技術士二次試験の対策ってどうしたらいい?部門別の合格率から対策方法まで解説!

更新日時 2020/06/26

技術士は五大国家資格の一つで、科学技術系の国家資格では最高峰の資格です。

この資格取得を目指す人のなかには、

「技術士二次試験の対策ってどうしたらいい?」

といった疑問を抱える人は多いようです。

そうした疑問にこたえるため、ここでは技術士二次試験の対策法について解説します

技術士二次試験の対策をざっくり説明すると

  • 受験資格に定められた実務経験を得よう
  • 記述試験と口頭試験で異なる対策をする
  • 過去問だけではなく選択した部門の関係省庁の白書を利用する
  • 専門知識よりも資質能力(コンピテンシ―)のレベルアップに努める

技術士の二次試験の概要

プラン 技術士の二次試験は、下表のような概要で実施されます。

項 目 内 容
受験資格 技術士補になる資格を有し、かつ受験申込を行う時点で
実務経験についての基準を満たしている者
試験科目 21の技術部門とも必須科目および選択科目(一部の者は免除)
試験方法 筆記試験および口頭試験(筆記試験に合格した者のみ)
試験形式 筆記試験および筆記試験合格者への口頭試験
試験日時 ・筆記試験:7月・口頭試験:11月
試験会場 筆記試験:北海道~沖縄までの12会場(受験者は選択した試験地において受験)
口頭試験:東京会場のみ
合格基準 満点の60%以上の得点

二次試験は2回に分かれる

技術士の二次試験を構成しているのは「筆記試験」と「口頭試験」の2種類で、まず全受験者を対象に筆記試験が実施されます。

この筆記試験においてそれぞれの科目の点数が満点の60%以上であれば合格ですが、1つでも60%未満の科目があれば不合格です。

口頭試験は、筆記試験に合格した受験者だけを対象に、筆記試験実施の数カ月後に東京会場で実施されます。

この口頭試験の合格基準も満点の60%以上ですから、それを満たさなければ不合格です。

受験資格を得るには実務経験が必要

技術士二次試験の「受験資格」には、下記のとおり実務経験が設定されており、これを満たした者だけが受験できます。

受験資格:受験申込み時点で、下記AおよびBの要件を同時に満たしていることが必要です。

A:一次試験合格もしくはJABEE課程修了者

B:下記①~③のうち、いずれかの実務経験を有していること

  1. 技術士補に登録後、指導技術士の下で実務経験4年(総監部門は7年)
  2. 監督者の指導の下で実務修習プログラム4年(総監部門は7年)
  3. 修習技術者として実務経験7年(総監部門は10年)

試験科目とその形式

二次試験は「筆記」と「口頭」の2種類の試験で構成され、筆記試験は「選択科目」と「必須科目」の2科目があります。

ただし、試験形式は「総監以外の部門」と「総監部門」で異なっており、総監以外の部門では平成31年度からすべて記述式です。

この記事では、「筆記試験」と「口頭試験」に分け、科目・出題数・試験時間・配点などの試験の形式について解説します。

筆記試験の形式

筆記試験には選択科目と必須科目があり、試験の形式は「総監以外の部門」と「総監部門」で次のように異なります。

総監以外の部門

問題の種類 出題数 試験時間 配点
必須科目:全部門の知識・問題解決能力や応用能力などを問う 1 2時間 40
選択科目Ⅰ:選択部門の専門知識と応用能力を問う 3 Ⅰ・Ⅱで 30
選択科目Ⅱ:選択部門の問題解決力と課題遂行力を問う 1 3時間半 30

総監部門

問題の種類 出題数 試験時間 配点
必須科目:択一式問題:総監部門の専門知識を問う 40 2時間 50
必須科目:記述式問題:総監部門の課題解決能力と応用力を問う 1 3時間半 50
選択科目:総監以外の部門の選択科目(併願以外の人は免除) 6時間 100

口頭試験の形式

試問事項・試験時間などの試験形式は、次のとおりです。

総監以外の部門

試問事項 試問時間
技術士としての実務能力および技術士としての適格性 20分(延長の場合は10分程度)

総監部門

試問事項 試問時間
1.総監部門に関する専門知識、応用能力、実務能力 20分(延長の場合は10分程度)
2.技術士としての適格性

技術士二次試験の試験内容

テスト 筆記試験も口頭試験も、「技術士に求められる資質能力(コンピテンシ―)の有無を判定する」のが二次試験です。

技術士に求められる資質能力とは、以下の8項目をいいます。

  • 資質能力(コンピテンシ―)
  1. 専門的学識|
  2. 問題解決
  3. マネジメント
  4. 評価
  5. コミュニケーション
  6. リーダーシップ
  7. 技術者倫理
  8. 継続研鑽

資質能力は、技術士資格が国際的通用性を確保するために、国際エンジニアリング連合(IEA)が定めている「技術士に求められる資質能力」を念頭に置いて策定されたものです。

この資質能力は、日本技術士会が「平成31年度・技術士試験の概要」で発表したもので、『評価項目』として示されました。

2019年度の技術士二次試験で、各試験科目において「この問題は、技術士に求められるどの資質能力の有無を判定するのか」を「評価項目」として明らかにしたのです。

今後、二次試験では、この資質能力の有無で合否が判定されます。

令和元年の技術士二次試験での試験科目と資質能力の関係は、下表のとおりです。

資質能力(評価項目) 必須科目 選択科目Ⅰ 選択科目Ⅱ 選択科目Ⅲ 口頭試験
①専門的学識
②問題解決
③マネジメント
④評価
⑤コミュニケーション
⑥リーダーシップ
⑦技術者倫理
⑧継続研鑽

筆記試験で問われる内容

技術士の筆記試験は総監以外の部門には「必須科目」と「選択科目」、総監部門の「必須科目」には「択一式問題」と「記述式問題」が出題されます。

筆記試験の内容は、資質能力の専門的学識・問題解決・評価・コミュニケーション・技術者倫理の有無を判定するものです。

総監以外の部門の筆記試験はすべて記述式で、全部で4つの論文を作成しなければなりません。

この記述式問題の内容は、資質能力の専門的学識・問題解決・評価・マネジメント・コミュニケーション・リーダーシップの有無を判定するものです。

口頭試験で問われる内容

口頭試験は筆記試験合格者だけを対象にした試験で、専門知識の有無を確認するものではありません。

実務での応用能力や人柄など技術士の適性を判定することに主眼が置かれており、筆記試験における記述問題の答案や業務経歴を踏まえて試問されます。

口頭試験で判定されるのは専門的学識、問題解決以外の6つの資質能力です。

ですから、筆記試験がいくら高得点であっても、コミュニケーションやリーダーシップコなどの資質能力がなければ合格できません。

試験時間は20分程度で、その内の約10分間は、受験申込みの際に提出した「業務経歴と業務の詳細」に関した質問を受けます。

二次試験の難易度は高い

階段 技術士資格は弁護士、公認会計士、弁理士、不動産鑑定士とあわせて五大国家資格と言われており、科学技術系国家資格の最高峰の資格とも言われています。

技術士二次試験の「偏差値は70前後」であり「難易度は超難関」と言えるでしょう。

二次試験の合格率は10%前後

次の表は技術士試験の申込者数・合格者数・合格率の推移を示しています。

年度 申込者数 受験者数 合格者数 対申込者合格率 対受験者合格率
2015年 30,823人 24,878人 3,649人 11.8% 14.7%
2016年 31,635人 25,032人 3,648人 11.5% 14.6%
2017年 32,947人 26,253人 3,501人 10.6% 13.3%
2018年 32,744人 25,914人 2,355人 7.2% 9.1%
2019年 30,690人 24,326人 2,819人 9.2% 11.6%

実務経験のある技術者が受験した合格率が10~15%ですから、二次試験はかなりの難関であることが分かります。

部門別の合格率

令和元年の技術士二次試験の部門別合格率は次表のとおりです。

技術部門 受験者数 合格者数 合格率
機械 980人 190人 19.4%
船舶・海洋 10人 3人 30.0%
航空・宇宙 57人 8人 14.0%
電気電子 1,229人 150人 12.2%
化学 135人 29人 21.5%
繊維 39人 8人 20.5%
金属 76人 25人 32.9%
資源工学 21人 5人 23.8%
建設 13,546人 1,278人 9.4%
上下水道 1,446人 173人 12.0%
衛生工学 558人 45人 8.1%
農業 796人 86人 10.8%
森林 266人 57人 21.4%
水産 126人 19人 15.1%
経営工学 258人 36人 14.0%
情報工学 408人 30人 7.4%
応用理学 576人 82人 14.2%
生物工学 38人 10人 26.3%
環境 493人 78人 15.8%
原子力・放射線 88人 17人 19.3%
総合技術監理 3,180人 490人 15.4%
全21部門合計 24,326人 2,819人 11.6%

受験者数24,000人のうち13,000人近くが建設部門ですから、技術士資格は建設業界で特に求められていると言えるようです。

合否基準

技術士二次試験の合格基準は各科目とも「満点の60%以上の得点」となっています。

具体的には下表のとおりです。

筆記試験の合格基準

総監以外の部門

科目 満点 合格基準
必須科目 40点 24点以上
選択科目Ⅰ・Ⅱ 各30点 各18点以上

総監部門

科目 満点 合格基準
必須科目 各50点 各30点以上
選択科目Ⅰ・Ⅱ 100点 60点以上

口頭試験

総監以外の部門

評価項目 満点 合格基準
①コミュニケーション・リーダーシップ ①②30点 ①②18点以上
②評価、マネジメント
③技術者倫理 ③④20点 ③④12点以上
④継続研鑽

総監部門

評価項目 満点 合格基準
①体系的専門知識 40点 24点以上
②経歴および応用能力 60点 36点以上

二次試験と一次試験どっちが難しい?

技術士試験の一次と二次の難易度は、次の理由で二次試験の方が圧倒的に難しいと言えます。

  • 一次試験は誰でも受験できるが、二次試験には「実務経験」などの受験資格が設定されている
  • 令和元年の一次試験合格率51.4%に対し、二次試験合格率は11.6%
  • 二次試験の記述式試験では、物事を論理的に文章で説明できることが求められる
  • 一次試験は専門知識や技能が中心ですが、二次試験では、エンジニアとしての資質能力が求められる

このように、一次試験と二次試験の難易度には大きな差があると言えるでしょう。

二次試験に向けた勉強のポイント

ASK 技術士二次試験に向けた勉強のポイントは、筆記試験と口頭試験で異なる対策を講じることです。

この記事では、筆記試験と口頭試験向けの勉強のポイントについて解説します。

論理的に記述できるように訓練しよう!

筆記試験の記述式問題は、受験者の考えが採点官に伝わるよう論理的に文章化することが必要です。思いつくままに書いただけでは合格は望めません。

受験者の多くは「文章を書きながら論文の構成を考える」ようですが、論文は構成を考えてから文章を書くことが必要です。

論文の構成を考える際の重要なポイントは、骨子を明確にすることにあります。

たとえば、問題に対する方策を立て、それによる効果や技術的な課題、課題解決の技術的提案、提案の注意点やリスクと、順序立てて構成を決めるのです。

論文の構成が順序だっていて読みやすい文章、つまり論理的に記述された論文であれば、受験者の考えは正確に採点官に伝わります。

なお、独学では論理的に記述された文章かどうかか客観的に判断できないので、通信講座などで第三者に添削してもらうことが重要になってくるでしょう。

白書も活用しよう!

筆記試験の対策として、選択した部門の関係省庁の白書を読むことは必須と言われています。

白書を読む目的は、細かい数値を覚えたり確認したりするためではなく「論文作成に必要な情報収集のため」です。

とくに白書の「はじめに」に書かれていることは、論文のロジックを構築するときや骨子を明確にする際の貴重な情報と言えます。

具体的には、よく分からなくてもまず過去問を解き、自分なりの考えをまとめて解答を書くことからはじめることです。その後で白書を読めば、どの情報を白書から収集すべきかが分かります。

白書を読む際には、いま何が「問題」になっているのかを把握し、何が課題でそれを改善するにはどうしなければならないのかを考えなければなりません。

なお、論文の構成を考える際の重要なポイントは、問題に対する方策・その効果や技術的な課題・課題解決の技術的提案・提案のリスクや注意点、と順序立てて考えることです。

過去問だけでなく通信講座も活用しよう!

技術士の二次試験は、長期間の受験勉強を継続できる自己管理ができる人であれば、独学での合格は不可能ではありません。

しかし、技術士二次試験の論文試験・口頭試験は、独学でのレベルアップが極めて難しい形式の試験です

また、論文などは、過去問を解くだけでは答案が合格水準にあるかどうかの判断を自分ではくだせないという問題もあります。

そのため、予備校や通信講座を利用して試験対策を行うことがおすすめと言えるでしょう。

通信講座などは費用がかかりますが、そのことが勉強する上でのモチベーションにつながることもあります。

技術士の二次試験対策は非常に難易度が高いので、特別な事情がなければ通信講座の受講して効率よく学ぶのが良いでしょう。

スマホ学習ができるスタディングがおすすめ

技術士の二次試験対策を行う場合は、スタディングの技術士講座がおすすめです。

スタディングであれば添削による論文対策から口頭試験対策まで、二次試験突破に費用な要素を全て取り揃えることが可能です。

さらにスマホ学習機能も業界随一なので、通勤時間などの日々のスキマ時間を生かして効率的に勉強が進められるのも魅力的です。

講座費用もリーズナブルな大人気講座なので、技術士試験の対策をされる方は必ずチェックしておきましょう!

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技術士の試験日程・会場・申込方法

作戦のボード

最後に、技術士試験の日程や会場等を確認しておきましょう。

特に2020年以降は自粛期間の影響を受ける可能性があるので、日程のチェックは定期的に行いましょう。

日程の概要

令和2年度技術士二次試験における各種日程は、次表のとおりです。

なお、2020度試験については変更される可能性がありますので、常に最新情報を確認するようにしましょう。

項目 日程
受験申込書配布日 令和2年4月1日~4月20日
受験申込受付日 令和2年4月6日~4月20日
令和元年度一次試験再試験合格者は5月8日必着
筆記試験日 総監部門を除く技術部門 令和2年7月12日
総監部門の必須科目 令和2年7月11日
総監部門の選択科目 令和2年7月12日
合格発表日 令和2年10月27日
口頭試験日 令和2年11月27日~令和3年1月17日
合格発表日 令和3年3月5日

申し込み方法

技術士二次試験への受験を申し込む際の手順は次のとおりです。

  1. 「受験申込み案内セット」「技術士二次試験受験申込書」を日本技術士会のホームページからダウンロード※
  2. 「受験申込み案内」「受験申込書様式入力要領」を読んでから受験申込書を作成
  3. 受験申込書作成後、「受験申込書と実務経験証明書」をA4の用紙に片面印刷
  4. 受験申込書などを送付する前に、1技術部門につき14,000円の受験手数料を納付
  5. 片面印刷した「受験申込書および実務経験証明書」と必要な添付書類などを同封したものを、簡易書留で郵送して提出

※「実務経験証明書」は受験申込書のなかに含まれている。

※受験資格要件の経路で様式が異なるので、該当する様式を使用

実施場所

技術士二次試験の実施場所(試験地と試験会場)は筆記試験と口頭試験で異なり、次のとおりです。

  • 筆記試験

試験地は次の12都道府県のうち、受験者があらかじめ選択した試験地です。

北海道・宮城県・東京都・神奈川県・新潟県・石川県・愛知県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県

  • 口頭試験

試験地は東京都だけに限定されており、試験会場は筆記試験合格者に通知されます。

技術士二次試験の対策まとめ

技術士二次試験の対策法まとめ

  • 受験資格に定められた3コースのいずれかの実務経験を積むこと
  • 実務経験中に、不足する資質能力のレベルアップを図ろう
  • 過去問だけではなく選択した部門の関係省庁の白書も使う
  • 記述式問題は構成を考えてから書く訓練を続ける
  • 口頭試験は想定される質問での練習をする
  • 記述式問題や口頭試験の対策は、予備校や通信講座による添削指導がおすすめ

技術士二次試験の対策についてさまざまな事項を解説してきました。

技術士二次試験は、難易度が高く実務経験も求められる試験です。

しかし、試験科目ごとのしっかりとした対策ができれば、決して取得が不可能な資格ではありません。

ぜひあなたも、科学技術系の最高峰の国家資格に挑戦してください!

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