公務員の給料っていくら?年齢別の年収やボーナス額・給与ランキングも大公開!
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「公務員の月収ってどれくらいなの?」
「公務員は年功序列って聞くけど若い頃はどれくらいなの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
公務員は一般的に年功序列の給与体系で、若手の頃は低い月収ですが年を取るに従って金額が増えていきます。
また、ボーナスももらえるため非常に安定しています。
こちらの記事では、公務員の給与の年代別の水準や、ランキングなどを紹介していきます。
公務員の給料についてざっくり説明すると
- 若い頃の給料は低いが年々上がっていく
- 諸手当が充実している
- 民間企業の平均を少し上回るイメージ
- 職種によって年収は異なる
この記事のデータは、
「人事院 令和4年度国家公務員給与等実態調査」 「総務省 令和3年度地方公務員給与の実態」
に基づいています。
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公務員の給料は686万円
一昔前まで、公務員は「解雇されない」「安定で社会的地位も高い」と評判でした。
しかし、最近の就活生の多くは「公務員は激務のわりに給料が低い」というイメージを持っているようです。
実際のところ現在の公務員の給与はどのようになっているのでしょうか?
令和4年の平均給与は686万円
公務員員の平均給与について、国家公務員は686万円、地方公務員は推定611万円でした。
令和3年度の日本の平均給与が443万円であることを考えるとかなり高いと言えるでしょう。
公務員はボーナスが安定的に支給され、基本給・月収も年々少しずつ上がっていくため、民間企業よりも高い金額になっていると考えられます。
また、公務員は民間企業よりも諸手当の種類が多く充実しています。
住居手当や扶養手当は多くの企業でも支給されると思いますが、単身赴任手当や地域の物価の高低に応じた地域手当と呼ばれるものもあります。
基本給に加えてこれら諸手当を加算することで、若手の頃であってもそれなりの金額が支給されることになります。
国全体の給与に基づき設定
公務員は団体交渉権がないため、公務員自体は自分たちで賃上げ交渉を行うことができません。
そのため賃上げを行う場合は人事院が公務員たちに代わり内閣総理大臣に「民間と比較して調査をした結果、公務員の給料上げたほうが良いですよ」という「勧告」をすることで賃上げが実現する形になります。(これを人事院勧告と言います)
人事院が公務員の給与を決定する時の基準は「国全体の給与などを参考に、平均値を超えすぎないように定める」というルールになっています。
ただし、この時の「国全体の給与の平均」は大手の民間企業の平均値などを参考にしているため中小企業に勤める方々よりは少し高めに算出される傾向にあります。
公務員の給与は年功序列
公務員の給料は年功序列のため勤続年数に応じて一定の割合で上昇します。
これは、仕事ができる公務員でも仕事ができない公務員でも基本的に同じであるため、職員のモチベーションが上がりづらいという欠点もありますが、実際に働いている公務員にとって大きなメリットにもなります。
それは、「毎年安定して給料は増額される」ことから安心して日々の業務に取り組むことができる点です。これにより、人生設計が立てやすくなります。
特に30代以降は家庭を持ったりすることで住宅を買ったり車を買ったりと何かと大きな出費がありますが、そんなときに安定した給料が保障されていると非常に安心なのです。
また、ノルマやインセンティブが無いことで職員間で連帯感が生まれやすく、職場が非常に働きやすい雰囲気になりやすいのです。
離職率を下げる効果もあるため、慢性的な人手不足が発生しづらいというメリットもあります。
公務員の退職金を民間企業と比較
公務員の退職金は、50人以上従業員が在籍する民間企業の額に準拠し、なおかつ5年ごとに調査を行ったうえで改定されるルールとなっています。
内閣官房人事局が集計した結果によると、国家公務員の退職金平均支給額(令和3年度)は約1061万円で、そのうち行政職俸給表適用の職員の平均支給額は約1442万円でした。
定年退社の場合だと、平均支給額は2106万円、うち行政職俸給表適用の職員の平均は2122万円になります。
退職理由によって非常に差額があり、応募認定退職者がもっとも高額となり、自己都合による退職の場合はかなり低額になります。
一方、民間企業の退職金の平均支給額は人事院が令和3年度に調査した結果によると約1148万円でした。
ただし、企業年金を合わせると官民の定年退職者の退職時に支給される額はあまり変わらないようです。
年齢別の給料変動
公務員の給料はキャリアを積んでいくごとに上昇します。
では、公務員の給料が勤続年数に応じて上昇することがわかったところで、年代別の給与はどのようになっているのでしょうか見てみましょう。
20代の給料
20代の平均給与は250万円~450万円程度となっています。初任給は民間企業と比べてもかなり低い水準のため、生活などが苦しくなりがちです。
20代の公務員の給与が低い理由は「資料のコピー」「会議室の準備」「議事録の作成」などの基本的な仕事をこなすことが多く責任のある仕事を任される機会が無いためです。
しかし、人事評価では「役割以上の仕事を遂行した」場合は通常よりも昇給するスピードが速くなることもあり、モチベーションは保ちやすいと言えます。
この20代の下積みのころに様々な業務を経験し、上司のマネジメント能力などを観察しておくと将来自分の役に立つでしょう。
30代の給料
30代の平均年収は500~600万円程度となっています。
30代前半だと主任クラス、30代後半になると係長・局長などを引き受けさせてもらえる年代になります。
20代の若手の頃よりも裁量権を持って仕事ができるようになるため、仕事が充実してきます。
また、役職が着くことで部下も増えてチームをマネジメントする能力が求められるようになり、責任感も増し給与も20代の頃と比べるとかなり上昇します。
家庭を持ったり子供ができたりする年代なので、扶養手当などの諸手当もかなり付くようになる傾向にあるようです。
40代の給料
40代の平均年収は600万~750万円程度となっています。
この頃から同期の中でも出世する人と出世しない人の区別や待遇の差が歴然としてくるため、これまでに培ってきた能力やこれまでの実績などが大きく給与に影響します。
課長や部長を任せてもらえることもあり、部下の教育や裁可などが仕事内容になってくるため、これまで以上に責任感が増します。
課長や部長にもなると、所属部署の責任者という位置づけになるため部下のマネジメント能力に加えてチーム全体の調整や、上層部との仕事の調整など、様々な業務が増えることになります。
また、「役職手当」と呼ばれる手当が給与に加算される自治体や省庁が多いようです。
50代の給料
50代の平均給与は650~900万円程度となっています。
体力的にも残業や徹夜などが厳しい年になってきますが、非常に決定権の大きなポストに就くことになるため職員や国民・市民に対して大きな責任を追わなければならなくなるでしょう。
決済権者となることで全ての責任を負うことになるため、これまでよりも広く全ての部署と職員をマネジメントしたり、また教育をしなければなりません。
あと数年頑張れば民間企業よりも恵まれた退職金を受け取ることができるため、それがモチベーションになるでしょう。
平均以上だが突き抜けない
これまで見てきた通り、公務員の給与は安いと言われがちですが、一般的なサラリーマンから比べると決して安くはないと言えるでしょう。
ただし、一流企業に勤める会社員では定年間際に2千万円以上の報酬を受け取っている人もいることを考えると、決して突出して高いとも言えません。
つまり、ある一定の年齢以上になると平均以上の給与をもらうことができますが、決して飛び抜けて高い金額では無いということです。
公務員はお金持ちを目指すよりも「安定した雇用と収入」を目指している人に最適と言えます。
公務員の区分・職種別の年収
公務員は、大きく分けて省庁などで働く「国家公務員」と県庁や市役所などで働く「地方公務員」に分けられます。
この2種類の公務員は勤務場所や勤務内容、採用形態だけでなく給料も異なっています。
実際、両者はどのようになっているのでしょうか?
国家公務員の年収
国家公務員は厚生労働省や国土交通省、外務省といった政府の機関やその出先機関(労働局や税務署など)で働く公務員を指します。
40歳時点の平均年収は680~900万円であり、この数字は学歴で分けずに高卒や大卒、大学院卒まで全てまとめた数字です。
そのため国家公務員総合職を合格したいわゆるキャリア官僚も含んでおり、こうしたキャリア官僚が平均を押し上げています。
そのため、全員が40歳になれば680~690万円もらえるというわけではなく、採用区分によって金額に差が出てきます。
また、業績評価や人事評価でも出世スピードに差が出るため一律ではありません。
特に高卒よりも大卒の方が給与が上がるスピードが早く、平均よりも金額が上回る傾向にあります。
国家公務員と地方公務員の違いについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
地方公務員の年収 都道府県
地方公務員は、東京都庁や千葉県庁といった都道府県庁や横浜市役所、さいたま市役所といった市町村役場、それらの関連組織で働く公務員のことを指しますが、こちらでは都道府県の職員として働く公務員について見てみましょう。
県庁の場合、県内における様々な仕事を所属している部署と担当します。
仕事内容としては、国と市町村の調整や民間企業対応が主な業務となります。
都道府県庁に勤める公務員の場合、40歳時点の平均年収は640~660万円となっています。
国家公務員よりも年収は低くなりますが、それでも民間企業も比較すると高めの年収額です。
国家公務員ほどではないにしろ、大きな責任を伴う仕事であるため、市役所などで勤務している公務員より年収は高いです。
地方公務員の年収 市町村
それでは、市町村の職員として働く地方公務員の年収はどの程度なのでしょうか?
市町村庁の公務員の場合、政令指定都市だと40歳時点の年収は700万円、政令指定都市でなければ630万円程度、町村役場になると570万円程度になります。
政令指定都市の職員は県庁よりも年収が高く、市役所や町村役場になると県庁よりも年収が低くなります。
理由は、各自治体の財源の豊富さ・人口の多少などに起因する税収の大小差により職員の年収にばらつきが出てきてしまうためです。
市町村が行うのは住民に直接対応する仕事であるため、都心部よりも人口が少ない田舎の方の役場の方が業務量が少なく残業も少ないでしょう。
公務員の職種別の年収
公務員と一口に言っても担当する業務は様々で、市役所などでデスクワークをする人から保健所に勤めて家畜などの感染症を調査する人まで、働き方は様々です。
どの職種がどの程度の年収なのか、見てみましょう。
職種 | 年収 |
---|---|
都道府県知事 | 2222万 |
市町村長 | 1640万 |
医師・歯科医師 | 1165万 |
警察官 | 814万 |
一般行政職員 | 715万 |
高校教員 | 776万 |
技能労務職 | 636万 |
公安系である警察官は日頃の仕事も負担があるため、一般行政職員よりも高い水準になっています。
一方、技能労務職の年収は若干低めになっています。
公務員のボーナス事情
それでは、公務員のボーナス事情はどのようになっているのでしょうか?
ボーナスは182万円
令和4年度の国家公務員のボーナス平均額は、年間約182万円でした。
ボーナス額についても、給料の何か月分にするか毎年人事院で検討が加えられることになっており、ここ5年間は人事院の勧告を受けて毎年増額されています。
公務員は基本給が毎年上がっていくため、基本給がベースとなるボーナスも毎年上がっていきます。また、日頃の業務の評価や能力も加味され、上位に入ると評価されると給付の水準が上がります。
民間のボーナス平均が約70万円程度であることを考えると、公務員のボーナスは非常に高い水準にあるのです。
今後、民間企業の業績は少子高齢化の影響などもあり将来が不安視されているため、安定して支給される公務員のボーナスは非常に魅力的といえます。
実は地方公務員のボーナスも同程度
23区など地方公務員のボーナスも、基本的には国家公務員の動向に従って決定されます。
東京都のボーナスは、夏冬合わせて180万円ほどであり国家公務員よりと同程度となっています。
ただし、自治体によって異なるため全ての自治体が国家公務員よりも高いとは一概に言えません。
地方公務員の給料と国家公務員の給料はラスパイレス指数という「国家公務員の給与水準を100とした場合の地方公務員の給与水準を示したもの」を用いて評価されます。
例えば、都道府県では静岡県の103.1、2番目が神奈川県の102.9、3番目が三重県の102.2と100を越えている県は国家公務員よりも給与額が高いことになります。
一方、逆に鳥取県ではラスパイレス指数が94.8となっており、国家公務員の0.95倍の低めの給与額が設定されている計算になります。
手当も厚いのが公務員
公務員は基本給やボーナスの他にも手当が充実していることで有名です。
例えば扶養手当・地域手当・通勤手当・特殊勤務手当・管理職手当・時間外手当など手当の種類も多く、給与に占める手当の金額も大きいため民間企業と比べると手厚い手当があります。
住居手当も国家公務員の上限額は27,000円となっており、民間企業も比べてもやや高い水準にあります。
また、民間企業ではよく「残業代の未払い」や「サービス残業」が問題になっていますが、公務員では基本的にそれらは発生しません。
残業をする際にはその日その日ごとに決済が必要になり、未払いが発生する余地が無いのです。
さらに、近年は「働き方改革」が叫ばれており、官公署が率先して残業時間を減らして民間企業にも波及させようとする動きがあるため、公務員の超勤時間の管理はとても厳格にされています。
公務員の年収の最高額と最低額は?
公務員の中で最も給料をもらっている人と、もらっていない人は、それぞれどんな人なのでしょうか?
公務員年収ランキング
日本で最もお給料をもらっている公務員は、内閣総理大臣で4015万円です。
その次が最高裁判所の裁判官で3300~4000万円、衆議院・参議院議長で3580万円となっています。
これらの役職は個別公務員のため現実味がありませんが、一般的な国家公務員のトップである事務次官職は年収3010万円となっています。
これらのことから、役職に就いた上で、国や県に対する責任が重ければ重いほど給料は高くなります。
一般的な公務員で年収1000万円を越えることは稀ですが、国家公務員のキャリア官僚にもなると年収は一気にアップします。
ただし、キャリア官僚になれるのは一握りの非常に優秀な職員だけであるため、とても狭き門となっています。
現業職は全体的に低い
公務員のトップが3000万円以上の給与を手にする一方で、低い方はというと詳しい数字はわからないもののやはり現業職(ゴミ収集作業員、公用車運転士、給食調理員)などは全体的に少ないと言われています。
窓口業務など市民の方とコミュニケーションを取る機会は少ないものの、生活には欠かすことのできない仕事を行っています。
給与が低い理由としては、窓口業務が無いため精神的な負担が少ないことが挙げられます。
公務員になるためには?
公務員になるためには国家公務員なら人事院の行っている国家公務員試験、地方公務員なら自治体の行っている公務員試験を受験し合格しなければなりません。
試験によって違いはあるものの、一次試験と二次試験の二部構成でそれぞれ内容は筆記テストと面接試験がメインになります。
一次試験(筆記)
一次試験は高等学校で習うような一般的な知識・常識を問われる教養試験と大学で習うような専門的な知識を問われる専門試験で構成されます。
国家公務員や都道府県の公務員では両方が課されることが多く、市町村では片方のみのところが多いです。
教養試験も専門試験も出題範囲がとても広いため、浅く広い勉強方法が効率的です。
また、教養試験では判断推理は数的推理などが多く出題される傾向にあるため、これらの科目を重点的に勉強して苦手を作らないようにすることが大切です。
二次試験(面接)
筆記試験を通過したら面接試験が行われます。
面接では自己紹介や志望動機・今までに特に頑張った経験などが聞かれ、筆記試験と同じくらい重要であるため十分な対策をして望むことが必要となります。
公務員試験の面接は比較的な和やかな雰囲気で行われることが多いため、面接が苦手だという人も不安に思うことはありません。
一番いけないのは「質問に対する答えになっていない返答」です。
相手の聞かれたことに対してシンプルにわかりやすく答え、軽く理由付けする回答を心掛けましょう。
番外編(プレゼンテーションなど)
自治体によってはプレゼンテーションやグループディスカッションなどを行わせる自治体もあります。
プレゼンテーションでは決められた題目でわかりやすく説明する能力が見られ、グループディスカッションでは会議の場で発言したり全員の意見をまとめる能力が測られています。
また、グループワークと呼ばれる協調性を見られるような試験形態もあります。
公務員は安定が魅力
公務員は、解雇・失業の可能性が極めて低く給与が民間よりも高めに設定されていることが最大の魅力です。
また、それ以外にも充実した手当制度や休暇制度が完備されていることや退職金についても民間よりも多めにもらえるため、総合的に見てワークライフバランスが実現しやすく非常にはたらきやすい環境であると言えるのです。
特に長時間労働や過労死が社会問題化している中、どこの自治体・省庁もワークライフバランスの確保を重視しています。
そのため、今後も公務員は働きやすい職業となるでしょう。
公務員になるメリット
これまで公務員の月収な年収などについて解説してきましたが、やはり公務員の最大の魅力は安定した雇用と給与体系です。
これら以外にもメリットは多くあり、例えば「社会的信用が上がる」ことも挙げられます。
社会的信用が上がることにより、金融機関による住宅ローン審査やマイカーローン審査などが非常に通りやすくなります。
特に若手の頃は年収も低く、将来に不安がある中で結婚や出産といったライフイベントを控えることになりますが、このように社会的信用が高いことによりもしローンが必要になったときには安心して申し込めるのです。
また、公務員共済では職員のために金利などが優遇された商品も多くあるので、調べてみると良いでしょう。
公務員の年収に関するまとめ
公務員の年収に関するまとめ
-
年功序列で毎年月収は上昇していく
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様々な手当も充実しているため、結局はそれなりの額になる
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政令指定都市では国家公務員よりも多い金額となる場合もある
公務員はよほどの問題を起こさない限り懲戒処分を受けることはなく、非常に手厚い身分保障があります。
今後の日本の経済などを考えると安定的に勤めることができそれなりの給与がもらえる公務員は非常に魅力的であると言えます。
近年は公務員を目指す人が増えているため競争も激しくなりますが、公務員になったときのメリットは絶大です。
公務員になるための公務員試験には年齢制限があるので、あとで後悔しないためにも早めに試験対策を進めておきましょう!