メンタルヘルスマネジメント検定の過去問は入手可能?市販の問題集を紹介!
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医師
安藤広真
「メンタルヘルスマネジメント検定の過去問が知りたい!」
「試験を受ける前に過去問で勉強したいけど、メンタルヘルスマネジメント検定の過去問題集は売ってるの?」
このように思っている方もいるのではないでしょうか?
メンタルヘルスマネジメントの過去問は問題集として市販されています。
過去問を利用することで、より効率的に勉強を進めることが可能です。
そこでこの記事ではメンタルヘルスマネジメント検定の過去問の紹介と、試験の内容や出題形式などの基本情報を併せて丁寧に解説していきます。
この記事を読めばメンタルヘルスマネジメント検定の過去問題集のことや基本情報などがすべてわかるはずです。
メンタルヘルスマネジメント検定の過去問についてざっくり説明すると
- 過去問は問題集として市販されている
- 過去問を活用すれば頻出問題や重要ポイントがわかる
- メンタルヘルスマネジメント検定は1種・2種・3種の3種類ある
- そもそもこの検定は受験資格がないためだれでも受験できる
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メンタルヘルスマネジメント検定には過去問はあるの?
メンタルヘルスマネジメント検定には過去問があります。過去問題集として市販されているので自分が使いやすそうだと思うものを選んで手に入れましょう。
過去問題集は市販されている
メンタルヘルスマネジメント検定の過去問題集は1種・2種・3種それぞれ市販されています。
直近10回分の試験問題を厳選して公式テキストに合わせて分類した上で、分かりやすく解説を加えた過去問中心のものや、重要事項を項目ごとにまとめながら解説する中で過去問による演習問題を掲載している問題集タイプのものがあります。
過去問題集の値段はコースによって異なりますが2,000~3,000円程度で購入できます。
過去問題集を購入するときは、必ず最新のテキストに対応していることを確認してから購入しましょう。
実際にどんな問題が出るの?
メンタルヘルスマネジメント検定試験では下記のような問題が出されます。各コース一問ずつ紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
1種(マスターコース)
安全配慮義務に関する次の記述農地、最も適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。
①就業先企業が安全配慮義務を負うのは、労働契約関係にある従業員に対してであり、請負会社社員や派遣員に対して負うことはない。
②安全配慮義務については、1975年2月25日に言い渡された最高裁判決を契機に、労働基準法第5条で規定されるに至った。
③従業員の健康管理問題に関して、労働安全衛生法に違反した場合には一定の範囲で刑事罰の対象とされるが、それとは別に、事業者は契約責任に基づき損害賠償義務を負担することがある。
④安全配慮義務違反に基づく責任については、消滅時効期間は3年である。
2種(ラインケアコース)
「ラインケア」に関する次の記述のうち、最も不適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。
①「ラインによるケア」の要である危機監督者に求められる主要な役割は、職場環境などの改善と、個々の労働者に対応する相談対応である。
②「ラインによるケア」を推進するためには、人事労務に関する知識、人間関係調整能力など、幅広い知識が管理監督者に求められる。
③管理監督者が相談を含めて部下の話を聴くときには、説得的な聴き方が、悩みを抱える部下の心の健康問題の解決に効果がある。
④部下からの自発的な相談に対応しながらも、すべて自分だけで対応しようとせずに、必要に応じて事業場内外の産業保健スタッフや専門医への相談や受診を促すことが望ましい。
3種(セルフケアコース)
うつ病に関する次の記述のうち、最も不適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。
①従来のうつ病では、責任感が強く几帳面でまじめ、周囲の人に気をつかう、何かあると自分をせめてしまうといった傾向がみられる。
②うつ病では身体症状が自覚されることも多く、何か身体の病気であると本人が考えることも多い。
③午後を中心に仕事に取り掛かるきになれない、仕事の根気が続かない、決定事項が判断できない状態となる。
④「興味の減退」と「快体験の喪失」が2週間以上持続する。
過去問でテキストの理解の確認を
メンタルヘルスマネジメント検定の出題内容は「公式テキストの内容とそれを理解したうえでの応用力を問うもの」と公式ホームページに記載されています。
つまりまずは公式テキストを手に入れて、しっかり理解する必要があります。
公式テキストの内容が理解できたら、過去問や問題集を使って実際に問題を解いてみましょう。自分の本当の理解度が分かるはずです。
また過去問を勉強することで、頻出問題や重要ポイントを把握しやすくなります。
自分の苦手な部分や頻出問題、重要ポイントが分かれば、必然的に勉強すべき箇所が分かって効率よく勉強できるようになるはずです。
ぜひ活用することをおすすめします。
公式テキストを手に入れるためには?
メンタルヘルスマネジメント検定の公式テキストは、主催団体である大阪商工会議所が出版しています。
なお過去問は大阪商工会議所の売店では販売していないため、全国の主要書店やネットなどで購入しましょう。
通信講座もおすすめ
メンタルヘルスマネジメント検定試験を学習するにあたっては書籍を使った独学の学習法もありますが、それだけではうまく内容を理解できない人もいるのではないでしょうか。
そんな人にはユーキャンの通信講座を使ったわかりやすい学習方法を提案します。
ユーキャンの通信講座は初心者の方でも安心して学習を進められるような学習教材となっています。具体的には合格に必要な内容を凝縮した合格対策BOOKを用意しており、イラストや図表を使った内容のわかりやすさが売りとなっています。
他にも質問機能や添削機能など受講生をサポートする機能が盛りだくさんとなっているので、安心して学習を進められるでしょう。
学習に少しでも不安のある方はぜひ一度ユーキャンの通信講座をチェックしてみてはいかがでしょうか?
そもそもメンタルヘルスマネジメント検定とは?
ここまでメンタルヘルスマネジメント検定の過去問について触れてきました。
ここからは「実はメンタルヘルスマネジメント検定のことをよく知らないよ」という方のために、どんな検定なのか、どんな試験内容なのか、受験料はいくらなのかなどという基本情報を見ていきましょう。
メンタルヘルスマネジメント検定の基本情報
メンタルヘルスマネジメント検定は働く人たちをストレスをはじめとする精神的疲労から守って、より活力ある職場づくりができることを目指している資格です。
会社の経営幹部・人事労務管理スタッフ・管理職・一般社員がそれぞれの役割に応じて、必要なメンタルケアをおこなえるように、正しい知識や対処法を学んでいきます。
大阪商工会議所の主催で2006年度より実施されていますが、2015年に厚生労働省が従業員数50人以上の事業所に対して、年一回以上のストレスチェックを義務化したり、働き方改革が進められていることで、ますます需要が高まっています。
メンタルヘルスマネジメント検定の試験内容と出題形式
メンタルヘルスマネジメント検定には1種・2種・3種の3コースがあります。
等級の数字が小さくなるほど出題範囲が広くなるため、難易度が上がります。
等級は難易度によるものではく、職位や職種別になっているため、自分が受けたいコースを選択して受験することができます。
それぞれのコースがどのような内容なのか具体的に見ていきましょう。
1種(マスターコース)
人事・労務管理スタッフや経営幹部を対象にしたコースです。
一部の課や部下だけでなく、社内全体のメンタルヘルス対策を進めることを目的としています。
1種だけは選択問題に加えて論述問題が出題されます。 試験時間は選択問題が2時間、論述問題が1時間です。 選択問題は100点満点、論述問題は50点満点になっています。
出題内容は以下の通りです
出題内容
-
企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性
-
メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割
-
ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
-
人事労務管理スタッフに求められる能力
-
メンタルヘルスケアに関する方針と計画
-
産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進
-
相談体制の確立
-
教育研修
-
職場環境等の改善
2種(ラインケアコース)
2種は管理監督者などの管理職の方を対象にしています。
自分が管理する部門内や自分の部下に対してのメンタルヘルス対策を進めることを目的としていて、部下が悩んでいないか、働きやすい環境かなどを普段から配慮する方法を学びます。
また部下に不調が見受けられた場合に安全配慮義務に則って適切な対応ができるようになることを目標にしています。
試験は選択問題のみで、試験時間は1時間、配点は100点になっています。
出題内容は以下の通りです。
出題内容
①メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割
②ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
③職場環境等の評価および改善の方法
④個々の労働者への配慮
⑤労働者からの相談への対応(話の聴き方、情報提供および助言の方法等)
⑥社内外資源との連携
⑦心の健康問題をもつ復職者への支援の方法
3種(セルフケアコース)
一般社員やスタッフを対象としたコースで、従業員が自らのメンタルヘルス対策を推進できるようになることを目的としています。
組織で働く中で自分のストレス状態を正確に把握できれば、心の不調にも早めに気付いて対処することも可能になります。
心の不調に気付いたときに、自らケアしたり助けを求めたりできるようになることを目標としています。
試験は2種と同じく選択問題のみで、試験時間は1時間、配点は100点になっています。
出題内容は以下の通りです。
出題内容
-
メンタルヘルスケアの意義
-
ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
-
セルフケアの重要性
-
ストレスへの気づき方
-
ストレスへの対処、軽減の方法
合格率は上位の級ほど低い
難易度を知るために、それぞれのコースの合格ラインと合格率を確認してみましょう。
コース | 合格ライン | 合格率 |
---|---|---|
1種 | 選択問題と論述問題の合計150点中105点以上(ただし論述問題50点中25点以上) | 16.92% |
2種 | 100点中70点以上 | 56.98% |
3種 | 100点中70点以上 | 76.92% |
合格率は直近5回の試験の平均です。合格率がほかのふたつに比べてぐっと低いことから、1種の難易度が高いことがわかります。
2種はそれほど難しくはないものの独学では難しい内容のため、確実に合格を目指すなら通信講座を利用するのがおすすめです。
3種は公式テキストをしっかり勉強すれば独学でも取得可能なレベルです。
受験方法について
メンタルヘルスマネジメント検定は例年11月と3月ころの年2回実施されます。1種は例年11月のみ実施しています。
試験は15都市で行われ、札幌、仙台、新潟、さいたま、千葉、東京、横浜、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡から選ぶことができます。
ただし会場を選ぶことはできません。受験する試験会場は受験票に記載されていて、受験票が手元に届くまでわかりません。
2019年度を例に試験の申し込みから成績表・合格証発送までの流れを見てみましょう。
2019年11月3日(日)に行われた第27回の申込期間は8月28日(水)~9月27日(金)、2020年3月15日に予定されていた第28回は1月8日(水)~2月7日(金)でした。
成績表・合格証の発送日は2種と3種は試験からおよそ1.5ヶ月後、1種はおよそ2ヶ月後の予定となっています。
ちなみに第28回試験は中止となりました。
メンタルヘルスマネジメント検定の受験料
メンタルヘルスマネジメント検定の受験料は以下の表を参考にしてください。
コース | 受験料 |
---|---|
1種(マスターコース) | 11,000円 |
2種(ラインケアコース) | 6,600円 |
3種(セルフケアコース) | 4,400円 |
いずれも税込み価格になっています。
申し込みはインターネットか主要コンビニにある各情報端末から行いますが、インターネットからの申し込むはクレジットカード払いのみの対応になっています。
またどちらから申し込んでも別途システム利用料(税込450円)がかかります。
受験資格はなく誰でも受験可能
メンタルヘルスマネジメント検定には学歴・職歴・年齢・性別・国籍などの制限や受験資格がないため、だれでも受験することができます。
また、2種を合格しないと1種を受けられないということもないため、だれでも好きなコースを選んで受験できます。
そのため「2種と3種」「1種と2種」を同時受験することも可能です。(1種と3種の同時受験は試験時間の関係でできません。)
3万人以上が受験する人気資格
メンタルヘルスマネジメント検定の年間受験者数はここ数年3万人を超えています。
メンタルヘルスマネジメント検定が始まった2006年は8,000人ほど。その後徐々に受験者数が増えたものの2011年度までは年間受験者数が2万人を切っていました。
年々受験者数が増えて3万人を超えるようになっていることからも、人気のある資格だということが分かります。
試験実施年月日 | コース | 受験者数 |
---|---|---|
2019年11月3日(日) | 1種 | 2,027人 |
2種 | 11,088人 | |
3種 | 5,814人 | |
2019年3月17日(日) | 2種 | 11,663人 |
3種 | 5,173人 | |
2018年11月4日(日) | 1種 | 2,077人 |
2種 | 10,104人 | |
3種 | 5,055人 | |
2018年3月18日(日) | 2種 | 10,871人 |
3種 | 4,953人 | |
2017年11月5日(日) | 1種 | 2,062人 |
2種 | 9,576人 | |
3種 | 4,381人 | |
2017年3月19日(日) | 2種 | 11,001人 |
3種 | 4,843人 | |
2016年11月6日(日) | 1種 | 2,017人 |
2種 | 10,720人 | |
3種 | 4,952人 | |
2016年3月20日(日) | 2種 | 10,514人 |
3種 | 4,925人 | |
2015年11月1日(日) | 1種 | 2,023人 |
2種 | 8,560人 | |
3種 | 4,510人 | |
2015年3月15日(日) | 2種 | 8,824人 |
3種 | 4,371人 |
メンタルヘルスマネジメント検定の勉強をするとどんなメリットがあるの?
メンタルヘルスマネジメント検定の勉強をすることで、ストレスによる不調を防止できることは分かりましたが、具体的に取得するとどのようなメリットがあるのか見てみましょう。
仕事の効率が上がる
もしストレスが溜まって身体に不調が出てしまうと、良いアイディアが浮かばなかったり、作業効率が落ちたりします。
しかしメンタルマネジメント検定の勉強をすれば、ストレスが溜まる前に対処できるようになります。
また部下などの不調に早く気付いて対応することができれば、メンタル不調による欠勤なども防ぐことが可能です。
良好な人間関係をつくるのにも応用できる
人間関係がうまくいかなくて、メンタル不調になってしまう人も少なくありません。
メンタルヘルスマネジメント検定の勉強をすることで、相手の気持ちを汲み取ったり、自分の気持ちを上手に表現できたり、相手の話を上手に聞けたりと、コミュニケーション能力を高める技術も学べます。
人付き合いによるストレスは職場だけでなくプライベートでも起こりえます。メンタルヘルスマネジメント検定の勉強をすれば、人間関係のストレスを防ぎつつ、良好な関係作りにも役立ちます。
メンタルヘルスマネジメント検定の過去問まとめ
メンタルヘルスマネジメント検定の過去問まとめ
- 過去問は本屋などで購入可能。
- 3種は独学でも取得可能だが、1種2種は難しい
- この検定は好きなコースを選んで受験できるし、同時受験も可能
- 人気資格のある資格で、年間受験者数は3万人を超える
働き方改革の導入やストレスチェックの義務化などの影響もあって、メンタルヘルスマネジメント検定の注目度は年々高まっています。
メンタルヘルスマネジメント検定の勉強をすることで、自分や部下などの周りの人のメンタル不調を未然に防ぐことにより、仕事の効率を上げることが期待できます。