食育インストラクターってどんな資格?難易度・過去問・独学勉強法まで全て解説!
「食育インストラクターとはどのような資格なの?」
「食育インストラクターの試験内容を知りたい!」
このように思いながらもなかなか一歩が踏み出せない方は多いのではないでしょうか。
そこで資格Timesでは食育インストラクターについて、資格や試験内容、他の資格との併用の仕方など、詳しい情報を網羅してまとめました。
ぜひあなたのスキルアップのためにお役立てください!
食育インストラクターについてざっくり説明すると
- 食育インストラクターは栄養や料理に関する内容を身に付ける資格である
- 食品業界を目指す方には特におすすめ
- 資格を取ることで転職や就職の際のアピールになる
食育インストラクターってどんな資格?
まずは食育インストラクターの資格の概要をご紹介いたします。
食育インストラクターとは
食育インストラクターとは、「食育」を基礎から学んだ上で日々の生活に活かし、広く推進することを目的とした資格です。「食育」についての知識を活かし、社会で活躍できる指導者を育成する意義もあります。
食育について学ぶことは、健康管理や食習慣について専門的な知識を得ることにもつながります。そのため家庭だけでなく企業でも大いに活躍する資格となっています。
食育インストラクターの主催団体
食育インストラクターは、 NPO 法人 日本食育インストラクター協会の主催で行われている資格試験です。
日本食育インストラクター協会は、食育を通じ生涯にわたって健全な心身を培いながら、豊かな人間性を育むことを図るために設立された団体です。
「食育インストラクター」を育成する事業を行うことで、人々が健康で安心な食生活を営む為に広く社会に役立つ人材を育成しています。
監修しているのは、日本を代表する料理研究家である服部幸應さんです。大変知名度のある方が関わっていることでも注目されている資格となっています。
食育インストラクターは芸能人の取得で有名になった
食育インストラクターは、食品業界からは元から注目をされていましたが、 芸能人が資格を取得したことで一般人の間でも知名度が上がりました。
マラソンランナーかつ食育研究家として有名な安田美沙子さん、また元HKTアイドルの「ゆうこす」こと菅本裕子さんが食育インストラクターの資格を取得しSNSなどで公表したことで、一般の方もこの資格を知るようになったのです。
他にもはんにゃの川島章さん、ギャル曽根さんなど、芸能人の間に「食育資格の取得ブーム」が起きたことから、食育インストラクター以外でも食育関連の資格が最近は脚光を浴び続けています。
そもそも食育とは
食育とは「様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てること」を表す言葉です。2000年代後半から教育現場で使われるようになり、徐々に浸透していきました。
人が生きていくには、食べなくてはなりません。そして何をどのように食べるかは、健康だけでなくその人の作法や品格にも関わります。「食べること」について教育することは、非常に大切なことなのです。
食育インストラクターを取ることをおすすめする人
食育インストラクターの資格取得をおすすめしたいのは以下のような方々です。
- 子供たちに食育をしてあげたい幼稚園の先生や学校の先生
- 食育を世間に広めるためにインストラクターや講師をしたいと考えている方
- 食育と関連がある食品メーカーに就職しようと考えている方
- 食育を意識した料理を家族や自分のために作りたい方
食育というと子供に対して行うものだというイメージがある方は多いでしょう。もちろん子供に関わる仕事をしておられる方には、食育インストラクターの資格は非常におすすめできます。
その他にも食品メーカーへの就職や転職を考える方、講師業に興味がある方にも食育インストラクターの資格はおすすめです。
食育インストラクターの就職や独立・年収
食育インストラクターの資格を取ったとして、どのような就職につながるのでしょうか。具体的な職種や年収などをご紹介いたします。
食育インストラクターを取ることで就職・転職に繋がるのか
食育インストラクターの資格は非常に注目を集めていますが、残念ながら 食育インストラクター資格を持っているだけでは就職に当たってそこまで有利にはなりません。
しかし管理栄養士や栄養士、調理師など他の資格と組み合わせることで、食品メーカーや飲食店などの食品関連産業では評価されます。
また高齢者施設などでは栄養バランスを抑えた食事が求められています。そのため老人ホームや介護施設などに就職や転職を考えている方にとっては大きなアピールになるでしょう。
食育インストラクターは独立に繋がるのか
食育インストラクターは芸能人の方をはじめ資格取得者がかなり多い資格ですが、資格は取得者が多いと希少価値が下がります。資格を取るだけでは独立してお金を稼げるようになることは難しいでしょう。
ただし大学で栄養学を専攻していた、もしくは食品会社での勤務経験があるなどの他の経験値があれば、食育インストラクターの資格を取ることでスキルの幅が広がりますから、講師や教室を開くなどの活躍ができる可能性があります。
食育インストラクターの年収
食育インストラクターの資格を取得した状態で食品会社、もしくはレストランなどに就職した場合、年収は300万円程度になることが多いようです。
保育園や幼稚園の給食スタッフの場合ですと、年収にして250万円程度になります。大企業のキッチンスタッフになる場合は、正社員なら月給20万円程度、契約社員ですと月給15万円程度が目安となると言われています。
食育インストラクターの資格を取ったからと言って高年収になるというわけではありませんので、その点はご留意ください。
食育インストラクターの難易度
食育インストラクターの試験はどれくらいの難易度なのでしょうか。
合格率や合格ラインなどと共に、試験内容を詳しくご紹介いたします。
食育インストラクターになるためには
食育インストラクターの資格は、プライマリー、4級、3級、2級、1級と5段階に分かれています。
プライマリーについては日本食育インストラクター協会の指定する通信講座を受講した上で最終課題を受けることで取得でき受験資格は特にありません。
4級以降はそれぞれ細かい受験資格の規定があり、筆記試験や実技試験を受ける必要があります。
食育インストラクターの試験範囲と出題形式
食育インストラクターについて、各級ごとの試験範囲や出題形式を詳しくご紹介いたします。
プライマリー
食育インストラクターの「プライマリー」は、最も初歩的な内容です。受験資格はありませんのでどなたでも受験できます。
プライマリーは、試験の運営団体である「NPO法人食育インストラクター協会」の指定する通信講座である、「服部幸應の食育インストラクター講座(がくぶん)」を受講すれば資格を取得することができます。
5回の課題を提出した後に修了認定課題に合格し、申請するによってプライマリー資格に認定されます。受講費用は39,900円です。
4級
食育インストラクター4級以降は実際に会場で試験を受ける必要があります 。
4級は以下の条件を満たした方が受験できます。
- ①食育インストラクター協会が認定した食育インストラクター養成推進校にて、調理実習や食育授業を6単位受講している
- ②食育インストラクター協会が実施する「食育インストラクター4級資格認定研修会」を1日受講している
この条件をクリアしますと筆記試験と実技実習を受けることができます。
なお「1」の条件で調理学校に通っていた方は、調理実習が免除され筆記試験のみの受験でOKとなります。
3級
食育インストラクター3級は、以下のいずれかの条件をクリアする方が受験できます。
- プライマリー取得者であり、推進校に通学している方
- 4級取得者で推進校に通学した方
- プライマリー取得者で、推進校に未通学の方
- 食育関連の国家資格取得者または協会会員
合格ラインは食育筆記試験で60点以上、なおかつ調理実技筆記試験で80点以上となります。 ただし調理実技筆記試験に関しては、調理実習の受講を20単位以上履修していればクリアとなります。
2級
食育インストラクター2級を受験できるのは以下のいずれかの方となります。
- 食育インストラクター検定3級以上を持っている方
- プライマリー+国家資格取得者
- 全国料理学校協会の助教以上
もし上記のいずれにも該当しない場合でも、「食育インストラクター1級・2級資格認定食育研修会を12単位履修している」という条件を満たせば受験資格があります。
合格ラインは食育筆記試験で70点以上、かつ調理実技筆記試験で80点以上となります。調理実技筆記試験に関しては、推進校で調理実技を40単位以上履修していれば代替可能です。
1級
食育インストラクター1級を受験するためには以下の全ての条件をクリアする必要があります。
- 日本食育インストラクター協会2級取得者、または栄養教諭で2級取得後に実務経験を1年積んでいる
- 食育活動報告書を提出している
- 食育メニュー提案
- 食育インストラクター1級・2級資格認定合同研修会を12単位履修している
合格ラインは、食育筆記試験で80点以上となります。
食育インストラクターの合格率・合格ライン
食育インストラクターの合格ラインにつきましては、ここまでご紹介した各級の中でもご紹介した通りです。
3級の食育筆記試験は60点以上と比較的合格ラインは低いですが、他は70~80点以上が合格ラインとなりますので、難易度としては普通程度と解釈できます。
実際に受験した方のレビューを見ましても、問題の難易度はそこまで高く無いようです。
合格率につきましては、残念ながら公開されていません。ただ、研修会に通えばご自身で勉強時間を取る必要はないと言われていますので、きちんと学ぶ姿勢があれば合格への道は遠くないでしょう。
食育インストラクターの勉強法
食育インストラクターの試験を受けるためには、どのような勉強をすれば良いのでしょうか。
食育インストラクターの勉強法は?独学は可能?
食育インストラクターの資格を取得するには、日本食育インストラクター教会の実施する講座を受講することが一番の近道となります。
特にプライマリーについては通信講座を受講し、課題を順次こなしていくだけで資格を取得することができます(認定されるには申請が必要です)。食育に関して初心者の方は、ぜひプライマリーから受けてみましょう。
おすすめテキスト・問題集
食育インストラクターの資格の勉強を独学でする場合は、通信講座の受講がおすすめです。
合格に必要な全ての内容がテキストで網羅されていますし、日本食育インストラクター協会の服部幸應氏が監修した内容になっているため効率良く勉強することができます。
内容・テキスト・教材が充実しており、楽しみながら学ぶことができます。毎日の買い物に役立つ安全な食材の見分け方や上手な保存方法など、資格取得をせずとも参考になる内容で好評です。
通信講座のテキストにつきましては、メルカリやヤフオクなどでも過去の受講者のテキストが中古品として出品されています。そちらを入手しても良いでしょう。
過去問はあるの?
食育インストラクターの試験問題は非公開となっています。したがって過去問も存在しません。
ただ公式の通信講座を受講すれば練習問題もついてきますし、直接添削を受けることができますからご自身に足りない学習内容があればすぐに把握することができるでしょう。
プライマー級はがくぶんがオススメ
食育インストラクターの推進校の中でもおすすめなのが「がくぶん」の実施する「食育インストラクター養成講座」です。
「食育インストラクター養成講座」は、”食育の第一人者”である服部幸應氏が唯一監修・指導通信講座です。ゆえに、栄養のことだけではなく、食に関するあらゆる世界に目を向けて、食の大切さを改めて考えることができます。
この講座は、食育に関して詳しく分かりやすく学ぶことができる5冊のテキスト・個別添削などの丁寧なレクチャーに加えて、ドラマ仕立てで食育が自然と理解できるDVDも付属しています。
さらに、ヘルシーと時短を兼ね備えたレシピもついており、食育の知識を実生活にすぐ活かすことができる講座となっています!
講座料金は、39,900円と若干お高めですが返品制度などもあるので、気になる方はぜひがくぶんの「食育インストラクター養成講座」をチェックしてみてくださいね。
食育インストラクターの受験者・合格者の口コミ
食育インストラクター資格の勉強をしている人や資格取得者のリアルな口コミを確認してみましょう。
資格を仕事に活かすだけでなく、知人へのちょっとした食のアドバイスができるようになったり、自分の食生活をより良くしたりなど、様々な形で資格で得た知識を活かしていることが伺えますね。
食育インストラクターの試験日程・会場・申し込み方法
食育インストラクターの試験日程や申し込み方法などをご紹介いたします。 よく確認の上で申し込んでください。
食育インストラクターの基本情報
食育インストラクターは年に1回の実施です。ちなみに2019年度は9月末に実施されました。(関西会場は10月最初に実施)
試験会場は以下の2ヵ所です。
- 服部栄養専門学校(東京)
- 兵庫栄養調理製菓専門学校(関西)
1日で講義と試験が行わます。
試験の申し込み期間は特に定められていませんが、定員があるのでお早めに申し込むことをおすすめいたします。なお、次回の試験日は現時点では未定となっています。
食育インストラクターの受験料
食育インストラクターの受験料は以下の通りです。
食育インストラクター協会の会員かどうか、また調理実技筆記試験を受けるかどうかなどで受験料が細かく変わります。
- 1級
協会会員=23,800円(研修会の受講料込み)
非会員=35,800円(研修会の受講料込み)
- 2級
協会会員(筆記試験受験のみ)=18,400円(受講料込み)
非会員(筆記試験受験のみ)=30,400円(受講料込み)
協会会員(筆記試験と調理実技筆記試験)=23,800円(受講料込み)
非会員(筆記試験と調理実技筆記試験)=35,800円(受講料込み)
- 3級
一律15,400円
食育インストラクターと関連した資格
食育実践インストラクターの資格を取るだけでは心許ないという方は、食育関連の他の資格も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
おすすめの資格をご紹介いたします。
食育実践プランナー
食育実践プランナーは、一般社団法人 日本味育協会が運営している資格試験です。子どもから大人まで役立つ食育の知識を習得し、毎日実践・指導できるようになることが目標の資格となっています。
勉強に当たっては味覚の役割やおいしさに対しての正しい知識を学ぶことが中心となりますので、食育に通じる部分も多いことでしょう。
食育実践プランナーの試験は、在宅での受験となります。会場に足を運ぶ必要が無いため気軽に受験することができます。マークシート方式で70%以上の得点率で合格となります。
食生活アドバイザー
食生活アドバイザーは、一般社団法人 FLAネットワーク協会が運営している資格試験です。
自分を含め周囲の人たちの健康的な生活をサポートするために、食生活の視点から様々な内容を提案できるようになることが目標の資格となっています。
ユーキャンなど通信講座を運営する企業の協力で行われていますので、合格を目指すためのサポートが充実しているのが特徴です。
この資格では食材の調理方法や栄養についてだけでなく、衛生管理も学ぶことができます。過去問や練習問題が公式から公開されていますので、独学を行う際にも勉強しやすくなっています。
ダイエット検定
ダイエット検定は、日本ダイエット健康協会が運営している検定です。健康と美に関する知恵と知識を学び、日本人の真の健康増進を目的とした資格になっています。
ただ単に体重を減らすだけでなく、健康や美容に特化した方法を学ぶ資格というだけあり、著名人が多く受験していることでも知られています。以下は資格取得者の一例です。
- 道端アンジェリカ
- エド・はるみ
- 小島よしお
- 渡部建
- えりちょす
- 田中セシル
公式からテキストが出ていますので独学もできますし、食育インストラクターの資格と合わせることでより健康的な生活を送ることができます。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
食育アドバイザーとの違いは?
ここまでお読みいただいた中で、食育関連の資格に詳しい方はひとつ疑問をお持ちになったかもしれません。
実は食育関連の資格には今回ご紹介している食育インストラクターの他に、食育インストラクター協会とは別の団体が主催する、「食育アドバイザー」という資格もあります。(一般財団法人日本能力開発推進協会が主催)
この2つにはどういった違いがあるのかもご紹介いたします。
身に付く内容が違う
今回の記事のテーマである食育インストラクターは、主に食育の知識を活かして調理をする場面でのリーダーを育成する資格です。細かく級が分かれていることで、ステップアップをすることができます。
これに対して「食育アドバイザー」は、食育の知識を基にアドバイスを行う人材を育てるための資格です。試験内容も筆記試験のみで実技はありません。また級分けもされておらず、個々のレベルに関係なく一律の試験内容になっています。
勉強方法や受験について
食育インストラクター、食育アドバイザー共に、資格取得に当たっては通信講座を利用することがおすすめです。添削を受けながら勉強することで効率良く学習することができるでしょう。
ただし食育アドバイザーはご自宅での受験のみとなります。食育インストラクターもプライマリーは在宅受験ができますが、4級以上は試験会場での受験となりますのでこの点は大きく違うところです。
単体の資格では活用しづらい点は共通している
食育インストラクター、食育アドバイザー両方に共通しているのは、これらの資格のみでは職業として成立させることが難しい点です。
食品関連の上位資格には栄養士や管理栄養士がありますが、これらの資格と併用することができれば食品関連業界で活躍することができるでしょう。
あくまでも補助的な資格として考えておくことをおすすめいたします。
食育インストラクターまとめ
食育インストラクターまとめ
- 食育インストラクターの試験は初級のみ在宅で取得可能
- 各級ごとに受験資格が細かく決まっているのでそれぞれ確認しておくこと
- 類似資格で「食育アドバイザー」がある
- 単体の資格としては少し弱いので他の資格と組み合わせることがおすすめ
食育インストラクターは就職や転職でのアピールになるだけでなく、ご自身の健康的な食生活を維持するためにも有益な資格です。
ぜひ今よりも一歩進んだ自分になるために、受験を検討してみはいかがでしょうか!