臨床心理士資格の難易度は?試験の合格率・倍率や大学院の難しさまで徹底解説!

この記事は専門家に監修されています

医師

安藤広真

「臨床心理士の試験って難しいの?」

「臨床心理士の合格率や倍率が知りたい」

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

近年、精神疾患に苦しんでいる人が増加傾向にあり、それに比例して臨床心理士を求める声も高まってきています。同様に、臨床心理士を目指そうとする人の数も増加傾向です。

そこで、この記事では臨床心理士資格の難易度について紹介します。具体的な合格率や倍率はもちろん、おすすめの勉強方法などについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

臨床心理士資格の難易度についてざっくり説明すると

  • 臨床心理士試験の難易度はあまり高くない
  • 臨床心理士よりも難しい心理系の資格がある
  • 臨床心理士は独学でも合格可能

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臨床心理士試験の難易度は高い?

頭の上にたくさんのはてなマークがある女性 臨床心理士の資格は、他の資格と比べると比較的簡単な試験です。合格率は平均約60%なので、試験の難易度があまり高くないと言えるかもしれません。

しかし、臨床心理士の試験を受験するには、受験資格をクリアしなければなりません。この受験資格は、他の資格試験に比べると厳しいという特徴があります。

臨床心理士試験自体の合格率は60%を超えているため、難易度は高くないと想像できます。しかしその裏側には、大学院で心理学などについてしっかり勉強してきた人が受験しているからという現実があるのです。

臨床心理士の試験の科目

臨床心理士の試験科目は、短答式と論文式の2種類に分かれています。また、短答式は4科目、論文式は5科目もあり、試験範囲は大変広いという特徴があります。

この試験範囲が広いという事実は、臨床心理士試験の難易度を上げる要因の一つでもあります。合格率は高めですが、試験自体は決して簡単ではないということです。

具体的な配点や出題形式について、以下の項目で解説していきます。

1次試験と試験時間

1次試験では、筆記試験と論述試験の2種類が行われます。2種類の試験時間は合計で4時間です。一般的な資格試験時間としては長めと言えます。

最初に試験時間2時間半で筆記試験が行われます。内容は心理学の基礎知識から臨床心理士に関する基礎知識まで出題されます。また、心理士としての基本的な姿勢や態度なども問われます。

次に試験時間1時間半で論述試験されます。内容は、臨床心理ついてのテーマが1つ出題され、それに対して小論文で回答します。

2次試験

2次試験は2人の面接官による面接試験です。1次試験に合格した者だけが受験可能となっており、面接官の質問に対して自分の言葉で回答します。

面接試験では、専門知識やスキルの熟練度、臨床心理士としての姿勢や人間関係方法などをチェックしています。臨床心理士にふさわしい知識とスキル、そして人間性を持ち合わせているかどうかが見られているのです。

臨床心理士試験の受験資格

臨床心理士は人間の心の病気を診断し、治療する医者です。そのため、受験資格は一般的な資格と比べるとハードルが高めに設定されています。

  • 指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を満たしている者
  • 臨床心理士を養成する専門職の大学院を修了した者
  • 外国にて指定大学院と同じまたはそれ以上のレベルの教育暦を有しており、修了後に日本で心理臨床経験が2年以上ある者
  • 医師免許取得後、臨床心理の経験が2年以上ある者

上記は、臨床心理士試験の受験資格の一部です。

受験資格として、「日本臨床心理士資格認定協会」が定めている大学院を修了していることが原則必須となります(外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本で2年以上心理臨床を経験した人・医師免許の取得者で取得後に2年以上の心理臨床経験がある人のみ例外です)。

1種の指定大学院であれば修了、2種の指定大学院であれば修了後に1年以上の実務経験を積むことで受験資格が与えられます。

また、臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した人も受験が可能です。

臨床心理士になるための大学院の偏差値・倍率は?

臨床心理士になるための方法として、大学院に進学するという方法があります。しかし、大学院に進学するためには50~60の偏差値が必要とされています。また、多くの学生が集中するため、倍率も高くなります。

大学院に進学することは、最終目的ではありません。そのため、臨床心理士の試験に合格するために、大学院でも勉強し続けることが重要です。

臨床心理士試験の偏差値は、正式には公開されていません。そのため、明確な基準はありませんが、大学院に進んだからと言って確実に合格できるというわけではないと言われています。

偏差値も倍率も厳しい大学院に行っても、絶対に臨床心理士の試験に合格できるという保証はないということです。

臨床心理士試験の合格率

抱き合って喜びを分かち合う女性たち 臨床心理士試験の合格率は、実際にはどれくらいなのでしょう。平均の合格率はもちろん、合格基準や合格までに必要な勉強時間についても、合わせて紹介します。

臨床心理士の合格率は60~65%

年度(年) 受験者数(人) 合格率(%)
令和4 1,810 64.8
令和3 1,804 65.4
令和2 1,789 64.2
令和1 2,133 62.7
30 2,214 63.6
29 2,427 65.5
28 2,582 62.9
27 2,590 61.8
26 2,664 60.4
25 2,804 62.4

データ出典:日本臨床心理士資格認定協会 「臨床心理士」資格取得者の推移

上記は、平成25年度から令和4年度までの臨床心理士試験の受験者数と合格率をまとめた一覧表です。一覧表から見てもわかるように、60~65%の間を行ったり来たりしています。

合格率だけで見ると臨床心理士の試験は簡単に感じるかもしれません。しかし、受験者は全員厳しい受験資格をクリアした人たちばかりです。大学院でしっかり勉強してきているため、難易度は決して低くないと言えます。

臨床心理士試験の合格基準点

臨床心理士試験の合格基準点については、非公開です。しかし、合格率が60~65%であるため、受験者の中で上位60%に入れば合格できることが想像できます。

合格基準点が非公開の理由として、年度によって問題の難易度が異なる点が挙げられます。難易度が高くなれば、最低点は引き下げられます。そのため、正式な合格基準点が公表できないのでしょう。

臨床心理士合格までに必要な勉強時間

大学院に進むことで受験資格を満たすことができるという点から、臨床心理士合格までに必要な勉強時間はある程度想像できます。

具体的には、1日3時間の勉強時間を毎日確保したとして、1~2カ月で合格できると予想されます。トータルの勉強時間は180時間ということです。

しかし、実際の試験は出題範囲が広く、180時間程度でクリアすることは難しいかもしれません。

また、毎日どれくらいの勉強時間が確保できるかで、学習の進捗度は変わってくるでしょう。

一概に具体的な必要勉強時間を示すことは難しいと言えます。論述試験もあるため、毎日まとまった勉強時間を確保し、継続して学習し続けることが必要です。

臨床心理士とは

2体の黄色いスマイル人形 臨床心理士とは、人間の心についての高い知識とスキルを持った心の専門家です。心の医者と呼ぶこともできるでしょう。

心理学を用いて、心の問題や悩みを明確にし、解決していくことが主な仕事内容です。具体的には、クライアントとの話し合いやテストで問題点を見つけ出し、解決のサポートを行います。

臨床心理士になるメリット・やりがい

臨床心理士は、人間が抱えている問題や悩みを解決していくことが仕事です。言い換えるなら人を助ける仕事でもあるため、他の仕事に比べてダイレクトにやりがいが感じられるでしょう。

また、臨床心理士や心の医者ですから、内科医や外科医と同じ扱いです。医者という肩書があるため、社会的に高い信頼を得ることができます。さらに、自分自身の自信にもつながるというメリットも得られます。

国家資格の公認心理士とどちらが難しい?

近年、精神疾患は社会問題になっており、心の病気は正式に認められるようになってきました。その影響から、心理学の専門家として「公認心理士」という国家資格が誕生しています。

具体的に臨床心理士と公認心理士の違いについては、明確になっていません。さまざまな専門家の間で議論が進んでいますが、決着はまだついてません。

しかし、公認心理士という国家資格が誕生したことで、臨床心理士にもスポットライトが当たっています。

同じ心理学の専門家として、臨床心理士も存在意義を発揮することは間違いないと言えるでしょう。

合格率では公認心理士の方が難しい

2021年 2022年
公認心理士 58.6% 48.3%
臨床心理士 65.4% 64.8%

上記は、2021年と2022年の公認心理士と臨床心理士の試験の合格率を比較した一覧表です。臨床心理士が60%を超えているのに対し、公認心理士の合格率は50%を切っています。

このことから、公認心理士は臨床心理士に比べて難易度が高いことがわかります。

公認心理士は国家資格と言うこともあり、試験の内容やレベルは臨床心理士に比べて高いということです。

活躍できるフィールドが広い

以前の臨床心理士の活躍の場所は、医療機関や福祉施設がほとんどでした。また、公務員という道を選んだ臨床心理士も存在しています。

しかし、近年の精神疾患の社会問題化に伴い、企業や教育機関に臨床心理士を常駐させるという動きが活発化しています。

また、セミナーや大学講師として臨床心理士を招くところも増加しています。

これらから、臨床心理士の活躍の場は急速に拡大しています。今後もさまざまな場所で臨床心理士の知識やスキルが求められるでしょう。活躍できるフィールドは大変広いということです。

役職が上がることで年収が上がりやすい

一般企業と同じように、臨床心理士にも役職があります。一般企業の場合、役職につくと役職手当が加算されるため、年収は増加します。臨床心理士の役職の場合も同様です。

役職名 平均年収(円)
主任 292万
課長 363万
係長 480万
部長 530万

上記は、役職別の平均年収の一覧表です。役職が上がるごとに、平均年収も上がっています。臨床心理士として高収入を得たいのなら、役職付きになった方が良いということです。

臨床心理士は独学合格は難しい?

青い表紙のリングノートと緑色のペン 臨床心理士は独学で合格することは難しいのでしょうか?中には独学で合格を目指したい、という人もいるでしょう。そのような人のために主な注意点やおすすめの勉強法について紹介します。

独学合格の際の注意点

結論から申し上げますと、独学で臨床心理士の合格を目指すことは可能です。

臨床心理士試験では、実技試験などといった対策が特別困難な部分が存在しません。そのため、試験に必要な知識をしっかり意味につければ、独学でも合格は可能です。

独学で臨床心理士の合格を目指す場合は、大学や大学院でしっかり学ぶことをおすすめします。授業で学ぶ内容についてはもちろん、復習も忘れずに行うようにしましょう。

それに付け加えて、さらにおすすめの勉強法について以下の項目で紹介します。

計画的に継続して学習することが大事

臨床心理士合格を独学で目指すのなら、継続して学習することが大切です。飛び飛びの学習では、覚えるべき知識やスキルがしっかり身につかないからです。

学習スケジュールを立てて、合格までの道筋を目に見える形にすることをおすすめします。見える化することで継続して学習するためのやる気やモチベーションを保つことが容易になります。

よく出題される問題は確実に

臨床心理士の試験問題には、頻出度の高い問題があります。頻出度の高い問題は実務でも重要となる知識なので、毎年出題されるという傾向があります。

また、配点の高い科目もあります。配点の高い科目は確実に得点することで、大きな得点源になります。合格点にも一気に近づけることが可能です。

よく出題される問題はもちろん、配点の高い科目についてもしっかり学習しましょう。これらを中心にして学習を進めることで、効率よく知識やスキルを身につけることができるでしょう。

過去問を何度も演習する

独学で臨床心理士試験に合格するには、過去問の演習も必要不可欠です。過去問は何度も解いて、演習量を増やしましょう。

過去問を繰り返し演習することで、頻出範囲や出題傾向なども見えてきます。頻出範囲や出題傾向が明確になれば、効率よく学習を進めることが可能です。

臨床心理士資格の難易度についてまとめ

臨床心理士資格の難易度についてまとめ

  • 臨床心理士の合格率は高いが難易度は決して低くない
  • 合格するには、学校でしっかり学習することが重要
  • 過去問などの工夫をすれば、独学でも合格が可能

臨床心理士資格の難易度について解説してきました。合格率だけで見ると60%を超えているため、一見簡単そうに見えます。

しかし、実際の試験は難易度が高いというのが現実です。

学校での授業をしっかり学習した上で、過去問の演習量を増やすなど、勉強方法に工夫をすれば、独学でも合格は可能です。知識量が問われますから、繰り返し学習してしっかり必要な知識を身につけてください。

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