IoT検定ってどんな資格?難易度や取得メリット・勉強法まで全て解説!
「IoT検定ってどんな資格なの?」
「IoT検定の資格を持っているとどんなメリットがあるの?」
近年注目を集めているIoT(Internet of things)検定という資格。
しかし「聞いたことはあるけど、どんな資格なのかはよくわからない」という方もいるのではないでしょうか?
ここではこのIoT検定の基礎知識を全て公開します。
これを読めば、IoT検定に関する知識、難易度、取得メリット、合格までの勉強時間など一通り学ぶことができます。
IoT検定についてざっくり説明すると
- 持っているだけで会社や社会から評価される
- 受験者がまだ少ないため、今の時期に取る方が容易である
- 転職を考えている人にも価値のある資格である
- そこまで難易度は高くない
IoT検定ってどんな資格?
IoT検定は、地球上にあるすべての物をインターネットにつなげてしまおうという「IoT(Internet of Things)」の考え方について問う検定です。
IoT検定を実施しているIoT検定制度委員会では、IoT検定について以下のように述べています。
IoT検定は、技術的な視点だけでなく、マーケティングやサービスの提供、ユーザーの視点から必要となるカテゴリ、スキル要件などを網羅し、それぞれの立場でIoTを企画・開発・利用するために必要な知識があることを認定します。
IoT検定には、企業や社会で評価されるという価値だけでなく、多くの魅力があります。
IoT検定制度委員会の主催
上述の通り、IoT検定はIoT検定制度委員会という団体により運営されています。
IoT検定制度委員会についての詳細は次のように示されています。
IoT検定制度委員会は、複数の業界団体・企業・有識者からなり、IoT/AI/ビッグデータ等の技術やマーケットについての知識やスキルの可視化を行う検定を行う団体です
IoT検定にはスポンサー・パートナーとして超大手企業のKT-NETやGMOなどがついており、非常に関心を寄せられている資格だということが見て取れます。
IoTとは今注目の新しい考え方
IoTというのは地球上のすべての物をインターネットにつなげることによって収集したデータを分析し、将来を予測することで、社会や家庭のあらゆるシステムを自動的に効率よくできるという考え方です。
IoTを使ったサービス企画では、デバイス・ネットワーク・データ分析・セキュリティなどの包括的な知識が求められれます。
具体例を挙げるとすると、例えば医療の分野においては、入院中の患者の体にセンサーを取り付けることで患者の健康状態をリアルタイムで病院に伝達することができるというものです。
これを行うことで、医師や看護師が効率的に患者の健康状態を把握し、 適切な処置を施すことができるようになるのです。
IoT検定の難易度
IoT検定は以下の4つの級に分かれており、級によって難易度や求められるレベルが大きく変わります。
ここではIoT検定の難易度や試験範囲について、級ごとに詳しく確認していきましょう。
IoT検定の試験範囲と出題形式
IoT検定は受ける級によって出題形式や試験時間が違います。
ユーザー試験
ユーザー試験とはIoT検定のうち最も難易度が低い試験です。
ユーザー試験の基本情報は以下のようになっています。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | IoT検定ユーザー試験パワー・ユーザー |
試験方法 | CBT 3肢択1 |
試験時間 | 40分+アンケート |
出題総数 | 48問(8分野*6問) |
認定方法 | 試験終了後証明書(スコアレポート形式)が発行 |
試験方法を見てわかるように、出題は3肢択1なので適当に答えても3分の1の確率で正解できてしまうことが分かります。
このように、ユーザー試験の難易度はかなり低めであり、IoT検定の入門的な位置付けの資格であると言えるでしょう。
レベル1
IT関連の企業で勤務している方であれば、公式テキストを一通り読み問題集に取り組めば普通に合格できるレベルの問題です。
以下がレベル1の基本情報です。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータ |
試験方法 | CBT 4肢択1 |
試験時間 | 60分 |
出題総数 | 70問 |
認定方法 | プロフェッショナル・コーディネータ認定証が発行 |
レベル1では出題が4肢択1になっているほか、ユーザー試験と比べると問題数もかなり増えています。
難易度は高いとは言えませんが、ユーザー試験のような感覚で臨むと不合格になってしまいかねないので注意しましょう。
レベル2、3
レベル2の正式名称は「IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・エンジニア」と呼ばれており、
レベル3の正式名称は「IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・アーキテクト」と言います。
それぞれ試験の詳細は準備中であり、レベル2、3の試験はまだ実施されていないのでご注意ください。
IoT検定で求められること
IoT検定で求められることは以下のように試験の級別で異なります。
ユーザー試験
ユーザー試験においては、IoTリテラシーに関する基本的な知識が問われることになります。
また、ここで求められることとしては主に以下の7つに分けられます。
-
IoT関連の提案について理解でき、社内プログラムに貢献する事ができる
-
IoTを使ったシステムの企画を見て、その目的やどのような効果があるのかを理解する事ができる。
-
IoT関連の専門用語についての知識を持っていて、ある程度IoTプロジェクト業務の内容を理解することが可能であること。
-
IoT関連業務をするにあたって、法律やセキュリティに関する基本的事項を把握しており、リスク管理の重要度を正しく理解している。
-
データ分析や機械学習に関する基本的な知識を持ち、その目的や特徴などを理解している。
-
IoTデバイスを運用するにあたってのセンサーなどの基本的知識。
-
IoTシステムを実行するために必要となるプログラムやデータに関する知識を活用でき、それを選択した理由が理解できる。
レベル1
レベル1の試験で求められることとしては、次のように示されています。
-
IoTに関する基本的知識を有しており、IoT専門の人の下プロジェクトに協力する事ができる。
-
IoT関連資料を提案でき、顧客企業や社内にIoTプロジェクトの実施を促す事ができる。
-
IoTシステムの企画を立案し、その目的や効果を顧客に説明する事ができる。
-
IoTプロジェクトを推進するにあたって、法律やセキュリティに関する知識を持ち、リスク管理を行う事ができる。
-
IoTによってプロジェクトを達成するにあたって、調達または開発するべきIoTデバイスに関して概要を把握しており、搭載されているセンサーについて正しい知識を持っている。
-
IoTによってプロジェクトの目的を実現するにあたって、最適なコストで素早くプロジェクトを推進するためのサービスやソフトウェア、ハードウェアに関する知識を把握しており、それを選択する理由を提案する事ができる。
-
IoTプロジェクトにおいて概要計画を行うための知識を持っており、目的や環境に合わせて最適となる通信方法やデータベースなどを選び、その理由を正しく理解できる。
-
データ解析や機械に関する最低限の知識を保有し、その目的や注意すべきことについて把握している。
レベル2
レベル2では以下のようにより高度な専門性が求められます。
-
IoTのプロフェッショナルとして、IoTに関する全体の基本的な設計プランおよび具体的な設計を実行する事ができる。
-
ハードウェアにIoTの機能を取り入れ、実際に製品として試作し、開発することのできる技術を持っている。
-
IoT関連のデバイス、ゲートウェイ、サーバなどの間で通信交流を行う時のの通信方式やプロトコルについて、最も適した設計を行う事ができる。
-
IoTのデータ管理、デバイスの監視を行うためのIoTプラットフォームに関して、クラウド上に適切なサービスを表示するための知識を有している。
-
データ分析、機械学習、人工知能に関わる、IoTの目的実現のために必要な知識を十分に保有しており、目的実現までの過程を設計する事ができる。
-
IoTシステム全般にわたるセキュリティ対策を行う際のの暗号化、認証、攻撃対策といった知識を持っている。
レベル3
レベル3に求められることについては現在策定中であり、まだ決まっておりません。
しかしながら、当然レベル3の試験ではレベル1、2の試験を前提とした問題が出題されることは予想できます。
レベル1やレベル2を踏まえた少し発展的な知識まで求められることになるでしょう。
IoT検定の合格率・合格ライン
IoT検定の合格率・合格ライン
IoT検定の評価は絶対評価であり、ユーザー試験はグレード制で正答率によってグレードが分かれていて、次の表のようになっています。
グレード | 正答率 |
---|---|
グレードA | 86~100% |
グレードB | 76~85% |
グレードC | 66~75% |
グレードなし | 65%以下 |
つまりユーザー試験では正答率66%以上を目指せばいいというわけですね。
レベル1では正答率60%以上であることが求められます。
また、実施されていない級についてはまだ合格ラインは決まっておりません。
IoT検定を取ることをお勧めする人
IoT検定を保有していると良い人は以下の人になります。
-
IoTを扱っている組織の経営者またはそれらを管理している者
-
IoT化を推進するための企画担当者
-
IoTを利用しデータ分析を行う利用する者
-
IoTシステムの構築・保守運用に関係するエンジニア
独学でIoT検定を取ることはできるのか
IoT検定は2016年12月から開始した比較的新しめな資格ではあるものの、出題範囲は決まっており、これらをしっかりと網羅した公式テキストも出版されています。
そのため、テキストの内容をしっかり読み込み、理解できていれば独学でも十分合格は狙えるでしょう。
IoT検定とIoTシステム技術検定の違い
IoT関連の資格としてIoT検定とは別にIoTシステム技術検定というものもあります。
このIoTシステム技術検定はIoT技術者の育成を目的として設立された資格です。
IoT検定は法律やビジネス、ユーザー視点に関する知識も必要とされますが、IoTシステム技術検定ではより技術に特化したスキルが求められる事になります。
そのため全ビジネスマン対象の試験というよりは、メーカーの方や技術者(エンジニア)の方向けの資格と言えるでしょう。
IoTシステム技術検定において注意すべきことは年2回の実施であることです。通念受験できるIoT検定とは異なるので、受験の際は心して取り組みましょう。
また教科書は販売されていないですが、「Iot技術テキストMCPC IoTシステム技術検定中級対応第2版」という本が、IoTシステム技術検定の試験対策においてはおすすめです。
IoT検定の勉強法
上記で述べたように出題範囲が公開されており、公式のテキストも発売されているので自力で勉強できる環境は整っており それに従って勉強することが必要です。
おすすめのテキスト
IoT検定のためのテキストも試験ごとに公開されています。
ユーザー試験向けの教科書としては「図解即戦力IoTのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書IoT検定パワーユーザー対応版」がおすすめです。
IoTについての概要をわかりやすい図を踏まえながら解説しています。
著者もこの分野において精通した専門家によって書かれています。
一方、レベル1向けの教科書としては「IoTの全てを網羅した決定版IoTの教科書」が出版されています。
こちらではIoTに関する知識を基礎から体系的に網羅する事ができます。これから迎えるIoT社会に対応するための極意が詰まってる一冊です。
IoT検定の勉強をするメリット
IoTは近年流行りの分野であり、その専門的な知識を身につける事で世の中の動きや新しいものについて、今までとは違った観点から物事を捉えられるようになるでしょう。
さらにIoTはその性質を生かす事で製品の効率や性能を高める事ができます。
このような時代を迎えるためには、IoT知識のあるビジネスパーソンが必要となります。あらゆるビジネスがIoTをもとに行われるために、IoTを知らなければ仕事がしにくくなる可能性もあります。
そのためIoTについて知っているだけで、これからの時代を生きやすくなるでしょう
また、IoT検定は通年受験可能なので、自分のペースに合わせて受験をする事も可能です。
IoT検定は比較的最近できたばかりの資格であり、他に所得している人がまだあまりいないもののこれからの時代かなり重宝される資格なので、会社や社会から高く評価される資格であると言えるでしょう。
IoT検定の試験日程・会場と申し込み方法
IoT検定は年に1、2回しか試験が実施されない国家資格などとは異なり、通年受験可能で、試験会場も全国に多数存在しています。
そのため、試験に失敗してもすぐに再チャレンジすることができるほか、わざわざかなり遠い受験会場までいかないといけないと言ったことはないのでご安心ください。
試験会場は、東京であれば新宿、池袋、渋谷などに用意されています。それぞれビルの一角やパソコンスペースのようなところで受験することになります。
IoT検定に受験資格はある?
IoT検定には受験資格がありません。そのため年齢、学歴に関係なく受験する事ができます。
様々な人のニーズに応えられるようになっていて、
-
今勤めている企業がIoTの取り組みを始め、IoTの勉強を要された人
-
転職のためにIoTの勉強をしたい人
-
IoTに興味のある人
といった全ての人が受験することが可能です。
IoT検定の受験料
IoT検定を受けるために支払う受験料は次のようになっています。
レベルごとに多少差がありますのでご注意ください。
試験 | 値段 |
---|---|
ユーザー試験 | 8,800円(10%消費税込み) |
レベル1試験 | 11,000円(10%消費税込み) |
レベル2、3試験 | まだ確定していないが、11,000円以上にはなると予想されます。 |
IoT検定まとめ
IoT検定まとめ
- 資格取得で就職や転職でメリットになる
- 参考書もあるため独学でも対策可能
- これからどんどん必要になってくる資格
- 合格ラインも6割と狙いやすい
Iot検定について基本事項について説明してきました。
IoTの技術がこれから益々発展していくことを考えれば、IoT検定の資格はこれからどんどん需要が高まる資格であると言えます。
ぜひ一度受験を検討してみてはいかがでしょうか?