キャリアコンサルタントの独学は可能?費用や試験対策のコツを解説!

「キャリアコンサルタントってどのような資格なの?」

「キャリアコンサルタントって独学でも合格を目指せるの?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

キャリアコンサルタントは今注目されている資格で、略して「キャリコン」などと呼ばれています。

主に相談者のキャリアに関する相談や、設計をコンサルティングしていく資格であり、国家資格として創設されました。

この資格の取得費用や難易度、どのような場面で生かしていける資格なのか、気になる人は多いと思います。

そこで資格timesでは、キャリアコンサルタント資格の概要や、独学で目指すことができるのか、どのような勉強法で進めていけばいいのかを解説していきます!

キャリアコンサルタントの独学についてざっくり説明すると

  • 受験資格をクリアできれば、独学で進めることも可能
  • 学科は自分の勉強法で対応可能だが、論述や面接の実技試験対策は独学では難しい
  • 必要な勉強時間は100時間程度
  • キャリアコンサルタント養成講座を利用すると他の受講生とも関係が作れる

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キャリアコンサルタントは独学可能?

キャリアコンサルタントの独学表

国家資格に格上げされたキャリアコンサルタントの独学は可能なのでしょうか?

キャリアコンサルタントには受験資格がある

キャリアコンサルタントには受験資格が設けられており、以下のどれかをクリアしなければなりません。

  • 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
  • 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
  • 上記の項目と同等以上の能力を有する者

ハローワークや職業紹介事業に従事していないと、これらの条件を満たすことは難しいのが実情です。

そこで、受験者の多くはキャリアコンサルタント養成講座(厚生労働大臣が認定している講習)を受けて受験資格をクリアしています。

なお、キャリアコンサルタント養成講座は30万円程度の費用が掛かる点には注意が必要です。

受験資格を満たせば独学も可能

元々、キャリアコンサルティングなどの業務に携わっていたり、職業紹介に関する仕事を行っていたことがある人であれば、受験資格をクリアできています。

このような人であれば、独学でキャリアコンサルタントの合格を目指すことができます。

ただし、キャリアコンサルタントの試験の合格を独学で目指していると、様々な困難が出てきます。

例えば、面接対策などは一人で行うことが難しいため、多くの人が苦労しています。

面接は面接官役の人がいないと有益なフィードバックがされず、自分の受け答えの良かった点や悪かった点が分からないままです。

できれば知り合いなどではなく、専門知識を持っている予備校講師などを相手に練習するべきです。

キャリアコンサルタント試験の独学勉強法

勉強する人

こちらで、独学でキャリアコンサルタント試験に受かるための勉強法を紹介します。

キャリアコンサルタント試験の形式

まずは、試験の形式について確認しておきましょう。

出題形式は学科と実技に分かれており、学科試験は4肢択一問題が50問出題され、試験時間は100分間です。

実技試験では、論述試験(50分)と面接試験(20分)が行われます。

また、ロールプレイ型の口頭試問(15分)も行われ、実技試験は逐語記録を読んで設問に解答する形式となっています。

面接試験は実際に相談者のキャリアコンサルティングを行う場面を想定して行われ、面談開始から最初の15分間という設定で行われます。

ロールプレイ方の口頭試問では、キャリアコンサルタントとして相談者を尊重する態度や姿勢が評価されます。

具体的には、どのように相談者との関係を築くか、面談を通じて相談者をどのようにして自分の適性に気づかせて成長させていくか、などを見られます。

なお、口頭試問では自らのキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える場面もあります。

学科の試験対策は市販の参考書で

まずは学科試験の対策を始めることになりますが、学科の勉強は遅くとも試験の半年前から着手すると良いでしょう。

教材は、市販のテキストや市販の問題集をネットの合格者の口コミなどを参考にしながら比較し、自分が勉強しやすいと感じたものを選ぶと良いでしょう。

勉強法としては、教材や問題集を一通り進めた後に勉強の仕上げとして過去問を2~3周することで知識が定着します。

ただし、テキストを勉強した割に勉強した内容があまり出題されず初見の問題が多かったという意見もあるため、ネット上の口コミを参考にしながら慎重に選ぶべきでしょう。

使うべきテキストで一番オススメなものが「キャリアコンサルティング 理論と実際(木村 周 著)」という参考書です。

非常に評判がよく初学者でもイメージしやすいという声が多いため、参考にしてみてください。

論述対策はネットで対策しよう

実技試験の論述の難易度は高くありません。

気を付けるべきポイントは「キーワードを含めることに重きをおく」「字数は極端に少なくならないように構成を考えてから書く」「時間が少ないので構成はあまり気にしない」などです。

何度か実際に練習したり、模範論文を見てみると書き方のコツがわかってくるため、過度の心配は不要です。

なお、ネット検索すると論述作成のヒントなど書かれた記事や動画がヒットするため、これらの勉強法を参考にしてみてください。

実技面接はロールプレイング対策を

実技試験の面接対策は、内容を予め考えておくよりも場数を踏むことが重要です。

ただし、キャリアコンサルタントの受験資格を「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者」のルートでをクリアしている人は、既に実務能力が身に着いているため対策は軽めで十分でしょう。

このような人は面接や対人コミュニケーションに慣れているため、普段の仕事通り行えばいいので心配する必要はありません。

しかし、60分の面談のなかの15分を評価されるという独特のスタイルとなっているため、普段の仕事での対応が通用するかは不明です。

そこで、受験者仲間とロールプレイングの予行演習を行い、相互にフィードバックしておくと安心でしょう。

もしもそれでも心配だったら、参考書「マイクロカウンセリング技法―事例場面から学ぶ(福原 眞知子 風間書房 )」や「キャリアコンサルタントのためのカウンセリング入門(杉原 保史 北大路書房)」を購入して読んでみるのがおススメです。

またLECなどの大手予備校は1日〜2日程度で行うロールプレイングの単発講座を実施しています。

この講座に参加すれば予行演習を行う仲間も増え、本番への対策もできるため非常に便利です。

口頭諮問は難しくない

口述諮問で聞かれる内容は決まっているので、試験対策用の書籍や過去問などを通じて対策は簡単にできます。

具体的には「ロールプレイで良かった点と悪かった点」「クライアントの一番訴えたかったことは何か」「コンサルタントから見たクライアントの問題点は何か」「今後このクライアントをどうサポートしていきたいか」「今後キャリアコンサルタントの資格をどのように活かしていきたいか」などが問われます。

検索すればネット上に受験者のレビューが出てくるので、それをチェックしておき自分なりの回答を用意しておけば、試験対策は十分です。

Youtubeを利用するのもおすすめ

費用や時間の問題で講座を利用したくないあるいは独学で試験に合格したいという方はYoutubeでの学習がおすすめです.

Youtubeにはロールプレイの試験を忠実に再現し,気を付けるべきポイントとともにわかりやすく解説している動画が多くあがっています.現役のキャリアコンサルタントの方が出演しているのでこの試験を受けようと思っている人にとって非常に参考になるでしょう.

様々な動画を視聴し,自分の問題点を洗い出したり,事例に合わせたオリジナルな回答を準備したりすることで、試験対策はより万全になります。

模擬試験を受けてみよう

キャリアコンサルタントの試験勉強をする人の中には試験に合格できるかどうか不安な人や自分に足りない部分や弱点を知りたい人もいるのではないでしょうか.

そのような方は民間の模擬試験を受けてみましょう.ここでは本番と同様の形式で学科試験及び実技試験を受けることができます.

試験結果にはフィードバックついていますので,それをみて現状の自分のレベルや自分では気づけていなかった課題を知り,試験本番に向けての勉強に活かしていきましょう

面接や論述は評価基準が団体で異なる

選択式の筆記試験はどの団体でも同じ問題が出てきますが、論述の問題と面接の評価軸は2つの団体で異なっています。

なお、論述問題の過去問の違いは両団体の公式サイトから確認することができるため、自分が受けようとしている団体の方は必ず目を通すようにしてください。

また、面接などの基準も異なっています。

日本キャリア開発協会(JCDA)の観点が「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」であるのに対し、キャリア・コンサルティング協議会(CC協議会)の観点は「態度」「展開」「自己評価」となっています。

論述試験でも内容に違いがあります。

JDCAの試験では、クライアント役がたくさん喋ってくれるため、相手が多くのヒントを出してくれます。

一方、CC協議会はクライアント役があまり喋ってくれないため、自分で相談者のニーズを聞き出す必要があります。

つまり、JCDAの試験は傾聴が得意な人にオススメで、CC協議会の試験はしっかりと人とコミュニケーションをとりながら提案したい人にオススメと言えるでしょう。

必要な勉強時間

キャリアコンサルタントは比較的合格率が高く難易度も低いため、多くの勉強時間は必要とされません。

しかし、しっかりと対策はしておかないと不合格になってしまう可能性は十分にあります。

これまでに職業紹介までの実務経験が無い方の場合は、100時間程度の勉強時間を確保できると安心です。

一方、実務経験がある人の場合は50時間程度の勉強時間を確保できると試験対策は十分でしょう。

キャリアコンサルタント養成講座

教室の風景

キャリアコンサルタントの養成講座の費用や雰囲気、内容はどんな感じなのでしょうか?

キャリアコンサルタント養成講座の費用や時間

キャリアコンサルタントの養成講座は、LECやリクルートをはじめ様々な資格予備校が開校しています。

費用は資格講座で異なりますが、LECの例だと302,500円であり、決して安い費用とは言えません。

なお、講座内容は通信(65時間)+通学(7.5時間×12日間=90時間)の計155時間のカリキュラムとなっています。

定員が少ないため、合格を目指している人は早めに申し込んでおくと安心です。

なお、このキャリアコンサルタント講座は雇用保険給付の一種である教育訓練給付金制度の対象講座です。

これまでの雇用保険の加入歴やなどの条件がありますが、国が取得を後押ししてくれている制度なので積極的に活用しましょう。

自己負担が軽減される可能性があるため、最寄りのハローワークで相談してみてください。

キャリアコンサルタント養成講座の雰囲気

養成講座の受講生は、主婦から定年退職後の人、比較的若い人まで年齢層が幅広くバラエティに富んでいます。

最初は初対面なので緊張がありますが、講座が進んでいくに連れて「傾聴姿勢」や「自己開示」を授業で扱うこともあり、自然と他の受講生とコミュニケーションをとる機会が増えていきます。

このような授業を通じて他の受講生と仲良くなることが多いようです。

なお、講座によって異なりますが遅刻や欠席には厳しく、決められた出席率を下回ると受験資格が剥奪されるところが多いです。

自分が通おうとしている講座の条件などは確認しておくようにしましょう。

キャリアコンサルタントの生かし方

笑顔の男性

近年は転職市場が活発であり、以前と比べても転職を目指す人が増えています。

そこで、具体的にどのような職場で生かせるのかを紹介します。

ハローワーク

厚生労働省の出先機関で、職業相談や仕事探しの場で真っ先にイメージする人も多いのではないでしょうか。

ハローワークは求職者の就職相談をするだけでなく、求人を開拓したりする仕事もしています。

そこでどのような人材が求められているのか、どの業界が人手を求めているのかを実地を見学しながら分析しています。

このように現状の分析を行った知識とキャリアコンサルタントの技能を合わせることで、とても有益な職業相談ができるようになるのです。

実際にハローワークで職業紹介などを行っている職員で、キャリアコンサルタントを保有している人の割合は増えています。

ハローワークで非常勤職員を募集する際にも、キャリアコンサルタント資格を持っていると優遇され、採用される可能性がかなり高くなります。

また、非常勤職員ではなく正規職員として働く場合は国家公務員試験に合格しなければならず、かなり時間がかかります。

しかし、官庁訪問などで「キャリアコンサルタントの資格を持っている」ことをアピールできれば、厚生労働省や労働局などで内定が出やすくなるでしょう。

国の機関の職員なので、手厚い身分保障を受けながら安心して働きたいと考えている人にとってもオススメの就職先です。

なお、ハローワークは幅広い年齢層の人が利用しますが、高齢者の人は民間の職業紹介事業者ではなくハローワークを利用することが多いです。

シニア層の就労をサポートすることで多くの人たちの役に立ちたいと考えている人にとっては魅力的な就職先です。

大学や専門学校などの教育機関

将来の進路に悩んでいる学生を相手に、大学の中でキャリア相談をする働き口があります。

大学や専門学校などで働く場合は、就職セミナーやキャリア教育などのイベントを開催して将来に不安を抱えている学生のサポートを行っています。

将来に不安を抱えている学生や自分は何の仕事に向いているのかという悩みを抱えている学生は多く、適性診断などをしながらキャリアコンサルタントの技能を生かすことができるでしょう。

大学以外の中学や高校や職業訓練校でもキャリアコンサルタントの資格を生かすことができます。

中卒や高卒で働く人のキャリア相談などのキャリア教育の講師として働き、若い人たちの就労サポートを行っているのです。

若い人たちのサポートを通じてやりがいを感じることができるため、「主に若い人たちのサポートをしていきたい」と考えている人はこのよな選択肢も有力でしょう。

職業紹介事業者

テレビCMでの広告が増えているように、民間の職業紹介事業者も増えてきています。

このような企業でもキャリアコンサルタント資格を持っている人は重宝されるため、人のキャリア設計に貢献したいと考えている人は就職先の有力の選択肢となります。

民間の職業紹介事業者を利用する人は30代の40代の働き盛りの人たちが利用することが大きいため、このようなミドル層のキャリアアップをサポートしたいと考えている人にオススメの就職先です。

資格手当が付くことが多く、ハローワークよりも給与面などの待遇が良い会社が多いため、細かい条件はよく確認してみましょう

人材派遣会社

人材紹介だけでなく人材派遣ビジネスを行っている会社も多く、これらのフィールドでも活躍することができます。

自社のスタッフを派遣するだけでなく、スポットで就労している派遣労働者に対して求人を紹介したりしています。

このような人材派遣でもマッチングなどは重要になるため、キャリアコンサルタントの資格を生かせる場面は多くあります。

非正規として働いている人の就労サポートを行いたいと考えている人にとってはお勧めの就職先と言えます。

キャリアコンサルタントの独学まとめ

キャリアコンサルタントの独学まとめ

  • 難易度は高くないが、面接対策などは試験に詳しい人の助けがあったほうが良い
  • 学科試験対策は市販の参考書を利用し、自分なりの勉強法で対応ができる
  • キャリアコンサルタント養成講座は高い費用が掛かってしまうが、非常に有意義な内容である
  • ハローワークや民間の職業紹介事業者など、スキルを活かせる場面は多くあるため、需要は高い

キャリアコンサルタントは最近国家資格になった、歴史の浅い資格です。

知名度はまだまだ発展途上であるものの、転職市場の発展やキャリアアップを目指す意識の高まりもあり、非常に価値がある資格と言えるでしょう。

就職や転職を目指す人に寄り添って、その人が活躍できる職種や職場を見つけて提案する仕事は何事にも替え難いやりがいがあります。

人のキャリアを通じて喜びを共有したい人や、コミュニケーションを取るのが上手で人の適性や性格を見抜くことに長けている人はキャリアコンサルタントに向いていると言えます。

注目も高まり、今後ますます需要が高まっていくと予想されるため、ぜひ前向きに取得を検討してみてください!

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