ひきこもり支援相談士って?資格の説明から取得方法まで徹底解説!
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この記事は専門家に監修されています
医師
安藤広真
「ひきこもり支援相談士とはどのような資格なの?」
「難易度や試験内容、勉強方法がわかれば受けてみたい!」
このようにお考えの方も多いのではないでしょうか?
昨今、引きこもりに関する報道を耳にする機会が増えました。ご家族や友人など、身近な人が引きこもりになってしまって、何とかしたいと考えている方もいることでしょう。
そこでこの記事ではひきこもり支援相談士の資格について、勉強法や受験方法、資格の概要などを詳しくご紹介いたします。
読み終わる頃にはひきこもり支援相談士の資格取得に向けて動き出せるようになっていますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
ひきこもり支援相談士についてざっくり説明すると
- ひきこもり支援相談士の資格は、講座を受講するだけで取得可能
- ひきこもり問題に向き合いたい人には非常におすすめの資格
- ひきこもり関連支援施設への就職や独立開業も可能
- 資格は1年間のみ有効で、その後は更新が必要
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ひきこもり支援相談士ってどんな資格?
ひきこもり支援相談士とは、ひきこもり問題に関する正しい知識を得た上で、高い専門性を持つことができる資格です。
ひきこもりの人たちを支援したいという強い気持ちがある方には非常に役立つ資格ですので、ぜひ取得をおすすめします。
ひきこもり支援相談士の主催団体
ひきこもり支援相談士の資格認定は、「ひきこもり支援相談士認定協議会」が行っています。
ひきこもり支援相談士認定協議会は、ひきこもりの当事者やその家族に寄り添って、社会復帰を一緒に目指すことを目的として設立された団体です。
ひきこもり支援相談士の資格を取ると、国主導で常設されている「ひきこもり地域支援センター」の相談員になることができる他、ひきこもり解決に向けて周辺のネットワーク形成を行うなど、色々な場で活躍できます。
ひきこもりは世代を問わない社会問題となっている
ひきこもりは、近年の日本において社会問題となっています。
2019年に内閣府が調査した結果によると、40歳~64歳で半年以上自宅に閉じこもっている人は、全国で約62万人いることが明らかになりました。
この中でも7年以上ひきこもっている人が半数を占めており、かなりの長期間、ひきこもっていることがわかります。
なお15歳~39歳のひきこもりも54万人以上おり、合計で100万人以上もの人が自宅にひきこもっていることになります。
不登校問題と並んで支援が必要
日本の社会問題には、ひきこもりの他にも「不登校」があります。
不登校に関しても「不登校訪問専門員」という資格がありますが、ひきこもり支援相談士も不登校訪問専門員と並んで、これからの社会には必要な資格と言われています。
2020年においても未だ人材が足りていないと言われており、助けを求める声が各地から上がっています。
支援の輪を広げていくために、資格取得者の増加が望まれます。
ひきこもり支援相談士の試験概要
ひきこもり支援相談士の資格を取るためには、どのような試験を受ければ良いのでしょうか。
ひきこもり支援相談士の資格取得に至るまで
ひきこもり支援相談士の資格取得は、通信講座を受講すれば可能です。
講座や資格の概要は以下のとおりです。
- 試験は存在せず、講座のカリキュラムを修了すれば取得できる
- 学歴や性別、年齢などは問わない
- 認定期間は1年間で、その後は更新料として5,000円が必要
課題をしっかり提出していけばクリアできますので、幅広い年代や学歴の方が取得可能な資格だと言えるでしょう。
ひきこもり支援相談士を取ることをおすすめする人
ひきこもり支援相談士の資格取得をおすすめしたいのは、主に以下のような方々です。
- ひきこもり状態の家族がいる方
- ひきこもり問題で悩んでいる方のサポートをしたい方
- 教育、介護福祉、医療、接客業など、相談を受ける機会が多い業種の方
- 「ひきこもり問題」という社会問題に向き合いたい方
身近な人を助けたい、もしくは社会問題を解決したいという気持ちがある方には、ひきこもり支援相談士の資格は非常に適しています。
資格の勉強をするだけでも非常にためになりますから、興味を持ったらぜひ講座を受けることを考えてみてください。
ひきこもり支援相談士の勉強法
ひきこもり支援相談士の資格を取るためには、講座で出された課題を期限内に完成させればOKです。
スクールなどに通うことなく自力で学習できる内容ですから、そこまで難しく考える必要はないでしょう。
この段落では講座の具体的な内容をご紹介します。
通信講座で受講可能
ひきこもり支援相談士の資格認定や講座の運営は、一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会が実施しています。受講内容に従って学ぶだけで資格が取得できます。
教材は、紙のテキストに加えてDVDも用意されています。近年多くなってきたWEBを介しての受講ではありませんので、ご年配の方でもわかりやすいシステムと言えるでしょう。
講師には、大学教員や医学博士など7人が参加しています。専門的な内容を、全国どこにいても学ぶことができるのは大きな魅力です。
どんなことを学べるか
ひきこもり支援相談士養成講座は、紙のテキスト、DVD、資料集、問題集と、4種類の教材を使って進んでいきます。
ひきこもりとはどういうメカニズムで起きるのかを理解しながら、どのように支援すれば社会復帰を目指すことができるのか、実際の事例も踏まえて理解を深めます。
心理学、教育学、福祉心理学、児童教育学など学術的な内容が土台になっていますので、世間の噂や不明瞭な情報に流されることなく、支援に関して実情に沿った知識を身に付けることができるでしょう。
ひきこもり支援相談士の勉強をするメリット
ひきこもり支援相談士の資格取得に向けて勉強することには、色々なメリットが考えられます。
困っている人を助けられる
ひきこもり支援相談士として活動していく中では、多くのひきこもりの方に会う機会があるでしょう。
ひきこもりになった背景は、100人いれば100通りの事情があります。
彼らの状況をしっかり分析しながら相談に乗り、解決策を提示していけば、ひきこもりの方を救える可能性が高いです。
もちろん、全ての事例においてひきこもりの解消ができるとは限りません。しかし一人でも多くの困っている人を助けられるのは、ひきこもり支援相談士の資格保有者としての大きなメリットと言えるでしょう。
自分の判断の自信になる
何の知識もない状態では、ひきこもり問題を解決するために動こうとしても自信が持てませんよね。
ひきこもり支援相談士の養成講座で正しい知識を得れば、自分の考えに自信を持って判断していくことができます。
ひきこもっている当事者としても、明確に道筋を示してくれる相手と話していけば自分なりに光を見出すことができるかもしれません。
知識に裏打ちされた自信に触れることで、安心してもらうきっかけにもなります。こうした面でもメリットがあると言えます。
ひきこもり関連支援施設で相談員として就職できる
ひきこもり支援相談士の資格があると、ひきこもり関連支援施設で相談員として就職できる場合があります。
正規の相談員として相談に乗ることができる他、ボランティアとして活動することも可能です。
ひきこもり当事者だけでなくご家族の支えにもなりながら、経験を積んだ上で独立開業をする方もおられます。
ただ、必ずしも収入につながるわけではありません。どちらかというとボランティアに役立つ資格だと思ってください。
ひきこもり支援相談士の収入は?
ひきこもり支援相談士が相談員として就職した場合、一ヵ月あたりの収入の目安は17万円前後となります。多くても25万円程度が上限になるでしょう。
独立開業した場合は、年収にして200万円~400万円となることが多いです。
決して高収入というわけではありませんので、収入アップのために目指す資格ではないことを念頭に置いておきましょう。
ひきこもり支援相談士の試験日程・会場・申し込み方法
ひきこもり支援相談士の資格は講座を受ければ取得できますので、試験日程や会場などは存在しません。
講座の申し込みは、「一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会」のホームページから行うことができます。
ひきこもり支援相談士に受験資格はある?
ひきこもり支援相談士の講座には、受講資格は特にありません。年齢や学歴、性別、現在の職業など、あらゆる要素が不問ですので、誰でも受講することができます。
ひきこもり支援相談士の受験料
講座の受講料は、税込み35,000円です。一括でのお支払いが難しい場合は分割もあるのでご利用ください。
先ほども触れましたが、ひきこもり支援相談士の資格は1年ごとに更新が必要です。初年度から会費として5,000円が別途かかりますので、資格を維持したい方はご留意ください。
ひきこもり支援相談士と合わせて取りたいおすすめ資格
ひきこもりと並ぶ社会問題として、「不登校」があります。
不登校に関してもひきこもりと同じく、支援するための資格が存在します。それが「不登校訪問専門員」です。
こちらの資格も、ひきこもり支援相談士と同じく一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会が主催している資格で、講座の受講のみで取得することができます。
不登校訪問専門員とは
不登校訪問専門員は、不登校に悩む生徒を救うための知識を得て、支援者としての適性を持っていることを証明できる資格です。
お子さんや兄弟姉妹が不登校で悩んでいたり、学校の教師として不登校の生徒を救いたいなど、「身近な人を助けたい」と考えている方には非常におすすめできる、実用的な資格と言えます。
不登校とひきこもりには、共通する要素があります。ひきこもり問題を解決したい方は不登校訪問専門員の資格も取っておくと、よりスキルアップをすることができるでしょう。
ひきこもり支援相談士まとめ
ひきこもり支援相談士まとめ
- ひきこもり支援相談士の資格取得は講座受講のみで可能
- 身近のひきこもり問題を解決したい方におすすめ
- 必ずしも就職に結びつく資格ではないものの、社会問題に向き合いたい方はぜひ取得しておこう
- 資格は1年間のみ有効なので、更新を忘れずに
ひきこもりは外から見ることができないため問題が表面化しづらく、当事者は非常に苦しむことになります。
ひきこもり支援相談士の資格があれば、そうした人たちを救うことも可能になるでしょう。誰かの力になりたいと思ったら、ぜひひきこもり支援相談士の資格取得を検討してみてください。