キャリアコンサルタントの難易度はどれくらい?合格率や勉強時間、過去問について解説

キャリアカウンセラーという職業を聞いたことはあるけれど、「難易度はどれくらいなの?」と思っている人も少なくはないでしょう。

カウンセラーとして働きたいと考えている人にとって、おすすめな資格がキャリアコンサルタントです。すでに心理系の資格をもっている人にとってキャリアップにつながり、キャリアカウンセラーとして働けるので魅力的な資格です。

また転職を考えていて、キャリアカウンセラーという職に興味がある場合も、キャリアコンサルタントはおすすめです。

ここではそんな人気資格であるキャリアコンサルタントの難易度について分かりやすく解説します

キャリアコンサルタントの難易度についてざっくり説明すると

  • 試験は学科試験と実技試験に分かれている
  • 学科試験の出題方式は4択マークシート
  • 合格率は25%前後
  • 実技試験の出題方式は記述式+面接・ロールプレイ

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キャリアコンサルタントの難易度はどれくらい?

キャリアコンサルタントの難易度表

様々あるカウンセリングの資格のなかでも、社会的信用が高い国家資格であるということで人気があるのが 「キャリアコンサルタント」です。

民間の資格と違い、国の法律に基づいてコンサルタントして従事できる専門家だけに社会的地位も保障されています。

それゆえに、キャリアコンサルタンとの試験の難易度がどの程度なのかが気になりますよね。

以下ではまずキャリアコンサルタントの合格率を見ていきましょう。

キャリアコンサルタントの合格率は約25%

国家資格であるということもあり、キャリアコンサルタントの試験の難易度は高めであり、合格率は約25%だと言われています。

キャリアコンサルタントの試験は、学科試験と、実技試験の2つからできています。

学科試験の合格ラインは 100点満点中70点以上です。

実技の試験ではロールプレイ形式の面接と論述があり、150点満点中90点以上が合格となっています。

ただし、実技の論述問題、ロールプレイの面接では、評価区分「態度」「展開」「自己評価」のそれぞれ 40パーセント以上の得点が必要です。

キャリアコンサルタントの試験は、厚生労働大臣から認可を受けている特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会(CC協議会)と、日本キャリア開発協会(JCDA)によって実施されています。

それぞれの団体での合格率は若干異なっています。

第21回試験の合格率は以下のようになりました。

試験団体 学科合格率 実技合格率 同時合格率
CC協議会 63.0% 54.9% 43.9%
JCDA 59.7% 62.9% 52.2%

どちらの団体の合格率も低いことから、キャリアコンサルタントの難易度が高いことがうかがえます。また、なぜ2団体でこのように合格率に差が出てしまうのか気になるところです。

次の項目では、そのあたりも含めて各団体が実施している試験問題・過去問題を見ていきます。

2団体の試験問題の違いは論述と面接

2団体が実施しているキャリアコンサルタントの試験でなぜ合格率に差が出るのでしょうか。

マークシートで出題される学科試験は、特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会(CC協議会)、日本キャリア開発協会(JCDA)ともに共通問題が出題されます。

しかしながら、実技試験では2団体それぞれで合否の基準が異なります。

日本キャリア開発協会(JCDA)の面接試験で、 合否の基準となるのが、「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」です。

一方、特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会(CC協議会)の実技の面接では、 「態度」「展開」「自己評価」が合否の観点です。

この違いが、合格率の差につながっています。

傾聴が得意な人は、日本キャリア開発協会(JCDA)の実技を受けた方が、合格する率は高くなるでしょう。

また、論述問題では、面接試験でも若干の差があるといわれています。日本キャリア開発協会(JCDA)では、受験者がキャリアコンサルタントに扮し試験官が相談者になります。

日本キャリア開発協会(JCDA)の試験官は、相談役としていろいろと話しかけてくれます。これは、日本キャリア開発協会(JCDA)が傾聴に重きを置いているからです。

聞き上手な人は、日本キャリア開発協会(JCDA)で実技を受けるとよいでしょう

日本キャリア開発協会(JCDA)の試験概要は、ここから確認ができます。2団体の差は、公式サイトの試験概要及び、過去問などを確認するとよりわかりやすいでしょう。

特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会(CC協議会)の試験概要は、こちらより見ることができます。

また、それぞれの団体の公式サイトには過去問題なども掲載されていますので、確認をしておくことをおすすめします。

キャリアコンサルタントの勉強時間は200時間

キャリコンサルタントの試験に合格するには勉強時間は何時間ぐらい必要になるか気になるところではないでしょうか。

キャリアコンサルタントの資格向けの通信講座などを見ると、約140時間から200時間ほどの講座・講習課程を設けています。

社会人として職場で勤務をしながら勉強となると、日中は難しく、夜もしくは週末に集中して勉強時間を取る形になるでしょう。

そのような形でキャリアコンサルタントの資格合格を目指す場合は、 最低でも3か月試験対策のための勉強時間が必要となるでしょう。

前述したように、キャリアコンサルタントの試験は難易度がとても高く、3人に2人は不合格となる試験です。勉強時間を十分にとるために、しっかりと対策をすることが必要となります。

キャリアコンサルタントの勉強スケジュール

最短でキャリアコンサルタントに合格するには、どのような対策が必要となるでしょうか。以下では勉強のスケジュールの基本をご説明します。

キャリアコンサルタントの講習を受ける

キャリアコンサルタントの試験は、難易度が高いだけでなく、人によっては受験するためには一定の条件をクリアする必要があります

受験資格を満たすための条件の1つに、 厚生労働大臣認可の「キャリアコンサルタント養成講座」を修了するというのがあります。

2020年4月現在で21の講習が、厚生労働大臣によって認定されています。そのいずれかのキャリアコンサルタント養成講座を受講すると、受験資格を得ることができます。

講座は一般社団法人日本産業カウンセラー協会、株式会社日本マンパワー、LEC、リクルートなど様々な団体が実施しているので、通学、通信の両方から自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。

21ある講座のいずれかを受けるかによってもスケジュールは異なりますが、一般的に3ヶ月間の講座と10日間のスクーリングでおよそ140時間ほどで養成講座が修了します。

マイペースタイプの場合は、自分でスケジュールを組み、通信教育の独学スタイルがあっているでしょう。通学の場合は、社会人の場合だと平日の夜または週末に集中して実施している講座の受講となるでしょう。

キャリアコンサルタントの独学スタイルについては、以下の記事でご確認ください。

通学のメリットは、同じ目的をもった仲間と出会うことで、モチベーションも高まり勉強も捗る点です。また、通学で学ぶ方が 実技面での点が取りやすくなるというメリットはあります。

実技の論述の模範解答例は、特定非営利活動法人キャリアコンサルティングの過去問掲載部分出は公表されていませんので、通学などの講座を通して講師に聞くなどして合格に近づける解答例を導き出しましょう。

最短で3か月ほどの講習ですので、自宅近くに通学できる講座が開催されている場合は、実技試験のことを考えて通学で受講した方がメリットは大きいといえます。

キャリアコンサルタントの勉強スケジュール

キャリアコンサルタントの試験は、年に3月・6月・11月の3回実施されます。養成講座の受講期間を考えて、どの時期に試験を申し込むとよいかを決めましょう。

現在働いている人は、現職の仕事のスケジュール、ライフイベントなどを考えて、受験月を決めましょう。 受験する月が決まったら、その半年前あたりから勉強を始めるとよいでしょう

キャリアコンサルタント養成講座は、一度受講する受験資格は付与されますので、タイミングの合う時に受験をすれば問題ありません。

学科試験は過去問攻略が命

キャリアコンサルタント養成講座を受講することで、実技試験のノウハウを学ぶことができます。学科試験を制覇するには、過去問題集を繰り返し解くというのが、合格を手にするコツです。

キャリアコンサルタントの学科試験はマークシート形式で出題されます。難易度が高い試験ですが、4択ということもありじっくりと対策をすることで、本番も落ち着いて実力を出し切ることができるでしょう。

過去問は、特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会(CC協議会) のここから入手することができます。

どのような問題が過去に出題されたかを簡単に見ていきましょう。

問4:キャリアコンサルタントの職業倫理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. キャリアコンサルタント自身が、育児休暇を取る予定があったが、相談者に心配をかけると 良くないので、休暇に入ってから後任のキャリアコンサルタントに説明してもらった。

  2. 面談の過程で、相談者の上司に問題があることがわかったので、相談者の利益を考え、相談者には断らずに人事部に報告した。

  3. 外国人社員に対して、英語によるキャリアコンサルティングを依頼されたが、十分意思疎通できるだけの語学力がないため、相談者の同意を得て、英語力の高いキャリアコンサルタントを紹介することにした。

  4. 大学生に対するキャリアコンサルティングの過程で、相談者がなかなか決断しないので、「この方向で進めましょう」と指導し、時間内で結論を出すようにした。

正解:3

論述はキーワードが重要

実技の論述問題は、記述式となっています。試験時間は50分で、問題数は3つです。

それぞれの事例を読んだあとに、キャリアコンサルタンとして、相談者への対応をとわれる記述式の質問があります。

模範解答例は公表されていませんが、常にキャリアコンサルタントしてどのような対応が相談者にとってふさわしいかがとわれますので、そのあたりを念頭において回答しましょう。

キャリアコンサルタント試験の概要

それではキャリアコンサルタントを受験するにあたり、受験料など基本的なことを見ていきましょう。

キャリアコンサルタント試験の基本情報

キャリアコンサルタントの試験は、3月、6月、11月と1年に3回実施されます。受験チャンスが多いので、ライフイベント、仕事の調整がしやすい試験だと言えるのではないでしょうか。

試験は学科試験と実技試験に分かれます。学科と実技の論述は、同一日に受験します。実技の面接・ロールプレイ試験のみ、およそ一週間後に実施されます。

キャリアコンサルタントの試験会場は、全国の主要都市10都市で開催されますので、最寄りの会場で選択して受験をしましょう。

受験の申請方法ですが、インターネットを経由するWeb申請と、郵送申請の2種類があります。郵送に必要な書類は、ダウンロードで入手するか、輸送で請求する形になります。

受験申請にも期限があるので注意しましょう。

インターネット申請時の注意点

インターネットで申請する時は、受験申請期間の0:00~最終日の23:59:59となっています。

申請する時の情報は、30分間無操作が続くと処理が中断します。

顔写真を用意しておきましょう。

受験料を払うのに利用可能クレジットカード、ViSAもしくは、Masterカードになります。

郵送申請する時の注意点

返信用封筒が必要になります。サイズは角2で、返信の宛名、切手を貼って同封します。切手は、1セット140円、2セット210円となります。

詳しくは、下記へ問い合わせしましょう。

名称 電話 問い合わせ時間
キャリアコンサルタント試験試験センター 03-3480-3711 10:00~12:00/13:00~17:00(土日祝日、夏季、年末年始休暇を除く)

受験申請する時の注意点

申請時の名前は、戸籍に準じます。受験者数が多い場合は、受付を停止することがあります。

合格発表ですが、試験の2ヶ月後に実施されます。例えば、2023年3月に実施される第22回試験の合格発表は、2023年4月17日(月)10時にWebで発表されました。

キャリアコンサルタントの受験料

キャリアコンサルタントの受験料は下記の通りです。

学科受験料は8,900円(税込)、実技受験料は29,900円(税込)です。申請後は、返金などの対応はしていません。

都合が悪くなっても、試験の振り替えはなどは対応していませんので気を付けましょう。

キャリアコンサルタントの受験資格

キャリアコンサルタントの受験資格について詳しくご説明します。キャリアコンサルタントを受験するにあたり、下記の4つのいずれかの条件を満たしていないと、受験をすることができます。

受験資格 要件
1 厚生労働大臣が認定する キャリアコンサルタント養成講習 の課程を修了した方
2 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の 経験 を有する方
3 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方
4 平成28年3月までに、厚生労働大臣が認定する講習と同等以上のものであって厚生労働大臣が指定する講習(平成28年3月まで実施されていたキャリア・コンサルタント能力評価試験の受験資格として認められてきた 養成講座 )を修了された方

受験資格2の要件に書いてある3年以上の経験/実務経験とは、「職業選択」、「職業生活設計」あるいは「職業能力開発及び向上」のどれかに該当した相談に従事した経験のことを指しています。

またこの場合の相談というのは、1対1で実施されるキャリア相談や少人数でのグループワークなどを指しています。

キャリア開発・教育でも、セミナー、研修の類の経験は含まないので気を付けましょう。自分の実務経験が該当しているか否かは、受験申請の時に提出する「実務経験証明書」で判断されます。

実務経験証明書の様式はこちらからpdfでダウンロードすることができます。

退職をしていた等の実務経験の証明の方法

退職していた場合の実務経験の証明の方法ですが、下記のようになります。 1.雇用保険被保険者資格取得届出 2.退職前の職内容がわかる書類(氏名入り資料等)

を提出することになります。

また、退職先が倒産したなど会社の押印がない場合は、署名欄にその旨を記載し、上記の書類を提出しましょう。

個人事業種の場合は、改行届の写し、青色申告認証申請書などを職内容を証明できる書類と一緒に提出します。

そのほか、実務経験に関しては、よくあるご質問の受験要件(受験資格や実務経験)についてを確認するとよいでしょう。

試験免除制度もある

キャリアコンサルタントの試験には試験免除制度があります。下記の場合は、試験免除に該当するので、ぜひこの制度を活用しましょう。

  • 学科、もしくは実技試験の片方が合格している時
  • 技能検定1級または2級で学科もしくは実技の合格の場合
  • 平成 28 年3月までに、キャリアコンサルタント試験と同等以上のものであって厚生労働大臣が指定する試験 (に片合格した方

キャリアコンサルタントの難易度まとめ

キャリアコンサルタントについてまとめ

  • 国家資格である
  • 学科試験と実技試験がある
  • 学科試験の出題方式は4択マークシート
  • 実技試験の出題方式は記述式+面接・ロールプレイ
  • 登録制度である

今回は、キャリアコンサルタントという資格について、難易度、資格の概要、勉強方法などをご紹介してきました。国家資格ということもあり社会的信用がある半面、合格率は、25%から35%前後と大変厳しいものになっています。

受験できるチャンスは年に3回ありますので、しっかりと対策を立てて取り組み、難関の資格取得にチャレンジしてみましょう。

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