スマート介護士ってどんな資格?難易度や受験資格・取得メリットまで徹底解説!

スマート介護士は深刻な人手不足に苛まれている介護業界の現状を変えていくべく誕生した資格であり、介護ロボットなどの技術を活用して介護現場の生産性を上げることを目的としています

さらに、介護ロボットなどを用いた場合に起こりうる介護を受ける側への影響も考慮しており、効率だけでなく介護の質へも目を向けた資格となっています

作られて間もないスマート介護士資格ですが、その需要と将来性の高さから既に大きな注目を集めています。

ここではそんなスマート介護士の資格について、資格の概要や取得メリット、資格試験の難易度まで、気になる点を徹底解説します!

スマート介護士についてざっくり説明すると

  • 最近できた新たな民間資格である
  • 難易度の低いBasicと、上位資格であるExpertが存在する
  • 勉強時間はそれほど必要なく、独学でも十分合格可能である
  • 介護業界で働くうえでメリットの多い資格である

スマート介護士ってどんな資格?

スマート介護士について疑問に思っているイメージの画像 そもそも、スマート介護士とはどのような資格なのでしょうか?

まずは、スマート介護士という資格の概要について説明していきましょう。

2019年にできた民間資格

「資格」と聞くとまずは国家資格を想像してしまいますが、このスマート介護士という資格は国家資格ではありません。勘違いされがちな点ですので注意が必要です。

スマート介護士という資格は、2019年3月に社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所により新設された、介護系の民間資格であります。

善光会では、誰もが「人間らしく生きる人生」を歩める社会を実現するべく、認知症ケアプランの提供などといった介護コンサルティングサービスや、介護現場における職員などの業務負担を減らすべく介護ロボットなどの先端技術について、積極的な導入を促進しています。

特に、介護ロボットの導入については豊富な経験を有していて、介護業界におけるロボットの有用性や現場での課題について精通しています。

介護の質向上を図るための資格

スマート介護士とは、介護現場に介護ロボットの先端技術を取り入れたサービス提供体制を設計・導入し、さらにはサービスの質的向上を自ら行うことができる専門性を持った介護士のことを指します。

実際に、介護の現場においては、「介護ロボットがあるということは知っているものの、どれを使えば良いかが分からない」「試しに導入してみたは良いものの、施設内で活用できる人がいない」などといった課題が根強く残っています。

そういった課題を解決しながら、より介護の質と効率を高めることができる人材が現場からは求められています。

もともと、善光会がそのような知識・スキルのインフラを整えるべく、各施設にコンサルティングなどを行っていましたが、より多くの人に学んでもらうためのモチベーションを持ってもらうために、このスマート介護士という資格を立ち上げるに至った、という経緯があります。

スマート介護士には2種類存在

スマート介護士試験には「Basic」「Expert」という2種類のレベルが用意されています。

また、現在、「Professional」という上級資格やBasicよりもさらに学びやすい「Beginner」の創設も検討されていますので、今後ますます発展していくものと思われます。

Basicでは、介護ロボットに関する基礎的な内容を中心に学ぶことができ、介護ロボットに関しては初学者であったり、そもそも介護業界そのものが未経験であったとしても、比較的チャレンジしやすいものと言えるでしょう。

また、Expertではより高度な専門性やオペレーション技術まで学べるものとなっており、基本的には介護業界経験者の方を対象にした資格となっています。

スマート介護士の受験資格と取得の流れ

資格取得に向けてスケジュールを確認しているイメージの画像 スマート介護士試験にはBasicとExpertのどちらにも受験資格は特になく、誰でも受験することが可能です。

上記の項目でも紹介しましたとおり、BasicやExpertにはそれぞれ想定受験者というものが存在していますが、実際には例えば介護従事者でなくてもExpertに挑戦することが可能となっています。

ただし、実際の受験者を見てみると、受験者の8割以上が介護業界従事者であるため、介護業界以外の方であればまずはBasicから段階を踏んだ方が無難と言えるでしょう。

試験に合格することができれば、合格の証として合格認定証を受け取ることができ、さらには合格認定カードも貰うことができます。

スマート介護士の難易度

スマート介護士の難易度がどうなっているか疑問に思っているイメージの画像 次に、スマート介護士の難易度はどれくらいのものなのでしょうか?

結論から申し上げるとスマート介護士の難易度は低く、独学でも対応可能な気軽に受験できる資格であると言えるでしょう。

以下では、スマート介護士試験の概要と難易度について説明していきます。

試験範囲と出題形式

スマート介護士試験は、「スマート介護士公式テキストFor Basic&Expert」から出題されています。また、運営会社が提供しているスマート介護士オンライン講座でも同様の内容を扱っています。

(出題形式は4者択一式となっており、すべてマークシート形式となっているので、記述式対策などは必要ではありません。

また、テキストの内容については以下のとおりとなっています。

  1. 介護ロボット概論
  2. 介護基礎論
  3. 介護オペレーション基礎論
  4. 介護ロボットの評価論
  5. 介護ロボットの導入と運用の実践
  6. 介護業務支援システムの導入

スマート介護士の合格率・合格ライン

スマート介護士試験の合格率については、Basic・Expertともに公開されておらず、実際の合格率については分かりません。

合格基準については、「おおむね正答率70%以上」となっていますので、問題の難易度や受験者の実際の正答率などによって多少変動しているようです。

ちなみに、合格通知の際は自分の得点がどれくらい高かったかが「採点ランク」が掲載されています。「採点ランク」は点数が高い順にS〜Dで評価されていますので、自分の出来がそこで確認することができます。

合格までに必要な勉強時間

スマート介護士試験に合格するまでに必要な勉強時間は、Basicで15~20時間程度だと言われています。

これはFP3級や簿記3級といった各分野の入門資格と同程度か、それよりも簡単なレベルであるため、試験の難易度としては低めであることが分かります。

Expertでも30時間前後の勉強時間で合格が狙えるので、Basicよりは難しいもののこちらも比較的易しい試験だと言えるでしょう。

介護業界に従事している方であれば、これよりも短期間で合格ラインにたどり着けることも可能と言えるでしょう。

また、もし介護業界未経験の方であっても、1~2ヶ月きちんと勉強すればExpertに合格することも十分可能と言えます。

スマート介護士試験対策の勉強法

資格取得に向けて勉強しているイメージの画像 ここでは、スマート介護士試験に合格するための勉強法について紹介していきます。

基本は独学

上記でも紹介してきましたとおり、テキストは善光会が出している公式テキスト1冊だけであり、市販の問題集もありませんので、基本的な勉強法としてはテキストを読んで学ぶことになるでしょう。

ちなみに、受験者の声によると、本番試験の方がテキストで学ぶ内容よりも難しいと感じている人も多いようです。

そのため、テキストを読む際もなんとなくで流し読みするのではなく、しっかりと読み込んで理解していくことが大切となります。

三訂版 スマート介護士資格 公式テキスト
3000円
三訂版 スマート介護士資格 公式テキスト
3000円

過去問を使って勉強できる?

スマート介護士試験については市販の問題集などはありませんが、公式テキストに模擬問題や過去問題が含まれています。そのため、これらの問題を使いながら本番の試験に備えるといったことも可能です。

また、日販の検定ポータルのホームページでは、Webでスマート介護士試験の練習問題を受けることができるので、こちらも活用すると良いでしょう。

通信講座も利用可能

これまでは、公式テキストを中心とした試験対策について紹介してきました。実は、スマート介護士試験対策には公式テキストのほかにもう1つ、オンライン講座も用意されているのです

試験の難易度そのものは低いため、合格するために必ずしも必要というものではありませんが、講義動画を見ることでテキストで学んだ内容の理解を深めることができます

ちなみに、オンライン講義は基本的にPCで見ることを想定されています。スマホだと動作保障ができかねているので、利用する際は予め承知しておいてください。

スマート介護士の取得メリット

スマート介護士の可能性をイメージした画像 ここでは、スマート介護士を取得する際のメリットについて紹介していきます。

これからの介護業界を担う知識が得られる

1つめは、これからの介護業界を担っていくための知識が得られるという点です。

少子高齢化が進んでいる日本において、介護業界の位置づけは今後ますます重要となってきます。さらに、これからの介護業界では、先端技術の積極的な導入が必要不可欠となってきます。

そのような状況において、スマート介護士の勉強を通して介護ロボットの導入方法など知識を吸収することは、そういった時代の流れに置いていかれることなく対応することができ、信頼を集める人材になることができることを意味します。

介護業界に転職するうえでもプラスに働くことでしょう。

仕事の無駄を発見する力が身に付く

2つめは、日々の仕事における無駄を発見する力が身に付くという点です。

介護ロボットの導入を検討したり、より有効に介護ロボットを活用するにあたっては、現段階の業務分析を行うというステップが必要となります。そういった分析を通じて、現行オペレーションの中における無駄を発見する力・視点を身に付けることも可能となります。

つまり、より現場を専門的な視点から見られるようになり、最適なオペレーションを提案・実行できる人材になることができます

資格手当がもらえることも

3つめは、資格手当をもらえることもあるという点です。

企業によっては、取得した資格に対して資格手当を支給していますが、スマート介護士も企業によっては資格手当がもらえる可能性があります。

現在は、スマート介護士の認知度がまだまだ低いために資格手当を支給している企業は少ないようですが、今後認知度が向上していくことに伴って、資格手当がつくようになる可能性も十分にあるでしょう

これまでも触れてきたとおり、スマート介護士は難易度も低く取得しやすい資格ですので、資格手当がもらえる場合にはコスパが非常に良いと言えるでしょう。

スマート介護士の評判と将来性

スマート介護士の将来的な伸びをイメージした画像

日本は超高齢社会

ご存じのとおり、日本はこれから超高齢化社会に突入していきます。日本の人口は2010年をピークに減少していますが、高齢者の数は増加の一途を辿っています。

実際、2019年には高齢者人口はなんと3588万人にも達し、過去最多を更新し続けています。

そのため、介護業界については、これからますます発展していく産業と言えるでしょう。それに伴い、従来の介護士はもちろんのこと、スマート介護士についても、これからますます需要が増えていくことでしょう。

介護業界の今後とスマート介護士

昨今、介護業界においては、人手不足や過酷な労働環境、低賃金など、問題が山積みとなっています。

こうした現状を改善するために、ロボットの力は大変役立つことになりますが、一方で、このロボットを正しく使える人がいないこともまた、深刻な問題と言えます。

このように、ロボットの需要は確実にあるものの、まだまだ普及が進んでいないだけであることから、スマート介護士の需要も極めて高いものとなっていると言えます。

さらに、日本の高齢化は進行を続けており、要介護者の数は今後も増え続ける見込みであることを考えると、スマート介護士の将来性は非常に高いと言えるでしょう。

先に触れたとおり、資格手当を導入しているところもあるなど、今後も認知度・重要度ともに大きくなっていくことが予想されます。

スマート介護士試験日程と申し込み方法

各種項目のチェックリストをイメージした画像 最後に、次回開催される「第4回スマート介護士資格試験」の試験日程や申し込み方法、受験費用などといった試験概要・基本情報を簡単にまとめていますので、是非参考にしてください。

  • 試験日程:2020年9月20日(日曜日)

  • 実施エリア:東京,大阪,名古屋,福岡,札幌 ※施設・各種学校・企業単位での団体受験会場での受験が可能(諸条件有り)

  • 試験申し込み方法:インターネット(クレジットカードまたはコンビニ決済)

また、受験費用は次のようになっています。

受験試験 費用
スマート介護士Basic(初級) 6,600円
スマート介護士Expert(中級) 8,800円
Basic/Expert併願 13,860円

なお、団体申込みの場合は受験料が割引になります。

スマート介護士についてまとめ 

スマート介護士まとめ

  • スマート介護士は2019年に創設された、新たな民間資格である
  • 介護の質を維持しつつ、介護現場でのロボットの積極的な導入を検討できる資格である
  • 難易度はFP3級や簿記3級程度であり、初学者でも独学・短期間で取得可能である
  • 今後ますます発展していく介護業界で期待されている、取得メリットの多い資格である

今回はスマート介護士について、様々な観点から紹介してきました。

介護系資格に興味がある方、介護業界への転職を考えている方、何か将来性のある資格を取りたいと思っている方などにとって、有益な記事となれば幸いです。

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