野菜ソムリエってどんな資格？試験概要・難易度・勉強のコツまで全て解説！

健康志向が高まるなか、「野菜ソムリエ」は注目度の高い資格です。

しかし、「野菜ソムリエ」という資格名から、野菜や果物についての資格だということはわかりますが、どんなことを学ぶ資格なのかわからないという方も多いでしょう。

そこでまずは、野菜ソムリエとはどんな資格なのか、解説していきます。

野菜ソムリエは野菜のスペシャリスト

野菜ソムリエとは、簡単にいえば「野菜・果物のスぺシャリスト」です。

野菜や果物の魅力やその価値を社会に広めることを目的としてつくられた資格なため、野菜や果物の栄養素などの基礎知識はもちろん、品種の見分け方や保存方法なども学ぶことができます。

また、野菜や果物がもつ栄養素によって体に及ぼす作用や効果といった知識を高めることができ、食材を活かした調理方法を身につけることが可能です。

食に関した仕事はもちろんですが、日常的な食生活にとても役立つ資格になります。野菜ソムリエをもつことによって、食に関した仕事につくことも可能です。

野菜ソムリエの主催団体

野菜ソムリエの資格は、「一般財団法人　日本野菜ソムリエ協会」の主催で行われる民間の資格です。

日本野菜ソムリエ協会は、「食を日常的に楽しむ・農業を次世代に継承できる社会の構築」を目的とした協会で、今では5万人以上の野菜ソムリエが誕生しています。

野菜ソムリエの資格は、持っているだけで家庭での食生活に役立てることができます。

なかには料理教室や食育活動、セミナーの講師、として活躍している方も多く、食に関した仕事にとってスキルのひとつとして注目を集めています。

ただ、野菜ソムリエの資格試験を受けるためには、「日本野菜ソムリエ協会」の会員になる必要があるので覚えておきましょう。

野菜ソムリエは健康需要で注目を集めている

昨今では、健康需要が高まり積極的に運動をしたり、バランスのとれた食事を心がけるという方も増えました。そのため、野菜や果物といった自然食品に対する関心が高まっています。

野菜ソムリエの資格を取得する方のなかには、旬の野菜や良質な野菜を見分ける目利き力を身につけたいと挑戦する方も増えています。

また、野菜ソムリエの資格に挑戦することによって、今まで以上に野菜や果物の「味・香り・鮮度・育ち・栄養」が気になるようになったと、食材に対する意識が高まったという方もいます。

野菜ソムリエの資格は、これまでの野菜や果物に対する見方が変わり、より食生活の質を高める資格であるといえるでしょう。

野菜ソムリエは芸能人の取得者も多い

芸能人の間でも野菜ソムリエの資格は注目度が高いです。

里田まいさんや、お笑い芸人の田村淳さん、ジャニーズの長野博さんやギャル曽根さん、アナウンサーの東原亜希さんなど、芸能人で野菜ソムリエを取得した方は大勢います。

芸能人であるかたわら、飲食店を開く方が多いことや、美意識が高いなどいったこともあるかも知れません。

最近では、野菜ソムリエの注目度が高くTVで取り上げられることもあり、ある番組では野菜ソムリエの少年が出演していました。

野菜ソムリエは受験資格に制限がないため、自分が取りたいと思ったら、芸能人などといった職種関係なく仕事幅広い世代でも挑戦できるのも魅力の1つです。

野菜ソムリエのさらに上へ

あまり知られていませんが、野菜ソムリエの上級資格として「野菜ソムリエプロ 」、そしてさらに上級資格として「野菜ソムリエ上級プロ」という資格があります。

詳しい内容は以下のようになっています。

日本野菜ソムリエ協会の会員は、9割以上は野菜ソムリエですが、残り1割程度の方が野菜ソムリエプロ・野菜ソムリエ上級プロとして活動しています。

野菜ソムリエ・野菜ソムリエプロには受験資格は必要ありませんが、野菜ソムリエ上級プロは、野菜ソムリエプロの資格を取得した方でなければ受けることができません。

ここからは、野菜ソムリエの資格を取得する方法について解説していきます。野菜ソムリエの資格を取得するためには、養成講座を受講し修了試験で合格しなくてはいけません。

そして、養成講座の受講方法は4種類あります。詳しく解説していきましょう。

野菜ソムリエ資格取得には養成講座＋修了試験

野菜ソムリエの資格を取得するには、養成講座を受講しなくてはいけません。

まずは、野菜ソムリエ試験の概要を以下の表にまとめました。

全7科目受講後、修了試験に合格することで資格を取得できます。通学制・半通学生で受講した場合は講習会の約1カ月後に試験があります。

養成講座については、以下のサイトから申し込み可能なので、受験する人は必ず申し込みをするようにしましょう。

公式サイトはこちら

養成講習は通学や通信を組み合わせた4タイプ

養成講習は、上記の表にもあるように4つのタイプがあります。

1. 通学生
2. 半通学生
3. 通信制
4. 通信制（地域校ワークつき)

それぞれ特徴があり、自分にあった方法で受講することが可能です。講座を受講後、受講費用の入金確認日から1年間修了試験を受けられます。また、地域によって通学生や通信制の地域ワークを実施していないこともあるので、確認をしましょう。

それぞれの受講方法について解説していきます。

①講師から直接学びたければ通学生

通学制は、全7科目を事前に申込み、全国各地で協会から指定された会場で学ぶシステムです。振替えシステムを採用しているので、都合が悪くなっても他の日時に振り替えることができるので安心して受講できます。

通学生の特徴としては、次のようなものがあります。

• 講師から直接学べる
• 2～3日間で7科目を受講
• 受講後1カ月後に試験がある
• 振替え制度あり

何よりも、講師から直接学べるというメリットは大きいです。受講中わからないところはすぐに確認することができるので、不明確なまま終わらせずに済みます。また、他の受講者と一緒に学ぶため、刺激もあります。

通学生の場合、会場には定員と申込み期限があるので注意しましょう。また、全国的に通学制を広げていますが、1都2府8県しか対応していません。公式ページで開催地を掲載しているので確認しておきましょう。

②通学と通信のいいところどりをした半通学制

「半通学制」は、その名のとおり通学して学ぶ科目と、通信講座で学ぶ科目とに分かれて野菜ソムリエを目指す受講方法です。

通学して学ぶ講座は4科目、野菜・果物の食べ比べやコミュニケーションといった体感の授業になります。そのほかの3科目に関しては通信講座で学ぶことになります。

• 通信教材と併用して受講するため、時間も効率よく学べる
• 体験型の講座を受けることができる
• 通学制のメリットと通信制のメリットを兼ね備えたハイブリット型

味などはやはり体感しなくてはわからない部分も多いため、体験しなくてはわからない部分は通学し学びたいという方にピッタリの受講方法です。

ただし、残念ながら通学制の部分もあるため、実施されている会場は通学制と同じ1都2府8県しかありません。

③自分のペースで学習を進めるには通信制

「通信制」は7科目すべて通信教材で行います。修了試験は会場で受けることになりますが、通信教材はDVDとテキストです。

通信制の特徴としては、以下のようなものがあります。

• 自分のペースで勉強ができる
• 通学制が利用できない方も資格が取得できる
• 試験は1都2府8県以外でも行われている
• 仕事をしながらでも取得しやすい

通信制の修了試験の開催は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡を中心に開催しているため、通学制よりも幅広い地域の方が野菜ソムリエの資格を取得できます。

また、仕事をしながら空いた時間で学ぶことができるので、自分のペースで学ぶことができるのも魅力です。

④野菜ソムリエ主宰のワークが付いた通信制（地域校ワークつき）

7科目を通信教材で学習後、各地にある地域校で食べ比べや提出課題のレクチャーなどを受講できる「通信制（地域校ワークつき）」もあります。

• 体感型のレクチャーを受けることができる
• 通信教材で学ぶので時間の融通はきく
• 通学制の受講施設がない地域向けの受講方法

通信制（地域校ワークつき）は、1府11県で受講することが可能です。 通学制を開催している県とは異なる県でも開催されているので、体験型の受講も受けたいという方におすすめです。

受講修了後、「ベジフルカルテ」に取り組もう

ベジフルカルテとは、野菜・果物の情報を「名前・育ち・ころ・たて・品質・コメント・レシピ」の7項目に分析しカルテとして記載したものです。

修了試験では、「べジフルカルテ」を指定された枚数提出する課題が出されます。ベジフルカルテは、書かれている内容よりも自分で調べたことや、自分の言葉でその野菜や果物について表現する能力について見られています。

カルテをつくる野菜や果物は、自分で選ぶことができるので興味のあるものを選ぶといいでしょう。

試験時に提出しますが、1枚を作成するのにとても時間がかかります。試験勉強と並行して進めていくようにしましょう。

野菜ソムリエの受験資格はある？受講料は？

先述で軽くふれましたが、野菜ソムリエの資格を取得するための受験資格はありません。しかし、日本野菜ソムリエ協会に入会するという条件がつきます。

野菜ソムリエの講座の金額は148,000円（税込）と高額です。このなかには日本野菜ソムリエ協会への入会費（10,800円）も含まれています。

4つあるコースのうち、いずれを選択しても費用に変わりはありません。

野菜ソムリエの資格は、講習会や通信教材で7科目受講後、ベジフルカルテを提出し、修了試験に合格することで取得できます。

ここからは、修了試験について詳しく解説していきましょう。

野菜ソムリエの出題形式

野菜ソムリエの修了試験は、試験時間2時間のマークシート方式になります。

問題数は約300問の500点満点と多く、試験時間が2時間あるもののサクサクと解いていかなくてはいけません。問題はほとんどテキストから出題されるため、テキストをしっかり勉強することが大切です。

野菜ソムリエの修了試験の出題内容

野菜ソムリエの修了試験の出題は、以下の4つになります。

1. ベジフルコミュニケーション
2. ベジフル入門
3. ベジフルサイエンス
4. ベジフルクッカリー

それぞれについて詳しく説明しましょう。

①ベジフルコミュニケーション

野菜ソムリエの役割などを学び、コミュニケーションの取り方や野菜・果物の魅力を伝える表現方法の試験項目になります。

過去問では、野菜や果物の魅力などについて正しく伝えるためにも、表現する方法や語彙力を確かめるような出題がされています。

②ベジフル入門

野菜や果物の生産から店頭に並ぶまでの流通、そして良質な野菜の見分け方などを確認します。

また、過去問では現代の食文化や野菜と果物の定義についても出題されることがありました。

野菜や果物の品質はもちろん、分類や表示、品種ごとの特徴や保存方法などを試験問題として出題されるため、細かく学んでおく必要があるでしょう。

③ベジフルサイエンス

野菜や果物の栄養素の知識の試験になります。野菜ソムリエとしては、重要な部分でもあり試験としては、難しい部分になります。

過去問では、生活習慣病や現代病などについて、それにともなう予防医学についても出題されています。また、生活習慣病に適した野菜や果物なので栄養素を知らなければ解けない問題もあります。

④ベジフルクッカリー

ベジフルクッカリーは、野菜や果物の調理方法について主に出題されます。野菜の切り方や、煮る・蒸すなどの調理法の違い、野菜炒めの手順など料理に関した問題が多いです。

日常的に料理をする人であれば、ある程度答えられるものも多いですが、なかなか料理をする機会がない場合には難しく感じる方もいます。

野菜ソムリエの合格率、合格ライン、難易度

野菜ソムリエの合格ラインは70％以上、つまり約300問あるなか350点以上獲得しなければ受かることができません。

合格率は、約85％なので問題数が多いものの、そこまで難しい試験ではないといえます。とはいえ、試験範囲が広いため、広く浅く理解し要点は絞って勉強していくことが大切です。

もし合格できなかった場合、追試の金額として14,800円を払うと再修了試験を受けられます。

野菜ソムリエ修了試験の対策ポイント

通学制であれば、自分が苦手とする部分も講師によって解決しやすいですが、通信制であればそうはいきません。

通信制で野菜ソムリエを目指す場合は、以下のポイントを意識しましょう。

• テキストをひたすらやりこむ
• マークシートなので完全な暗記よりも広く知識をもつことが大切
• すべてを理解しようと気負いせず、8割程度理解するようにする
• 問題数が多いため、わからなくてもとばしてサクサク進める

完全に理解し覚えるということは大切ですが、7割以上正解すれば野菜ソムリエの資格を取得できます。試験に受かることを考えると、8割の以上正解を目指して取り組む方が、精神的にも負担になりません。

通学制や半通学制に比べて独学で進めなくてはいけない通信制は、どうしても不利な部分があります。自分を追い込むよりも、楽しく学びながら試験を目指しましょう。

通学制や半通学制で受講している方は、講師が協調している箇所は出題傾向にあるので、その部分に注目して受講しましょう。

野菜ソムリエになるための受講料は、決して安くはありません。受講して「私には向かないわ」と思っても費用は返ってきませんし、取得したからには活かせる仕事をしたいという方も多いでしょう。

そこで、野菜ソムリエに向いている方、野菜ソムリエの資格を活かせる仕事について解説します。

野菜ソムリエを取ることをおすすめする人

野菜ソムリエの資格を取得するのにおすすめの人は、野菜や果物に興味があるのは前提としてあります。そのほかにも、次のような方におすすめの資格なので、確認してみましょう。

• 野菜や果物が好きな人
• 野菜や果物の栄養価など知識をもっと深めたい人
• 食生活の見直しをしたい人
• 職場で野菜や果物を扱い、知識を必要とする人
• お客様に野菜や果物に関した知識を提供したい人
• ヘルシーな飲食店の経営などを考えている人

野菜ソムリエになると、野菜や果物に関した知識を活かし活動することができます。また、家族の食生活や自分の今までの食生活を栄養素も含めて見直したいという方にも、野菜ソムリエの資格が役に立つでしょう。

野菜ソムリエを活かせる仕事

野菜ソムリエの資格を取った方の中には、その知識を活かしカフェなどの飲食店を経営したり、青果や野菜直売所などでお客様にアドバイスをしたりと、食に関した仕事に就く方が多いです。

「野菜ソムリエがいるお店」と聞くと、「健康に良さそう」「良い野菜を提供してくれそう」といったイメージを思い浮かべる方も多いでしょう。

野菜ソムリエの資格を持っていることで、イメージアップにもつながり他店との差別化もできるので、飲食店問わず食を扱う店では野菜ソムリエは重宝されることがあります。

このほかにも、食品関係の記事を書くライターや、料理教室、食育セミナーの講師として活躍している方もいます。

ただ、野菜ソムリエはあくまで民間資格であるため、栄養士や管理栄養士などといった国家資格と併用して取得している方も多いです。

家庭内で活かそう

趣味で野菜ソムリエの資格を取得する方もいます。育ち盛りの子供がいる家庭など、食について見なおしたい、家族の健康を守りたいといった方に人気の資格でもあります。

また、野菜を購入するときも、野菜ソムリエの資格を持っていれば良品を選ぶことができるので、新鮮で長持ちする野菜や果物を購入できます。

なかには、個人的に料理教室などを開く方もいるので、たとえ仕事として野菜ソムリエの資格を活用しなくても、自宅で活かすことも可能です。

野菜ソムリエは、家庭でも食に関した仕事でもスキルアップにつながる資格です。しかし、野菜ソムリエだけでは仕事として押しが弱かったり、できることが限られてしまいます。

そこでおすすめなのが、他の資格を取得することでより活躍の場を広げることです。野菜ソムリエと関連した資格をご紹介します。

野菜スペシャリストとは

健康的にバランスのとれた食事には、野菜や果物は欠かせません。野菜ソムリエは、その野菜や果物の効果効能や、正しい選び方・調理方法などといった知識を身につけるには、最適の資格です。

それに合わせて取得をおすすめしたいのが、「野菜スペシャリスト」です。

野菜スペシャリストとは、「一般社団法人FLAネットワーク」が主催する民間資格になります。

資格の内容としては、野菜ソムリエと重なる部分もありますが、野菜スペシャリストは、野菜や果物の知識を健康と美を作るために知識を高めることができる資格です。

「野菜スペシャリスト」は、もっと家族や自分の美を極めたいという方におすすめの資格になります。

管理栄養士/栄養士

管理栄養士/栄養士の資格を取得している方が、野菜や果物の知識を深められる野菜ソムリエの資格を持つことで、より栄養価を意識した食事を提供することができます。

管理栄養士/栄養士は、医療現場や福祉施設、小中学校、企業などで活躍していて、栄養バランスのとれた献立を考えるスペシャリストです。管理栄養士は栄養士の上級資格であり、どちらも国家資格になります。

食育アドバイザー

食育アドバイザーとは、栄養学や食育の正しい知識を学ぶことで食事の大切を伝え、食育を推進する目的としてできた日本能力開発推進協会が主催の資格です。

食事がみだれがちな現代人に対し、食事で栄養を取ることの大切さなどを推進していくことを主な仕事としています。

野菜ソムリエの資格を合わせてもつことで、不足しがちな野菜の栄養価も伝えることができます。

ダイエット検定

ダイエット検定とは、正しく健康的に痩せる知識を深めるための資格で、「日本ダイエット健康協会」が主催になっています。

ダイエット検定では、食事を抜くなどといった不健康なダイエットではなく、正しくダイエットをして健康増進を促すことを目的としている資格です。

そのため、ダイエットには欠かせない野菜の知識を深める野菜ソムリエの資格はスキルアップにもつながるでしょう。

野菜ソムリエの試験概要や、難易度など詳しく解説してきました。

野菜ソムリエは、受講料は高額であるものの野菜や果物についての知識を高めることができ、食に関した仕事や家庭でも活躍できる資格です。

栄養士などといった食に関した資格や、健康増進を進めるような資格と合わせて取得することで、より野菜ソムリエの知識が役に立ちます。

食生活を改善したい、野菜や果物を使ったバランスの取れた食事を提供したいといった方は、ぜひ野菜ソムリエに挑戦してみてください。