データサイエンス数学ストラテジストってどんな資格?難易度や取得メリットまで解説!
「データサイエンス数学ストラテジストとは、一体どのような資格なの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
IT化が進み、膨大なデータを処理したり有効活用するためには数学的な知識が欠かせません。
データサイエンス数学ストラテジストは時代のニーズに合わせた資格であり、データを活用して収益に繋げるために必要な知識やスキルを習得できます。
こちらの記事では、データサイエンス数学ストラテジストで学ぶ内容や取得にあたってのメリットについて、詳しく解説していきます!
データサイエンス数学ストラテジストについてざっくり説明すると
- データサイエンスを理解するための根幹となる数学スキルやリテラシーを学習する
- 国もIT人材の育成に力を入れており、ホットな資格
- 文系の方でも合格を狙える難易度
データサイエンス数学ストラテジストってどんな資格?
データサイエンス数学ストラテジストは、2021年9月からスタートした非常に新しい資格です。
近年はIT化の加速に伴ってデータサイエンスに関する知識を持つ人材の需要が高まっており、これらの知識を持ち合わせた人材を育成するためにこの資格が作られました。
具体的には、データサイエンスを理解するための根幹となる数学スキルやリテラシーを資格学習を通じて身に付けることができます。
権威ある日本数学検定協会が主催していることから、資格の信頼性も担保されていると言えるでしょう。
国もデータサイエンス・AI人材の育成を推進
日本はIT化が遅れていると言われている一方、多くの企業においてAI戦略やデータサイエンス、IoTなどに対応できる人材の需要は急速に高まっています。
政府が2019年6月に策定した「AI戦略2019」では、下記の目標が掲げらたことからも、その需要の急速な高まりを窺い知ることができます。
文理を問わず、すべての大学・高専生(約50万人卒/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得 首相官邸 結合イノベーション戦略推進会議「AI戦略 2019」
文理を問わず、一定規模の大学・高専生(約25万人卒/年)が、自らの専門分野への数理・データサイエンス・AIの応用基礎力を習得 首相官邸 結合イノベーション戦略推進会議「AI戦略 2019」
上記の内容を2025年までに実現することを目指しており、まさに国を挙げてIT人材の育成を目指していることが分かります。
つまり、時代の要請によって作られた資格である以上、データサイエンス数学ストラテジストの需要は非常に高いといえるでしょう。
データサイエンス数学ストラテジストの難易度
それでは、データサイエンス数学ストラテジスト試験の難易度について見てみましょう。
受験階級
試験は中級と上級に分かれており、それぞれの下記のような階級を想定しています。
項目 | 中級 | 上級 |
---|---|---|
受験資格 | なし | なし |
数学のレベル(目安) | 数検準2級程度 数学Ⅰ・Aまで |
数検2級・準1級および大学初学年程度まで |
問題数 | 30問 | 40問 |
試験時間 | 90分 | 120分 |
合格ライン | 60%(18問)以上 | 70%(28問)以上 |
中級はデータサイエンス数学の基本となるレベルの理解度や習熟度を試す試験となっています。
高校1年生程度の学力があれば対応可能なので、初めての方でも安心して取り組めるでしょう。
一方で、上級は社会で活躍できる人材を目指しており、上級レベルの理解度・習熟度が求められます。
数学に自身がある方や論理的な思考力を習得している方が、その力をビジネスでも発揮するケースを想定しています。
出題形式
試験の出題形式は下記の表の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
受験環境 | オンライン上で多肢選択で解答するIBT形式 |
問題配分 | ① AI・データサイエンスを支える計算能力と数学的理論の理解:50% ②機械学習・深層学習の数学的理論の理解:25%(16.7%) ③アルゴリズム・プログラミングに必要な数学リテラシー:12.5%(16.7%) ④ビジネスにおいて数学技能を活用する能力:12.5%(16.7%) |
解答形式 | 選択方式(5肢択一) |
試験範囲
試験の出題範囲は下記の通りです。
<学習分野1:AI・データサイエンスを支える計算能力と数学的理論の理解>
- 確率統計系分野(統計・確率・場合の数など)
- 線形代数系分野(行列・ベクトルなど)
- 微分積分系分野(微積分・関数・写像など)
<学習分野2:機械学習・深層学習の数学的理論の理解>
- 基礎理論 (活性化関数・類似度・最小二乗法)
- 機械学習 (回帰・分類・クラスタリングなど)
- 深層学習(ニューラルネットワークなど)
<学習分野3:アルゴリズム・プログラミングに必要な数学リテラシー>
- アルゴリズム(探索・ソート・暗号、計算量)
- プログラミング言語に依存しない手続き型思考
- 数学的課題解決(論理的思考+数学的発想)
<学習分野4:ビジネスにおいて数学技能を活用する能力>
- 把握力(データ・グラフの特徴の把握など)
- 分析力(売上・損益等財務的な分析など)
- 予測力(データに基づいた業績予測など)
オープンバッジをもらえる制度も
各級の合格基準に到達するとオープンバッジが発行され、これにより自分自身の価値を対外的に証明できます。
オープンバッジは学習やスキルを証明する際の信頼性が高い証拠なので、最高レベルであるトリプルスター(星3つ)を目指すと良いでしょう。
なお、バッジは「データサイエンス数学基礎力」「データサイエンスコンサルティング力」のバランスに応じて星3つ~1つの範囲で決定されます。
なお、各星の条件に関しては下記の通りです。
<中級>
- トリプルスター認定:DS数学基礎力12点以上かつDS数学コンサルティング力12点以上
- ダブルスター認定:DS数学基礎力9点以上かつDS数学コンサルティング力9点以上
- シングルスター認定:ダブルスター認定の条件を満たさない総合得点18点以上
<上級>
- トリプルスター認定:DS数学基礎力17点以上かつDS数学コンサルティング力17点以上
- ダブルスター認定:DS数学基礎力14点以上かつDS数学コンサルティング力14点以上
- シングルスター認定:ダブルスター認定の条件を満たさない総合得点28点以上
これらの点数を目標に試験に励むことがおすすめです。
文系でも受かる?
データ分析では数学的な知識が要求されるため、数学に苦手意識がある文系の方は身構えてしまいます。
確かにデータサイエンス数学ストラテジスト試験では数学的知識が要求されますが、中級の場合は高1レベルの数学で十分に対応可能です。
そのため、文系の方でも丁寧に勉強すれば合格可能です。
また、オンライン受験が可能なので自分の都合に合わせて勉強して好きなタイミングで受験できます。
よって、自分の中で準備が整ってから満を持して本番に迎えることができるので 、過度に身構える必要はありません。
むしろ、これからの時代に必要となるデータサイエンス数学の知識を身に着けたいと考えている方であれば文系理系に関係なくチャレンジすると良いでしょう。
データサイエンス数学ストラテジストの勉強法
データサイエンス数学ストラテジストの合格を目指す場合、下記の2パターンがあります。
- 公式問題集を使って学習する
- eラーニングを使って学習する
それぞれの勉強法について見ていきましょう。
ある程度数学の素養がある場合は書籍もおすすめ
数学の学習経験が豊富で理系の学習が苦にならない方であれば、公式問題集を用いた学習がおすすめです。
なお、各級の問題集の詳細は以下の通りです。
豊富な問題数が収録されており、試験に合格するために十分な演習を行うことができる教材です。
また、丁寧な解説も付いているので、十分な復習も行うことが可能です。
一から理解を深めたい方はeラーニング
数学が苦手な方、基礎的な内容からデータサイエンスに必要な数学の理解を深めたい方は、eラーニングを活用した学習がおすすめです。
なお、対策講座は難関資格で高い合格実績を誇るアガルートが提供しているので、安心して取り組むことができるでしょう。
コース | 税込料金 |
---|---|
データサイエンス数学ストラテジスト資格試験対策講座(中級+上級コース) | 15,000円 |
データサイエンス数学ストラテジスト資格試験対策講座(中級コース) | 8,000円 |
データサイエンス数学ストラテジスト資格試験対策講座(上級コース) | 9,000円 |
主要単元を中心に丁寧な解説が付いているので、数学が苦手な方でも理解しやすい講座設計となっています。
また、公式問題集で重要視されている問題に関しても解説があるため、実践的なのトレーニングも積めるので誰でも合格を狙えるでしょう。
データサイエンス数学ストラテジストの取得メリット
続いて、データサイエンス数学ストラテジスト資格を取得するメリットについて紹介していきます。
データベースで意思決定する力が身につく
データサイエンスの基礎を学ぶことで、データの信頼性をチェックする能力や数字が表している価値や意味を把握できるようになります。
その結果、データベースを分析した上で意思決定するスキルが習得できるでしょう。
このスキルは今後のキャリアを築いていく上で様々な場面で活用できるものなので、習得するメリットは絶大です。
特に、決算や統計などを基にしながら次の行動を判断する場面が多いマネジメント層の方は、積極的に学ぶと良いでしょう。
就職・転職のスキル証明として使える
現在、DX化を推進している職場も多いでしょう。
DX化に伴いデータサイエンス数学の知識は多くの職場が求められることになるため、現役世代の方であれば学んで損することはありません。
データサイエンス数学ストラテジスト資格を取得することで、数学的な知識やデータ解析に関するスキルを習得していることを証明できるので自身の市場価値のアップにも繋がります。
就職や転職の武器にもなり得る有用な資格なので、興味がある方は取得を目指してみてはいかがでしょうか?
AIや機械学習など最新トレンドの基礎知識が身につく
資格勉強を通して、AI・機械学習・データマイニングに関する知識を習得できますが、これらはビジネスシーンでも使う場面が多いです。
つまり、今後の職業人生を送る上で大きな武器となる有用なスキルや知識となるため、この点も大きなメリットと言えるでしょう。
このような、最新トレンドの知識をまとめて習得できる機会はなかなか無いので体系的に役立つ知識を学べる点も大きな魅力です。
関連資格を一挙ご紹介
続いて、データサイエンス数学ストラテジスト資格と関連が深い資格を紹介していきます。
G検定
G検定は人工知能やディープラーニングに関して学ぶ試験で、AIに精通した人材を育成するために創設されました。
合格率は60~70%程度で推移しており、理系や文系に関係なくしっかりと勉強すれば、多くの方が合格を狙えるレベルと言えます。
G検定に合格できたら、次のステップとしてE資格の合格を目指すと良いでしょう。
G検定の詳細は以下の記事をご覧ください。
E資格
E資格はG検定の上位資格のような位置づけで、ディープラーニングに関する高いレベルの知識や技術が問われるエンジニア向けの資格です。
プログラミングができるエンジニアを対象にしており、ディープラーニングに関して高い知見を持った人材を育成してIT化を推進するための資格と言えるでしょう。
今後プログラミングに精通した人材の需要は高まっていくので、こちらも取得を目指す価値があります。
E検定の詳細は以下の記事をご覧ください。
統計検定
統計検定とは統計に関する知識や活用力を評価する試験で、データに基づいて客観的にものごとを判断したり、問題を解決する能力を習得できます。
ビッグデータなどの膨大なデータを扱う中で、統計に関する知識やスキルを習得している人材は高く評価されています。
統計検定は級が分かれているため、自分のレベルに応じて学習に着手しましょう。
統計検定の各級の詳細については、以下の記事をご覧ください。
データスペシャリスト
データスペシャリストとは、高度な知識を生かしてデータを扱う専門家で多くの企業において重宝されています。
膨大なデータを管理してビジネスの意思決定に関わるので、責任ある重要なポジションを任されることもあるでしょう。
情報技術系の資格ではトップクラスであり、難易度も非常に高いことから、取得できれば自身の市場価値を大きく高めることができるでしょう。
データスペシャリストの詳細は以下の記事をご覧ください。
申し込み方法・受験資格
試験の申し込みは
のいずれかのHPから申し込みます。
また、法人や団体の受験も対応しているので企業単位で受験することも可能です。
受験資格は設けられておらず、個人で申し込む場合でも簡単な手続きで申し込みが可能なので、気軽に臨みましょう。
データサイエンス数学ストラテジストまとめ
データサイエンス数学ストラテジストまとめ
- 文系理系に関係なく、積極的に取得を目指す価値がある資格である
- オープンバッジ制度なので、自身のスキルを対外的に証明しやすい
- 今後の社会で活かせるスキルが身に着くので、取得メリットは絶大
データサイエンス数学ストラテジストは新しい資格ですが、今後の職業人生を豊かにしてくれるスキルや知識を習得できます。
AIやデータに関する高度な知識を有している人材は貴重なので、ぜひ積極的に取得を目指しましょう。
取得メリットは絶大なので、文系理系に関係なく勉強に着手してみてください。