パンシェルジュ検定ってどんな資格?難易度・過去問・独学勉強法まで全て解説
「パンシェルジュ検定に興味があるけれど、どのくらいの難易度なんだろう。未経験でも受けられるの?」
検定を受けたい気持ちがありながらも、わからないことが多くて受験をためらっている方もおられるかもしれません。
しかし少しでも興味があるならパンシェルジュ検定は必ず役立つ資格です。
今回はパンシェルジュ検定について、難易度やメリットをはじめ、 勉強時間や受験資格、合格ラインなどあらゆる情報をまとめました。
読み終わった頃にはパンシェルジュ検定の勉強にすぐ取り掛かれるような内容になっています。ぜひご参考下さい!
パンシェルジュ検定についてざっくり説明すると
- パンシェルジュ検定の難易度は比較的低め
- 趣味の資格ではあるが仕事にも役立つなどのメリットもある
- 公式テキストや模擬試験が公開されているので独学可能
パンシェルジュ検定ってどんな資格?
まずはパンシェルジュ検定がどのような資格なのかを知っておきましょう。
パンシェルジュ検定とは
パンシェルジュとは「奥深いパンの世界を迷うことなく案内できる幅広い知識を持った人」という意味です。
つまりパンについてのプロフェッショナルがパンシェルジュということですね。
パンシェルジュ検定の勉強をすることで、パンの製法・器具・材料の知識はもちろんのこと、歴史・いろいろな国のパンや衛生に関する知識・マナーなど、パンについての豊富な知識を習得することができます。
パンシェルジュ検定の主催団体
パンシェルジュ検定は、日本出版販売株式会社のパンシェルジュ検定運営委員会が主催している検定です。
日本出版販売株式会社は「日販」の略称でも呼ばれる、出版の流通事業を行う企業です。他にも文具や雑貨の事業も行っているのですが、趣味に関する検定事業にも定評があります。
日本出版販売株式会社の検定はパンシェルジュ検定以外にも「日本ビール検定」「日本城郭検定」など多数あり、どれも好評を得ています。
パンシェルジュ検定はパン好き男子の増加で注目を集めている
パンシェルジュ検定は2009年から始まりました。これまでの申込者数は約64,000人にのぼり、かなり人気の検定です。
特に最近は “パン好き男子”が急増していて、男性の受験者が急速に増えています。パンシェルジュ検定の第一回目では男性の割合が全体の8.1%でしたが、現在では全体の約20%が男性を占めています。
パンが好きな女性は以前から多かったですが、これからは男性からも注目される資格になることは間違いないでしょう。
パンシェルジュ検定の難易度
パンシェルジュ検定は主に趣味が土台となっている検定ですが、難易度はどれくらいなのでしょうか。
パンシェルジュ検定の試験範囲と出題形式
パンシェルジュ検定は、1級から3級まであります。
3級と2級につきましては100問のマークシート形式、1級は80問のマークシートに加えて記述式のレポートが課せられます。
3級の試験範囲と合格ライン
パンシェルジュ検定の3級は「パンシェルジュベーシック」とも呼ばれます。内容は初歩的なものですので、趣味として受験するには適切と言えるでしょう。
3級の試験範囲はパンの歴史、材料、器具、文化、マナー、衛生に関する知識などです。
試験時間は1時間で、100点満点中70点以上で合格となります。
2級の試験範囲と合格ライン
パンシェルジュ検定の2級は「パンシェルジュプロフェッショナル」と称されます。仕事で資格を活かしたいと考える方は、2級を目標にすると良いでしょう。
2級の試験範囲は、3級までの範囲に加えマーケット・トレンド・コンビネーションといった専門的知識を必要とする内容になります。
試験時間は70分(1時間10分)で、100点満点中70点以上で合格となります。
1級の試験範囲と合格ライン
パンシェルジュ検定の1級は「パンシェルジュマスター」と呼ばれます。パンのスペシャリストを目指すなら1級が目標です。
1級の試験範囲は、2級までの範囲に加え健康・未来学・サービス学といった高度な専門知識を踏襲した内容となります。
試験時間は80分(1時間20分)で、100点満点中80点以上で合格となります。
パンシェルジュ検定の合格率
パンシェルジュ検定の合格率は以下の通りです。
級 | 合格率 |
---|---|
3級 | 84% |
2級 | 65% |
1級 | 49% |
1級でも半分程度の方が合格できていますし、合格ラインも2、3級は全体の7割を得点すれば良いことから、一般的な検定試験としては、難易度は比較的低いと言えます。
1級については8割の得点が合格ラインとはなりますが、1級は2、3級の内容を踏襲したものになっていますので、2級までの内容が頭に入っていればそこまで難しいことはないはずです。
パンシェルジュ検定を取ることをおすすめする人
パンシェルジュ検定をおすすめしたいのは以下のような方々です。
- パン屋巡りを充実させたい(3級)
- 毎日の食卓を豊かにしたい(3級)
- 現在の仕事に生かしたい(2級)
- パン業界への就職を考えている(2級)
- パンのスペシャリストとしてパンの魅力を発信したい(1級)
- 将来パンに関連した飲食店をオープンしたい(1級)
パンシェルジュ検定は趣味の検定として始まりましたが、パンの世界を極めればプロと同義です。パン業界を目指す人にとっても有意義な資格となります。
パンシェルジュ検定の勉強法
パンシェルジュ検定を受けたい場合、どのように勉強すれば良いのでしょうか。
パンシェルジュ検定の学習方法や勉強時間などをご紹介します。
パンシェルジュ検定は独学で
一般的な検定試験には通信講座があるものも多いですが、パンシェルジュ検定に通信講座はありません。
つまりパンシェルジュ検定を受けようと思った場合は、独学で挑むことになります。
勉強方法としては、「公式テキストを1回読む」→「練習問題、模擬試験に挑戦」→「大事な部分にマーカーを引きながら、再度読み返す」という3ステップで進めていくのが一般的です。
試験はスピード勝負
パンシェルジュ検定の試験時間は60分~80分です。この時間内で100問程度を解くことになります。
つまり持ち時間は1問辺りおよそ30秒程度ですので、あまり長く考える時間はないと思ってください。反射的に回答していく力が求められるでしょう。
試験当日は、わからない問題は後回しにするというスピード重視の回答をしていくことをおすすめします。勉強中もそれを前提として対策をしていきましょう。
おすすめテキスト・問題集
パンシェルジュ検定には公式テキストが存在します。勉強する時はこちらのテキストを購入しましょう。
- 「パンシェルジュ検定3級公式テキスト 改訂新版」(実業之日本社 2,090円)
- 「パンシェルジュ検定2級公式テキスト 改訂新版」(実業之日本社 2,530円)
- 「パンシェルジュ検定1級公式テキスト 改訂新版」(実業之日本社 3,330円)
例として、3級のテキストは全7章の構成で170ページほどとなっています。勉強時間としては1日1時間程度ずつ進めて行けば6日ほどで読み切れる内容となっています。
また各章ごとに練習問題もありますので、順番に進めていけば試験対策にもなるでしょう。
過去問は存在する
公式テキストの練習問題だけでは不十分だと思う方もおられるかもしれません。
パンシェルジュ検定には、過去問ではないのですが、模擬試験が公式サイトから提供されています。
級別の練習問題もダウンロードすることができますので、必要な方は活用すると良いでしょう。
試しに例題を解いてみましょう(3級)
こちらは3級の例題から抜粋しています。力試しに解いてみてください。
「イタリアの代表的なパン、フォカッチャの意味を次のうちから選びなさい」
- 大地の恵み
- 火で焼いたもの
- 神からの贈り物
- かまどの神
正解:②
1級の論述にもチャレンジ
1級のレポート(論述)問題には以下のようなものが出ます。
-
①ショップレポート:「あなたが推薦するブーランジェリー(パン屋※国内外問わず)のお勧めのポイントとそのパンについてレポートしてください。」
-
②レシピ:「パンの材料として、あなたが今注目している素材について、どのように活用するのか(レシピなど)、またその効果などをレポートしてください。」
-
③フードコーディネート:「国内産小麦でパンを焼くお店が増えています。あなたが注目している国内産小麦の銘柄、またその理由等、教えて下さい。」
なおレポートテーマは試験の2週間前に公式サイトで発表されますので、事前の勉強時間を取ることができます。
しかし試験当日の持ち込みは不可となっています。内容を考えてしっかり暗記していくことが求められます。
パンシェルジュ検定の勉強をするメリット
ここではパンシェルジュ検定を受けるメリットを確認していきましょう。
パン通になれる
パンシェルジュ検定を受ける最大のメリットは、パンについて詳しくなることができる点です。
パンの味や種類だけでなく焼き方などの製法にも詳しくなりますので、お店でパンを購入する時にもこれまでとは違った見方ができるようになるでしょう。
どのような材料でどうやって作られているかがわかるようになりますから、食べ歩きやお茶会の時など、雑学を披露できる場が増えるのも楽しい要素です。
パン屋さんを開けるかも
パンシェルジュ検定は、2級まで受けるだけでも衛生やマーケティングについて一通りの内容を学ぶことができます。パン屋の開業を考える人にとって、こうした知識が役立つのは言うまでもありません。
もちろん、就職や転職においてパン業界を考える方にもおすすめできます。
また、趣味で受験する場合であってもマーケティング論などが無駄になることはありません。パンシェルジュ検定を通じてパン好きの友達に巡り合える可能性もあります。
パンの割引が受けれる
パンシェルジュ検定にはサポーター店が存在し、このお店でパンを購入すると5%割引などの特典を受けることができます。得点を受ける時は合格認定証、又は認定バッジが必要です。
1級の試験内容であるレポートの作成では、パン屋さんめぐりの経験も重要となることでしょう。割引特典はそのためにも役立ちますので大いに利用してください。
パンシェルジュ検定合格者の声
ここでは実際にパンシェルジュ検定に合格された方々の口コミを見ていきましょう。
パンシェルジュをきっかけに、パンの専門家としての道が開けた! 自分の会社のスタッフもパンシェルジュの人に活躍してもらっています。 パンシェルジュ検定 合格者の声
パンの特徴や、オススメのポイントなどを聞かれる事が多いのですが、パンシェルジュ検定を受けたおかげでパンの由来や、作り方にもより詳しくなれたので説明が上手くなりました。 パンシェルジュ検定 合格者の声
パンシェルジュ検定を受験する際は3週間ほど勉強を行いました。直前には自作の問題集を作成して模擬試験のような形式で勉強していましたね。 店舗で働いていると新入社員にパンの名前の由来などを聞かれることも多く、勉強した知識は普段の仕事でも役に立つなと感じました。特に3級などはパン屋さんで働く新入社員やアルバイトの方が受ける検定としてはパンの基礎知識などを学べるのでいい検定だと思います。 パンシェルジュ検定 合格者の声
合格者の声からは、勉強していて面白いだけでなく、仕事にも役立つ資格であることが伺えました。
パン屋さんに勤めている方やパンが好きな方から大好評の検定であることが伝わってきますね。
パンシェルジュ検定の試験日程・会場・申し込み方法
パンシェルジュ検定の試験日程や申し込み方法などをご紹介します。
申し込みの際は間違いの無いように、しっかり確認しておいてください。
パンシェルジュ検定の試験日程・会場
パンシェルジュ検定が行われるのは、札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・大阪・岡山・福岡の8都市です。
検定は年2回で、毎年9月と3月に行われます。申し込みはパンシェルジュ検定公式サイトで受け付けています。
検定の申し込みは試験日の半年ほど前から始まり、1ヶ月前で締め切られます。年に2回とチャンスが少ない検定ですので、申し込み忘れのないように気を付けてください。
パンシェルジュ検定に受験資格はある?
パンシェルジュ検定は、3級と2級には受験資格がありません。どなたでも受験することができます。
1級については、2級合格者のみに受験資格が与えられます。
パンシェルジュ検定は、それぞれの級が前の級までの内容を全て踏襲したものになっています。ですから知識に自信がある方は2級からチャレンジしても良いでしょう。
パンシェルジュ検定の受験料
パンシェルジュ検定の受験料は以下の通りです。
級 | 受験料 |
---|---|
3級(ベーシック) | 4,700円 |
2級(プロフェッショナル) | 5,900円 |
1級(マスター) | 7,700円 |
パンシェルジュ検定の割引
パンシェルジュ検定には併用割引があります。3級と2級を同時に受験すると、トータルの受験料から920円割り引かれます。両方受けておきたい方はこの制度を利用すると良いでしょう。
また再挑戦割引もあり、2級と1級については不合格となった場合にもう1回挑戦すると、800円~1,200円ほど割引があります。こちらはweb限定の割引となります。
他にも「日本ビール検定」や「ごはん検定」など日本出版販売株式会社が主催する検定に申し込むと受験料が割り引かれるものがあるので、興味のある方は確認してみてください。
とどまるところを知らないパンブーム
パンに魅了されている人は年々増えています。最近は大手の料理教室でもパンだけのクラスが設立されていて、順番待ちになるほど人気があります。
お店で売られているパンについても次々とブームが到来し、パンの人気はとどまることがありません。
伝統的なパンだけではない
日本でパンが広く食べられるようになったのは戦後と言われています。GHQによって四角い食パンが広められて以降、日本人の味覚に合うパンが数多く開発されてきました。
例えばアンパンやクリームパンといった菓子パンは、日本で始まったとされています。焼きそばパンなどの総菜パンも、高度成長期に生きる忙しい日本人から大きな支持を得ていました。
これからのパンの可能性
今も新しいパンブームは次々と起きています。
少し前はデニッシュが人気でしたし、最近は高級食パンにも長い行列ができています。パン業界では次のブームは何かを常に探っている状況です。
ご自身でのパン作りという趣味的な要素だけでなく、パンをはじめとした食品業界で働く方にとっても、パンの可能性を深く考察できるパンシェルジュ検定は必ず役立つことでしょう。
パンシェルジュ検定と合わせて取りたいおすすめ資格
パンシェルジュ検定は食品に関わる資格ですので、他の資格と合わせて取っておくことでさらにメリットが大きくなります。
パンシェルジュ検定と合わせて取りたい資格の中から、特におすすめのものをご紹介します。
食生活アドバイザー®検定
食生活アドバイザー®検定は、一般社団法人FLAネットワーク協会が主催する資格です。通信講座で有名なユーキャンなどの協力で行っています。
自分を含め、周囲の人たちに健康的な生活をサポートするのが目的の資格で、食生活の視点から様々な提案ができるようになります。
ユーキャンや産業能率大学(プロカレッジ)など、色々な企業が通信講座を開設していますので、勉強しやすい資格と言えます。
チョコレート検定
チョコレート検定は、明治グループ100周年・明治チョコレート90周年を記念して、2016年から始まった資格です。パンシェルジュ検定と比べるとかなり新しい検定です。
パンと同じくチョコレートにもファンが多いことから、実施の開催が決まった際にSNS上で話題となり、大きく注目を浴びました。パンとチョコレートは関連性も深いですし、取っておいて損のない資格です。
チョコレート検定では、主原料であるカカオについてやチョコレートの製造法、その歴史などが出題されます。
ビアテイスター
ビアテイスターは、日本地ビール協会が主催で行なっている検定です。
ビアテイスターの定義は、官能評価(テイスティング)によってビールの出来の良し悪しを客観的に鑑定し、その理由を理論的に説明できる人のことです。
パンもビールも発酵を利用した食品(飲料)であり、ビールのお供にパンを利用した食品が提供されることも多いことなど、関連性は深いです。パンシェルジュ検定と合わせて取っておくことでビール関連業界への転職にも役立つことでしょう。
パンシェルジュ検定まとめ
パンシェルジュ検定まとめ
- パンシェルジュ検定の難易度はどの級も低めで合格率も50〜80%であり、1級以外は受験資格もなし
- 趣味の資格ではあるが就職や転職にも役立つメリットがある
- 通信講座はないが公式テキストや模擬試験が充実しているので独学で学習できる
パンシェルジュ検定についてをご紹介してきました。
仕事面とプライベート面、両方において魅力的な資格ですので、ぜひ取得を目指してみてはいかがでしょうか。
今よりもワンステップ上のあなたを目指してみてください!