臨床心理士の就職事情は?就職先や職場ごとの働き方・年収・学歴についてまで解説!

更新日時 2020/10/21

「臨床心理士として働きたい!」

「臨床心理士のキャリアってどうなっているの?」

近年、心の病気や問題が一般的に受け入れられるようになり、心のケアをする仕事の関心が集まっています。臨床心理士もその一つです。

臨床心理士の資格を活かして働ける場所はたくさんあり、その職場ごとに働き方が違います。

そこで、臨床心理士の資格を活かして働く際に必要な知識と、臨床心理士として働く職場の現状についてまとめました。キャリアプランの参考にして下さい。

臨床心理士の就職についてざっくり説明すると

  • 医療や教育等幅広い分野でメンタルケアやそれに関連した仕事を行う資格
  • 近年の精神疾患やコロナウイルスの影響から、需要が高まっている
  • 資格取得には受験条件を満たす必要がある
  • 就職を有利に進めるにはダブルライセンスが有効

臨床心理士の就職先

道と青空

臨床心理士はメンタルケアや心理に関するプロフェッショナルです。そのため、医療や保険分野を中心に、働ける職場がたくさんあります。臨床心理士の主な就職先と、そこでの具体的な仕事内容をまとめましたので、ご覧下さい。

医療・保険分野への就職が多い

臨床心理士の一般的な就職先として、医療や保険分野があります。具体的には、病院やクリニックで精神科の医師や、心理士として働きます。

医療の現場で働く場合の主な仕事内容

病院で働く場合、以下の人達の相談や指導、助言を行うのが主な仕事です。

  • 精神的な問題を抱えている患者さん
  • 病気やケガで心のフォローを必要としている患者さん
  • 上記の患者さんを支える家族やパートナー、スタッフ

臨床心理士の中には自分のクリニックや病院を持っている人がいますが、そういう人の多くは、クリニックや病院で就職し、実力を身に付けてから独立するというキャリアルートをたどっています。

保険分野で働く場合の主な仕事内容

保険分野の場合、以下の施設で仕事をします。

  • 保健所
  • 保健センター
  • 精神保健福祉センター

仕事内容としては、以下の仕事にかかわっていきます。

  • 地域住民の健康管理
  • アルコールや薬物等の依存症相談や支援
  • 引きこもりの相談や援助
  • 乳幼児の発達検査

医療現場と似ている部分もありますが、病気の治療というよりは、予防のための支援や、困っている状態を抜け出すための手助けが主な仕事となります。また、就職の際に公務員として働くことになる人が多いです。

教育現場への就職率も高い

医療や保険分野の次に多いのが、教育現場への就職です。主にスクールカウンセラーとして全国の公立中学校で生徒へカウンセリングを行うのが仕事となります。

文部省がスクールカウンセラーを推進する事業を行っているため、臨床心理士の需要が高いのです。

仕事内容としては、生徒へのカウンセリングの他に、発達や学業面、生活面での問題に対して心理的な支援を行う場合があります。

その場合、生徒本人や親、教員への面接やコンサルテーション等を行います。必要に応じて他機関との橋渡し役を務めるのも仕事の一つです。

警察・刑務所も仕事の場に

意外な職場として、警察や刑務所も臨床心理士の職場の一つです。受刑者の多くは心に問題を抱えていることが多く、心のケアを行い受刑者の精神状態を落ち着かせる必要があります。これも臨床心理士の仕事の一つです。

警察や刑務所では、2006年に法改正がなされ、民間カウンセラーが雇用されるようになりました。この中に、臨床心理士も含まれているのです。

このほか、各地の警察署に設けられた被害者窓口で、犯罪被害者の心のケアを行う仕事も、臨床心理士の就職先の一つです。

福祉分野でも需要がある

臨床心理士は福祉分野でも需要があります。以下の施設で施設の利用者や、その家族の相談を聞いたり、傷害や認知症等、支援が必要な場合はその支援を行うのが主な仕事です。

  • 自動相談所
  • 保育所
  • 幼稚園
  • 老人介護施設

働き方によっては、複数の施設を巡回して保護者や家族の相談に応じる場合もあります。心理士としての知識だけでなく、福祉に関する専門的な知識も要求されることがある職場でもあります。

独立開業という選択肢もある

医療や保険分野でも触れましたが、医療現場等で経験を積んだ後に自分のクリニックを開業する人もいます。

年収アップが期待できるキャリアプランですが、その反面、心のケアにおけるノウハウが常に試される状態で仕事をすることになります。

患者さんに対する責任全てが自分にのしかかるため、大きなプレッシャーを感じながら働く働き方でもあるのです。

その他の働き方

臨床心理士の働き方は、この他にも色々あります。主な働き方からは外れますが、以下のような場所や立場で仕事をしている人もたくさんいます。

セミナー講師

臨床心理士として働いた経験を活かし、セミナー講師になる選択肢を選んでいる人もいます。

有料会員を集め、定期的に自分の体験談や心のケアのノウハウを語るのが仕事です。外部からオファーを受けてセミナー講師をする人もいます。

書籍を出版

自分の経験やノウハウを書籍にまとめ、出版する人もいます。これは主に他の業務と掛け持ちで行っている場合が多いです。

セミナー講師同様、外部からオファーを受けて書籍を出版する人もいます。雑誌やWeb媒体で連載を持っているような人も多いです。

臨床心理士の気になる平均年収は?

次に、臨床心理士の平均年収について解説していきます。

厚生労働省のデータによると、臨床心理士の平均年収は約350万円となっています。決して高いとは言えません。50の働き盛りで年収は400万円となります。

以下の図は、年齢別に臨床心理士の年収をまとめた図です。

年齢 年収 月給
20~24歳 194万円 12万円
25~29歳 241万円 15万円
30~34歳 265万円 17万円
35~39歳 303万円 19万円
40~44歳 340万円 21万円
45~49歳 381万円 24万円
50~54歳 408万円 26万円
55~59歳 405万円 25万円
60~65歳 275万円 17万円

図を見ると、年齢が上がるごとに年収が上がり、50~54歳でピークを迎え、後は下がっていくことが分かります。ピークで400万円台ギリギリの金額であることを考えると、高い年収がもらえるとは言えないでしょう。

臨床心理士の仕事の需要

手を挙げる人達

次に、臨床心理士の需要について触れます。臨床心理士の就職・転職先は医療や教育、大学や研究所、福祉等が主となっています。

スクールカウンセラーは臨床心理士の資格を必要としないため、将来性がないと考えている人もいますが、資格を持っていた方が年収は高くなります。これを考えると、資格を取った上での就職が望ましいです。

現在はうつ病をはじめとした精神疾患が社会問題となっている上に、コロナウイルスの影響でその流れはさらに加速しています。

臨床心理士の需要は高まっていると言えるでしょう。将来性としては、今後国家資格になる可能性も考えられます。

就職先・職場を探す際のポイント

臨床心理士の就職はやや特殊です。転職がかなり多く、一度決めた職場でも、自分に合わない、スキルが身につかないと感じて転職する人が多いのです。

ベテランの臨床心理士は高収入の仕事を取りにいくため、新卒では自分の知識やスキルを身に付けられる職場を選び、10年後にキャリアアップを試みるのがおすすめです。

よくあるキャリアの流れ

具体的には、キャリアが浅い頃は非正規の仕事をいくつか掛け持ちして知識やスキルを身に付けつつ、自分に合う働き方を模索するという働き方を数年続けます。

早い人で2~3年、遅くとも10年後には、自分に合ったキャリアを選び、次のステージに進んでいく、という形です。

臨床心理士としてキャリアを積んで行く場合は、知識やスキルを身に付けつつ、自分の働き方を見つけていくような気持ちでいるといいでしょう。

臨床心理士になるには学歴が必要?

黒板に書かれたクエスチョンマーク

次に、臨床心理士と学歴の関係について解説していきます。まずは臨床心理士になるために必要な、臨床心理士試験について解説します。

臨床心理士の資格を得るには、受験資格を満たす必要がありますが、この受験資格に学歴が関係します。臨床心理士を目指す人は、この学歴の項目も忘れずにチェックしておきましょう。

臨床心理士になる方法

臨床心理士になるには、臨床心理士試験に合格しなくてはなりません。この試験には受験資格が設けられており、学歴を含んで以下の条件を満たす必要があります。

  • 指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を満たしている者
  • 臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
  • 諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
  • 医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者など

つまり、臨床心理学部が存在する大学に通うか、大学院に進むかの2つの方法が主な受験資格の取得方法となります。大学院に進む場合は、大学院の倍率が10倍近くあることを考えると、難易度がかなり高い方法です。

学歴が関係している以上、受験条件を満たすには心理学に関係した大学か大学院を修了しなくてはなりません。この学歴による条件を満たしていない場合は、受験条件を満たす所から始める必要があります。

心理学が学べる大学院の難易度は高い

心理学を学べる大学院に進学する場合、約50~60の偏差値が必要です。また、試験に合格するためには大学院で勉強し続けることが大切になります。

実際に臨床心理士の偏差値や試験の難易度は公開されていませんが、大学院に行った人がほとんど合格できるという訳でもありません。試験の難易度も、かなり高いことが予想できます。

資格試験の資格の有効期間について

試験は筆記試験の1次試験と、口頭面接試験の2次試験をクリアしなくてはなりません。知識だけでなく、心理士としての技術や適性も求められます。

また、臨床心理士の資格は有効期間が決まっており、5年間とされています。資格の更新は、この5年間の間に研修会に参加し、所定のポイントを得なくてはなりません。

臨床心理士の資格は、取得するまでや試験はもちろん、そのあとにもこなさなくてはならないことがたくさんある資格なのです。

ダブルライセンスは就職に有利?

はてなマークを浮かべるシルエット

臨床心理士に限らず、視覚を必要とする仕事をしている人の中には、ダブルライセンスを取得して仕事に活かしている人もいます。臨床心理士の場合、視覚にもよりますが、ダブルラインセンスは大いに役立ちます。

臨床心理士とダブルライセンスの相性がいい資格としては、以下の資格があります。

  • 宅建士
  • 司法書士
  • 社労士

これらの資格は就職して働くのも一般的であり、安定した生活が期待できる仕事です。次の項目から、ダブルライセンスとして取得されていることが多い資格を紹介します。

公認心理士

公認心理師は心理系資格の中で唯一の国家資格です。2018年12月に第1回後任心理師試験が行われており、心理系の資格の中ではかなり新しい資格となります。

臨床心理士と同じく、病院や保健施設、学校や企業等、心理カウンセラーが必要とされている場所での活躍が期待されている資格です。

難易度が高い上に、試験の傾向も読みにくい資格ですが、取得すれば国から審理に関する知識や技術があることを証明してもらえます。就職を有利にしてくれる効果はかなり高いといえます。

産業カウンセラー

産業カウンセラーは、日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格です。名称に「産業」とついている通り、労働者が抱える心の問題や悩みを、カウンセリングを通して解説・サポートするのが仕事となります。

産業カウンセラーは、民間企業の人事部や医療機関、職業安定所等で活躍している仕事です。企業の中でカウンセラーとして働きたいなら、取得しておくべき資格といえます。

しかし、産業カウンセラーの需要はそれほど高くありません。しかし、臨床心理士のダブルラインセンスとして取得すれば、就職に役立てることができます。

単体で取得するというよりは、ダブルライセンスとして活かす資格として考えておきましょう。

メンタルケア心理士

メンタルケア心理士は、メンタルケア学術学会が認定する民間資格です。基本的なカウンセリング技法や、精神医科学、薬理学、生化学等様々な観点から心理学を学び、カウンセラーとしての仕事に活かせる資格です。

福祉や医療、教育等、臨床心理士が活躍する分野と同じ所での活躍が見込める資格です。認知度も高いので、就職にも大いに役立ちます。

産業カウンセラーが企業向きなら、こちらのメンタルケア心理士は、医療等の専門的な職場や場所向きの資格です。

臨床心理士の就職まとめ

臨床心理士の就職まとめ

  • 臨床心理士は医療や保健、教育等様々な所で働ける資格
  • 近年の精神疾患の増加やコロナウイルスの影響で需要が高まっている資格でもある
  • 試験の受験条件には学歴も関係している
  • 就職を有利にするならダブルライセンスも検討すべき

臨床心理士は様々な職場で需要が高まっている資格です。資格取得には難易度の高い受験資格を満たし、試験に合格しなくてはなりません。大変な資格ですが、その分やりがいや将来性に優れています。

臨床心理士の資格に興味がわいた方は、ぜひ臨床心理士講座の受講を検討してみて下さい。

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