危険物取扱者は意味ない資格なのか?取る価値やメリット・活躍できる場面を徹底解説!

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「震災の報道などをきっかけに、危険物取扱者という職業を知ったけれど、どんな分野で活躍しているんだろう?」

「誰でも取れるから意味がないと言われているけれど、本当にその意見は正しいのかな?」

工業高校の学生や、ガソリンスタンドでアルバイトをした経験を持つ人は、危険物取扱者の資格取得を勧められることも多いのではないでしょうか。

ですが、有資格者が多いため、同資格の価値が正しく理解されていないこともあります。

この記事では、危険物取扱者資格のメリットや、どのような職場で活躍できるのかについて、詳しく解説しています。危険物処理者の資格の価値について正しく理解したい人は、ぜひ参考にしてくださいね。

「危険物取扱者の価値やメリット」についてざっくり説明すると

  • 危険物取扱者は有益な資格
  • 試験の難易度と需給バランスは必ずしも一致しない
  • 手に職を付けたい人には適した資格である

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危険物取扱者は無駄で意味ない資格なのか?

2人の女性 まず、危険物取扱者について簡単に説明しましょう。

危険物取扱者とは、消防法により定められた危険物の取扱いが認められている国家資格です。甲+乙(6種類)+丙の3種類8個に分類でき、特に乙種4類は、毎年25万人以上もの人が受験する超人気資格であると言えるでしょう。

一方人気資格であるにも関わらず、一部で「取得する価値がない」と価値を低く見積もる人もいます。極端な例では「意味ない」と言い切ってしまう人もいますが、危険物取扱者を取得するメリットは非常に大きいです。

以下の見出しで、その理由について解説していきましょう。

求人多数で就職・転職に活きる

危険物取扱者は、化学薬品を始めとする危険な物質を知り尽くしたエキスパートで、幅広い職場への就職・転職に生かすことができます。

中でも乙種4類はガソリン、灯油、軽油など日常生活に密接した化学薬品を扱い、これらは工場などにおける動力源として欠かせないものです。

また、発電所の勤務などでも電気系統の資格と合わせて危険物取扱者の資格を所持していると、就職の際に有利になります。

例えば、火力発電所では重油などを発電燃料として扱っているケースもまだまだ多いので、一定のニーズがあるでしょう。

さらに、化粧品メーカーなど化学薬品とは一見無関係な職場でも、有利に働くこともあります。

天然素材成分の化粧品を作る場合でも、その原材料となる植物油を利用するにあたって、指定数量以上を所持する場合には、危険物取扱者の設置義務があります。

このように幅広い職場で危険物取扱者は必要とされているため、求人数は多くなっており就職や転職の場面での活用が期待できるのです。

資格手当で給与アップする国家資格

危険物取扱者の資格取得によって、資格手当が付く職場は非常に多いです。一般的に資格手当が付くかどうかは国家資格認定が判断材料の1つですが、難易度の高い資格も多いものです。

それに対して、危険物取扱者は比較的挑戦しやすい国家資格だと言われている中で給与手当を手に入れることができるため、取得のコスパは非常に高いといえるでしょう。

また、危険物取扱者の資格は昇給やボーナス、昇進の判断材料にもなり得ます。

更に、バイトであっても時給単価アップの要件として求人に明記されているケースも多いので、学生でも挑戦する価値があると言えます。

次のステップにもつながる

危険物取扱者を取得している人は、6カ月以上の実務経験を積むと「危険物保安監督者」へ挑戦できます。

この資格を得ると、危険物を取り扱う作業者に対して指示を出せるようになり、社内での階級を上げていくチャンスにもつながります。

また危険物保安監督者の資格を保持していると、管理職としてのキャリアが認められ、転職先の選択肢が広がります。同業への転職でもある程度監督経験を積んだ人は優遇されますから、より良い職場への転職も可能でしょう。

さらに、高校生であっても

  1. 危険物取扱者の資格所持
  2. 危険物保安監督者の有資格者として、バイトリーダーに抜擢

というようなキャリアを積むと、そのまま就職活動において、自己PRの材料になるため、

職場の選択肢が広がる

危険物取扱者は、様々な職場で需要があります。いくつか例を挙げてみましょう。

  • 【タンクローリーの運転手】

タンクローリー自体が、貯蔵所の一種と法定されており、大型自動車の運転免許所持者のみでは石油を運搬できません。従って、運転免許と合わせて危険物取扱者の免許を所持した人が従事するのが、一般的です。

  • 【ガソリンスタンド店員】

ガソリンスタンドは、政令で屋外給油取扱所に指定されており、危険物取扱者の設置義務があります。

例えセルフスタンドであっても、ガソリンの販売を始め、軽油や灯油の扱いも危険物取扱者の監督下で行わなければなりません。

  • 【化学・医薬製薬会社】

化学薬品や医薬品などのメーカーでは、危険物を扱う場面も多いです。

乙種4類のアルコール類や石油製品などの引火性液体は、幅広い職場で利用されています。

また、危険物の中でもカリウムやナトリウムなどの自然発火性物質(第3類危険物)なども、メーカーによってはお馴染みの危険物かもしれません。

危険物を扱うには化学の知識も必須ですから、資格所持者は重要な仕事を任せてもらえる可能性も高くなるでしょう。

このように、危険物取扱者を必要とする職場は全国各地にあります。女性中心の職場でも、化粧品メーカーなどであれば、石油系の成分を含む製品も多く、有資格者は優遇される可能性もあります。

また、体力や性別に関係なく取得できる資格ですから、セカンドキャリアの形成を目指すシニア世代にもおすすめです。

仕事の年齢は関係なし!長く安定して働ける

求人に応募する際に、応募時の年齢や年収を気にする人も多いのではないでしょうか。

危険物取扱者は即戦力として評価されやすく、思いがけない職場で働ける機会も増えています。50~60歳でも1,000件以上もの有資格者(※1)の求人があり、幅広い年代で安定したニーズがあります。

※1【ハローワークインターネットサービスにおいて危険物取扱者乙種、または丙種の保有を条件とした求人の合計(2020年10月現在)】

例えば乙種4類を所持していた場合、生活用品や食品の配達を行っている会社が、灯油配達のサービスを行っているケースもあります。

こちらの企業は定年上限が非常に緩やかであり、シニアでも応募しやすい環境が整っていると言えるでしょう。

また有資格者の平均年収ですが、500~600万円と高水準で推移しており、概ね収入は安定しています

資格の種類や学歴などにより若干上下幅はあるものの、特に乙種4類所持者のニーズは高いので、手に職を付けたい人にはぴったりの資格です。

危険物取扱者が「役に立たない」と言われる理由は?

イノベーション このように、多くのメリットがあるにも関わらず、「危険物取扱者は食えない資格だ」と小馬鹿にする声も聞かれます。どのような根拠を元に否定的な声が聞かれるのか、その真相について分析してみましょう。

比較的簡単な国家資格で誤解されている

危険物取扱者試験の受検申込者数は、毎年25万人近くもいます。国家資格の中でも試験の実施回数が多く、受験チャンスに恵まれやすいことも関係しているでしょう。

また合格率は全体平均で約46%であり、国家資格の中では決して難関資格の部類では比較的易しいと言えます。

そのため、「危険物取扱者の仕事は簡単」「危険物取扱者は難しくないから、取得しても意味ない」と誤解されている部分もあるでしょう。

ですが、試験の難易度と需給バランスは本来別のものであり、無駄と言い切るのは早計です。石油由来の製品は日常生活と切っても切り離せない関係であり、それを作る現場の危険物取扱者は大いに需要があるからです。

試験の難易度を理由に、悲観的な見方をする意見については、気にする必要はないでしょう。

多くの人が所有する資格で希少価値は低い

危険物取扱者の試験は、毎年10万人近くが合格しています。従って、希少性という観点から見れば、それほど価値が感じられないのかもしれません。

ただし、先に述べたように「需要がない資格」だと断言してしまうのは、誤りです。

一例として、看護師の資格について考えてみましょう。こちらも毎年多くの合格者が出ており、第110回看護師国家試験は、合格者数59,769人であり、合格率は90.4%でした。

非常に高い合格率であり、所持者も多い一生モノの資格の代表格ですが、看護師の就職難という話は聞いたことが無いのではないでしょうか。

このように、資格の難易度や所持者と、需要の高さ・必要性は必ずしも一致しません。

勤務先によっては全く使わない

危険物取扱者の資格は、学生時代にガソリンスタンドでバイトをしていた場合に、「時給が上がる」という理由で取得する人もいるかもしれません。

ただし、公務員の行政職やものづくりと縁が無い大企業の平社員などの職に就くと、資格を活かす機会はほとんどなくなってしまいます。

一方、自営業や転職先によっては、資格がないと仕事が回らないほど重要な資格だと言えます。

また、同一企業でも「自動車メーカーの営業採用」→「転属により工場の管理職」という出世ルートを辿れば、資格取得が必要になるケースも考えられます。

このように、「キャリアが変われば必要な資格が変わる」というのは、危険物取扱者に限った話ではありません。資格の難易度や人数だけを見て価値を判断するのは、どの資格においても短絡的な考えだと言えます。

資格を持たない人の憶測も多数

危険物取扱者の価値については、ほとんど知識のない人が「需要がない」「簡単過ぎる」といった意見を述べているケースが多いものです。

実際の危険物取扱者の試験は、化学の基礎知識を始め、関係法令・政令も覚えなければならないなど、一夜漬けで合格できるようなものではありません。

また、危険物取扱者として働いている人が、わざわざ競合を増やすような意見を、ネットで堂々と述べるというのも考えにくいでしょう。

「簡単だった」「大したことがなかった」という意見も時折見かけますが、これらの意見が真意かどうかはわからないものです。

むしろ、受験者数の多さやほとんどの工業高校で取得が必須であることを鑑みると、意味ないどころか「有益な資格である」というのは明白でしょう。

「危険物取扱者の価値やメリット」についてまとめ

「危険物取扱者の価値やメリット」についてまとめ

  • 危険物取扱者はメリットの多い資格である
  • 各種の噂に振り回されずに取得を目指そう
  • キャリアプランが変われば、必要になるケースも大いにある

受験者の多さや、高校生が取得することも多い危険物取扱者は、ネガティブなイメージを持つ人も多いものです。

ですがここまで述べてきたように、必ずしも実際の社会での需要は、試験の難易度で推し量れるものではありません。

そもそも会社の仕事の内容は、実際にその企業や職場で働いてみないとつかめないものです。資格を取得しておくと、一時は無駄だと考えていても、将来思いがけない形でキャリアアップにつながる可能性もあります。

危険物取扱者の取得を目指す方は、ネガティブな噂にめげることなく、資格取得に向けて勉強に励んでくださいね。

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