司法書士の筆記試験会場が少なくなる!地方の人はどうすれば良い?
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「司法書士試験ってどの会場で受ければいいの?」
安定した地位と収入が見込めるとして、司法書士は人気の資格で、資格取得のためには司法書士試験に合格する必要があります。
しかし、2020年以降は司法書士筆記試験の会場が減ることが法務省のサイトで発表されています。
試験会場が少なくなった場合、とくに地方の人は受験がしにくくなる可能性が高いです。
この記事では、会場が減らされた理由やデメリットなどを挙げながら、筆記試験会場の減少対策について考えていきます。
この記事を読んで、自分の筆記試験会場のについて1度調べてみることをおすすめします。
司法書士筆記試験の会場数減少についてざっくり説明すると
- 2020年から試験会場が減少
- 出願者数の減少が主な会場減少の理由
- 特に地方の受験者にとってデメリットが多い
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司法書士試験の会場は2020年から変化がある
司法書士試験の筆記試験会場が減るのは、2020年に実施される試験からです。
2019年までにおこなわれる司法書士筆記試験の会場数は、これまでと変わりません。2019年までの司法書士筆記試験では、全国の法務局・地方法務局の管轄区域内に50カ所の会場が用意されていました。
50カ所ということは、1つの都道府県に最低1カ所は会場があるという計算です。自然災害などが発生した場合、例外的に試験会場が変更になることはあるでしょう。
ただ、特別な事情がない限り、2019年までは地方に住んでいる人でも不便を感じることなく筆記試験が受験できたと言えます。
2020年から筆記試験会場数は減少へ
法務省が公式サイトで公開している情報によると、2020年からは筆記試験の会場数が50カ所から15カ所まで減らされることになっています。
2020年度以降に筆記試験の会場になるのは、具体的には、札幌・仙台・東京・横浜・さいたま・千葉・静岡・大阪・京都・神戸・名古屋・広島・高松・福岡・那覇です。
全国15か所の法務局、または地方法務局の管轄区域内の会場で実施されます。
筆記試験の会場が減った場合、大きな影響が心配されるのが地方の受験者です。住んでいる地域によっては、泊りがけで受験をしなければならなくなるかもしれません。
ただし、口述試験の会場数は2020年以降もこれまでと同じです。口述試験は今後も全国8カ所でおこなわれることが決まっており、変更はありません。
具体的には、東京・大阪・名古屋・広島・福岡・仙台・札幌・高松の8カ所が口述試験の試験会場です。
筆記試験会場が減らされる理由
法務省のサイトでも簡単に説明されているように、司法書士試験の筆記試験の会場が減らされるのにはいくつかの理由があります。
ここでは具体的な理由を、いくつか紹介します。
出願者数が減少している
司法書士試験の筆記試験会場が減る理由のひとつに、出願者数の減少が挙げられます。
司法書士試験の出願者は、2010年の時点では33,166人でした。しかし2018年の出願者数は16,811人となっており、
8年間で人数が約半分に減少しています。
このような減少の背景には、いろいろな原因があると考えられています。例えば、司法書士試験の難易度の高さです。
司法書士試験は、最終合格率が3パーセント台という難関の試験です。試験勉強の大変さなどを心配して、受験を諦める人も少なくありません。
また、景気の影響で企業の求人が増加傾向にあり、資格の重要度が相対的に低くなっていることも原因のひとつとして指摘されています。
出願者数の減少は司法書士試験だけでなく、税理士試験などのほかの士業の試験でも見られる傾向です。
受験者数の増加が見込めない
以後の受験者数の増加が見込めないことも、筆記試験会場が減らされる理由のひとつと考えられています。
司法書士試験の受験者は、2020年以降も引き続き減少していくと予想されます。会場が減って地方の人が受験しにくくなることも、受験者数の減少に拍車をかける可能性があります。
こういった傾向が続いた場合、全国に多くの試験会場を設けても受験者が集まらないかもしれません。
不便を感じる人が発生したとしても、コストなどの関係から会場を減らさざるを得ないのが実情のようです。
ただ、受験者数が減っている一方で、司法書士はチャンスがある資格とも言えます。
土地家屋調査士や税理士、不動産鑑定士などが集まる事務所は、司法書士の有資格者がいなくて不便を感じているケースもあります。
よって、不動産登記や会社登記などができる司法書士を探している事務所での需要があり、今後も増える可能性があるでしょう。
筆記試験会場が減少するデメリット
司法書士試験の筆記試験会場が減ると、具体的にどのようなデメリットがあるかが気になるかもしれません。
ここでは3つのデメリットを、順に紹介していきます。
地方にいる受験者が試験を受けにくくなる
筆記試験の会場が減るデメリットのひとつが、地方からの受験が難しくなることです。2020年以降の筆記試験会場は、都市部に集中する傾向があります。
筆記試験の会場数が減って近隣の会場で受験ができなくなった場合、地方の受験者は都市の会場までわざわざ出向く必要がでてきます。
初めてその土地を訪れる場合、人によっては精神的に緊張して試験に集中するのが難しくなるかもしれません。
会場までの道順や所要時間なども事前にチェックしておかなければならないため、これまでよりも試験の準備に労力や時間がかかる恐れがあります。
日帰りでの受験が難しい場所に会場があるときは、試験の前日にホテルなどに泊まる必要がでてくるでしょう。
試験日に合わせて宿泊の予定が確実に組めるかどうかは、そのときになってみないとわからないかもしれません。
イベントなどでホテルの予約ができない可能性がある
ホテルなどの予約がとれない可能性があることも、筆記試験会場が減ったときに心配されるデメリットと言えます。
司法書士の筆記試験は、毎年7月におこなわれます。7月は夏のレジャーシーズンでもあり、地域によっては祭りやコンサートなどのイベントが数多く開催される時期です。
このような時期はホテルの予約も増えることが多いため、申し込みのタイミングが遅れると希望する宿に泊まれない可能性がでてきます。
万が一ホテルが満室で前日に会場の近くまでアクセスができない場合、深夜バスを利用する方法もあります。
ただ、バスを利用した夜通しの移動は、翌日の疲労感が増したり睡眠不足で体調を崩す原因になったりするケースも少なくありません。
試験中のコンディションに悪影響を及ぼすことも考えられるため、試験前日の宿はできるだけ確保しておきたいところです。
台風など自然災害に巻き込まれる恐れがある
筆記試験会場が減少した場合、台風などの自然災害に巻き込まれる恐れがあることもデメリットです。
筆記試験が実施される7月は、台風や集中豪雨などが心配されるシーズンです。
地方から電車や飛行機、バスなどで移動する際には、こういった自然災害の影響で運行の遅延や運休、欠航になる可能性がでてきます。
鉄道や飛行機などは天候に合わせて事前に運休をする場合も多いため、試験会場にたどり着くのが困難になるケースもあるでしょう。
交通機関の乱れにともなって会場が変更になる可能性もありますが、実際にどのような対応をされるかは事前にはわかりません。
地方から出向いて受験する人は、自然災害の際にいろいろな不安を抱えてしまうことが考えられます。
今後の司法書士試験の受験はどうすれば良いのか?
試験会場が減る2020年以降は、受験者にも相応の工夫が求められてきます。
会場数が少なくなったことで遠方まで出向かなければならないときは、状況に合わせて行動することが大切です。
例えば、地方から受験を受けにいくときは、電車や飛行機、ホテルを早い段階で予約しておく必要があるでしょう。
予約を早めに確保しておくことは、司法書士試験をスムーズに乗り切るためのポイントです。
司法書士試験の筆記試験は、午前の部と午後の部にわかれており、試験終了までは5時間以上かかります。
試験時間が長いことから、体調が悪いと最後まで持ちこたえられない可能性があります。よい結果をだすためにも、当日は心身ともに万全な状態で臨まなければなりません。
「試験日の1週間前はできる限り予定を入れない」などの対策も、ときに必要です。
試験会場減少に備え、万全の態勢を整えておこう
筆記試験会場が減少まとめ
- 試験会場は都市圏に集中
- 受験者の増加が見込めないのも理由の1つ
- ホテルの予約は早めにしておくのがおすすめ
- できるだけ前日までに現地につき体調を万全にしておくことがおすすめ
ここまで筆記試験会場の減少の理由とその影響、対応策について解説してきました。
2020年からは試験会場が、以前の3分の1以下に減らされ、都市部の人以外は受験しにくくなる可能性があります。
しかし、ホテルの予約や移動手段の確保を早めにおこうことで、試験に備えることができます。
受験当日に実力を発揮するうえでは、日頃の勉強が大切になることは言うまでもありません。
この記事を読んで、特に地方からの司法書士試験受験を考えている人は、次の試験に向けて会場等のリサーチを入念に進めましょう。