぞれの幅が広がってアレンジにもつなげやすくなります。菓子検定に合格したら、目指してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、菓子検定と出題方式が同じで、一部衛生面は出題が被るので、受験が有利になりますよ。
紅茶検定
紅茶検定は、紅茶検定実行委員会が主催で日本紅茶協会の協力で実施されている検定です。
紅茶とお菓子はそれぞれ深く結びついているので、勉強するメリットはあります。
また、紅茶といっても産地によって味に特徴があるので、菓子検定と紅茶検定を持っていれば、「このお菓子にはこの紅茶!」というような提案もできるようになります。特に洋菓子が好きな人におすすめの資格です。
紅茶検定について、より深く知りたい方は以下の記事をご覧ください。
茶道文化検定
茶道文化検定は、一般財団法人 今日庵 茶道資料館の主催で実施されている資格です。
お茶の席にもお菓子は出てくるので、茶道の文化を身につけていれば、お菓子でおもてなしができるようにもなります。
特に、和菓子に興味がある人にはおすすめの資格です。もちろん、日本の文化を学ぶことにもつながるので、日本について深い知識を身につけたい人にもおすすめです。
茶道文化検定について、興味がある方はぜひ以下の記事もご覧ください。
菓子検定についてのまとめ
菓子検定についてのまとめ
- 菓子作りに興味を持っている人・お菓子の幅を広げたい人におすすめの検定
- 菓子に関する仕事につきたい人は、知識の証明になる
- 菓子作りだけでなく、衛生に関する知識もしっかりと身につく。
- 将来プロのパティシエを目指すなら、入口の資格として最適。
菓子検定は、菓子作りに欠かせない知識を網羅的に学べる検定です。洋菓子と和菓子の両方を学べるので、菓子作りに興味がある人に最適の検定といえるでしょう。
また、ただお菓子をおいしく作るだけでなく、衛生面に気をつけて安全で安心できる作り方を学べます。
つまり、プロを目指すだけでなく、普段家でお菓子作りをしているすべての人を対象にした資格といえるのです。
「自分の作るお菓子でみんなを喜ばせたい」こんな気持ちを持っている人は、すべて受験資格を持っているといえます。自分と周りの人のために、挑戦してみてはいかがでしょうか。