地方公務員のボーナス・賞与はどのくらい?夏・冬の平均支給額や支給日についても解説

「地方公務員のボーナスってどれくらいで、いつ支給されるの?」

「地方公務員の勤勉手当や期末手当って何なの?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

公務員は手厚い身分保証があり安心して働くことができることから、多くの方に人気の職業です。

公務員を目指している方の中には、ボーナスや賞与の金額や支給日などについて詳しく知りたいと考えている方も多いと思います。

こちらの記事では、地方公務員のボーナスや賞与の金額や支給日などについて、詳しく解説していきます!

公務員のボーナスについてざっくり説明すると

  • 期末手当と勤勉手当で構成される
  • 高い水準で安定して支給されている
  • 民間企業よりも高い水準で支給されている
  • 自治体によって金額に差がある

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地方公務員のボーナスはいくら?

お金の画像

年間平均ボーナス額は150万円程度

2019年の総務省発表の地方公務員年収データによると、地方公務員のボーナス・賞与の平均額は150万2238円でした。

ここ5年の地方公務員の平均ボーナスの推移を表にまとめると、以下のようになります。

年度 平均年間賞与額
2019年 150.2万円
2018年 148.6万円
2017年 146.4万円
2016年 144.9万円
2015年 142.8万円

このように、安定して150万円近く支給されていることに加えて毎年徐々に増加しています。

民間企業だと、震災やコロナウイルスの拡大などの予期しえないアクシデントがあるとボーナスが支給されないこともあり得るため、公務員のボーナス事情は非常に恵まれていると言えます。

民間企業とボーナスを比較すると

民間企業の年間ボーナス平均額は77万円程度であるため、公務員のボーナスは非常に高い水準にあります。

また、公務員はボーナス以外にも諸手当が充実しており、様々な手当を受けることができます。

ボーナスにあたる勤勉手当・期末手当だけでなく、住居手当や扶養手当、地域手当などが代表的です。

このように待遇が恵まれているため、公務員の年収は平均よりも高く、また福利厚生も充実していることから根強い人気がある職種となっています。

国家公務員の賞与と比較すると

人事院が発表している「2019年度国家公務員給与等の実態統計調査」によると、国家公務員の全職種年間ボーナスの平均額は176万5733円でした。

データ上は国家公務員の方が高めの水準となっていますが、国家公務員の方が採用試験が難しく、また仕事も激務になりがちです。

特に、国会の会期中などは長時間の残業が常態化してしまっているため、想像以上にハードなのです。

地方公務員のボーナス支給日はいつ?

地方公務員のボーナスは、夏のボーナスと冬のボーナスの年二回支給されています。

なお、支給日は法律で規定されており、夏のボーナスは6月30日、冬のボーナスは12月10日です。

このように支給日に関しては法令で定められており、これらの該当日が土日であった場合は、直前の金曜日に支給日がずれることになります。

地方公務員の地域別ボーナス

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地方公務員の仕事内容や採用難易度は、都道府県別・市町村によって異なります。

また、自治体によって税収に差があるため、支給されるボーナスの額もそれぞれの自治体によって異なります。

比較対象次第では、最高賞与と最低賞与の額の差が100万円以上あったりするため、地域によって大きなボーナス額の格差が生まれてしまっています。

16市町村区で180万円以上

東京都の多くの区や神奈川県の自治体のいくつかでは年間のボーナスの平均額が180万円を超えており、かなり高い水準となっています。

これらの税収が安定していて人口も多い自治体は、職員への給与も高い傾向にあります。

なお、2019年で最も賞与が高かったのは神奈川県横浜市であり、188万6400円という結果でした。

この金額は日本を代表する一流企業と比べても遜色のない数字であるため、横浜市は非常に魅力的な自治体と言えるでしょう。

ボーナス100万円以下の市町村区も

北海道の町村役場など都内や首都圏から離れると、賞与額は100万円以下の地域もいくつかあります。

北海道島牧村のように年間のボーナスが支給されない地域もあるため、やはり税収や人口動態は大きく影響することが分かります。

ただし、1741市区町村のボーナスを低い順に見ると、4位の東京都青ヶ島村でさえ100万円以上の賞与が支給されています。

つまり、地方公務員はボーナスに関しては圧倒的に高い水準にある職種であると言えるのです。

地方公務員のボーナスの計算方法

はしゃぐ女性

公務員のボーナスの支給額は、一般的に「(給料+地域手当+扶養手当)×支給月数」で求めることができます。

公務員はベースとなる給料は毎年上がっていくため、年々ボーナスの額も上がっていくことになります。

夏の期末手当と冬の勤勉手当

前述したように、地方公務員のボーナスは夏と冬で二回支給されます。

6月に支給される夏のボーナスを正確には「勤勉手当」、12月に支給される冬のボーナスを正確には「期末手当」と呼んでおり、この合計金額が民間企業のボーナスに匹敵します。

なお、期末手当は在職期間に応じて定率で支給されており、勤勉手当は勤務成績によって査定評価されることになります。

期末手当は勤務成績があまり関係しませんが、勤勉手当は業績や能力評価がボーナスの金額に深く関わってきます。

勤勉手当の評価は5段階評価となっており、優れている順番にS・A・B・C・Dのランク付けがされているため、高評価を目指すモチベーションに繋がっているのです。

地域手当で支給割合が決まる

地域手当とは、基本給の0%〜20%の割合で手当のことで、この額は各自治体によって異なっています。

その地域の賃金水準や物価が加味されており、基本的に都会ほど地域手当の支給割合が高くなる傾向にあります。

なお、具体的なパーセンテージは以下の表のようになっています。

級地 支給地域 支給割合
1級地 東京都特別区 20%
2級地 大阪市点横浜市 16%
3級地 さいたま市・千葉市・名古屋市 15%
4級地 神戸市 12%
5級地 水戸市・大津市・京都市・奈良市・広島市・福岡市 10%
6級地 仙台市・宇都宮市・甲府市・岐阜市・静岡市・津市・和歌山市・高松市 6%
7級地 札幌市・新潟市・富山市・前橋市・福井市・金沢市・長野市・岡山市・徳島市・長崎市 3%

このように、人口の多い大都市ほど地域手当の率は高めです。

一見すると「勤めてる場所が違うだけで地域手当が高いのはずるいなぁ」と思う方もいると思いますが、地域手当が高いところは物価が高く、また家賃も高くなりがちなのでやむを得ないのです。

地方公務員の扶養手当

扶養手当とは、配偶者や子どもを持つ人に対して支払われる補助費用のことです。

配偶者や子どもの他にも、両親の生活を経済的にサポートしている場合にも扶養手当の対象となります。

地方公務員の扶養手当については国家公務員の額に準じて地方自治体の条例によって定められており、東京都では配偶者が5000円、子どもは10000円の手当が支払われています。

このように、家族が増えても手厚い手当がある点は大きな魅力と言えるでしょう。

地方公務員のボーナスの一例

ここで、地方公務員のボーナスを例を用いて計算してみましょう。

例として、「東京都職員」「家族構成:配偶者、子供2人」「月給40万円」「ボーナス支給月数:2ヶ月」という条件で計算してみます。

  • 地域手当:40×0.2=8
  • 扶養手当:0.5+1×2=2.5

地域手当の扶養手当の内訳はこのようになるため(40+10+2.5)×2=105万円という計算になります。

この金額が夏・冬のそれぞれで支給されるため、働く上での大きなモチベーションとなるでしょう。

地方公務員の給与は高め

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公務員はボーナスが非常に高めの水準であることから、自然と地方公務員の年収も比較的高めの水準になります。

安心して働くことができる上に給与水準も良いことから、目指す人が多いのです。

地方公務員の平均年収

地方公務員の平均年収は毎年600万円前後であり、日本の平均年収を上回っています。

総務省の発表する地方公務員の全国1741市区町村別の年収データを参考にして計算すると、直近5年分の地方公務員の年収は以下の表のように推移しています。

年度 平均年収
2019年度 598.9万円
2018年度 587.7万円
2017年度 586.4万円
2016年度 588.8万円
2015年度 597.9万円

このように600万円近くで安定しており、大きな増減はありません。

決してリッチな生活ができるほどの高年収ではありませんが、安定した生活を営むことができるため非常に魅力的と言えるでしょう。

地方公務員の充実した福利厚生

最近は、国が主導して「働き方改革」が行われています。

各地方自治体は働き方改革を実践してワークライフバランスに積極的に取り組んでおり、比較的有給休暇も取りやすい環境にあります。

また、最近は長めの育児休暇や介護休暇だけでなく男性の育児休暇の取得も奨励されているため、男性の育児参加がしやすい状況です。

職員厚生会なども組織されており、スポーツ観戦の補助、映画チケット・美術館の入館チケットの支給などをしてくれるサービスも充実しているため、プライべートを充実させることが可能です。

また、人間ドッグの費用助成や提携してるホテルや旅館の割引優待なども行っているため、心身のリフレッシュを図ることもできるのです。

地方公務員は退職金も高い

厚生労働省の発表する就労条件総合調査結果によると、地方公務員の60歳定年退職者の退職金は平均1941万円と非常に高い水準にあります。

民間企業の中には退職金制度が無いところもあるため、この点も大きな魅力の一つとなっています。

平均寿命の高まりや少子高齢化の進展などもあり、現在は「人生100年時代」に突入していることから、ボーナスや退職金が安定している公務員になるメリットは計り知れません。

年金に加えて老後の貴重な資金となる退職金が安定して払われる点は非常に心強く、この点も公務員の人気を高めている要因となっているのです。

公務員のデメリットやつらい面

2匹のオウム

基本的に公務員になることによるメリットの方が圧倒的に多いですが、デメリットもあるためその点を解説していきます。

しっかりとデメリットも把握しておくことでミスマッチを防ぐことができ、長く安定して勤めることができるのです。

若手の内はなかなか年収が上がらない

こちらの記事で紹介してきたように、基本的に地方公務員の年収は高く安定しており、非常に魅力があります。

しかし、就職してからいきなり年収600万円近くを稼ぐことができるわけではなく、1年目~5年目は年収400万円いくかいかないかという金額になります。

若手の頃は我慢の時期とも言え、ここで早々にあきらめないようにすることが大切です。

我慢しながら着実にキャリアを積んでいくことで年収も徐々に上がっていくため、周囲の信頼を掴めるように頑張るべきです。

若手の頃の仕事ぶりの印象が出世に影響することもあるため、我慢強く続けていきましょう。

前例踏襲が多く自分の意見が通りづらい

公務員の世界では「ことなかれ主義」の風土が根強く残っており、なかなか自分の意見が通りづらいのが現実です。

実際、業務の簡素化のアイデアをひらめいてもなかなか実際に許可してくれるケースは少なく、仕方なく前例踏襲して仕事に取り組んでいる職員は多くいます。

つまり、すべての自治体がそうというわけではありませんが、風通しが良いとは言えず窮屈な思いをしながら働かなくてはならない点は留意しておきましょう。

文書が多く、個人情報の保護に敏感

市役所などの行政機関が最も恐れているのは個人情報の漏洩です。

一度個人情報の漏洩が発生してしまうと、市民からの信頼が失墜してしまい行政の運営に支障が出てきてしまうからです。

また、漏洩したことによるお詫びなどで膨大な労力を使うことになるため、個人情報は慎重に管理しなくてはなりません。

しかし、行政の現場では時代に遅れていてペーパーレス全く進んでいない場所も多く、文書管理も一苦労です。

漏洩に注意しながら膨大な量の文書を扱わなければならないため、非常にストレスが溜まると言えるでしょう。

クレームを受けやすい

公務員は、来所者全員を相手にしなければなりません。

当然、中には一方的に行政に不信感を持っているクレーマーもおり、そのような対応で労力を使ってしまうこともあります。

このようなクレーマーはどこにでもいるため、公務員として働く以上は避けては通れないでしょう。

対応に慣れてくればあしらい方も身に着いてきますが、「役所は客を選べない」という点には留意しておくようにしましょう。

公務員のボーナスまとめ

公務員のボーナスまとめ

  • 期末手当は在職期間、期末手当は成績や能力が影響する
  • 扶養手当や地域手当などの諸手当も金額に影響する
  • ここ5年のボーナスは600万円程度で安定している
  • 福利厚生が非常に充実しているため、安心して勤めることができる

地方公務員のボーナスは自治体によって差があるものの、基本的に高い水準で安定して支給されています。

このような背景もあり、多くの人が地方公務員を目指しているのです。

ボーナスのみならず諸手当や福利厚生なども非常に充実しているため、興味がある方はぜひ公務員を目指して頑張ってください!

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