産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いは?就職先や仕事内容も紹介!

「産業カウンセラーとキャリアコンサルタントって何が違うの?」 そんな疑問をお持ちの人も多いのではないでしょうか。 どちらも「悩みを聞いたり解決する」イメージの資格ですが、実は明確な違いがあります

この記事では、そんな産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いや資格取得に欠かせない講習について詳しく解説していきます。

読み終わったころには、産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いや講習について分かり、自分により必要な資格の受験に向かえるはずです!

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いについてざっくり説明すると

  • 産業カウンセラーは民間試験、キャリアカウンセラーは国家試験
  • 産業カウンセラーは傾聴すること、キャリアカウンセラーは解決することが求められる
  • 産業カウンセラーは人間関係の悩み、キャリアカウンセラーはキャリアアップについての悩みがメイン
  • どちらも受験資格を得るために講習の受講が必要

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いは?

クエスチョン 「なんとなくのイメージはあるけど、いまいちよくわからない」という人も多いでしょう。 調査してみると、2つの資格には大きな違いがありました。

産業カウンセラーとは

産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格で、資格登録をした場合は、5年ごとに更新が必要です。 2001年までは労働省が認定する国家資格でした。

産業カウンセラーは、心理的手法を活用して悩みを聴き取り、自らの手で解決できるよう導いていくのが仕事です。

職場の業務内容や人間関係などの悩みを抱えている人に寄り添い、よりよい環境・関係の構築をサポートします。

産業カウンセラーの仕事にはどんなものがある??

産業カウンセラーの一般的な業務例には、カウンセリングによるメンタルの不調の予防・改善や職場復帰への支援、ストレスチェック実施後のアフターケア、職場環境の改善提案、ハラスメントの予防や対策などが挙げられます。

キャリアコンサルタントとは

キャリアコンサルタントは国家資格で、登録後は5年毎に講習を受けて更新する必要があります。

2016年にキャリア形成や職業能力開発などの相談・助言を行う専門家として、職業能力開発促進法に定められました。

キャリアコンサルタントには、依頼者が抱えている問題を解決することが求められます。 キャリアに悩みを抱く人に対して、キャリアコンサルタントが話し合いを先導し答えを見つけてあげることが主な仕事になるでしょう。

キャリアコンサルタントの仕事にはどんなものがある?

一般的な業務例として、企業内においては、社員のキャリアプランを考慮し実現に必要な資格や知識の習得を提案したり、仕事の選択を援助することが挙げられます。

また求職者が訪れる場所での勤務では、就職に必要な自己分析の援助や面接・エントリーシートへのアドバイス、情報の提供などを行います。

キャリアコンサルタントと産業カウンセラーの違い

キャリアコンサルタントと産業カウンセラーは、どちらの顧客も悩みを抱えた人というのは同じですが、依頼者から受ける相談の内容と顧客に求められていることが違います。

産業カウンセラーは心の悩みに対応することが多く、「カウンセラー」という名の通り、傾聴とサポートに徹するのが基本です。 改善提案を出すこともありますが、答えを出すのは顧客自身であることが多い職種です。

一方でキャリアコンサルタントは、「キャリア」に関する問題を扱うことが多く、「答えを提示する」ことを要望されます。 また、産業カウンセラーは民間資格、キャリアコンサルタントは国家資格であるという違いもあります。

就職・転職にはキャリアコンサルタントが有利?求人数の多さは?

天秤 資格を取るにあたって、就職先があるかどうかは大変気になるところでしょう。 産業カウンセラーとキャリアコンサルタント、どちらが就職・転職に有利なのか調査しました。

産業カウンセラーとして働く人は多くない

実は、産業カウンセラーの資格を生かした職につけている人は多くありません。 実際にカウンセリングの現場で働いている人は取得者の1~2割程度と言われています。

カウンセリングの仕事に就職するためではなく、現在就いている仕事の補助としてや、人事部の人がスキルアップのため取得しているケースも多いです。

最近では「産業カウンセラー取得者歓迎」と謳った求人広告も増えていますが、給与は特段に高いとはいえないケースが大半です。 中小企業で年収200〜400万円、大企業で年収500万円程度が多いでしょう。

キャリアコンサルタントは就職・転職に生きる

産業カウンセラーと比較するとキャリアコンサルタントは、就職や転職する際に有利といえます。 平成23年度には実態調査が行われており、この調査よると約30%強の人が関連した業務に携わっています。

多くの業種でコミュニケーションスキルは武器となります。どちらの資格で学ぶ知識もカウンセラーの仕事以外でも活用できるという側面もあるでしょう。

産業カウンセラーに求められる能力

産業カウンセラーには、心理学や人間科学の専門的な知識が求められます。 心理療法を活用しながら、相談者と話し合う中で解決への道を探る事になるためです。

言葉だけですべてを伝えられる相談者は多くありません。 そのため産業カウンセラーには、表情や雰囲気なども計算した上で寄り添うことが求められます。

また認知行動療法や家族療法なども重要です。 依頼者自身だけでなく家族と一緒に治療プログラムを進めていくこともあるため、依頼者やその家族に信頼してもらえるような人間性も求められます。

心理アセスメントへの知識も必要に

産業カウンセラーには、心理テストについての知識も必要不可欠です。

最近では50人以上の労働者がいる企業のストレスチェックが義務化されており、職場のメンタルヘルスへのニーズも高まっています

キャリアコンサルタントに求められる能力

キャリアコンサルタントが依頼者の悩みを解決する際は、自らの体験によって得た知識や経験が武器になります。 多くの相談を受けることで得られる経験や実績が、依頼者の納得いく回答を出すことへ繋がります。

また知識の多くない相談者にとって、専門家であるキャリアカウンセラーの話が分かりやすいということは、とても大切です。 簡潔に説明できる能力や明晰な思考が必要となってきます。

もちろん基礎となる社会保障や労働契約に関する知識や、経済の動向や政策、サポート機関へ精通していることも欠かせません。 依頼者に必要な政策や機関を紹介することで、問題を解決に導ける場面も多いでしょう。

仕事内容や年収も異なるので冷静な決断を

仕事内容で比べると、産業カウンセラーは職場での人間関係や処遇・業務について、各種ハラスメントについてなど多岐に対応します。 一方、キャリアコンサルタントは主にキャリアについての悩みを持った人がほとんどです。

また、生活する上で欠かせない給与についての違いもあります。 一般的に産業カウンセラーの年収は年収200〜400万円、大企業なら年収500万円程度が大半です。

キャリアコンサルタントが転職した場合では、未経験者で300万円~、経験者では400万円~600万円という求人が見られます。 仕事内容も給与も異なるため、自分のやりたい仕事内容と給与のバランスを見極めて選ぶとよいですね。

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントにはどんな就職先があるの?

影と? どんな場所で働くのかは人生設計において欠かせない要素でしょう。 産業カウンセラー、もしくはキャリアコンサルタントととして働く場合、どんな就職先があるのかまとめました。

産業カウンセラーの就職先は?

産業カウンセラーの資格を優遇している求人には、メンタルヘルスを請け負う一般企業はじめ、メンタルクリニックや福祉協議会、一般企業や医療機関の人事や総務部門、大学のキャリア相談室などがあります。

ただ、人事部門や総務部門は新たに人を雇うのではなく、今いる人材に資格取得をさせるケースも多く、地域差もありますが求人数としてはあまり期待できないのが実情でしょう。

キャリアコンサルタントの就職先は?

キャリアコンサルタントの就職先として多いのはハローワークやジョブカフェ、企業内での人事部門、大学や短期大学、高等学校などです。

就業場所によっては、どちらの資格でもいい募集もあれば、より仕事内容に近いほうの仕事を求められる場合もあります。 自分がどんな場所で働きたいかもどちらの資格を取得するかの目安になるでしょう。

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの取得難易度

無人の教室 資格を取るにあたって、難易度が気になる人も多いと思います。 産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの取得にはどれくらいの難易度に差があるのか調査しました。

どちらも試験と講習を受けなければいけない

産業カウンセラー、キャリアコンサルタントともに講習を受けたのち、学科試験と実技試験をクリアする必要があります。 講習は大半の人が受験資格を得るために必要です。

産業カウンセラーの試験は、学科試験合格率が72.0%、実技試験合格率が67.4%と比較的受かりやすいのが特徴です。 キャリアコンサルタントの試験も、学科試験合格率が75.5%、実技試験合格率が65.5%と合格率は高いです。

試験の合格率で考えると、難易度はあまり変わらないと言えるでしょう。

どちらも養成講座を受ける人が多い

産業カウンセラー・キャリアコンサルタントともに受験するには条件があります。 この受験資格をクリアする意味でも、養成講座を受講する人が多いのが特徴です。

産業カウンセラーの受験資格を満たすには、日本カウンセラー協会の実施する産業カウンセラー養成講座を受講する、もしくは大学で心理系の専攻をしている必要があります。

大学での専攻で受験する場合は、単位など細かい条件があるため公式ホームページで確認しておくのが安心でしょう。

参照:一般社団法人日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラー試験」

キャリアコンサルタントの受講資格は?

またキャリアコンサルタントについても

  • 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了する
  • 3年以上キャリアコンサルティングの経験がある
  • 28年3月までに実施されていたキャリア・コンサルタント能力評価試験の受験資格である養成講座を修了している
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験実技か試験に合格する

のいずれかに当てはまる必要があります。

そのためほとんどの人はキャリアコンサルタント養成講座を受けています

産業カウンセラー養成講座

産業カウンセラー養成講座では、カウンセリングの基礎となる傾聴をはじめとした様々な技法を学べます。 座学だけでなく、数人でロールプレイングゲームを行うなど実践形式の授業もあるのが特徴です。

10か月コースと6か月コースがあり、いずれも通学と在宅での勉強を織り交ぜた内容となっています。 平日だけでなく夜間コースや土曜日や日曜日のコースもあるので、働きながらの受講もできます。

また相談範囲が多岐に渡るため、家庭や町内会、友人関係など、あらゆるトピックを扱うこともあるようです。 経験者からは、依頼者自身が自らを振り返り始める瞬間に立ち会うのが印象に残ったなどの声が見受けられました。

キャリアコンサルタント養成講座

キャリアコンサルティングの養成講座は、全国にたくさんあります。 キャリアコンサルタントの受験資格は、厚生労働省が認定する養成講座に限り得られるため、認定されているかどうかの確認は必須でしょう。

在宅や通信教育と通学を組み合わせているスクールが大半です。 スクールによって、受講期間や費用、開催場所、開催日時が異なるため、自分にあったスクールが見つかるとよいですね。

資格の特性上、仕事関連のトピックが多く扱われます。 ただ、依頼者の思いに寄り添える、カウンセリングスキルも必要でしょう。 産業カウンセラーと異なり質問や提案、時には指示などの技法を用いる場面が多いのが特徴です。

教育訓練給付金を使う場合支給される金額が違う?

キーボードとはてな 国が養成講座の受講費などを一部支給してくれる「教育訓練給付金」という制度があります。 対象者であれば、産業カウンセラーの養成講座や指定されたキャリアコンサルタント養成講座で使えます。 詳しく、見ていきましょう。

産業カウンセラーの養成講座に使える給付金制度は?

まず教育訓練給付金を使うには下記のどちからに当てはまる必要があります。

  • 雇用保険の被保険者であり、かつ受講開始日までに同じ事業主に雇用された期間が2年以上(過去に利用した場合は3年)ある人
  • 雇用保険の被保険者であった離職者で、離職から1年以内かつ受講開始日までに同じ事業主に雇用された期間が2年以上(過去に利用した場合は3年)ある人

細かい条件は公式ホームページで確認すると安心でしょう。 参照:ハローワークHP

上記の条件に当てはまり申請すれば、産業カウンセラーの養成講座は教育訓練給付金が使えます。 この制度教育訓練施設に支払った額の20%がハローワークから支払われるというものです。 上限は10万円までとなります。

キャリアコンサルタントの養成講座に使える給付金制度は?

対象のキャリアコンサルタント養成講座の場合、さらに大きな支援が受けられる「専門実践教育訓練給付金」が使えます。 この専門実践教育訓練給付金は、教育訓練の経費の最大70%もが支給されるというものです。

かなり大きい金額になるため、ぜひ確認しておきたい制度でしょう。 専門実践教育訓練給付金も同様に、雇用保険に2~3年加入している必要があるため、利用できるか確認しておくのがおすすめです。

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いのまとめ

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いのまとめ

  • 民間資格が国家資格かが違う
  • 依頼者の抱える悩みが異なるため、求められる対応が違う
  • どちらも受験資格を得るために、講習が必要な点が同じ

ここまで産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いについて、解説してきました。

仕事内容の違いを把握して、自分により合った資格の取得に励んでみてくださいね。

人気記事