発酵検定ってどんな資格?難易度・過去問・独学勉強法まで全て解説!

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「発酵について勉強したい」

「発酵の知識を生かせる資格はないかな」

そんな風に思っている人はいませんか?

発酵検定ならしょうゆや納豆などの発酵食品の基本的な知識や、効果的な摂取方法、選び方など、生活に密着した内容も学ぶことができるうえに、自分や家族の食生活改善にも生かせるというメリットもあります。

この記事では発酵検定の難易度や受験資格などの基本情報に加えて、合わせて取るのにおすすめな資格まで、発酵検定のことを詳しく紹介していきます。

発酵検定についてざっくり説明すると

  • 発酵食品の正しい知識が身に付く
  • 公式テキストがあるため独学でも勉強できる
  • 受験資格はないのでだれでも挑戦することができる
  • マイスターやプロフェッショナルなどの上位資格もある

発酵検定ってどんな資格?

手に乗せた?と! 「発酵検定」はその名の通り発酵のことについて学ぶ検定ですが、具体的にどんなことを勉強するのかが気になりますよね。

ここでは発酵検定で学ぶ具体的な内容や、検定を主催している団体について詳しく見ていきましょう。

発酵検定とは

発酵検定は2018年から始まった比較的新しい資格です。

発酵食品は美容や健康に良いという情報が多いため、発酵食品についての関心はますます高まっています。

「発酵食品について学びたい」「自分でも発酵食品を作ってみたい」という声も多く聞こえるようになりました。

発酵検定はこうした「発酵のことを知りたい」というニーズに応えるために始まった資格です。

発酵検定の主催団体

発酵検定を主催している「一般社団法人日本発酵文化協会」は発酵食の継承・開発・普及を目指している団体です。

発酵に関する講座やイベントを開催することで、日本の伝統食のひとつである「発酵食」の正しい知識を広める活動もおこなっています。

発酵検定は多くの資格の運営をおこなっている「日本出版販売株式会社」が運営している上に、農林水産省が後援しています。このことからも注目度の高さがうかがえます。

発酵検定は発酵食品ブームで注目を集めている

発酵検定は2018年10月に第1回試験がおこなわれた資格ですが、民間資格でまだそんなに知名度も高くないにも関わらず1,000人ほどの参加者がいました。

納豆や漬物は昔から日本で食べられてきた食材ですが、美と健康に関係があるとされていることもあって、美や健康に関心がある人たちが「さらに発酵のことを学びたい」と発酵検定に注目しています。

発酵検定の難易度

積み重ね挙げた本 私たちにとって身近な食材である「発酵食品」ですが、しっかりと発酵食品について理解している人は一体どれくらいいるでしょうか?

いざ試験となると難易度が高いような気がして、どれくらいの勉強時間を確保すれば良いのか不安になってしまいますよね。

ここからは発酵検定の具体的な試験範囲や合格率など、検定の難易度について見ていきます。

発酵検定の試験範囲と出題形式

発酵検定の試験はマークシート択一方式です。

過去の試験では後半の50問は単発問題であるものの、前半の50問は穴埋め問題だったり、正解でないものを選ぶ問題だったり、並び替えて答える問題だったりと答えるのに時間を要する出題形式でした。

問題は公式テキストである 「発酵検定公式テキスト」を中心に、発酵食品の種類・選び方・効率的な食べ方など、発酵に関する基本的な知識が問われます。

発酵検定の合格率、合格ライン

発酵検定の合格率は公表されていませんが、合格ラインは概ね70%だと公表されています。

マークシート択一方式とはいえ、1時間で100問の問題を解くためには1問当たり36秒で解答しないといけない計算になります。

このような状況の中で7割の問題に正解するためには、すっと答えを導き出せるほど正確に細やかにテキストを理解していなければいけません。決して簡単な試験ではなく、難易度はやや高いと言えるでしょう。

発酵検定を取ることをおすすめする人

発酵検定の勉強をすることで、発酵食品を食べることによる効果・効能やより効果的に栄養摂取する方法などを理解することができます。

そのため、自分や家族の健康のために発酵食品のことを学びたい人におすすめです。

特に忙しくて栄養の偏りが気になる人や、普段から身体が重いと感じていたり、むくみやすかったりする人は発酵検定の勉強することで、発酵食品の取り入れ方が分かるようになるはずです。

また飲食店や食品を扱う企業などに就職や転職を考えている人にも、きっと役に立つのではないでしょうか。

発酵検定の勉強法

文字を書く手 発酵検定の難易度は分かったものの、試験に合格するためにはどのように勉強すれば良いのでしょうか?

発酵検定の勉強法は?独学は可能?

発酵検定には公式テキストがあり、テキストを中心に出題されます。そのため公式テキストを使って独学で勉強する人が多いです。

このテキストには巻末に練習問題も付いていますが、試験を受けた人のレビューによると巻末の練習問題からは数問しか出題されず、逆に公式テキストの細かい箇所の出題もあったそうです。

公式テキストはパラパラと眺めるだけでなく、勉強時間をしっかり確保して何度も読んだ上で細かい箇所までしっかり暗記しておく必要があります。

『発酵検定公式テキスト』

「発酵検定公式テキスト」は実業之日本社より1,500円で販売されています。巻末には練習問題も付いた144ページで第1章~第6章の構成になっています。独学で勉強するならぜひ手に入れて欲しい一冊です。

発酵検定公式テキスト
1650円
発酵検定公式テキスト
1650円

テキストの内容はざっくり説明すると下記のようになっています。

内容
第1章 発酵とはなにか?などを学ぶ「発酵の基本」
第2章 醤油・甘酒・漬物など代表的な発酵食品を紹介する「発酵食品図鑑」
第3章 塩辛や魚醤など日本各地で根付いている発酵食品を紹介する「郷土発酵食」
第4章 アジアやヨーロッパなど、世界を地域で分けて発酵食品を紹介する「世界の発酵食」
第5章 発酵食品の始まりなど、歴史を学ぶ「発酵食品の歴史」
第6章 発酵食品が健康や美容にどんな効果があるのか学ぶ「発酵と栄養」

過去問は存在するの?

発酵検定には過去問が存在しません。しかし練習問題は発酵検定の公式サイトで解くことができます。

「麹を材料として仕込んだ発酵食品はどれか」「麹はどこから伝来してきたものか」というような問題が10問出題され、4つの選択肢から選んで解答するようになっています。

最後に「採点する」ボタンを押すと正解が分かるようになっているので、まずどんな問題が出題されるか気になる人は挑戦してみてください。

セミナーも存在

「勉強時間が確保できない」「公式テキストで独学したけど不安」など、検定を受けることに不安を抱いている人にために、発酵検定公式テキストの監修者による合格対策セミナーも開催されています。

合格のためのポイントや要点などを教えてもらえますが、定員制となっているので、興味がある人は早めにチェックしてみてください。

発酵検定の勉強をするメリット

笑顔の子ども 発酵検定の勉強をすると発酵食品の知識が身に付くこと以外にもメリットがあります。

具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

発酵検定を取ることでマイスター講座がお得に

発酵検定に合格すると合格認定証が付与されるとともに 「発酵アンバサダー」として認定されます。

さらに合格後のステップアップの場として日本発酵文化協会が開講している「発酵マイスター養成講座」の受講料が10,000円も割引となるため、お得にスキルを積むことができます。

発酵マイスターを取得した人は「発酵プロフェッショナル養成講座」を受けることも可能です。発酵に関する仕事に就職や転職したいと考えている人はぜひチェックしてみてください。

発酵検定の取得を通して友人ができる

発酵検定を主催している「日本発酵文化協会」は料理教室・ワークショップ・セミナーなど、発酵に関する知識を深めたい人のためにいろいろな活動をおこなっています。

そのような場に集まるのはもちろん発酵に興味関心がある方ばかり。共通の話題があるし、開催されるイベントで何度が顔を合わせる機会があれば、新しい友人が増えるかもしれません。

発酵食品で毎日が豊に

発酵に付いて知識を付ければ、家族や自分の健康のために普段の食事に美味しくて栄養価の高い発酵食品を取り入れることもできます。

さらに甘酒やみそなどの発酵食品を自分で作ることもできるようになるというメリットもあります。

生活の中に発酵食品を取り入れれば、食事が豊かになって健康的な生活に近付くだけでなく、発酵食品の話をしたり、一緒に発酵食品を作ることでコミュニケーションも築けて、より豊かな生活になるのではないでしょうか?

発酵検定の試験日程・会場・申し込み方法

PLANと書かれた積木 実際に発酵検定を受けるためにはどうしたら良いのでしょうか?

ここからは発酵検定が実施される時期や場所、受験資格など、試験に関することについて説明します。

発酵検定の基本情報

発酵検定は例年、年に一回、11月中旬頃に実施されています。

2019年の実施会場は東京・名古屋・大阪・浜松 (株式会社 Re・lation内)・長岡 (アオーレ長岡内)でした。なお、コロナによる自粛期間中は会場が東京会場のみとなり、代わりにオンライン試験が開催されることとなりました。

申し込み期間は受験日の1か月前を目処に締め切りとなっていますが、浜松と長岡は定員に達し次第、受付が終了するので気を付けましょう。

発酵検定に受験資格はある?

発酵資格には受験資格がありません。

年齢・性別・国籍・学歴などの制限がないため、だれでも受験することができます。

友人や夫婦、親子などだれかと一緒に勉強して受験するのも楽しそうですね。

発酵検定の受験料

発酵検定の受験料は6,200円です。

ただし日本出版販売株式会社が運営している以下の検定に合格している人は「食検割」に申し込むことができ、5,900円で受験できます。

  • 調味料検定
  • ごはん検定~めしけん~
  • 日本さかな検定
  • 紅茶検定
  • きのこ検定
  • パンシェルジュ検定
  • 野菜検定
  • フルーツ検定
  • だし検定
  • 薬膳・漢方検定

発酵検定と合わせて取りたいおすすめ資格

吹き出すを指さす手 発酵検定の勉強をするなら上位資格の取得も検討してみてはいかがでしょうか?

またしょうゆやみそなどの発酵食品はだしとの相性も良いため、だしソムリエもおすすめです。

発酵マイスター

日本発酵文化協会認定の発酵検定の上位資格で、ベーシック講座のみそ・しょうゆ・甘酒・麹の4教室を受講した人のみ受講することができます。(発酵マイスターとベーシック講座の同時受講も可)

発酵マイスターは4日間に及ぶ「発酵マイスター養成講座」を受講しなければ取得することができません。

講座の中ではしょうゆ・みそ・清酒・食酢・みりん・塩麹・甘酒・納豆などの身近な発酵食品の仕組みや、鮒酢やチーズなどの日本各地の発酵食品のような、より踏み込んだ発酵食品などを幅広く学んでいきます。

また実際に発酵食品を使った昼ごはんが付いているため、知識としてだけでなく味覚でも学ぶことができます。

発酵プロフェッショナル

発酵プロフェッショナルも日本発酵文化協会認定の公式資格で、「発酵マイスター」のみが受講できます。

その名の通り、発酵のプロを育てることを目標としていて、発酵文化のすばらしさをより多くの人に広める人材育成をしています。

講座は3日間ですが、発酵のエビデンスやマーケティング、発酵菌学、発酵栄養学など、発酵マイスターの基礎知識をベースにしているものの、より専門的な内容になっています。

発酵プロフェッショナルに合格すると認定講師制度や認定校制度に加入することができ、教室の開催などができるようになります。発酵の知識を仕事に結び付けたい人におすすめです。

だしソムリエ

だしソムリエは「だしソムリエ協会」が運営している民間資格で、1~3級があります。

だしの知識を学んで、味が分かったうえでブレンドができて料理に生かせるようになるため、しょうゆやみそなどの調味料のことも学ぶ発酵検定とも相性の良い資格です。

3級は半日講座で日本のだしの基本を、2級は1日講座でこんぶやかつお節などの乾物についてより詳しく、1級は2日間講座でラーメン・西洋だし・中華だしについても学習します。

だしのことを勉強することで、日本各地の郷土料理や食文化を大切に広めることができる人材育成を目指しています。

だしソムリエについてより詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

発酵検定まとめ

発酵検定まとめ

  • 発酵ブームによって注目を集めている
  • 簡単というわけではないが独学で合格を目指せる資格
  • テキストはしっかり読み込んで暗記する必要がある
  • 友人ができたり毎日が豊かになるというメリットもある

発酵検定で発酵について幅広く学ぶことで、自分や家族の食生活を改善したり、仕事に生かしたり、ステップアップに繋げたりとさまざまなメリットがあります。

発酵食品や発酵に興味がある人はぜひテキストや発酵検定の公式ホームページをチェックしてみてください。

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