測量士補の難易度は高い?試験の合格率や合格点・独学での勉強方法も解説

「測量士補試験の難易度や合格率は?」

「測量士補に独学で合格できる勉強方法は?」

こんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

この記事では測量士補の難易度や合格率、独学での勉強時間や方法、過去問の使い方などについて分かりやすく解説していきます。

読みすすめていけば、測量士補試験への向きあい方が分り、受験への自信がつくはずです!

測量士補試験の難易度についてざっくり説明すると

  • 測量士補試験の合格率は約30~40%前後
  • 測量士補試験の偏差値は45~47
  • 勉強時間の目安は約200時間

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測量士補の難易度は低い?

測量士補の難易度表

「測量士補」とは建築や土木工事の現場などで、「測量士」の作成した計画に基づいて測量を担当する仕事をする資格です。

測量士補は測量士よりも比較的容易に取得できる資格なので、測量の仕事を志す人は、まず、測量士補の資格を取得します。

測量士補の資格試験は測量士の資格試験に比較して難易度が低いと言われていますが、ある程度まとまった勉強時間の確保は必要です。

以降では、測量士補試験の難易度とともに合格に向けての勉強法について解説をしていきます。

測量士補の試験範囲

測量士補の試験範囲は、次の8つの分野です。

  1. 測量に関する法規
  2. 多角測量
  3. 汎地球測位システム測量
  4. 水準測量
  5. 地形測量
  6. 写真測量
  7. 地図編集
  8. 応用測量

このように、試験範囲は幅広く、しかも問題は文章題だけではありません。

長さを測って距離を求める問題・地図記号を暗記していないと解けない問題・難しくはないものの計算問題も出題されます。

試験時間と出題形式

測量士補の試験日は例年5月の第3日曜日で、13:30~16:30の3時間で実施されます。

問題は試験範囲の8分野から28問が出題され、1問当たり25点の配点で700点満点の試験です。

解答は「マークシート方式」による「五肢択一式」が採用されています。

なお、測量士補試験では、定規を持ち込めますが電卓の持込みは認められません。

測量士補に受験資格はない

測量士補の試験は年齢、性別、学歴、実務経験などに関係なく受験できます。

しかし内容は専門的なものが多いため、受験者は工業系の勉強を行っている学生などが多くなっています。

なお、下記の条件を満たしている場合は、試験を受験しないでも資格の取得が可能です。

  1. 文部科学大臣の認定学校で測量に関する科目を修めて卒業
  2. 国交大臣の登録を受けた測量に関する専門養成施設で、1年以上専門知識および技能を修得

測量士補の偏差値は50弱

測量士補試験の平成28年度から令和元年度までの合格率は、年によってばらついていますが34~47%での推移です(一般的には、36%程度と言われている)。

合格率だけで判断すれば、一般に言われているほど取得が簡単な資格とは思えません。

しかし、資格試験の偏差値を判定しているサイトでは、偏差値は「47」で難易度は「簡単」と判定しています。

これは、工業高校などの多数の高校生が受験していることで合格率が低いことや、問題に過去問の焼き直しが多く対策がしやすいことなどに起因するのでしょう。

なお、測量士補は比較的簡単な資格であるうえに雇用需要が高く幅広い活躍の場があることから、コストパフォーマンスのいい資格として人気があります。

測量士補の合格率は?

測量士補の平成21年度から令和元年度までの合格率は21.2%から47.3%とで、大きなバラツキのある推移です。

以降では、この合格率に関連した事項について解説します。

合格率は30~40%程度

平成21年度から令和4年までの合格率は、次表のとおりです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度 12,556人 5,540人 44.1%
令和3年度 12,905人 4,490人 34.8%
令和2年度 10,361人 3,138人 30.3%
令和元年度 13,764人 4,924人 35.8%
平成30年度 13,569人 4,555人 33.6%
平成29年度 14,042人 6,639人 47.3%
平成28年度 13,278人 4,767人 35.9%
平成27年度 11,608人 3,251人 28.0%
平成26年度 11,118人 4,417人 39.7%
平成25年度 10,596人 2,248人 21.2%
平成24年度 10,551人 4,289人 40.7%
平成23年度 10,233人 2,192人 21.4%
平成22年度 10,387人 2,757人 26.5%
平成21年度 10,520人 2,704人 25.7%

測量士補の合格率は、かつては20%から40%程度での大きなバラツキのある推移でした。

しかし近年は、平成29年度に突出して高い合格率であるものの、30~40%前後で推移しています。

このように資格試験の中では比較的合格率の高い合格率ですが、70%近くの受験生が合格出来ない試験なのですから、適切な対策を講じなければ合格は望めません。

測量士補の合格率について以下の記事で詳しく解説しています。

測量士補の合格点は450点

測量士補試験では試験範囲の8分野から28問が出題され、1問当たり25点の配点で700点満点です。

合格基準は、700点満点中450点以上で設定されています。

450点以上とは、1問当たり25点の配点ですから、28問中18問以上の正解が必要です。

この正解が28問中18問以上必要ということは、「正答率としては65%程度の合格基準」と言えます。

なお、測量士補試験での試験範囲は8つの分野がありますが、分野ごとでの合格基準は定められていないので、総合点が450点以上であれば合格です。

土地家屋調査士の受験者が多数受験

測量士補試験の受験者に関して特筆すべきことは、土地家屋調査士資格の取得を目指している多くの受験者の存在でしょう。

土地家屋調査士とは、「不動産の登記と測量」のプロです。

この土地家屋調査士を目指す人が測量士補試験を受験するのには理由があります。

それは、測量士補試験に合格していると、難関な土地家屋調査士試験の「午前の部」が免除されるメリットがあるからです。

測量士補の他にも「測量士・一級建築士・二級建築士」の資格者も免除されますが、測量士補が選ばれるのは、測量士補が一番取得し易い資格だということでもあります。

つまり測量士補は、土地家屋調査士試験の登竜門ともいえる資格なのです。

受験者には学生も多い

測量士補試験の受験者には、土地家屋調査士を目指す人と同様に「高校生」が多いことも特徴です。

かつて「合格率が約20%前後と低いので、高校生での測量士補の取得は困難」と言われていました。

しかし近年は、在学中に取れる資格はできるだけ取得しておこう、と考える高校生が多くなっているようです。

また、測量士補の資格は非常に需要が高いことも、卒業後に就職を考えている高校生に人気がある理由でしょう。

測量士補の難易度ランキングでの位置

資格の偏差値の判定とそれに基づいて難易度のランク付けをするサイトでは、測量士補資格の偏差値を45~47と判定しています。

この偏差値によれば難易度は「簡単」なレベルで、同程度の難易度として挙げられるのは次のような資格です。

  • 国内旅行業務取扱管理者
  • 無線従事者試験 航空無線通信士
  • 自動車整備士2級
  • ボイラー技士2級
  • 危険物取扱者

不動産関連資格と難易度を比較

以降の見出しでは、測量士補資格の難易度と不動産関連資格の難易度を比較・検討します。

なお、取りあげる不動産関連資格は、「宅建(宅地建物取引士)」と「土地家屋調査士」の2つです。

また、比較は「合格率・偏差値・受験資格・合格ライン」の4つの項目で行います。

宅建試験との難易度比較

測量士補と宅建試験の難易度は、次のとおりです。

測量士補 比較項目 宅建
36%程度 合格率 15%程
47 難易度:簡単 偏差値 57 難易度:普通
だれでも受験できる。 受験資格 だれでも受験できる。
700点満点で450点以上 合格ライン 約70%以上の正答率

どの比較項目を見ても、宅建の難易度の方が高いと言えるでしょう。

しかし、宅建は暗記で測量士補は計算がメインなので、難しさの種類は異なります。

以下の記事では宅建試験の難易度についてまとめています。

土地家屋調査士の方が合格率が低い

測量士補と土地家屋調査士試験の難易度は、次のとおりです。

測量士補 比較項目 土地家屋調査士
36%程度 合格率 8.5~9.6%
47 難易度:簡単 偏差値 64 難易度:難関
だれでも受験できる。 受験資格 制限なし。
ただし、口述試験は筆記試験の合格者
700点満点で450点以上 合格ライン 基準点:択一32.5点・記述33.0点
合格点:合わせて76.5点取れば合格

全ての項目で明らかなとおり、土地家屋調査士は偏差値60 を超える資格試験で、測量士補よりもはるかに難易度の高い試験です。

土地家屋調査士試験の難易度についてが気になった方は以下の記事を参考にしてください。

測量士との難易度の違い

測量士と測量士補試験の難易度は、次のとおりです。

測量士補 比較項目 測量士
36%程度 合格率 15%程度
47 難易度:簡単 偏差値 59 難易度:普通
だれでも受験できる。 受験資格 だれでも受験できる。
700点満点で450点以上 合格ライン 択一式:700点満点中400点以上 かつ
合計点:1400点満点中910点以上

測量士補の上位資格に位置するだけに、どの項目でも測量士の難易度が高いことが分かります。

測量士試験の難易度は下の記事で徹底解説しています。ぜひ参考にしてください。

測量士補の資格にはメリットが多い

ジャンプ 測量士補の資格については、「測量関連の資格である」ということ以外に、どのようなメリットがあるのかといったことは知らない人が多いのではないでしょうか?

測量士補の資格は、取得後のメリットが多く需要が高いことから、コストパフォーマンスに優れた資格と言われています。

この測量士補の資格取得後のメリットを知ることは、モチベーションの維持と勉強を継続することにつながるものです。

以降の中見出しでは、測量士補資格取得後のいくつかのメリットを取り上げて解説します。

そもそも測量士補とはどんな資格?

測量士補とは大小のさまざまなビルや家屋といった建物だけではなく、鉄道やトンネル、道路や橋など、あらゆる建設工事で最初に行う測量の作業を担う資格所有者です。

工事予定地の正確な位置・高さ・長さ・面積などを専門的な測量技術で測定し、現状図面などを作成します。

この測量の結果によって、開発計画を決めたり建造物の建設条件を変更したりするので、誤差のない正確なデータは不可欠なものです。

測量会社での活躍が見込める

測量士補のほとんどは、測量会社や建設コンサルタント会社などで働くのが一般的です。

測量会社では、事業所ごとに測量士・測量士補の資格者を1名以上配置する義務があるため、複数の測量士や測量士補を雇用します。

このような背景から、測量士や測量士補は求められる場面が多く、人材不足にもなりやすいです。

こうしたことから、測量士補の資格を取得すれば、測量会社での活躍が見込めます。

需要が高く将来性も申し分ない

測量業務は『測量法』という法律で守られており、測量士や測量士補の独占業務です。

しかも測量業務は公共事業などで一定の需要が約束されているため、何十年先でも需要がなくなることはあり得ないでしょう。

景気変動で将来性が左右される可能性はあるものの、仕事がなくなる可能性は小さいと言えます。

また、すでに紹介したとおり、測量会社では事業所ごとに測量士や測量士補の資格者を配置する義務があり、常に測量士や測量士補の雇用が必要です。

こうしたことから、測量士補は、将来的にも長く安定した需要のある資格と言えます。

土地家屋調査士も取得を目指そう

測量士や測量士補では「基本測量」と「公共測量」しか行えませんが、土地家屋調査士は独占業務である「登記測量」も行えます。

このことから測量士補や測量士のなかには、土地家屋調査士の資格も取得して、ダブルライセンスでより幅広い活躍を目指す人が多いようです。

これは、測量士補の資格を取得している人が土地家屋調査士の資格試験を受験する際には、午後に実施される「測量・作図」の試験の免除が受けられることによります。

測量士補は独学で合格できる?

勉強する子供

合格率が約35%の測量士補試験に独学で合格するには、どのように勉強をすればいいのでしょう?

以降では、独学でも測量士補に合格できるような勉強法について詳しく解説をしていきます。

独学の勉強時間は200時間程度

独学で測量士補試験に合格するための必要勉強期間は、一般的には200時間が目安とされています。

200時間の勉強時間は、1日当たり1時間の勉強を毎日続ければ約200日・2時間であれば約100日ですから4カ月~7カ月の期間が必要です。

測量士補試験の実施は5月中旬から下旬の日曜日ですから、1日当たり勉強に割ける時間をもとに逆算して受験勉強の開始時期を設定します。

なお、社会人の場合は会社や家庭の都合で、決まった時間を毎日勉強に充てることは簡単なことではありません。

長期に継続の可能な余裕のある学習計画だけは、しっかりと立てておくことを強くおすすめします。

測量士補の勉強時間について気になった方は以下の記事を参照してください。

過去問の繰り返しが最も有効

測量士補試験の勉強方法での一番のおすすめは、過去問の反復利用です。

とくに測量士補試験は過去に出題された問題の焼き直しが非常に多いこともあり、過去問の反復利用によるやり込みは得点アップに最も効率的です。

過去問を解けば知らなかったことや誤って理解していたことが明らかになるので、テキストに戻って正しい情報を記憶します。

「過去問を解く⇒知らなかったことや誤解していたことを確認する⇒テキストを使って正しい知識を暗記する」というサイクルを5~10年の過去問で3~5周繰り返すのです。

3~4回目には、100点を取れるまでの知識が、確実に自分のものになっています。

計算問題は解き方を押さえる

測量士補資格試験の問題で半分を占め、難易度も高めと言われているのが「計算問題」です。

この計算問題についても、5~10年の過去問で解決できます。

必要なことは、過去問を解いてその解説を読むプロセスの中で、「解法や公式」を確実に暗記することです。

なお、測量士補試験の計算問題も、過年度と同じパターンの問題の数字を変えて繰り返し出題されていることから、過去問を解くことで非常に効率のいい勉強ができます。

測量士補の独学勉強法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

通信講座で最短合格を狙う

測量士補は独学だけでなく、通信講座を使って効果的に合格を狙うことができます。

特にアガルートの講座は、最短合格を狙うために必要な要素がふんだんに詰まったクオリティの高い講座であるため非常におすすめです。

合格実績は2022年度で驚異の96.9%となっていることから、クオリティの高さが数字となって顕著に表れているといえるでしょう。

また、アガルート独自の取り組みとして、合格時の全額返金制度が挙げられます。

合格すれば講座を無料で受講できる優れものの講座なので、測量士補の対策を始めようと考えている人はぜひ一度アガルートの講座を受講してみてはいかがでしょうか?

測量士補試験の難易度のまとめ

測量士補試験の難易度についてのまとめ

  • 測量士補試験の近年の合格率は30~40%前後で推移
  • 測量士補試験の偏差値は45~47で「簡単」の判定
  • 勉強時間の目安は約200時間で独学合格も可能

測量士補の難易度についてさまざまな側面から解説をしてきました!

測量士補試験の合格率は低めですが、10年程度の過去問を徹底的に利用することで、独学での合格は十分可能です。

あなたも、雇用需要の多いこの測量士補資格の取得に挑戦してください!

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