都庁の平均年収はどれくらい?初任給から給与体系まで徹底解説!

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「都庁の平均年収ってどのくらいなの?」

「初任給は?給与体系はどうなってる?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

都庁職員の平均年収は全国で最高の水準です。45歳・課長クラスになれば、年収1,000万円を超えます。

また東京都は他の道府県と異なり、試験によって昇格が決まる実力主義の制度を採用していることが大きな特徴です。

今回は都庁の平均年収について、初任給から給与体系に至るまでを詳しく解説します。

これを読めば、都庁職員の給与事情がよく分かるはずです。

都庁の平均年収についてざっくり説明すると

  • 都庁の平均年収は7,237,940円
  • 大卒初任給は225,480円
  • 管理職には限られた人しかなることができない

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都庁の平均年収はどれくらい?

お金を持つ人形

総務省の「給与・定員等の調査結果等」によると、都庁の平均年収は7,237,940円です。

これは平均給与月額453,595円の12ヶ月分と期末手当や勤勉手当などの特別給、いわゆるボーナスを合算した値になります。

全国の地方公務員の平均年収は6,555,297円なので、都庁の平均年収はそれより70万円ほど高い水準です。ちなみに全国ではトップの数字になります。

都庁の平均年収が高い要因としては、ボーナス等の手当が手厚いことが挙げられます。特に物価の高い地域ほど高くなる地域手当が高額です。

地域手当の全国平均は12,000円ですが、東京の地域手当は67,154円になります。

東京は物価が高いため、地域手当はこのように高額になり、その結果年収も高くなるというわけです。

ただし、以下の内容には注意が必要です。

  • 東京は物価が高いため、「年収が高いこと=他の道府県の公務員より恵まれた生活ができる」という図式は成り立たない

  • 上記の年収はあくまで平均額であり、都庁内においては役職などの要因で大きな年収格差が存在する

なお、都庁の平均年齢は40.9歳になります。

給与は人事委員会から発表

都庁の給料は、東京都人事委員会事務局より公表されています。よってこの記事で扱う都庁に関するデータは、人事委員会の発表を根拠にしています。

人事委員会は、民主的で公正な人事制度の運営のために、都道府県及び政令指定都市に置かれる組織です。地方公務員法によって設置が義務付けられています。

公務員は国民全体の奉仕者としての役割を担わなければならないので、政治状況によって身分が脅かされることがあってはなりません。

人事委員会には、議会や知事とは独立した機関として、能率的・効率的に人事制度を運営していく役割があります。

給与はどうやって決まっている?

都庁の職員の給与は、基本的に「給料+手当」という構成になっています。手当とは扶養手当や住居手当、地域手当、通勤手当等です。

都庁に採用されると、まずは職務内容や職務の級、号級によって初任給が決定されます。

その後は勤務成績に応じて、昇給幅が決定されます。都庁の昇給制度は以下の通りです。

号給
最上位 6号給
上位 5号給
中位 4号給
下位 1〜3号給
最下位 昇給なし

※出典:東京都人事委員会「給与決定と算出のしくみ」

また昇任に伴う昇格によっても給料は上昇します。昇任は試験に基づいて行われるため、合格さえすれば若いうちからの昇進も可能です。

ちなみに最短では、29歳で課長代理、30代で課長になることができます。

よって年功序列で給料が上がるわけではないので、注意しましょう。給料は勤務成績や試験の結果によって上昇していきます。

なお、55歳を超えて中位以下の成績の場合は、昇給が停止されます。

年齢別の年収推移

コインと時計

以下では初任給を含めた年齢別の年収について、具体的に紹介しましょう。

初任給は採用試験区分ごとに異なる

都庁の採用試験は、採用職種や学歴条件などによって、Ⅰ類AやⅡ類などの7種類に区分されます。

初任給はこの区分に応じて決定されます。詳細は以下の通りです。

初任給(月額)
1類B(大卒程度) 225,480円
2類(短大卒程度) 195,000円
3類(高卒程度) 182,640円
1類A 244,440円
キャリア活用 294,360円

※出典:東京都人事委員会「給与決定と算出のしくみ」

なお、上記の初任給には地域手当(20%)が含まれています

また採用区分7種類には、1類B(新方式)と3類の一種である障がい者採用選考が含まれるため、初任給の区分としては5種類です。

上記を見ると採用区分によって、初任給にかなりの差があることが分かります。大卒の初任給平均は225,686円なので、1類B(大卒程度)は平均程度の水準です。

2類や3類に関しては、やや低めの設定であると言えるでしょう。

年齢別年収の一例

以下では都庁の中でも比較的人数の多い行政職を例にとって、年齢別の年収を紹介します。

年齢 例月給与×12か月 期末手当 勤勉手当 年収
25歳係員 2,711,520円 542,304円 485,814円 3,740,000円
35歳課長代理 4,426,560円 938,430円 840,677円 6,206,000円
45歳課長 7,279,200円 1,272,654円 1,622,633円 10,174,000円
50歳部長 9,155,520円 1,502,272円 2,295,139円 12,953,000円

上記を見ると、順当に出世していけば、年齢に応じて安定して年収は伸びていくことが分かります。

ただし、上記はあくまで都庁職員の一事例を切り取ったに過ぎません。実際はこのように順調に昇給できない可能性も多分にあります。

以下は令和4年度における都庁の職層別構成のデータです。

役職 割合
技能系等 11.9%
1級職 32.5%
主任等 26.5%
課長代理 18.1%
統括課長代理 3.7%
管理職 7.4%

※出典:東京都人事委員会「1.職層別・職種別構成」

上記を見ると、管理職にはごく一部の人間しかなれないということが分かります。

特に東京の場合は昇進するには試験に合格しなければならないので、試験で結果がでなければ昇進による給料アップはありません

一方で他の道府県の自治体では、40代までは勤続年数に応じて昇給があり、そこから実力勝負となります。

そのため、東京都の場合は一般的な公務員とは給与事情が異なることを理解しておきましょう。

年齢別職員構成比率から給与モデルを考察

上記を見ると、30代や40代でも主任や1級職に就いている人が一定数存在することが分かります。

また同じ年齢層でも、順調に管理職や課長へ昇進している人もいれば、昇進試験をパスできずに低い役職に甘んじている人もいます。

このような露骨な実力主義とも言える構成比率になっているのは東京都だけで、他の道府県ではあり得ないことです。

都庁の年収を他県と比較

お金とグラフ

都庁の年収の実態を知るために、他府県の年収も見てみましょう。

以下では行政職の年収について、給与ランキングで上位の大阪府、中位の群馬県、下位の長野県を比較します。

大阪府

大阪府における行政職給料表は以下の通りです。

年齢 例月給与 地域手当(毎月) 勤勉手当 年収
大卒初任給(主事級) 187,300円 22,101円 900,424円 3,413,236円
35歳(主事級) 272,407円 32,144円 1,375,045円 5,029,657円
45歳(主査級) 369,569円 43,609円 1,954,328円 6,912,464円
50歳(課長補佐級) 418,122円 49,338円 2,311,589円 7,921,109円
課長級(参事) 454,733円+管理職手当80,100円 63,110円 2,807,289円 9,982,605円
次長級(副理事) 510,800円+管理職手当87,305円 70,576円 3,276,204円 11,300,376円
部長級(理事) 569,200円+管理職手当97,280円 78,644円 3,773,155円 12,714,643円

出典:「職員のモデル年収額(令和4年4月1日現在)

上記を見ると、大阪府の新卒と都庁の25歳係員では、年収に30万円ほどの差があることが分かります。

給与ランキングで上位の大阪府であっても、都庁の給与水準とは大きな隔たりがあるようです。

群馬県

群馬県の一般行政職員における平均年齢、平均給料月額及び平均給与月額は以下の通りです。

平均年齢 平均給料月額 平均給与月額
43.7歳 336,797円 405,821円

出典:群馬県の人事行政の運営等の状況の公表」

群馬県のモデルは全国に対して平均的と言えます。

しかし、先述した通り両者では物価や地価などの水準が異なるため、生活レベルにはそこまでの差はないとも考えられます

長野県

長野県の一般行政職員における平均年齢、平均給料月額及び平均給与月額は以下の通りです。

平均年齢 平均給料月額 平均給与月額
45.1歳 330,600円 391,555円

先述した通り、都庁の平均給与月額は453,595円(平均年齢40.9歳)です。

そのため、平均年齢が4歳ほど若い都庁の方が、長野県よりも平均給与月額が5万円以上多いことになります。

また長野県の初任給の状況は以下の通りです。

区分 初任給
大学卒 192,600円
高校卒 158,100円

上記を見ると、長野県と都庁では大卒の初任給に3万円程度の差があることが分かります。

さらに長野県の経験年数別・学歴別の平均給料月額は以下の通りです。

区分 経験年数10年 経験年数20年 経験年数25年 経験年数30年
大学卒 273,331円 359,443円 381,725円 404,249円
高校卒 243,147円 269,140円 329,950円 382,362円

上記より、長野県では大卒から40年勤続したとしても、年収1,000万円を超えるのは難しいと言えるでしょう。

そのため、やはり年収の額としては、都庁の方が圧倒的に多いことが分かります。

なお、上記の出典は全て「長野県の給与・定員管理等について」です。

都庁職員が貰える諸手当

スマホを見る女性

東京都人事委員会によると、都庁職員には以下のような諸手当が支給されます。

名称 概要 金額
扶養手当 扶養親族を有する職員に対して支給される 子:9,000円(子一人につき4,000円加算 子以外の扶養親族:6,000円
住居手当 住居費の負担を勘案して支給される 7,500円もしくは15,000円
地域手当 民間における賃金・物価・生計費等の事情を考慮して支給される 67,000円
通勤手当 通勤のために要する運賃等の実費弁償を主旨として支給される 支給限度額55,000円
超過勤務手当 正規の勤務時間以上に勤務することを命じられた職員・1週間の勤務時間を超えて週休日にも勤務することを命じられた職員に対して支給される 超過勤務の程度による
期末手当 民間における賞与等の特別級に相当するものとして在職期間に応じて支給される 一般職:2.05ヶ月(年間)
勤勉手当 民間における賞与等の特別級に相当するものとして勤務成績に応じて支給される 一般職:2.05ヶ月(年間)

※出典:東京都人事委員会「給与メモ」

都庁の平均年収についてまとめ

都庁職員の平均年収まとめ

  • 地域手当は67,154円という高水準
  • 年功序列ではなく試験の結果で昇格が決まる
  • 管理職は全体の7.4%に過ぎない

今回は都庁の平均年収について解説しました。

都庁の平均年収は7,237,940円です。東京都は物価に応じて上昇する地域手当が67,154円も支給されるため、全国トップの給与水準を誇ります。

また年功序列ではなく、試験によって昇格が決まる実力主義のシステムを採用していることも東京都の大きな特徴です。

45歳・課長クラスになれば、年収は1,000万円を超えますが、誰しも課長になれるわけではありません。その証拠に管理職の割合は全体の7.4%です。

物価や地価が異なるため、一概に比較することはできませんが、それでも年収の額としては圧倒的な都庁職員は魅力的な職業と言えるでしょう。

是非都庁に就職することを検討してみてください!

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