技術士のおすすめ勉強方法とは?勉強時間から一次・二次試験の対策法まで解説!
「技術士で一番良い勉強方法って何?」
「技術士を目指そうと思ったら勉強時間はどれくらい必要なの?」
技術士の資格取得を目指して勉強しようとしている人、すでに勉強を始めている人の中には、このような疑問を感じている人もいるでしょう。
結論から申し上げると、勉強方法も勉強時間もその人の生活スタイルによって大きく変わるというのが現実です。ですが、モデルケースになるような勉強方法や、大まかな勉強時間は知りたいところです。
そこで、一般的にどんな勉強方法がベストなのか、必要な勉強時間はだいたいどれくらいなのかについてご紹介します。
この記事を読めば、自分の勉強スタイルを見つけることができるでしょう。
技術士おすすめの勉強方法についてざっくり説明すると
- 技術士の勉強方法は1次・2次試験それぞれの対策法を抑えることが大切
- 技術士の資格取得に必要な勉強時間は2000時間
- 技術士試験の難易度はとても高い
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技術士の勉強法の基本
技術士試験に合格するための勉強方法には、どういうものがあるのでしょうか?まずは、基本的な勉強方法を押さえておく必要があります。
そこで、まず技術士試験で押さえておきたい内容やポイントについて解説します。
一次・二次試験の内容を押さえよう
技術士試験は1次試験と2次試験の二つに分かれており、2次試験には1次試験に合格した人だけ受験することができます。そのため、まず最初に押さえておかなければならないのは、1次試験の内容です。
1次試験では、基礎・適正・発展の3科目を受験します。試験形式は択一式で大学程度の内容レベルです。在学中に1次試験を受験して合格する人もいます。
修習技術者になった人は、一定の実務経験を積むと二次試験を受験することができます。
2次試験は論文と口頭試験です。1次試験では知識力が問われますが、2次試験では課題解決能力やリーダーシップ性などが重視されます。どれくらい柔軟性があるかが問われているのです。
学習の際に必ず押さえておきたいポイント
具体的な勉強方法は、各試験ごとに大きく異なるというのが結論です。各試験ごとで、出題内容や重要なポイントが異なるからです。
一言で「技術士試験」と言っても、全部で20部門あります。それぞれに対応した試験が行なわれるため、当然勉強方法も異なるということを押さえておく必要があります。
自分がどの部門の技術士試験を受けるのか確認した上で、科目ごとに個別の勉強方法や対策を立てましょう。
技術士試験の難易度は非常に高い
技術士試験の難易度は非常に高く、科学技術系では最難関と言われています。
1次試験の合格率は50%前後です。受験者の中の半分くらいは合格しているので、難易度はあまり高くないと言えるかもしれません。ですが、年度ごとで合格率はぶれるので、50%以下の合格率になる年もあります。
一方の2次試験の合格率はわずか10%前後です。10%という低い数字を見ただけでも合格率が大変低いことがわかります。
また、2次試験は1次試験合格者しか受験することができません。それらも考慮に入れると、難易度は大変高いと言えます。
1次試験と2次試験の合格率に大きな開きがあるのは、2次試験の受験者は経験を積んだプロだからです。1次試験は在学中の学生も受験しますが、2次試験の受験者は実務経験のある人たちばかりです。
2次試験は実務経験のあるプロの人たちが受験しても、9割近くが落とされています。よって、大変難易度の高い試験であることは明白です。
仕事との両立が合格率の低い原因
2次試験の合格率が極端に低い原因の一つに、仕事と両立して勉強している人が多いからというのが挙げられます。
実際にプロとして働いている人は、当然日中は仕事をしています。その合間を縫って論文試験の対策を行なわなければいけません。学生と違って勉強する時間が充分確保できるわけではないので、負担は大きくなります。
仕事をしながら長期計画を立てて取り組むことは大変困難で、モチベーションも下がってしまいます。また、試験前日まで仕事をしているという人も一定数います。
論文試験までの対策が充分できず、試験に応募はしたけれど受験を断念する、という人も多くいるのが現状です。
勉強時間は1100~2000時間
技術士試験に必要な勉強時間は、一般的には1100~2000時間と言われています。ですが、実際には仕事と両立させて勉強している人が多く、その場合はより多くの勉強時間が必要になります。
技術士試験で扱う範囲は大変広いという特徴があります。そのため、時間を掛ければかけるほど、最初に学んだことを忘れてしまうということが多発します。すると、また最初に戻って勉強をし直す必要が出てきます。
よって、時間をかけすぎずに短時間で質の高い勉強を行うことを心がけることが大切です。
合格基準は各試験で設けられている
技術士試験の合格基準は、各科目の試験でそれぞれ設けられています。それらすべての科目で設けられている合格基準をすべてクリアしていかなければ、合格にはなりません。
1次試験では、それぞれの科目の合格基準が50%以上と設定されています。1次試験は3科目ありますが、3科目それぞれで50%以上の合格基準をクリアしなければならないのです。
また、2次試験には論文試験と口頭試験がありますが、どちらもそれぞれ60%以上という合格基準があります。論文試験でも60%以上、口頭試験でも60%以上の合格基準をクリアしなければいけません。
苦手科目を作ってしまうと、その科目だけ合格基準に満たなかったために試験に合格できないという事態に陥ってしまいます。すべての試験をまんべんなく勉強する必要があると言えます。
一次試験が免除される場合もある
技術士試験の1次試験には、免除制度が設けられています。ある一定の条件を満たせば、1科目もしくは全科目が免除されます。
1次試験が免除される場合の条件についてご紹介します。
JABEE認定コース修了者は一次試験免除
JABEE認定コースの修了者は、「大学などの教育機関の過程であって科学技術に関するもののうち、その修了が1次試験合格と同等であると、文部科学大臣が指定したもの」のことを指します。
このコースを修了することで修習技術者として扱われ、1次試験が全面的に免除されます。
将来の進路として技術士も視野に入れている人は、JABEE認定コースとして選ばれている高専や大学を選択することも一つの方法です。
その他資格を既に持っている場合は一部免除
1次試験の一部が免除される場合もあります。その条件は、その他の資格をすでに持っている場合です。
具体的な内容としては、情報処理技術試験の中でも高度試験または情報処理安全確保支援士の試験に合格している人は、情報工学部門の専門科目が免除されます。
また、中小企業診断士に登録済みの人は、経営工学部門の専門科目が免除されます。
技術士を目指す際の勉強方法のポイント
技術士を目指すための勉強方法として、まずは試験全般に言える大切なポイントがあります。まずはそのポイントをご紹介します。
第三者に添削してもらおう
技術士試験で合格を目指すには、第三者に添削してもらうことが大切です。理由は、自分では客観的な判断ができないからです。特に論文問題の添削には客観的な判断が必要不可欠です。
講座を利用するのなら、講師に論文問題の添削をしてもらいましょう。重要なポイントなども教えてもらうことができるので、合格基準までレベルを上げることができます。
学習スケジュールを大切にする
技術士試験の受験者の多くは、勉強と仕事を両立させる必要があることから、勉強は数年の長期間にわたります。
よって、学習スケジュールを立てて長期間の勉強の中でもモチベーションを維持するような工夫が必要になってきます。
注意点としては、だらだらとした計画を立ててしまうと途中で挫折してしまいやすいということです。
メリハリのある勉強計画を立ててモチベーションを保ちながら勉強を進められるようにしましょう。
通信講座を利用する場合は、すでに学習カリキュラムが決まっています。着実に勉強を進めることができるので、おすすめです。
過去問は10年分程度解きたい
技術士試験勉強をするうえで、過去の問題の傾向をしっかりと押さえておくことが重要です。
10年分ほど解くと問題の傾向もつかめてきて、問題に慣れてくるので非常におすすめです。
特に、1次試験の過去問は、何度も解いておきましょう。間違えた問題やわからなかった問題はもちろん、わかっている問題についても時間をおいて繰り返し説くことが大切です。問題に解き慣れておくことで、合格に近づきます。
一次試験のおすすめ勉強法
1次試験は免除される場合もありますが、ほとんどの人にとっては最初の難関と言えます。合格しなければ2次試験に進むことができないからです。
1次試験を合格するために必要な勉強時間は、200時間程度と言われています。3つの科目についてまんべんなく勉強する必要があります。
そこで、具体的な1次試験の勉強方法について解説します。
基礎科目は重要ポイントを頭に入れることが大切
基礎科目は、5分野から各6問ずつ出題されます。
基礎科目は出題範囲が広いという難点があり、わからない点を順番に潰していると、時間だけが過ぎてしまうということも起こりえます。
よって、一番良い勉強方法は、1冊の参考書を何周かして内容をざっくりとさらうことです。すると、重要なポイントが頭に入ってきます。
その後で過去問を解き、わからない点や苦手な部分を潰していくと、効率よく勉強を進めることができます。
過去問は公式HPで無料公開されているので、そちらも使いながら勉強を進めていくことがおすすめです。
適性科目もおろそかにせず対策をする
適正科目は、技術士補として適切な考え方や行動ができるかどうか、ということをチェックする科目です。2次試験でも重視されるので、疎かにできません。
試験内容は、技術士法・倫理規定・企業責任・個人情報保護・知的財産権などのように出題範囲は決まっています。1冊の参考書を何周もして中身をインプットすれば十分対応できるでしょう。
勉強量が少ないことで足元をすくわれることもあるので、必ず技術士としての倫理観は何かを考えながら内容を勉強していく必要があるでしょう。
発展科目は重要科目であることを意識
発展科目は、配点が他の科目に比べて3倍以上であり、解答時間も2倍儲けられています。それだけ重要な科目であるということです。
発展科目の出題内容は、選択する技術部門によって異なります。それぞれの部門に対応した参考書を購入し、理解を深めましょう。理解が深まったら過去問に取り組んで、問題に慣れることが重要です。
発展科目の過去問は、公式で無料公開されています。ですが、具体的な解説はついていないので、注意してください。
一次試験を勉強するに当たってのポイント
1次試験を合格するために特に重要なポイントがあります。そのポイントをご紹介しますので、合わせて参考にしてください。
とにかく過去問で問題に慣れる
1次試験の合格率を上げるには、本番形式に慣れることです。どれだけ勉強して知識を深めていても、本番形式に慣れていなければパニック状態になってしまい、わかっている問題もわからなくなります。
また、1次試験では過去問から多く出題されます。出題形式も過去問と大変似ているため、過去問を何度も解いて慣れておきましょう。出題傾向も把握できるため、合格率を引き上げることができます。
苦手分野を潰していく
1次試験はそれぞれの科目で合格基準が決められています。1科目でも合格基準に満たなければ、1次試験は合格できません。よって苦手分野を作ってしまうと、かなり不利と言えるでしょう。
過去問を解いていて間違えた問題や不安な問題は、解説や解き方などを別のノートにまとめておきましょう。隙間時間に何度も見直して復習することができます。
また、一度解けた問題も時間をおいて繰り返し解くことをおすすめします。すべての知識をまんべんなく確実に定着させることで、合格率が上がります。
試験本番では自信のある問題から撃破すべし
1次試験の合格基準は、各科目50%以上です。これは言い換えるなら、各科目で半分以上解くことができれば合格できるということです。
これらの事実を踏まえた上で自信のある問題から解いていきましょう。確実に解けそうな問題から効率よく解いていくことで、合格に近づけることが容易になります。
二次試験のおすすめ勉強法
2次試験は論文試験と口頭試験に分かれています。1次試験では知力が問われますが、2次試験は問題解決能力やリーダーシップ性などが重視されます。
なお、2次試験に必要な勉強時間は人によって異なります。少ない人なら600時間程度で充分という人もいます。ただ、仕事と両立させている人や論文形式が苦手な人は、もっと時間が必要になります。
論文試験の場合
まずは論文試験から見ていきましょう。
論文試験合格のポイントは…
- 頻出ワードをチェックする
- 論理構造を明確にする
- 一般論に終始しない
- 過去問に繰り返し取り組む
- 客観的な添削を受ける
頻出ワードをチェックする
論文試験で一番のおすすめは、過去問を参照にしながら頻出ワードをチェックするという勉強方法です。
チェックしたワードは、ただ単に覚えるだけでは不十分です。試験でどのような問われ方をしているのかに注目しましょう。多くの場合は定義などが問われますから、理解を深めることも重要です。
論文試験の出題内容は、社会の状況に左右されます。そのため、過去問ばかりに集中していると、勉強していなかったことが問われる可能性も高くあります。
最新の白書も確認し、取り上げられそうなテーマのチェックもしておきましょう。
論理構造を明確にする
論文試験では、採点官に内容が伝わるように書く必要があります。採点官が疑問に感じるような文章にしてしまうと、合格は難しくなるでしょう。
自分が書いている内容をしっかり伝えるには、論理構造を明確にすることが重要です。
論理構造を明確にして伝わりやすい文章にするには、アウトラインをしっかり構成し、書き進めていくことが重要です。
しかし、これをはじめから作るのは難しいです。よって、まずはアウトライン作りを重点的に練習すると良いでしょう。その上で、内容の肉付け練習をすると慣れていきます。
一般論に終始しない
論文試験は、受験者がプロという視点から問題解決にどのように取り組むかという点を見る試験でもあります。そのため、一般論に終始してしまうのは良くありません。
どのような技術を使って具体的にどんな風に課題に取り組むかを記述することが重要です。
採点官は専門知識を有している人たちばかりですから、専門用語も盛り込んで具体性を持たせることで内容を納得してもらいやすいでしょう。
過去問に繰り返し取り組む
論文試験は1次試験と同じように、実際に解いてみて問題の感触を掴むことが重要です。問題に解き慣れる必要があるということです。そのためには、過去問に取り組むことがおすすめです。
ただし、あまり昔の過去問を使うと技術面で古いというデメリットが生じます。5年分を目安にして、繰り返し取り組みましょう。
更に白書なども読んでおくと、過去問を解くだけよりも効率的に知識をインプットできるでしょう。
客観的な添削を受ける
論文は、自分ではわかりやすく書いたつもりでも実際にはそうでないことが多々あります。他者の視点は他者の視点からしか確認できません。
講座などを活用し、自分以外の第三者から添削を受けましょう。すると、説明できていない要素などが明確になり、質の高い論文を書くことができるようになります。
口頭試験の場合
次に口頭試験を見ていきます。
口頭試験合格のポイントは…
- 業務経歴票をしっかり作り込む
- 適格性に関する質問の対策をする
業務経歴票を練り上げる
口頭試験では、業務経歴票をもとに試験が進められます。技術士としてふさわしい経歴票でなければ、合格まで行き着くことは難しくなります。
技術士として課題解決に取り組んだ経験などを整理しておきましょう。そのうえで、口頭試験ではしっかり説明できるように練習しておくことも大切です。
適格性を問われる質問を徹底対策する
口頭試験では、技術士倫理と制度認識などに関する質問が半分を占めます。
技術士としての知識や理解が充分あるかどうか問われる問題なので、自分の言葉でしっかり説明できなければいけません。3義務2責務などの基礎的な知識はしっかり理解しておきましょう。
これらの分野は質問が想定しやすいので、対策を立てやすいでしょう。基礎知識を自分の中に定着しておけば対策はできますから、徹底的に行ないましょう。
独学で技術士になるのは極めて困難
独学で技術士になるのは、極めて困難です。理由として合格までに膨大な量の知識を勉強しなければならないからです。
必要とされる知識量が増えると、勉強時間も比例して長くなり、モチベーションを高く保つことも困難になっていきます。
長期間しっかりしたスケジュール管理を行ない、勉強を進めていくことは難しいでしょう。
また、論文試験対策では、客観的な判断や視点が必要です。しかし、自分の論文を客観的に見ることは想像以上に難しいため、厳しい戦いになります。
これらの理由から独学での勉強は困難であるといえるでしょう。もし独学で挑む際には相当の覚悟を持ったうえで勉強を始める必要があります
通信講座での学習がおすすめ
技術士は上で述べたように独学での学習が極めて難しいので、通信講座を使って学習を進めることをおすすめします。
内容説明のわかりやすさや、鬼門である2次試験の論文対策も万全に行ってくれるので、効果的に実力を身につけることができるでしょう。
特に2次試験は仕事と両立しながら勉強を行う人がたくさんいることから、スタディングの技術士講座を使って勉強を進めることをおすすめします。
この講座は2次試験対策に特化した講座となっており、最大の特徴は忙しい人でも勉強しやすいようスマホ学習を充実させている点にあります。
講義動画の視聴から問題演習までスマホ1つでばっちりなので、忙しい人でも勉強を効果的に進めることができます。
また独学では難しかった添削の機会も豊富に設けていることから、論文対策を含めた2次試験対策はこの講座でばっちりであるといえるでしょう。
ぜひスタディングの技術士講座を受講して、2次試験を突破してください!
技術士おすすめの勉強方法についてまとめ
技術士おすすめの勉強方法についてまとめ
- 技術士試験はそれぞれの科目で合格基準が設けられている
- 技術士の1次試験では過去問に慣れることが重要
- 技術士の2次試験は第三者からの客観的な視点が必要になる
技術士の勉強方法について解説してきました。技術士試験は1次試験も2次試験もどちらも決して簡単ではありません。ですが、しっかりスケジュール管理をして試験対策を行なえば、充分合格を狙える資格でもあります。
1次試験にも2次試験にもそれぞれ合格に近づけるための対策や勉強方法がありますから、それらを知ってぜひ技術士を目指してください。