SEO検定ってどんな資格?難易度・合格率や取得メリット、試験日程まで徹底解説!
「SEOに興味があるんだけど、何から始めたらいいか分からない」
「SEO検定ってそれぞれの級にどれだけの価値があるのか知りたい」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、そもそもSEOとは何なのか、各級にどれほどの勉強時間が必要か、取得後どんなメリットがあるのかを紹介しています。
SEO検定についてざっくり説明すると
- SEO検定とは「検索エンジン最適化」の技術を学べるWEBマーケティングの資格
- 4級から1級まで存在し、1級の難易度は高い
- 受験資格は存在せず、合格ラインは8割
- 資格を取得することでSEOに力を入れている企業への就職・転職に有利になるほか、SEOコンサルタントとしての箔もつく
SEO検定ってどんな資格?
SEO検定とは、一般社団法人全日本SEO協会が主催している検定試験です。この全日本SEO協会は2007年に設立されています。この検定を取得できれば、SEO対策をする際に必要な知見が得られます。
そもそもSEOとは
SEOとは(Search Engine Optimization)の略であり、「検索エンジン最適化」と訳されます。検索エンジンとは、具体的にはgoogleやyahooなどのことで、インターネット上の情報を検索するシステムのことです。
では、最適化とはどのような行為のことを指すのでしょうか?まず、これはそれぞれの検索エンジンを運営している会社の行動です。googleやyahooなどは、自社のエンジンを使う人(つまりはネット検索をしている人)にできるだけ有益な情報を与えようとしています。
ここで、手動でサイトを並べ替えるのは不可能なので、できるだけ検索者の利益になるような法則を決めて、それに任せています。この、企業が検索者に利益になるようにする法則をSEOと言います。
では、SEO対策とは
サイトの運営側のことを考えてみてください。この法則(アルゴリズムと呼ばれることが多いです)が分かれば、自分のサイトを検索結果画面の一番上に持ってくることができそうだと思いませんか?
このようにアルゴリズムに対して対策するのが、SEO対策です。
なぜSEOが重要なのか
SEO協会の代表理事は、「ご挨拶」として以下のように述べています。
近年、インターネットを活用した集客が普及しWebサイトを持つ企業数は年々増加の一途をたどっています。
そのためWebサイトの数が増えれば増えるほど自社商品の存在を知ってもらうことが困難になるというジレンマを多くの企業が抱えるようになりました。 一般社団法人全日本SEO協会 HP
インターネットの普及により、誰しもが便利な情報を得られるようになったと感じる一方で、サイトを運営する側にとっては、自分のサイトが情報の洪水に溺れてしまうようになったというジレンマがある、ということです。
今後、自分のサイトをより多くの人に見てもらうためには、SEO対策が重要となります。
SEO検定の試験内容・難易度
SEO検定には4級から1級までの4種類が用意されています。
試験ではSEOに関する全般的な知識が問われ、4級から1級に向かうにつれて試験範囲が広がっていくようになっています。つまり1級は4級から2級までの全ての知識が内包されている形になっています。
また、試験は1級から4級まで全て選択式試験となっており、試験時間は60分、問題数は80問で共通となっています。したがって、どの級を受けるにしても一問一問に手早く解答できるように対策しなければいけません。
SEO検定の難易度・勉強時間
もっとも簡単な4級から順に、それぞれどんな内容を学び、どれくらい難しいのかを見ていきましょう。
4級で学ぶ内容と難易度
4級は、全日本SEO協会が行う検定の中で最も簡単な試験です。4級は、これからSEO対策について学ぶ人に最適な試験となっていて、そもそもSEOとはなんなのか、と言ったような基礎的な内容から最低限知っておくべき知識を体系的に学ぶことができます。
基本的な用語から学ぶことができるので、SEO対策が必要となっていることは分かっているけど、何から始めたら良いのか分からない!という人はまずはここから始めるのがおすすめです。
知識のレベルとしてはそこまで高くないので難易度は易しく、3級や2級へスムーズにステップアップするための入門資格といった位置づけとなっています。具体的な勉強時間としては、SEOについて全くの初学者でも10時間もあれば十分に合格を狙うことができるでしょう。
3級で学ぶ内容と難易度
3級では、4級で学ぶようなSEOの基礎知識やWEBマーケティングに関連する用語の知識を前提とした、より実践的なSEO対策の手法について問われます。
3級の対策を通して、SEO対策として最も肝心な「キーワードの選び方」を学ぶことができます。これは、ページを作る際にどんな言葉で検索されるか想定して、そのキーワードに関しては閲覧者をできるだけ多くできるようにしようというものです。
3級ではその他に、SEO対策を行うにあたって必要なデータの収集方法や、その効率的な使用方法についてを学ぶことができます。これも、自ら実践するにあたって最初に必要になる能力の一つです。
勉強時間としては、SEOについて現状何も知らない方でも10~20時間もあれば十分合格できます。
2級で学ぶ内容と難易度
2級では3級までの知識に加えて、実際に検索エンジンに高く評価されるコンテンツの作り方についてまで学ぶことができます。
例えば、SEOにおいて極めて重要な要素である「被リンク」の具体的な獲得方法について学ぶことができます。一般的に、他のサイトからリンクを張られているサイトは、周囲から認められた良質なサイトとして認識されています。
しかし、これを悪用し、自分のサイトを引用するサイトを不必要に多く作ることによりSEO対策をしようと人間も一部います。もちろん、このことは検索エンジン側も理解しており、悪質な場合には罰則が与えられています。
このような悪質な方法なしで、いかに自発的な被リンクを得ることができるかはSEO対策の結果を大きく左右します。これを行うのに必要な能力を2級の学習を経て得ることができます。
その他にも、twitter、インスタグラムなどのSNSがSEOに与える影響についても学ぶことができます。SNSがSEO対策に関して難しい点は、どれだけSNSで被リンクを得たとしても、直接的にはそのサイトの検索順位は上昇しないという点にあります。
しかし、直感的にも分かるように、SNSで話題になった事柄は検索エンジンを用いて検索されることも増えるため、SEO面に関しても軽視することはできません。このように、一見複雑な内容も2級の勉強を通して理解することができるようになります。
他にも競合ページの分析方法なども学べるので、2級までくると実際に自分でSEO施策を打つのに必要な知識を得ることができます。勉強時間としては、すでにSEOについてある程度知識を持っている人で10時間ほど、全くゼロの状態からだと30時間ほどは必要になります。
1級で学ぶ内容と難易度
最も難しい1級では、2級までの知識を持った上で、さらに最新のSEO対策を具体的に学ぶことができます。それぞれの状況に対して最も適したSEO対策ができるよう、モバイルSEOやローカルSEOなどについて学びます。
モバイルSEOとは、携帯電話からの検索に特に強くなるようにすることで、ローカルSEOとは、ある地域での検索を集め、多くの地元客を集めるなどの効果を上げるようにするものです。
その反対に、ナショナルSEOという、全国どこからの検索も集めるようにする能力も学ぶことができます。このように、1級まで取得すれば少なくとも一つの分野についてはスペシャリストになることができ、SEO対策チームのリーダー級の知識を得ることができます。
勉強時間としては2級の知識を持った上でも約20時間ほど必要で、全くゼロからだと50時間ほどは考えておいたほうが良いでしょう。
SEO検定の合格率
これまでの合格率は、下の表のようになっています。
2021年合格率 | 2020年合格率 | |
---|---|---|
1級 | 70% | 77% |
2級 | 63% | 87% |
3級 | 68% | 77% |
4級 | 81% | 89% |
全級平均 | 70% | 81% |
表から分かるように、4級から1級までいずれも合格率は高くなっています。事前知識がある人ばかりではないので、きちんと勉強時間を確保してから試験に臨めば誰でも合格することは可能でしょう。
合格ラインは8割
合格基準はシンプルで、得点率が80%以上とのみ定められています。つまり絶対評価の試験であり、その回の問題の難しさや他の受験生のレベルなどによらず、自分がどれくらいきちんと知識をつけたかどうかだけで判断される試験となっています。
知識ゼロからでも合格できる?
4級から1級まで、全て知識ゼロからでも合格を目指すことができます。 ただし2級や1級はある程度SEOの知識が前提となってくるので、いきなりここから勉強を始めると何も分からず混乱してしまうことも多くなると考えられます。
初学者の方は、1級や2級を目指す場合であっても、4級のテキストなどで基礎知識をしっかり押さえてから勉強するのがおすすめです。
SEO対策を実践している人であれば、馴染みやすい問題となっているため、1級でも10~20時間あれば十分合格できるでしょう。
SEO検定の勉強法
ここまでSEO検定の難易度を見てきましたが、具体的にはどのように勉強すれば合格できるのでしょうか。ここから解説していきます。
公式テキスト・問題集での勉強が基本
現状、周囲にSEOについて詳しい人がいない場合には、試験対策は基本的に独学が基本となっています。試験を行う全日本SEO協会は、それぞれの級について「テキスト」、「問題集」「合格ドリル」を発売しており、出題範囲は公式テキストのページで決められています。
また、試験では公式問題集に取り上げられている問題のうちいくつかがそのまま出題されるので、問題集のやりこみは大切となっています。このように、独学に必要な環境は十分整っています。
ビデオ講座も存在
SEO検定には各級それぞれで「ダウンロード学習コース」というものが存在しています。このコースでは、電子版のテキスト、問題集に加えて、動画によるダウンロード講座も含まれています。
各動画は10~20分程度で、4級でも30講義以上と、初学者にも優しい丁寧な解説となっています。また、専門的な内容でも解説を聞くことで自分で勉強するよりも早く吸収できることは多いため、
以下、各講座(1~4級)の金額は下の表のようになっています。
受講料 | 受験料 | |
---|---|---|
1級 | 22,000円 | 8,800円 |
2級 | 19,800円 | 6,600円 |
3級 | 15,400円 | 5,500円 |
4級 | 13,200円 | 5,500円 |
ビデオ講座の金額には受験料も含まれているため、見ため以上に安く感じますね。
SEO検定を受験するメリット
ここまで、SEO検定について具体的に説明してきましたが、受験することでどんなメリットがあるのかをここからは説明します。
SEOは集客の柱になる
多くの人が閲覧する検索で自分のページを上位表示させることができるということは、すなわち自分のページをより多くの人に見てもらえるようになるということになります。
直接的には、各企業は自社のホームページの閲覧数が増えれば、得られる利益も増えるでしょう。その他にも、自分がサイトやブログなどを運営している際には、閲覧数が増えればより多くの広告収入を得ることができます。
現代では、特にブランドのない小さな企業や個人でも、SEO対策を行うことによってWEBを通じた集客を行うことができるようになるのです。
SEOコンサルタントという道も
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、SEOコンサルタントになるという道も生まれます。
SEOコンサルタントとは簡単に言えば、様々な企業からSEO対策を引き受け、集客数やそれによる利益を増やしていく職業のことです。もちろん、SEOコンサルタントとして活動するためには、依頼主を安心させるほどのSEO対策の実施経験と実績が必要になります。
その際、SEO検定1級を持っていれば正しい知識に基づいたコンサルティングが行えるアピールとなります。現在ではSEOを集客の要としている企業は多いので、需要のある仕事であることは間違いありません。
SEOは日々変わっていくものなので注意
SEO対策はいわば「対アルゴリズム必勝法」のようなものでした。しかし、Googleなどはこのアルゴリズムの改良を日々行っています。加えて、年に数回はかなり大きなアップデートも実施しています。
その内容によっては、これまでのSEOが全く通用しなくなることもあり、SEOの知識は常に最新のものでなくては意味がありません。
そのため、SEOの専門家になるためには日々勉強を続ける必要があります。
裏を返せば、今から始めても遅いということは全くないということです。
SEO検定の日程・申し込み方法・受験資格
ここからは、SEO検定の日程・申し込み方法・受験資格について解説していきます。
試験日程
試験日程は、試験会場によって大きく異なります。会場は、東京、大阪、名古屋、福岡の全国4か所となっています。
最も多く開催されている東京会場では、1,2,4,6,8,10,12月に行われていますが、福岡会場では5,11月にしか行われていません。この辺りは皆さん注意して下さい。
申し込み方法と受験資格
各級とも、インターネットまたは電話で申し込むことができます。現状、申し込み締め切り日は各試験日の3日前となっており、結果発表も試験から10日以内に郵送と比較的早く結果が分かるようになっています。
また、受験資格に関しても特に制限はありません。自信がある方ならいきなり1級から受けることも可能となっています。
SEO検定と合わせて受験したいおすすめ資格
ここまで、SEO検定の内容を深く扱ってきましたが、関連する資格について紹介しておきます。
以下の資格はSEOとの関連が大きいので、学ぶ中で得た知識を生かすことができます。
転職など、自分をアピールする際にはいくつか資格を持っていたほうがもちろん評価が上がるため、関連資格も取っておくとより良いでしょう。
Google AdWords 認定資格
そもそもGoogle AdWordsとは、Googleでの広告のことです。試験問題は、広く基礎的な分野を扱う試験が1つと、分野の絞られて高度な知識が必要な5つの試験から構成されています。そのうち、基礎1つと、発展的な科目1つに合格すれば、認定資格を得ることができます。
受験料は無料となっているため、SEOの勉強でGoogleの仕組みについて理解が進んだら、試しに受けてみても良いと思います。
Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定
先ほど説明したGoogleと同様に、yahooも自社の広告に関する認定試験を行っています。ただし、現在プログラム見直しのため休止中となっています。
問題はベーシックコースとアドバンストコースの2つに分かれており、それぞれ練習問題が公開されているので、それを見て解けそうな方を受けてみると良いと思います。
ファンダメンタルマーケター
ファンダメンタルマーケターとは、インターネットを用いたマーケティングの知識が求められる資格となっています。
DMAという、アメリカで1917年に創立された協会が公認する資格となっており、この協会が行う10の講義を受け、修了テストに合格すると取得することができます。
マーケティングの最先端の資格として注目を集めているので、興味がある方は是非チェックしてみると良いでしょう。
SEO検定まとめ
SEO検定まとめ
- SEO検定ではSEO対策の最先端の技術を学べる
- 1級はSEOの実務経験者でないと合格までの勉強に時間がかかる
- 独学でも合格できるが、ビデオ講義も存在する
- SEOは企業の集客の要となりうる重要な技術なので、取得メリットは大きい
SEO検定について解説しました!
SEO検定の資格を取得しておくことで、自身のSEO対策のレベルを客観的に示す良い指標となります。
SEOに興味がある方、SEOコンサルタントを志している方は、是非取得を目指してみてはいかがでしょうか。