【2024最新】日本国内のMBAランキング|評価基準や大学院の選び方まで解説
「日本国内のMBAランキングが知りたい!」
「ランキングの評価基準は?大学院はどうやって選べば良い?」
などとお考えの方もいるでしょう。
アメリカやヨーロッパのMBAスクールに関しては、様々な評価機関が独自のランキングを公表していますが、日本国内のビジネススクールを順位付けしたものもあります。
今回はそんな日本国内のMBAランキングを、各ランキングの評価基準や大学院の選び方など共に紹介します。
国内MBAを取得したいものの、なかなか大学院を選べずにいるという方は、この記事を参考に、ご自身にぴったりのところを見つけてください。
日本国内のMBAランキングについてざっくり説明すると
- Eduniversalは、慶應・早稲田を1位・2位に選出
- 京大や神戸大、一橋大などの難関国立大MBAも強い
- QS World Rankingsでは名古屋商科大学が国内No.1
- 国際大学や立命館アジア太平洋なども上位にランクイン
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そもそもMBAランキングって何?
MBAランキングとは、色々な機関が作成したMBAスクールの順位付けのことです。
MBAランキングには、世界規模のものもあれば、アメリカ・アジア・ヨーロッパなど、地域別のものもあります。
MBAランキングの評価基準
MBAランキングの評価基準は、それを作成する機関によって異なります。
MBA取得後の給与上昇率や起業の件数、講師の質、学生・教員の多様性など、色々なポイントから評価がなされます。
評価基準が変われば、順位も変わってくるので、評価基準に注目することは重要です。
受験するビジネススクールを選ぶ際には、自分が重要視する項目が評価基準に含まれているランキングを参考にするのが良いでしょう。
国内MBAランキングの主要評価機関
日本のMBAランキングを発表している主な評価機関は、EduniversalとQS World Rankingsの二つです。
Eduniversalは、大学を専門にしたフランスのコンサルティング会社及び格付機関であるSMBGによって作成されています。
QS World Rankingsは、イギリスの評価機関であるQuacquarelli Symondsが作っている順位付けです。
以下では、上記2機関の国内MBA大学院ランキングを紹介していきます。
Eduniversalの日本国内のMBA大学院ランキング
画像出典:Eduniversal公式HP
まずはEduniversalの国内MBAランキングを紹介します。
Eduniversalの評価基準
Eduniversalでは、Dean投票と国際化基準という2種類の評価基準に則ってランキングが作成されています。
Dean投票とは、各ビジネススクールの「Dean(学部長)」に推薦したいスクールを聞く方法です。
国際化基準では、国際団体へ参加しているかや、どのくらいの国際認証を得ているかなどによって、グローバル化の度合いが調べられます。
なお、このランキングでは、順位以外に「5〜1 PALMES OF EXCELLENCE」という5段階評価もつけられます。
Eduniversalの日本のMBAランキング
以下のランキングでは順位と合わせて、各大学の評価を表す「PALMES」のランクも合わせてご紹介していきます。
順位 | 学校 | |
---|---|---|
5 PALMES | 1. | 慶應義塾大学 |
2. | 早稲田大学 | |
4 PALMES | 3. | 京都大学 |
4. | 東京理科大学 | |
5. | 名古屋商科大学 | |
6. | 神戸大学 | |
7. | 一橋大学 | |
8. | 国際大学 | |
3 PALMES | 9. | 立命館アジア太平洋大学 |
10. | 関西大学 | |
11. | 北海道大学 | |
12. | 明治大学 | |
13. | 青山学院大学 | |
14. | 法政大学 | |
15. | 東北大学 | |
16. | 九州大学 | |
2 PALMES | 17. | 筑波大学 |
18. | 立教大学 | |
19. | 同志社大学 |
関係者からの評価が高く、グローバル化も進展している国内のビジネススクールは、慶應義塾大学ビジネススクール(KBS)と早稲田大学 大学院経営管理研究科(WBS)の2校であることがわかります。
両校だけは国内のビジネススクールで、「5 PALMES OF EXCELLENCE」の評価を受けています。
よって国際色の強い学習環境を希望する場合は、KBSとWBSの2校を候補にしてみてください。
QS World Rankingsの日本のMBA大学院ランキング(2023)
続いては、QS World Rankingsの国内MBAランキングを紹介します。
こちらはイギリスの大学評価機関が作っているものなので、権威性や信頼性が高いです。
QS World Rankingsの評価基準
QS World Rankingsでは、雇用主からの評価や学生によっての費用対効果、大手起業の社長や役員の出身校であること、多様性などを評価基準として採用しています。
またランキングに含める最低条件として、10人以上の規模のオフライン授業をフルタイムに行うことを基本とすることという項目も設けられています。
詳しい評価基準の詳細やその割合は以下の表の通りです。
<評価基準の詳細及び評価割合>
評価基準 | 評価割合 |
---|---|
雇用される力(多分野の雇用主からの評価) | 40% |
MBAの費用対効果(平均給与の上昇幅や上昇率・就職率など) | 20% |
起業家精神や卒業生の成果(大手企業の社長や役員の出身校など) | 15% |
ソートリーダシップ(特定の分野でリーダシップを発揮する者) | 15% |
学生や教職員の多様性(女性や留学生の割合など) | 10% |
世界ランキングにおける日本のMBA順位
QS World Rankingsの世界ランキングにおける、国内のビジネススクールの順位は以下の通りです。
順位 | 学校 |
---|---|
111位~120位 | 名古屋商科大学 |
141位〜150位 | 一橋大学 |
151位〜200位 | 早稲田大学 |
251位+ | 立命館大学 |
251位+ | 同志社大学 |
251位+ | 国際大学 |
世界ランキングにおいる、日本のビジネススクールの最高位は、名古屋商科大学ビジネススクール(NUCB)の111〜120位でした。
残念ながら、国内のスクールは世界ランキングでは上位にランクインできず、上位はアメリカやヨーロッパのスクールが大多数を占めています。
またランクインした国内のMBAスクールの数が少ないのは、日本にはパートタイムやオンラインのスクールが多いからだと考えられます。
アジアにおける日本のMBAの順位
順位 | 学校 |
---|---|
19位 | 名古屋商科大学 |
22位 | 一橋大学 |
31位 | 早稲田大学 |
44位 | 立命館アジア太平洋大学 |
46位 | 同志社大学 |
47位 | 国際大学 |
アジアのランキングでは、国内トップのNUCBは19位にランクインしました。
昨年(2022年)は一橋大学が17位と日本トップでしたが、今年はNUBCが巻き返した形となります。
なお、アジアのランキングで上位に陣取るのは、シンガポールや中国、インドのMBAスクールです。
日本のMBAの分野別ランキング
QS World Rankingsでは、評価基準ごとのランキングも発表されています。
以下では3つの項目のランキングにおける、日本のMBAスクールの順位を紹介します。
起業家精神と卒業生の成果
順位 | 学校 |
---|---|
80位 | 名古屋商科大学 |
131~140位 | 早稲田大学 |
201~250位 | 立命館アジア太平洋大学 |
この項目では卒業生の業績や起業家の割合などが評価されています。
起業家精神と卒業生の成果(Entrepreneurship & Alumni Outcomes)のランキングにおいても、国内ではNUCBが第1位です。
牽引性の高い研究成果
順位 | 学校 |
---|---|
141~150位 | 早稲田大学 |
151~200位 | 一橋大学 |
201~250位 | NUCB |
201~250位 | 国際大学 |
251位+ | 立命館アジア太平洋大学 |
251位+ | 同志社大学 |
この項目においては、大学院・ビジネススクールの学者による推薦や研究の質、博士号を取得した人数などを基準に、ランキングが作成されています。
ソートリーダシップ(Thought Leadership)の観点では、早稲田大学が一番で、全体では4位であった国際大学が2位に順位を上げました。
学生と教員の多様性
順位 | 学校 |
---|---|
19位 | 一橋大学 |
141~150位 | 同志社大学 |
151~200位 | 立命館大学 |
この項目では、女性の割合や国籍の種類の多さなどが評価されます。
学生や教員の多様性(Diversity)のランキングには、名古屋商科大学や早稲田大学はランクインしていません。
国際的に評価の高い国内MBAランキング
世界ランキングでは芳しくない国内のMBAスクールですが、国際機関による国際認証を得ているところは多いです。
国際認証はスクールの規模、カリキュラムや授業の質、国際性、教員や学生の英語力などが評価されると受けることができます。
認証機関は色々ありますが、中でもAACSB、EFMD、AMBAは世界三大認証機関と言われています。
それらの認証を受けている国内のMBAスクールは以下の5校です。
大学名 | 認証機関 |
---|---|
早稲田大学 | AACSB・EFMD |
慶應大学 | AACSB・EFMD |
名古屋商科大学 | AACSB・AMBA |
国際大学 | AACSB |
立命館アジア太平洋大学 | AACSB |
上記を見ると、国際認証を得ている大学はここまで紹介してきた大学ランキングでもたびたび見かけるお馴染みのラインナップとなっています。
よって、このような国際認証を取得していることで、世界ランキングでも評価されやすいことがわかります。
各校の特徴を紹介
以下では3大国際認証を得ている各校の特徴を紹介します。
早稲田大学 大学院経営管理研究科(WBS)
WBSの特徴は、国内では学生と教員のレベルがトップクラスであることです。
国内随一の人気を誇るWBSは、入試の倍率が高いため、学生が非常にハイレベルであると言われています。
また研究者から実業家まで、様々なバックグラウンドを持った優秀な教授が在籍しており、実践的なスキルとアカデミックな知識をバランスよく学べるのも魅力です。
なお、WBSでは以下のように多種類のコースが用意されているため、それぞれの希望に合ったスタイルで勉強できます。
- 全日制グローバル
- 1年制総合(全日制)
- 夜間主総合
- 夜間主プロフェッショナル(マネジメント専修/ファイナンス専修)
- MSc in Finance
- 早稲田-ナンヤンダブルMBAプログラム
慶應義塾大学ビジネス・スクール(KBS)
1962年に創立されたKBSは、日本で最も歴史の長い本格的なビジネススクールです。
特徴は「ケースメソッド」という双方型の講義が行われることで、能動的な姿勢で勉強し、経営に関する実践的なスキルを身につけられます。
また今後の経営者に必要な以下の能力を身につけることが可能です。
- 構想力・リーダーシップ
- コミュニケーション力
- 問題発見・解決能力
- 経営基礎知識
KBSでは討論を活発に行うため、特にコミュニケーション力はかなり鍛えられます。
名古屋商科大学ビジネススクール(NUCB)
NUCBは世界ランキングでの評価が高いビジネススクールです。
QS World Rankingsで国内1位、また今回は紹介しませんでしたが、FINANCIAL TIMESのランキングでも国内1位に輝いています。
そんなNUCBの特徴は、課題演習やフィールドワークなど、「企画・提案」を重視したプログラムで、創造的思考力や起業家精神を鍛えられることです。
また週末だけの受講でMBAが取れる「週末型カリキュラム」が用意されていることも大きな特徴だと言えます。
国際大学 国際経営学研究科(GSIM)
GSIMは、米国ダートマス大学エイモス・タックスクールの協力を受け、1988年に日本ではそれまでなかった英語によるMBAプログラムを始めました。
そのため、GISMは非常にグローバル色が強いです。50ヵ国以上の留学生が在籍しており、世界基準でも見ても、かなり高い多様性を誇ります。
また日本とアジアに視点を置いたグローバルな比較分析を重視するカリキュラムも特徴です。
立命館アジア太平洋大学 大学院経営管理研究科(GSM)
GSMの特徴は、第一に授業が全て英語で実施されることです。留学生が多く、こちらも国際的な雰囲気の中で学べます。
また日本的ビジネスとマネジメントをケースメソッドで学ぶことも特徴で、日本的経営に対する理解を深めたい方などにおすすめです。
日本のMBAランキングは無駄と言う声も
日本においては、MBAランキングは参考にならないという声もあります。
日本のMBAランキングが無駄な理由
MBAスクールでは、経営者にとって有益なことを学べるので、世界ではMBAの取得後に経営者として活躍する者も多いです。
しかし、終身雇用や年功序列などの慣行が残る日本では、主任から係長、そして課長、部長というように一歩ずつ階段を登っていく、その上で他の社員との政治競争に勝った者が経営者になります。
ビジネススクールに通って経営に関する知識やスキルを身につけた者よりも、ずっと仕事に出続けて会社に貢献した者のほうが評価される場合も珍しくありません。
そのため、MBAランキングを見て、上位の早稲田や慶應、名商大などに通っても、経営者になる上では大きなメリットにはならないと言えます。
またMBAランキングの評価基準には、卒業後の成果や給与上昇率なども含まれているため、MBAの効力が薄い日本にあるビジネススクールは不利だという味方もできます。
しかし、授業の質や英語力のレベルなども評価の対象になっており、MBAランキングは一定の参考にはなるでしょう。
特に受験するMBAスクールを決める際には、大いに判断材料として活用するのがおすすめです。
MBA取得は生かし方次第ではメリットも
日本においても、MBAの取得が無駄であるわけではありません。
MBAスクールに通えば、経営に関する知識やスキルのレベルは確実に向上します。
そのため、それらを活かして社内で実績を積めば、経営者になることも十分可能です。
世界のようにMBAに大きなブランド価値があるわけではないので、取得の過程で得たものをどう活かすかが重要になります。
国内MBAと海外MBAとの違い
最後に国内MBAと海外MBAの違いについて詳しく見ていきましょう。
国内MBAは無駄?
日本ではMBAを取得しても無駄だと考えられることもありますが、国内のMBAスクールに通うことにも、一定以上の意義があります。
確かに海外と比較すると、有益な人脈を作りにくく、MBAの社会的な価値も低いです。
しかし、ビジネススクールで習得できる経営に関する知見やノウハウは、卒業後のキャリアで大いに役立ちます。
それらを活かして職場で活躍することができれば、昇進や昇給などにもつながるでしょう。
海外MBAよりも安くて働きながらの取得も可能
海外MBAを取得する場合、700〜2,000万円程度が必要になるのに対し、国内MBAなら130〜370万円程度で取得可能です。
また国内MBAなら、働きながら取ることもできます。オンラインのプログラムや夜間コースも多いため、上手に時間をやりくりすれば、社内の出世レースで遅れを取ることもありません。
一方で海外MBAを取るなら、基本的に留学しなければならないので、必然的にキャリアを中断することになります。
そのため、日系企業の場合は、経営者争いで後退してしまう可能性もあります。
海外MBAの強み
留学して海外MBAを取得することのメリットとしては、人脈が作りやすいことと語学力が高まることが挙げられます。
国外の有名なビジネススクールには、世界から経営者を志す人が集まり、卒業生にも国際的な経営者が多いです。
そのため、国内の大学院に比べると、圧倒的に良い人脈ができやすいと言えるでしょう。
また英語をはじめとする他言語で学ぶため、語学力が鍛えられることも魅力です。
現地での生活も含めて、外国語をアウトプットする機会が数多くあり、自然と話せるようになります。
語学力は日本でも鍛えられる
英語力などは日本にいても鍛えられます。そのため、国内のMBAスクールでの勉強と並行して、語学学習を行うのも良いでしょう。
特に英語が苦手な場合は、海外のビジネススクールに入学する難易度が高いので、無理せず国内で学ぶのも有意義だと言えます。
スクールで経営に関する知識やスキルを身につけ、それに加えて語学力も高めれば、海外で活躍することも十分に可能です。
海外のMBAホルダーと遜色ない成功を収められる場合もあります。
英語で学べる日本のMBAスクールもある
最近は英語で授業を受けられる国内のMBAスクールも増えてきています。
例えば、早稲田大学 大学院経営管理研究科(WBS)の全日制グローバルは、4月入学の場合は日本語履修ですが、9月入学は英語履修です。
英語履修のほうには留学生も多いので、国際的な雰囲気の中で経営を学ぶことができます。
日本国内のMBAランキングまとめ
日本国内のMBAランキングまとめ
- 慶應や早稲田、名商大などが上位にランクイン
- 国内MBAの取得は決して無駄ではない
- 国公立は難易度は高いが学費は安い
- 私立は学費は高いが種類が豊富
日本国内のMBAランキングを紹介しました。
ランキングと一口に言っても評価基準は様々であるため、このランキングを参考に自分にぴったりの国内MBAを見つけてみてください!