心理カウンセラーは仕事ないって本当?収入・就職事情や今後の需要まで徹底解説!
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医師
安藤広真
「心理カウンセラーは取得しても仕事ない職業って本当?」
「心理カウンセラーは役に立たない資格なの?」
このように、せっかく心理カウンセラー資格を取得しようと思ったのに、心配になっている人はいませんか?
「仕事ない」と言われることがある心理カウンセラーですが、本当に需要がなく、取得しても役に立たない資格なのでしょうか?
この記事では、心理カウンセラーの実際の就職事情や給料事情などについて詳しく紹介していきます。心理カウンセラーの将来性も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
心理カウンセラーは仕事がないのかについてざっくり説明すると
- 求人数は多くないが働き方は多種多様
- 年収は職場や働き方によって異なるが200~500万円程度
- メンタルヘルスの重要性が見直されているため今後の需要は高まることが予想される
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心理カウンセラーの仕事がないって本当?
心理カウンセラーは、心の悩みを抱えている方やストレスに耐えられなくなった方から相談を受け、解決する手助けをします。
年々、カウンセリングを必要とする人は増えていて、2017年には「公認心理士」という国家資格も誕生しました。
しかし、長年国家資格がなかったために民間資格が乱立してしまったこともあり、職業としての社会的立場はまだ安定しているとはいえません。その結果「昔と違って仕事ない」と言われるようになってしまったのが現状です。
心理カウンセラーの求人は多くない
残念ながら、現状では心理カウンセラーの求人はあまり多くありません。あったとしても、正社員のような常勤の募集は少なく、非常勤やパートの募集であることがほとんどです。
心理カウンセラーとして非常勤で働く場合は、生計を立てるためにいくつかの職場を掛け持ちしているケースも多いです。
このように、安定した勤務形態で働ける人が少なく、収入に繋がりにくいことが「心理カウンセラーは仕事ない」と言われる所以のひとつです。
しかし、社会的なメンタルヘルスへの関心の高まりや政府の関連施策の推進などが進めば、将来的には心理カウンセラーの求人状況も改善し、より安定した職を求める人々にとっても、選択肢が広がる可能性があるでしょう。
日本ではカウンセリングの習慣が少ない
なぜ心理カウンセラーの需要が少ないかというと、日本ではまだまだカウンセリングの習慣が根付いていないことが挙げられます。
アメリカなどの諸外国では、ちょっとした悩みでもすぐに心理カウンセラーに相談する習慣があります。大きな悩みがなくても、セルフマネジメントの一環として日常的に心理カウンセラーに相談します。
一方で、日本では心のケアに関しては諸外国よりもかなり遅れていて、カウセリングを受けることにハードルが高いと感じている方が多いです。
心理カウンセラーは役に立たない資格でない
ここまで読んで「じゃあ、やはり心理カウンセラーは役に立たない資格なのでは?」と思うのは少し待ってください。
ここでは、心理カウンセラーの実際の働き方や就職先について紹介していきます。
心のケアの習慣が浸透しつつある
最近では、日本でも心のケアのためのカウンセリングという概念が浸透しつつあるため、心理カウンセラーの活躍の場も少しずつ広がっています。
実際に、心理カウンセラーに相談できる相談室を、企業や学校の中に設けることも増えています。
さらに、より気軽に利用できるように、オンラインでカウンセリングサービスを行っている企業や団体もあり、メールやZoomなどでも相談できるようになっています。
心理カウンセラーの働き方は多様
先述の通り、求人が少ない心理カウンセラーですが、心理カウンセラーについて大学院などで学んでいた場合は、学生時代の実習先や先生から声をかけてもらえる可能性があります。
また、公認心理師や臨床心理士の資格を持っていれば、スクールカウンセラーや民間企業での産業カウンセラーなどに応募ができるようになり、就職先の選択が増えます。
中には、まずは資格取得後にメンタルケアのボランティアやアルバイトなどで経験を積んでから独立開業する方もたくさんいます。
このような経験を積むことによって、自分の専門分野を深化させたり、クライアントとのコミュニケーション能力を高めたりすることが可能となり、将来的にはより幅広い分野での活動や独立開業にも強い基盤を築くことができるでしょう。
心理カウンセラーの就職先が幅広い
心理カウンセラーは、大きく分けて6つの領域で活躍しています。以下の表に、実際に心理カウンセラーが働く職場や仕事内容の一例をまとめました。
領域 | 職場 | 仕事内容 |
---|---|---|
医療 | 病院の精神科・心療内科 メンタルクリニック |
医師と連携しながら患者に心理テストや面接を行う |
福祉・公衆衛生 | 児童相談所 高齢者福祉施設 精神保健福祉センター |
児童相談所では「児童心理司」として、虐待やDVなどの悩みに対応する |
教育 | 学校 教育センター |
教育機関で生徒や保護者のカウンセリング、教員のサポートを行う |
産業 | 企業内の相談室 ハローワーク 健康管理センター |
対面・電話・メールなどでカウンセリングを行う |
司法 | 家庭裁判所 刑務所 少年鑑別所 少年院 |
カウンセリング業務をメインに行うが、法律の知識も必要 |
研究 | 専門学校や大学などの心理・臨床センター 民間企業の研究機関 |
学校での講義、大学付属の心理臨床センターでのカウンセラー業務、民間企業の研究機関での研究を行う |
SNSで悩みを相談する人が増えている
対面や電話では悩みを相談しにくい方のために、最近ではSNSでもカウンセリングが受けられるようになっています。利用者も増えていて、SNSでのカウンセリングに対応できる人材が求められています。
SNSでのカウンセリングを実現するために、一般社団法人 全国SNSカウンセリング協議会が「SNSカウンセラー」という認定登録制度を実施しています。
SNSカウンセラーになる条件
SNSカウンセラーに認定登録を目指すためには、以下のいずれかの資格を取得している必要があります。
- 公認心理師
- 認定心理カウンセラー
- プロフェッショナル心理カウンセラー
- 産業カウンセラー
- 臨床心理士
- ガイダンスカウンセラー・精神保健福祉士
- 社会福祉士
- キャリアコンサルタント
SNSカウンセラーに興味があるけど資格がないという場合は、まず上記の資格取得を目指しましょう。
心理カウンセラーの実際の給料事情
心理カウンセラーは職場や雇用形態だけでなく、経験年数によって年収の差が大きい職業で、年収200~500万円程度が目安です。正社員なら初任給20万円前後、非常勤なら受給1,000~1,500円から始まることが多いです。
先述の通り、正社員の募集は少ないため、非常勤だけで生計を立てるためには複数の職場を掛け持ちしなければいけない可能性があります。
しかし、中には非常勤として経験を積んでから独立開業して成功し、年収1,000万円を超えている方もいます。一例ですが、職場による年収の相場は以下の表を参考にしてください。
職場 | 年収の相場 |
---|---|
病院・クリニック | 400万円台程度 |
産業カウンセラー | 300~400万円程度 |
スクールカウンセラー | 200~500万円程度 |
心理カウンセラーの将来性
ここまで、心理カウンセラーの実情に目を向けてきましたが、将来性はあるのでしょうか?
信頼を得るために資格を取得しよう
実は、心理カウンセラーは資格を持っていなくても名乗れますし、実際に働いたり、カウンセリングルームを開いたりしても違法ではありません。しかし、活躍の場を広げるためには、資格を取得することを強くおすすめします。
心理学の知識や実務経験が大切
心理カウンセラーは資格がなくても働けますが、悩みがあって相談したい側からすると、資格も経験もないカウンセラーに相談するのは非常に不安を抱きます。
資格がない場合は、まずは民間スクールでしっかり学んで資格を取得しましょう。そして、資格取得後にボランティアなどで実務経験を積むことで、心理カウンセラーとして活躍できる道が広がります。
資格がないと難しいカウンセリング業務も
心理カウンセラーの求人はもともと少ないため、求人の際に有資格者や経験者などが条件になっていることも少なくありません。
中には資格がなくても雇ってくれるところもありますが、カウンセリング業務には付けない可能性が高いのです。
心理カウンセラーの需要は高まる
心のケアに関して諸外国に対して遅れを取っている日本ですが、昨今はメンタルヘルスの重要性が高まっていて、自治体やNPOなどの相談窓口には、実際に多くの相談が寄せられています。
今後さらに窓口や相談所が増えて、相談するきっかけが増えることで、カウンセリングを受けるハードルが下がり、心理カウンセラーの仕事も増えていくことが予想されます。
この動向は、心理カウンセラーへのニーズの増加だけでなく、精神保健の向上にも寄与するものであり、社会全体のメンタルヘルスへの理解と関心の高まりを反映しています。従って、今後の教育や研修の充実も求められるでしょう。
心理カウンセラーは目指すべき職業なのか
心理カウンセラーの求人が十分にないのが現状ですが、昨今はSNSを始めとするオンラインを中心に利用する人が増えています。
日本はまだまだ心のケアに関して遅れがあるものの、少しずつ重要性が見直され、一般的にも認知され始めています。今後はますます需要が高まっていくことが予想されます。
このようにカウンセリングの利用者が増えれば、当然、心理カウンセラーの需要も高まるでしょう。心理カウンセラーは、今から目指す価値が十分にある職業だといえます。
心理カウンセラーになる方法
臨床心理士や公認心理師は大学院の指定科目を履修してから試験に合格しなければいけないため、非常にハードルが高いです。
しかし、心理カウンセラー資格には民間資格も多くあり、通信講座でも必要な知識を学べるものもあります。
ただし、心理カウンセラーの資格は20種類以上あり、通信講座も40以上開講しています。
以下のページでは心理カウンセラーが学べる講座を紹介していますので、それぞれの講座の特徴を知って、もっとも自分に合っているものを選びましょう。
心理カウンセラーは仕事がないのかまとめ
心理カウンセラーの需要まとめ
- 心理カウンセラーの求人は少ないのが現状
- 心のケア習慣は浸透しつつあり、今後はさらに心理カウンセラーの需要は増えると予想される
- 資格を取得することで活躍の場が広がる
心理カウンセラーの求人は多くなく、正社員のように安定して働けることも少ないです。しかし今後さらに心のケアが必要になると考えられることから、心理カウンセラーの需要も増えることが見込まれます。
また、資格を取得することで、活躍できる場所が増え、選択肢が広がります。今後、心理カウンセラーとして活躍したいなら、ぜひ資格取得を目指しましょう。