精神保健福祉士試験の合格点は?合格基準や配点・足切り突破の勉強法まで徹底解説!

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医師

安藤広真

「精神保健福祉士国家試験の合格点ってどのくらい?」

「精神保健福祉士国家試験の合格率は何%?」

精神保健福祉士国家試験の受験を考えている方は、このような点が気になるのではないでしょうか。

この記事では、試験の概要、科目、合格点、難易度、合格者の内訳、合格ラインを突破するための勉強法など、精神保健福祉士国家試験について徹底解説しています。

精神保健福祉士を目指している方は、ぜひ記事を参考にして試験の合格を目指しましょう!

精神保健福祉士試験の合格点についてざっくり説明すると

  • 精神保健福祉士国家試験の合格点は総得点の60%ほど
  • 合格率は毎年60%前後
  • 科目ごとに足切りもあるので注意
  • 同じ福祉系の国家資格である社会福祉士と比べると難易度は低い

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精神保健福祉士試験の概要

紙に書いてる人

精神保健福祉士試験は、毎年6,000~7,000人近くが受験する資格です。

試験は全16科目群からなり、問題数は163問です。毎年1月の最終土曜・日曜か2月初週の土曜・日曜に2日間実施されます。

試験時間は初日が専門科目で13:30~15:50まで(2時間20分)、二日目の共通科目は、10:00~12:15まで(2時間15分)です。

試験の開催地は全国7カ所で、北海道、宮城県、東京都、愛試験、大阪府、広島県、福岡県で開催されます。

また、精神保健福祉士と社会福祉士は同日に試験が行われるため、同時に受験することも可能です。

受験料は、精神保健福祉士だけを受験する場合は24,140円、精神保健福祉士と社会福祉士を同時に受験する場合は36,360円です。

また、先に社会福祉士資格を取得している方は科目が一部免除されますので、その場合の受験料は18,820円になります。

精神保健福祉士試験の配点と合格点

パソコンを見る女性

精神保健福祉士国家試験は毎年1月下旬もしくは2月初旬に行われ、合格発表は3月中旬です。

合格率は62%前後で、合格ラインは総得点の約60%と言われています。

この章では、精神保健福祉士国家試験の実態について解説します。

全16科目・1問1点の163点満点

精神保健福祉士国家試験の科目は全16科目群あります。以下が科目名です。

  1. 精神疾患とその治療
  2. 精神保健の課題と支援
  3. 精神保健福祉相談援助の基盤
  4. 精神保健福祉の理論と相談援助の展開
  5. 精神保健福祉に関する制度とサービス、精神障害者の生活支援システム
  6. 人体の構造と機能及び疾病
  7. 心理学理論と心理的支援
  8. 社会理論と社会システム
  9. 現代社会と福祉
  10. 地域福祉の理論と方法
  11. 福祉行財政と福祉計画
  12. 社会保障
  13. 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
  14. 低所得者に対する支援と生活保護制度
  15. 保健医療サービス
  16. 権利擁護と成年後見精度

出題形式は五肢択一を基本とする多肢選択肢制で、点数は1問につき1点の163点満点です。また、総試験時間は275分です。

合格基準は総得点の60%程度

精神保健福祉士国家試験は絶対評価の試験です。そのため、合格ラインに達していれば合格できます。とは言え「合格するためなら1科目を捨てて0点にする」といった偏った点の取り方をしないようにしましょう。

精神保健福祉士国家試験の合格基準は、以下のようになっています。

  1. 総得点の60%程度が取れており、問題の難易度で補正された点数以上が取れた人

  2. 1を満たした人のうち、全ての科目で得点があった人

このように、各科目群すべてにおいて得点しなければならない規則になっています。1科目でも0点にしてしまうと、その時点で不合格になってしまうため、注意が必要です。

試験科目の一部免除あり?

精神保健福祉士法施行規則第6条の規定による試験科目の一部免除を受けた受験者は、試験科目が一部免除されます。

社会福祉士の登録をしている方は、受験申込時に指定の書類を提出すれば社会福祉士試験と共通する11科目が免除されます。点数は、1問1点の80点満点です。

免除される科目は以下の科目です。

  • 人体の構造と機能及び疾病
  • 心理学理論と心理的支援
  • 社会理論と社会システム
  • 現代社会と福祉
  • 地域福祉の理論と方法
  • 福祉行財政と福祉計画
  • 社会保障
  • 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
  • 低所得者に対する支援と生活保護制度
  • 保健医療サービス
  • 権利擁護と成年後見精度

つまり、社会福祉士の方が科目免除を受けて精神保健福祉士国家試験を受験する場合、精神保健福祉士国家試験の専門科目のみを受験すればよいということになります。

精神保健福祉士国家試験の専門科目は以下の5科目群です。

  • 精神疾患とその治療
  • 精神保健の課題と支援
  • 精神保健福祉相談援助の基盤
  • 精神保健福祉の理論と相談援助の展開
  • 精神保健福祉に関する制度とサービス、精神障害者の生活支援システム

合格点が補正されることがあるので注意

試験に合格するためにはだいたい60%の正解率であることが求められますが、試験の難易度によって毎年合格ラインは補正されます。

過去5年間の合格基準は下記のとおりです。

試験回 全科目 共通科目免除
25回(2023年) 95点 49点
24回(2022年) 101点 47点
23回(2021年) 94点 44点
22回(2020年) 90点 40点
21回(2019年) 87点 41点

出典:精神保健福祉士国家試験の合格基準及び正答について(25回第24回第23回第22回第21回

このように、その年にとって合格点が違います。○点取れば確実に合格するというわけではないため注意が必要です。

基本的に60%程度取れていればよいですが、難易度での補正措置を考え、常に70%ほど取れるようにしておくのがベストだと言えます。

合格率と合格者の内訳

勉強する学生たち

ここからは、精神保健福祉士国家試験の合格率と合格者についてくわしく解説していきます。

合格率は毎年大体60%前後

合格率は、例年60%前後を推移していますが、第15回(平成24年度)の56.9%のように低い合格率になる年もあります。

過去10年分の合格率の推移は下記のとおりです。

受験回 受験者数 合格者数 合格率
第25回 7,024人 4,996人 71.1%
第24回 6,502人 4,267人 65.6%
第23回 6,165人 3,955人 64.2%
第22回 6,633人 4,119人 62.1%
第21回 6,779人 4,251人 62.7%
第20回 6,992人 4,399人 62.9%
第19回 7,174人 4,446人 62.0%
第18回 7,173人 4,417人 61.6%
第17回 7,183人 4,402人 61.3%
第16回 7,119人 4,149人 58.3%

出典:精神保健福祉士国家試験の受験者・合格率の推移

令和5年度第25回試験の合格率71.1%の内訳を詳しく見てみると、保健福祉系大学等卒業者の合格者は1,640人(32.8%)、養成施設卒業者は3,356人(67.2%)でした。

養成施設を卒業した方は6割以上と、かなり多いことがわかります。

後ほどくわしくご紹介しますが、養成施設卒業者が多いのは、受験資格を得るためには大半の方が養成施設に通わなければならないためです。

他の福祉系資格と比べた難易度は?

人気の福祉系国家資格である社会福祉士国家試験と比べると、精神保健福祉士国家試験の方が難易度はかなり低いと言えます。

社会福祉士国家試験の合格率は30%ほどと、精神保健福祉士国家試験の半分ほどの合格率です。

一方で、精神保健福祉士と社会福祉士は試験科目で共通している科目が11科目あるため、ダブルライセンスを目指しやすい資格だと言えます。

先に社会福祉士を取っておいてから精神保健福祉士を受験すると、共通科目11科目が免除されます。精神保健福祉士を先に取った場合でも同じです。

精神保健福祉士と社会福祉士は同時に受験することも可能ですが、まずはどちらかの資格を取ってから、もう一つの試験を受験するのが一般的です。

老若男女の比率は?

第25回(令和5年度)の合格者の男女別の人数は、男性が1,437人、女性が23,559人で男性:女性=28.8:71.2の割合でした。

また、年齢層別の受験者は以下のようになっています。

年齢区分(歳) 人数(人)
~30 1,886
31~40 917
41~50 1,219
51~60 761
61~ 213

30歳までが1,677人おり、全体の40%ほどを占めます。しかし、30歳以降でも受験者は多くおり、さまざまな年齢層の方が受験する資格であると言えます。

精神保健福祉士国家試験の受験資格

精神保健福祉士国家試験の受験資格は全部で11通りです。

学歴や職歴などによって受験資格を得るルートがさまざま定められています。

全11ルートの中で、唯一学校を卒業するだけで受験資格を得られるのは、保健福祉系等の4年制大学で指定科目を履修することです。

福祉系大学等の4年制大学に進学して基礎科目を履修した場合は、短期養成施設等で6ヶ月以上学ぶと受験資格が得られます。

保健福祉系、福祉系以外の4年制大学に進んだ場合は、一般養成施設で1年以上学ぶと受験資格を得ることが可能です。

短大を出た方は相談業務の実務経験を1~2年積んだあと、短期養成施設や一般養成施設で6ヶ月~1年以上学ぶ必要があります。

また、社会福祉士の登録者の方は、短期養成施設で6ヶ月以上学ぶと受験資格が得られます。

学歴が高校以下で社会福祉士の資格も持っていない方の場合、相談業務の実務経験を4年積んだあと一般養成施設で1年以上学ぶことが必要です。

このように、受験資格を得るためにさまざまなルートがあり、複雑な仕組みになっています。

くわしくは、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのHPでご確認ください。

合格ライン突破のための勉強法

本と眼鏡など

精神保健福祉士国家試験に合格するには、問題の傾向を分析した上で、たくさんの問題をこなして対策することが必要不可欠です。

ここからは、合格ラインを突破するための勉強法をご紹介します。

満点ではなく合格点を意識

精神保健福祉士国家試験では、0点の科目が1つでもあると足切りとなり、不合格になります。

そのため、合格するには各教科まんべんなく勉強することが必要です。

何かの科目で満点を目指しその科目ばかり勉強してしまうと、他の科目が知識不足になってしまいます。

最悪の場合、その科目が0点になり不合格になってしまう可能性も考えられるのです。

精神保健福祉士国家試験に合格するには、各科目で点数が取れるように、各科目をまんべんなく勉強することが大切です。

満点を目指すというより、足切りになることなく合格点に到達することを意識しましょう。

全国統一模擬試験の活用

日本ソーシャルワーク教育学校連盟では、精神保健福祉士国家試験の模擬試験を実施しています。

試験会場での受験に加え、在宅受験も可能なため、受験しやすくなっています。

模擬試験を受けることは、受験勉強をする上で非常に重要です。現在の実力がわかるだけではなく、本番の試験の形式や時間配分などに慣れることができます。

また、自分の苦手分野を把握することもできるので、模擬試験後は本番に向けて効率よく受験勉強を進めることが可能です。

模擬試験は、その他にも福祉系の通信講座や出版社が主催しているものもありますので、ぜひ受けてみましょう。

過去問演習も大切に

模擬試験と同様に、本番の試験形式や出題傾向を掴む上では過去問も重要です。

過去問は、過去3年間分が公益財団法人社会福祉振興・試験センターのHPで掲載されていますので活用をおすすめします。

試験用紙は印刷して、本番試験と同様の形式で解いてみるのがよいでしょう。

過去問は模擬試験よりも正確に自分の実力や合格点に到達できるかがわかるため、解いておくことが大切です。

また、何度も過去問を解くことにより、頻出範囲や重要事項が身に付きます。過去問演習は何度も行い、満点が取れるくらいまでやり込むのが効果的です。

精神保健福祉士試験の合格点まとめ

精神保健福祉士国家試験の合格ラインまとめ

  • 合格点は試験の難易度によって毎年補正される
  • 1科目でも0点だと不合格になってしまう
  • 合格ラインを突破するためには、全科目で点数を取れるようまんべんなく勉強する必要がある

精神保健福祉士国家試験は、受験資格を満たすまでに時間がかかりますが、試験自体は難易度が高くない試験です。

ただ、0点の科目があると不合格になってしまうため、16科目全てで点数を取らなければならない点には注意が必要です。

特定の科目で満点を目指すよりも、合格点を突破することを意識してどの科目もまんべんなく勉強しておくことが重要だと言えます。

合格率は60%前後と高めであり、地道に勉強していれば合格は難しくありません。

興味がある方はぜひ精神保健福祉士国家試験の受験を検討してみてはいかがでしょうか。

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