測量士補は取っても意味ない資格?取得メリットや将来性を徹底考察!

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「測量士補は取っても意味ない資格なのか?」

「測量士補を取るメリットや将来性はあるのか?」

測量士補を目指したいが、このように測量士補の資格は意味ないという意見を耳にして困惑している人も多いでしょう。

測量士補を取得するメリットは本当に何もないのか、測量士補は意味ない無駄な資格と言われるのはなぜか、詳しく知りたいところですね。

今回は測量士補について、本当に意味ない資格なのか、資格を取るメリットや将来性などを詳しく解説します。

この記事をご覧になれば、測量士補を取得するメリット・仕事の魅力が分かるでしょう。

測量士補を取得するメリットについてざっくり説明すると

  • 取得コストの割にはメリットの多い資格
  • 就職の場面やライフスタイルの安定に寄与
  • 役に立たないと言われる原因はいくつかあるが誤解が多い

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測量士補は本当に意味ない資格なのか?

士補

測量士補」は、測量に従事する者に与えられる国家資格です。測量の国家資格には、他に「測量士」があります。

測量士補・測量士になるためには、測量法に基づく国家試験に合格して、国土交通省国土地理院の名簿に登録する必要があります。

測量士が約10%前後の合格率と難しいのに対して、測量士補の合格率は30%~40%前後と比較的難易度が低くなっています。

測量士補は測量業界では大切にされている資格ですが、「測量士補の資格は役に立たない」という意見も見られます。

ただ、測量士補は以下でみるように取得のメリットが非常に大きい資格です。

取りやすいコスパ抜群の国家資格

結論から言うと、測量士補は取りやすいコスパ抜群の国家資格です。

測量士補試験に合格するために必要な勉強時間は、一般的に200時間が1つの目安とされており、取得までの時間はそこまでかかりません。

このように難易度はそれほど高くなく、比較的すぐに資格を取得できる一方で、測量関係の仕事はいろいろ用意されています。

公共・民間を問わず、あらゆる建設・土木工事を確実に進める上で、測量の仕事は必須であり、この仕事は測量士か測量士補の独占業務となっているため、手に職をつけたい方におすすめできる資格なのです。

就職・転職に有利

測量士補は、測量会社はもちろん、建設・不動産関係の企業や地方公共団体からの採用ニーズも高いです。

このニーズの高さは、測量法で測量会社は営業所ごとに測量士を1名以上配置する義務があることが主な要因となっています。

測量士補の配置により上記の義務を満たすことはできませんが、一般的には複数の測量士・測量士補を配置するため、就職における測量士補の需要は高いのです。

また、建設・不動産関係の企業で測量関係業務を担当する機会があるだけでなく、資格取得に当たって身に付けた専門的な知識が建設・不動産関係の業界でも歓迎され、就職・転職のチャンスが広がることもあります。

さらに近年は、国土強靭化・防災対策の強化を目指す地方公共団体で測量業務の有資格者に対する需要が急激に高まっています。

安定して長く働ける

測量業務は測量法に基づき測量士・測量士補だけが行うことのできる独占業務です。

測量業務自体は、建築・土木事業に限らず、国土の地理的条件・地球環境の計測などに必須のものであることから、仕事がなくなることはまずありません。

このような公共・民間問わずに幅広い需要があるからこそ、常に高い需要を誇り長く働ける資格となっています。

測量士の資格取得につながる

測量士補資格は、測量業務で本格的に活動したい方の取得が必須である測量士資格の取得の大きな足掛かりとすることができます。

測量士資格にステップアップするメリットは豊富に存在し、例えば測量士になることで測量業務の主任者として測量計画を実際に作成して実行まで移すことができます

測量士補資格の場合、この計画を作れず与えられた指示に対して測量業務を実施するだけなので、この点は大きな違いとなります。

また、測量士は各営業所に必置となるため、その分給与待遇が測量士補よりも上である点も大きな魅力です。

土地家屋調査士の試験免除が得られる

測量士補資格を取得することで、不動産業界トップレベルの資格となる土地家屋調査士の午後試験に出題される「測量・作図」の試験を免除することができます。

土地家屋調査士は表示登記のための調査・測量が主な仕事であり、取得することで測量士補・測量士が行える土地の測量と含めて業務範囲を広げることができます。

このような背景から、測量士補・測量士の方の中には、土地家屋調査士を取得して自分のできる仕事の範囲を広げようと考える方も多いです。

よって、土地家屋調査士の将来的な取得を検討している方は、測量士補を取得することでその後の資格勉強を有利に進められるメリットを得られます。

測量士補資格は役に立たない?原因は?

原因

以上見てきたように測量士補の資格を取るメリットは多いです。

しかし、それにもかかわらず、「測量士補は無駄・意味ない資格・そもそも食えない」などのネガティブな見方や批判的な声がネットなどで見られます。

このような見方・批判的な声には理由・根拠がまったくないとは言いませんが、誤解から出てきた意見や見方も多いです。詳しく見ていきましょう。

就職に使えないことも

測量士補の資格は対象が専門分野の仕事ですので、活用できる業界が限られることはあります。MOS・簿記・TOEIC・医療事務などのようにつぶしの利く資格とは言えないでしょう。

そのため、測量会社や建設・不動産関係の業界・業種以外では一般的にはあまり必要とされることがない資格であり、就職に使えないことも多いかもしれません。

しかし、測量関係の仕事に就くためには、測量士・測量士補は必須の資格です。測量の仕事に興味を持っており、ターゲットの企業を絞っている方にとっては、外すことのできない資格となっています。

ドローンやAIに仕事を奪われるから無駄?

3次元測量、GPSを活用した地理空間情報の整備など、測量分野でのドローンの普及・AIの活用は目覚ましいです。

このため、測量士補の仕事は「ドローンなどのAI技術に取って代わられる」「測量士補を取っても意味ない・無駄」などの声も聞かれます。

確かに測量業務でもAIの一層の導入・活用が不可欠です。三角点・水準点などの基準点設置や紙ベースの地図作成がメインの従来型の測量業務は、形を変えていく必要性があります。

しかし、いくら技術革新が必要でも、ベースとなる伝統的な測量技術の重要性は基本的に変わることはありません。

しかも、AI技術が進展しても、自然条件などによってはAIでは対応しきれない業務範囲があります。

このような背景から、測量士や測量士補の経験・能力が必要とされる業務をAIがすべて代行できるわけではありません

知名度が低い

測測量士補は知名度が低いとの思い込みもネガティブな原因の1つです。国土地理院が行った「測量士・測量士補に関する実態調査報告書(2019年)」でも知名度の低さや人気のなさを指摘する声がありました。

ちなみに、測量士補の受験者数は2017年度の14,042人をピークに2020年度は10,361人に減少しています。

人気のなさが原因と見られるかもしれませんが、2019年度までは13,000人台をキープしており、減少はコロナ禍の影響と考えた方がよいです。

いずれにしても1万人台の受験者数は決して少ないわけではなく、人気が高い技術士や公認会計士などの受験者数と同程度です。

よって測量士補は知名度が低く、測量士よりも下で意味ないという見方は誤解と言ってよいでしょう。

測量士減少による誤解

国土地理院の「測量士・測量士補に関する実態調査」によると測量業者に所属する測量士の数は、2014年の32,421人から、2019年2月には30,368人とやや減少しています。測量士は20年近く減り続けているとの指摘もあります。

確かに、この間公共投資の減少傾向が続き、測量業の事業機会も減少したため、業者数が漸減し、実働する測量士も減少したと見られます。また、測量士の減少には技術者の高齢化も影響しています。

ただ、公共投資の減少や技術者の高齢化の影響は測量業に限ったことではなく、建設関連業全般に見られたことです。しかし、コロナ禍の影響があった2020年度を除き、測量士の受験者・合格者に近年減少傾向はみられません。

むしろ、国土強靭化・防災対策の強化のために測量業務への需要も高まっており、「測量の仕事がなくなる」「意味ない」というのは間違いです。

測量士補を取得するメリットまとめ

測量士補を取得するメリットまとめ

  • 測量士補は取りやすく・コスパ抜群で就職・転職に有利な国家資格
  • 測量士補の経験・能力が必要な業務をAIがすべて代行できるわけではない
  • 国土強靭化・防災対策強化のため測量業務への需要も高まる
  • 測量の仕事がなくなる・意味ないというのは間違い

測量士補を取得するメリットについて将来性を含めて解説してきました。

測量士補は意味ない、無駄などの声も散見されますが、測量士補の資格取得のメリット・魅力は大きいです。

今後、測量士が活躍する分野はさらに広がる可能性もあります。測量士補の資格取得を目指してぜひ躊躇せずに勉強を続けてください。

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