スパイス&ハーブ検定ってどんな資格?試験概要・生かし方・模擬問題まで大公開!

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「スパイス&ハーブ検定に興味がある」

「スパイスやハーブを料理に利用したい!」

スパイスやハーブが好きな方なら、生活や料理に活用したいとお考えではないでしょうか?国際化に伴いスパイスやハーブが身近になったことで、興味を持つ人が増えてきています

ここではスパイス&ハーブ検定について紹介します。スパイスやハーブが好きな人、興味のある人にはぜひおすすめしたい資格です。また、料理が好きな人やハーブ関連の資格を持っている人にもおすすめです。

スパイス&ハーブ検定の概要や勉強法、試験範囲などを説明します。読み終えるころにはスパイス&ハーブ検定についてよく理解できているでしょう。

スパイス&ハーブ検定についてざっくり説明すると

  • スパイスとハーブについての幅広い知識を習得できる資格。
  • 料理や生活に取り入れることで豊かな生活が送れる。
  • 3級はマークシート式のみで難易度が低い。

スパイス&ハーブ検定ってどんな資格?

悩む女性

スパイス&ハーブ検定とは

スパイス&ハーブ検定とはスパイスとハーブについて幅広く出題される民間資格です。食品や薬品としての使い方だけでなく、歴史的なエピソードや豆知識まで雑多な知識が求められます

食の多様化・国際化や健康への関心に伴い、近年ではスパイスやハーブが注目されています。このような背景からスパイス&ハーブ検定には人気が集まっています

スパイス&ハーブ検定ではスパイスやハーブについて多様な知識を身に着けられます。普段の料理や暮らしに取り入れることで、新たな感動と発見が生まれることでしょう。

スパイス&ハーブ検定はまだ歴史の浅い資格

スパイス&ハーブ検定は2009年に誕生しました。まだ10年ほどしか経っていない、比較的新しい資格です。

しかし、スパイス&ハーブ検定の受験者数はすでに3000人を超えています。今後も人気が集まることで、さらなる受験者数の増加が見込まれます。

スパイス&ハーブ検定の主催団体

スパイス&ハーブ検定の実施団体は、公益財団法人の山崎香辛料振興財団です。また、食品会社大手のエスビー食品株式会社が協力しています。

主催している山崎香辛料振興財団は、「香辛料に関する調査研究を行い、食品産業の発展と国民生活の改善向上に寄与すること」を目的として1983年に設立されました。

香辛料の研究は料理や薬品だけでなく、産業・科学・教育のさまざまな分野で応用されています。具体的には香辛料の伝統・文化、効能効果・薬理・生理活性、栽培・育種・バイオ技術、消費行動・社会性などの研究がおこなわれています。

スパイス&ハーブ検定をとることをおすすめする人

スパイス&ハーブ検定は次のような人におすすめの資格です。以下のいずれかに当てはまるなら、受験してみてはいかがでしょうか。

料理の活用や薬効などが出題されるので、健康や料理に興味がある人には特におすすめです。また、植物学や歴史とも関連した内容が問われるので、これらの分野に興味があるとより楽しめるでしょう。

  • スパイスやハーブを日々の生活に取り入れて健康になりたい人
  • スパイスを用いた本格的な料理を作りたい人
  • ハーブを使ってリラックスしたい人
  • 周囲にスパイスやハーブの魅力を伝えたい人

スパイス&ハーブ検定の試験概要

地図

スパイス&ハーブ検定の出題形式

スパイス&ハーブ検定は1級から3級の3段階にわかれています。それぞれの級の試験形式は以下の表の通りです。

問題数 出題形式 試験時間
3級 50問 マークシート 50分
2級 60問 マークシート 60分
1級 60問 マークシート+単語記述式 90分

2級と3級では択一式のマークシート式で実施されます。1級のマークシートは択一式だけでなく複数選択完全一致問題も出題されます。さらに、記述式試験も行われるため、難易度は他の級よりも高くなっています。

スパイス&ハーブ検定の合格ライン

スパイス&ハーブ検定の合格ラインはどの級も80%以上の正解率とされています。つまり、3級では問題数が50問なので40問以上、1級と2級は問題数が60問なので48問以上の正解で合格となります。なお、合格率は公表されていません。

各級に求められるレベル

各級で求められる知識レベルは次の通りです。自分で楽しむだけなら3級や2級程度、周囲へのアドバイスなどを視野に入れるなら1級と考えておくと良いでしょう。

  • 3級:スパイス&ハーブ検定に関する基礎的な知識を持ち、料理や日々の生活の中に取り入れられる
  • 2級:スパイス&ハーブ検定に関する幅広い知識を持ち、料理や日々の生活の中で使いこなせる
  • 1級:スパイス&ハーブ検定に関する幅広い知識を持ち、周囲の人にもわかりやすくアドバイスできる

スパイス&ハーブ検定の各級の試験範囲

スパイス&ハーブ検定の詳細な試験範囲について解説します。試験では歴史的なことがらから日常生活に応用できることまで多様な知識が問われます。出題内容が多岐にわたるのでバランスよく勉強することが重要ですね。

スパイス&ハーブ検定の試験範囲は積み上げ方式になっています。下位級の出題内容に加えて新たな内容が加えられるため、合格した後も復習することが大切です。

試験ではスパイスやハーブに関するそれぞれの個別の知識も出題されます。出題される種類は級によって増えていくので、上位の級では覚えるのがとても大変になっていきます。

3級の試験範囲

3級で出題される内容は、歴史、基礎知識、料理、暮らし、単品知識の5つの分野です。詳細は以下の表をご確認ください。

分野 内容
①歴史 世界の歴史(古代における利用・中世の大航海時代とスパイス・東南アジアにおけるスパイス戦争)
日本の歴史(古来の食文化とスパイス&ハーブ・外来スパイスの登場・カレー料理の浸透)
②基礎知識 スパイスとハーブの定義・各種分類・適切な保存法
③料理 料理における働き、使うタイミングと使用量、各国の代表的な料理・飲み物のメニュー
④暮らし ヘルス&ビューティーへの利用、ハウスキーピングへの利用、代表的なスパイス&ハーブクラフト
⑤単品知識 25種類 ガーリック、こしょう、コリアンダー、山椒、シナモン、ターメリック、バジル、ミント、ローズマリー、わさびなど(別名・科名・原産地・用途・エピソード・豆知識・使い方など)

2級の試験範囲

2級では3級の試験範囲すべてに加えて、ハーブティー、栽培、健康などが出題されます。また、単品知識もさらに20種類追加されます。

分野 内容
①3級の範囲 すべて
②ハーブティー ハーブティーの淹れ方、ハーブティーによく用いられるハーブ、代替ハーブ
③栽培 ハーブの定植、育て方、収穫、増殖
④健康 伝統医学でのスパイス・ハーブの使われ方(アーユルヴェーダ・中国医学・ギリシャ伝統医学) 一般的に知られている効能、スパイス&ハーブ利用による減塩効果
⑤単品知識 全20種類 オールスパイス、バニラ、パプリカ、レモングラス、チリパウダー、くちなし、タラゴン、チャイブなど(別名・科名・原産地・用途・エピソード・豆知識・使い方など)

1級の試験範囲

1級では2級までの内容に加えて、具体的な楽しみ方も出題されます。単品知識は35種類追加されます。

分野 内容
①2・3級の範囲 すべて
②具体的な楽しみ方 手作り調味料(手作りハーブペースト・手作りドレッシング・手作りオイル・ビネガー)
③単品知識 全35種 カレーリーフ、クレソン、ケシの実、しそ、どくだみ、みつば、パンチフォロン、マンゴーパウダーなど (別名・科名・原産地・用途・エピソード・豆知識・使い方など)

スパイス&ハーブ検定の難易度・勉強法

本とペン

スパイス&ハーブ検定の難易度は?

スパイス&ハーブ検定は独学で勉強する人がほとんどです。独学で目指す場合の難易度はどのくらいなのでしょうか。

3級は試験範囲があまり広くありません。出題される問題も常識で解けるものも多く、それほど難しくはありません。単品知識で問われるスパイスやハーブも身近なものばかりなので、あまり苦労することはないでしょう。

1・2級からは下位の級で出題されていた範囲だけでなく、新しい試験範囲が追加されます。専門用語や馴染みのない品種も増えるため、難易度はぐっと上がります

公式テキストは全級位を網羅

スパイス&ハーブ検定には公式のテキストがあります。主婦の友社から刊行されている「スパイス&ハーブの使いこなし事典~スパイス&ハーブ検定認定テキスト~」です。

この公式テキストは1~3級全ての級位の範囲を網羅しているので、どの級を受検するとしても役に立ちます。上位の級を受検する際にも便利なので、受験する際には購入しておくと良いでしょう。

スパイス&ハーブ検定の模擬問題

スパイス&ハーブ検定では模擬問題が公開されています。実際にどんな問題が出るか見てみましょう。

【3級】

問題①:古代エジプトで防腐作用をもつと考えられミイラ作りに使われたスパイスは次のうちどれか?

  1. シナモン
  2. 唐辛子
  3. マスタード

正解は1のシナモンです。他には「アニス」や「クミン」「ゴマ」などが使われていたと言われています。

問題②:しょうがの原産地はどこが適切か?

  1. 中国
  2. 温帯アジア
  3. 熱帯アジア

正解は3の熱帯アジアです。ただ、野生種が発見されていないことから正確な原産地までは確定していません。中国には遅くとも孔子の生きた紀元前500年ごろまでには伝わっていたそうです。

【2級】 問題③:植物分類上、わさびやマスタードが属する科はどれか?

  1. シソ科
  2. セリ科
  3. アブラナ科

正解は3のアブラナ科です。アブラナ科としてキャベツやダイコンなどが挙げられます。体が傷ついたときに作り出す化学物質が「辛さ」の原因です。草食動物や虫から身を守るために発達させたと言われています。

問題④:唐辛子の効能として当てはまらい作用はどれか

  1. 肝臓の強化
  2. 肥満防止
  3. 足元などの冷え防止

正解は1の肝臓の強化です。唐辛子に含まれる「カプサイシン」という物質は代謝を促進する効果があります。脂肪が燃焼し、体が温まるということですね。抗酸化作用もあるため、美肌効果、動脈硬化予防にもつながります。

【1級】 問題⑤:紀元前400年前頃、400種ものハーブの処方を記録に残したと言われるギリシャ人の名前を答えなさい(単語記述式)

正解はヒポクラテスです。医学部で用いられる『ヒポクラテスの誓い』や「人生は短く、術は長い」などの言葉で知られています。ドラクロワの絵画『ペルシアの王の贈り物を拒絶するヒッポクラテス』も有名。

問題⑥:ワサビの辛みの主成分と共通しているスパイスまたはハーブは?全て選べ

  1. クベバ
  2. ロングペッパー
  3. 白からし
  4. ホースラディッシュ
  5. 和からし

正解は4のホースラディッシュ5の和からしです。ワサビの辛味は「アリルイソチオシアネート」です。

クベバ、ロングペッパーはコショウ科です。コショウの辛味は「ピペリン」、白からしは「パラヒドロキシベンジルイソチオシアネート」が主成分とされています。

スパイス&ハーブ検定の試験日程・会場・申し込み方法

カレンダー

スパイス&ハーブ検定の基本情報

スパイス&ハーブ検定は年に1回、毎年9~10月ごろに実施されます。試験会場は東京のみです。年によっては大阪や兵庫でも実施されることがあります。

申込は試験日の1ヶ月前までwebページからできます。スパイス&ハーブ検定の次の試験日は公示されていません。試験日が近くなったらチェックするようにしましょう。

スパイス&ハーブ検定に受験資格の制限はある?

スパイス&ハーブ検定は2級と3級には受験資格の制限がありません。年齢や職歴に関係なく、どなたでも受験できます。2級と3級は併願できます。

1級は2級の合格者だけが対象とされています。1級と2級での併願も可能ですが、2級に不合格だと1級の採点対象にならないので注意しましょう。

スパイス&ハーブ検定の受験料

スパイス&ハーブ検定の受験料は以下のようになっています。見てわかるように、併願の場合は受験料が割引されます。

受験料
3級 4,900円
2級 4,900円
1級 5,900円
2・3級併願 8,800円
1・2級併願 9,800円

スパイス&ハーブ検定と合わせて取りたいおすすめ資格

チョコレート

食生活アドバイザー

食生活アドバイザーとは食生活をトータルにとらえることで、健康な生活を提案できる食生活のプロフェッショナルを認定する資格です。

実施団体はFLAネットワーク協会です。FLAとは「food and lifestyle adviser」の頭文字からとられています。

食生活アドバイザーには通信講座があります。特に、ユーキャンの講座は佐々木希さんが取得したことでも有名な人気講座です

栄養学や体調に合わせた献立、毎日の料理メニューなどを学習できます。受験資格の制限なども設定されていないため、専業主婦や一人暮らしの社会人など幅広い層におすすめです。

食生活アドバイザーには2級と3級という二つの難易度があります。3級はマークシートのみですが、2級は記述問題も入ってきます。3級は100点満点中60点、2級は123点中74点で合格です。

試験は7月に全国15箇所ほどで実施されます。受験料は2級で7500円、3級で5000円となっています。合格率は3級で65%、2級で40%とあまり難しい試験ではありません

食生活アドバイザーについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

メディカルハーブ検定

ハーブに関する資格には、メディカルハーブ検定もあります。メディカルハーブ検定とは長い歴史の中で培われた「ハーブ」という知的資産を有効に活用するために設立された資格です。

主催団体は特定非営利活動(NPO)法人の日本メディカルハーブ協会(JAMHA)です。臨床研究や教育などを統合した、メディカルハーブに関する知識の普及を目的としています。

試験はマークシート方式で実施されます。試験問題は70問あり、そのうちの80%、つまり56問が正解なら試験合格となります。

試験は年2回実施され、受験料は6600円程度です。試験会場は札幌から沖縄まで全国8か所にあります。

「メディカル」と名付けられていますが、医療の専門知識は必要ありません合格率は80%を超えており、テキストでの独学でもほとんどの人が合格できる試験です。

メディカルハーブ検定についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

食育インストラクター

食育インストラクターとは「"食育"を基礎から学び、日々の生活に活かし、広く推進・社会で活躍できる"食育"の指導者の証となる資格」です。NPOの日本食育インストラクター協会が実施しています。

食育インストラクターには1級から4級、それに最も初歩的なプライマリーという全部で5つの難易度が設定されています。級によっては国家資格や学歴、講習会への参加などが必要です

食育インストラクターでは、家族の健康と暮らしに活かせる食育の知識が学べます。安全・安心な食材の選び方、基礎的な人格を養う食のマナーなどを身に着けることで、心身を健康にする食生活を送れるでしょう。

試験は筆記試験と調理の実技試験があります。調理実技試験は調理学校の通学などの条件で免除されることもあります。試験は年に1回、秋ごろに行われます。受験料は級によって異なり、3級なら15400円です。

受検条件の厳しさと受験料の高さから誰もが簡単に目指せる資格とは言えません。食育や食に関するプロを目指すのであれば、より上位の資格を受検すると良いでしょう。

食育インストラクターについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

ハーブ&スパイス検定との比較

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スパイス&ハーブ検定とよく似た資格にハーブ&スパイス検定という資格があります。ハーブとスパイスが逆になっただけの名称ですが、特に関係のない、まったく別の資格です。

ハーブ&スパイス検定を主催しているのは「特定非営利活動法人(NPO法人)ジャパンハーブソサエティー」です。他にもハーブ・アロマ検定なども実施しています。

ハーブ&スパイス検定は自宅のパソコンからオンライン受験できる資格です。そのため、自分の好きなタイミング、都合の良い時間帯で試験を受けられます。

料金振り込み後、「ハーブの教科書」というテキストが発送されます。試験はテキストから出題されるのでしっかり読み込みましょう。

ハーブ&スパイス検定には1級と2級があります。2級を取得すると1級が受験できます。なお、2級は誰でも受験可能です。

試験形式から言えば、自宅で受験できるハーブ&スパイス検定の方がより手軽に受験できる資格です。先にハーブ&スパイス検定を受験して自信をつけてからスパイス&ハーブ検定を受験しても良いでしょう。

スパイス&ハーブ検定のまとめ

スパイス&ハーブ検定のまとめ

  • 合格ラインは80%以上であり、 合格率は非公開。
  • 2級と3級には受験資格の制限がない。
  • 級が上がるごとに試験範囲がぐっと増える。

ここでは、スパイス&ハーブ検定について紹介しました。いかがでしたか?

スパイス&ハーブ検定はスパイスやハーブの知識を習得できる資格です。これらの植物は薬効成分があるため、使い方を間違えると危険が伴います。資格取得を通して正しい知識を身につけましょう。

合格率が非公開なので正確な難易度は判断できません。しかし、マークシートや単語記述などの形式で出題されるためさほど高度な試験ではありません。

試験範囲は広いのですが、裏を返せば幅広い知識を習得できるということです。スパイスとハーブに詳しくなりたい気持ちが少しでもあるなら、受験してみてはいかがでしょうか?

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