測量士の独学合格は可能?勉強時間や合格率・おすすめの勉強方法も解説!
「測量士試験に独学で合格することは可能?」
「測量士のおすすめの勉強方法が知りたい!」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
測量士試験はかなり難関な資格ですが、独学で合格することは可能です。
しかし、効率的な勉強方法を実践して多くの勉強時間を確保しないと、合格は難しいでしょう。
こちらの記事では、測量士試験に独学で挑む場合のおすすめ勉強方法や、必要な勉強時間などについて詳しく解説していきます!
測量士の独学についてざっくり説明すると
- 独学での合格は可能だが、難易度が高く茨の道
- アガルートの講座で合格を目指すのがおすすめ
- 午前の試験には足切りが設定されているため注意が必要
- 独学のメリットとデメリットをしっかりと把握しよう
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独学で測量士に合格するのは可能か
測量士の資格を取得する方法は、学歴や職歴・業務経験などをクリアして取得する方法と、未経験から測量士の国家試験に合格して取得を目指す方法の二つのルートがあります。
資格取得のために専門学校に通う場合は国家試験を受ける必要がありますが、測量士試験対策の通信講座や予備校はほとんどないため、独学で取得を目指す方が多いです。
ただ、測量士の試験は難易度が高いため、様々な工夫を重ねないと独学での合格は困難です。
こちらのトピックでは、まず測量士試験の独学可否を判断するうえで必要な基本的な情報について解説していきます。
測量士の試験内容と試験形式
測量士の試験は、以下の8つの分野から出題がされます。
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多角測量
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凡地球測位システム測量
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水準測量
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測量に関する法規及び関連する国際条約
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地形測量
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写真測量
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地図編集
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応用測量
測量に関する幅広い知識や専門的な知識が必要で、複雑な計算問題なども出題されるため問題の難易度は高いです。
1問の差で不合格になってしまうケースも多々あるため、取れる問題は確実に取るようにしましょう。
午前試験はマークシート方式
午前試験は前述した試験範囲の中から5肢択一のマークシート形式で28問が出題され、配点は一問25点で700点満点の試験となっています。
なお、試験時間は2時間半となっており、演習の段階から時間内に解き終わるように工夫しましょう。
この択一式問題で400点以上の得点をすることが合格基準の一つになっているため、苦手分野が多いと不合格になってしまいます。
午後試験は必須問題と選択問題
午後試験は記述式となっており、必須問題1題と選択問題2題の計3題を解くことになります。
配点は必須問題が300点、選択問題が一問200点の700点満点の試験となっています。
なお、試験時間は午前の部と同じく2時間半となっています。
合格基準と足切りが存在
測量士の試験は相対評価であり、1400点満点中910点以上の得点で合格することができます。
得点率で換算するとは65%以上の正解で合格となるため、必ずしも高い正答率が求められるわけではありません。
ただし、午前の部の得点による足切りが設定されているため、その点に注意が必要です。
午前の部の択一式試験で400点以上の得点が無いと、その時点で不合格となります。
この足切りに引っかかってしまうと、例え午前の部と午後の部と合わせて合格点をクリアできていたとしても不合格となってしまうので、注意しましょう。
測量士の合格率は非常に低い
ここで、直近6年分の合格者数や合格率などのデータを見てみましょう。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2022年 | 3,194人 | 460人 | 14.4% |
2021年 | 2,773人 | 497人 | 17.9% |
2020年 | 2,276人 | 176人 | 7.7% |
2019年 | 3,232人 | 479人 | 14.8% |
2018年 | 3,345人 | 278人 | 8.3% |
2017年 | 2,989人 | 351人 | 11.3% |
データ出典
- 国土地理院 令和4年測量士・測量士補試験の合格者を発表
- 国土地理院 令和3年測量士・測量士補試験の合格者を発表
- 国土地理院 令和2年測量士・測量士補試験の合格者を発表
- 国土地理院 令和元年測量士・測量士補試験の合格者を発表
- 国土地理院 平成30年測量士・測量士補試験の合格者を発表
上記のように、測量士の合格率は非常に低く約10%で推移しています。
測量士補の合格率が35%程度であることを踏まえると、かなり難易度が高いことが分かります。
また、近年は以前よりも合格の波が激しい傾向にあり、次回の試験の難易度を予想するのは困難です。
測量士試験の合格率や試験難易度について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
独学で測量士に受かるまでの勉強時間
測量士試験では専門的な知識が求められるため、事前知識の有無などによって合格に必要な勉強時間は変わります。
しかし、独学で合格をするためにはどの受験者でも300時間以上の勉強時間は必要と言われています。
一方で、そもそも測量に関する知識がない方や数学についての知識が全くない文系出身の方であれば、500時間程度の勉強時間がかかってもおかしくありません。
このように、自分の学力や得意分野次第で必要な勉強時間は前後します。
測量士を独学するメリット
難易度がかなり高く独学での合格が難しい測量士ですが、独学で勉強を進めるメリットはいくつかあるため、それらを解説していきます。
試験勉強のペースを決められる
独学だと自分で勉強のカリキュラムや計画を決めることができるため、試験勉強のペースを調節しやすいというメリットがあります。
具体的には、1日の学習時間や学習範囲についてだけでなく、長期的な学習の計画についても自分で決めることが可能です。
そのため、得意分野は流し気味に勉強したり苦手分野は時間をかけて勉強するなど、柔軟性を持たせた勉強方法が可能です。
特に、暗記しなければならない事項についての最適な進め方が各受験者で異なる場合が多いため、自分のやり方で自由に進められる独学者はメリットが多いでしょう。
テキスト代と受験料だけで済む
独学だと、予備校や通信講座を利用する場合よりも圧倒的に費用が安く済むメリットがあります。
通常、資格試験対策の講座を受講する場合は数万円〜十万円近い費用がかかってしまうケースが多いですが、独学の場合は試験対策に用いるテキストなどの書籍代や受験費用だけで済みます。
ちなみに、測量士の市販テキストはほとんど無く、国土地理院のホームページに掲載されている過去問を用いて試験対策を行うことも可能です。
そのため、家にプリンターなどがあればテキスト代すらかけずに勉強を進めることも可能なのです。
仕事と試験勉強を両立可能
独学だと勉強のスケジュールが自分で調節できるため、仕事との両立もしやすいです。
測量士の資格を取得するために専門学校などに通うと、社会人であれば必然的に仕事に支障が出てしまいます。
しかし、その一方で独学で試験の合格を目指す場合には、仕事をしながらでもうまくスケジュールを調節することで資格取得と両立することができます。
仕事をしながら資格取得を目指したい方は、独学の方が向いているでしょう。
独学のデメリットも把握しよう
多くのメリットがある独学ですが、やはり測量士は難関な試験であるため多くのリスクやデメリットも存在します。
このような悪い点もしっかりと把握することで、独学で失敗する可能性を少しでも減らすことができます。
こちらのトピックでは、独学のデメリットについて解説していきます。
試験に必要な数学知識が身につかない
独学だと、分かりやすく勉強をサポートしてくれる存在が無いためなかなか知識が身に着かない恐れがあります。
特に、文系出身者は測量士の試験対策のために一から高校理系レベルの数学を勉強する必要があり、理論や解き方を学ばなければなりません。
文系出身者がスムーズに理解することは難しいケースが多いため、独学で測量士に合格できるレベルに達するためにはかなりの困難を強いられるでしょう。
毎日の勉強意欲が維持できない
独学は孤独に勉強しなければならず、モチベーションの維持も難しいです。
通信講座を受講していれば、疑問点や不明点に遭遇しても質問サポートなどがあるためスムーズに解決することができます。
しかし、独学の場合は自力でなかなか理解することができずそのまま放置されてしまう場合もあります。
また、勉強のペース配分も結局は自分の裁量次第なので、勉強を毎日続けづらい環境とも言えるでしょう。
また、効率的な学習カリキュラムを自分で作らなければならず、この作業も非常に手間がかかり面倒です。
このように、モチベーションの維持やスケジュールの立案などで躓いてしまう独学者が多いのが実情です。
測量士の独学が向いている人の特徴
これまで解説してきた測量士試験の特徴や独学のメリット・デメリットを踏まえると、独学が向いているのは具体的に以下のような方々です。
土地家屋調査士の資格を持っている人
土地家屋調査士の資格を取得している方はかなり有利です。
土地家屋調査士の受験者の多くが、科目免除の恩恵を受けるために測量士補の資格も取得しています。
つまり、測量士補の勉強経験があることから測量士の勉強はスムーズに行えるのです。
このように、既に測量に関する知識がある方はアドバンテージが大きいため独学でも合格できる可能性は高いと言えるのです。
また、土地家屋調査士の測量士の出題分野には重複が多い上に、土地家屋調査士の方が難関試験であることも測量士の独学合格が可能と言える一つの理由です。
理系の出身者で数学に精通している人
前述したように、測量士が難関試験である大きな理由に複雑な計算問題が出題されることが挙げられます。
そのため、高校で数学を履修していた方や理系科目が得意で、すでに専門的な数学の知識を有している方であれば試験対策がしやすいと言えるでしょう。
具体的には、高校の数学II・数学B・数学Ⅲ・数学Cが得意だった方は独学においても難なく進めることができるはずです。
過去に難関な試験を独学合格した人
過去に難関資格試験を独学で突破したことがある方も、独学で挑む価値があります。
難易度の高い試験を合格した経験があれば自信を持って独学で勉強することができるため、測量士も独学で合格できる可能性は高いです。
また、「独学慣れ」していることで自分にとってピッタリの勉強方法を既に身に着けている点も大きなポイントです。
ただし、測量士試験対策のテキストがほとんど存在しない点は留意すべきポイントで、そもそも独学に必要な教材を揃えることが難しい点には注意が必要です。
測量士合格を目指す勉強方法
過去問を中心とした試験対策
測量士の試験対策の市販テキストがまだあまり出回っていないため、必然的に勉強の中心は過去問演習になります。
午前の択一式の試験問題は過去問の類似問題や焼き直しが多いため、過去問を中心に勉強を行うことで自然と得点力をアップさせることができます。
同じ問題を何周も解いて、自然と反応できるレベルまで仕上げておくと良いでしょう。
テキストが少ないと不安を感じるかもしれませんが、過去問に取り組んでいれば自然と学力は身に着くので心配は不要です。
独学ならまず学習計画を決める
独学で合格を目指す際に最も重要なことは、効率の良い学習スケジュールをしっかり立てておくことです。
測量士のような難易度の高い資格試験に挑む場合であれば、勉強期間は長期に及ぶためしっかりと勉強スケジュールを立てておき、必要の都度見直していかないと途中で挫折してしまいます。
自分の勉強の進捗が把握できないとモチベーションも失われてしまうため、やる気の面でも綿密なスケジュールを考えることは必須なのです。
難関試験に合格するためには地道にコツコツと長期的に勉強を続ける必要があるため、試験日から逆算して効率の良いスケジュールを立てると良いでしょう。
午前の部は得点源にできる
前述したように、午前の部の試験では得点で足切りが設定されています。
そのため、まずは足切りでの不合格を回避するために、午前の部の択一式問題で安定した得点が取れるように勉強していくと良いでしょう。
複雑な計算問題が多くなかなか安定して得点するのは難しいですが、測量士試験の択一問題では過去問に似た問題がよく出題されます。
つまり、出題パターンを把握し重要論点を徹底的に対策しておけば得点源にしやすい分野でもあるのです。
午後の部の選択科目を決めておく
午後の記述問題の2つは選択することができるため、日頃の過去問を解く段階でどの分野を選択するか決めておくと効果的です。
苦手分野は捨て、ある程度的を絞って集中的に対策する方法が効率が良いためです。
なお、選択問題では例年「基準点測量」「地形・写真測量」「地図編集」「応用測量」の4つから選択する形式になっており、狙いは絞りやすいです。
それぞれに分野に特徴や傾向があるため、自分にとって解きやすい分野を早い段階で見つけ、得意分野を作っておくと得点しやすくなります。
難しい計算問題を重点的に対策
測量士の試験の難易度が非常に高い理由の一つに「計算問題の難易度が非常に高い」という点が挙げられます。
具体的には、三角関数やベクトルはもちろんのこと、GNSSの基線解析やクロソイド曲線などを理解していないと解くことができない問題が当たり前のように出てきます。
これらの内容は高校や大学の数学で習う内容なので、文系出身者にはキツイです。
文系出身者は問題を解くための基礎となる数学的知識が不足している場合がほとんどなので、この部分の対策を重点的に行わないと合格は難しいでしょう。
測量士資格を無試験で取得する方法
非常に難易度が高い測量士試験ですが、試験を受けることなく測量士資格を取得する方法もあります。
具体的には、大学や短期大学、高等専門学校などで測量に関する単位を取得した上で必要な実務経験を積んだり、養成施設で測量技能を習得した後に測量士補として業務経験を積んだ場合などは無試験で資格を取得することができるのです。
そのため、測量に関する単位を取得している方や測量技能を習得している方は、このルートで資格取得を狙うのもアリでしょう。
測量士資格のホームページに詳細な条件は載っているため、気になる方はぜひチェックしてみてください。
独学が難しい方はアガルートの講座がおすすめ
ここまで独学のメリット・デメリットについて読み進めてきた中で、独学での学習はやはり厳しいと実感している方も多いのではないでしょうか?
そのような方には、測量士補試験・土地家屋調査士試験両方で全国平均を大きく上回る合格率を叩き出すアガルートの測量士講座を受講してみることをおすすめします。
両者の合格率は、2022年度実績でみると
- 土地家屋調査士は全国平均の5.58倍となる53.65%
- 測量士は全国平均の4.37倍となる78.7%
を記録しており、測量士とそれに関連する資格で圧倒的実績を積み重ねている点は高く評価できるポイントです。
このような実績ある講師のもとで測量士の学習を行える環境は他にないため、講座を活用して合格を目指す際はぜひアガルートを受講してみてください。
測量士の資格にはメリットが豊富
測量士は難易度が高く専門的な内容を学ぶ資格であるため、取得メリットも多くあります。
こちらのトピックでは、それら取得メリットについて解説していきます。
仕事の達成感ややりがいが大きい
測量士は、測量に関するプロフェッショナルなので、建築や土地の測量など様々な場面で活躍しています。
具体的には、測量士は土地の開発などをする際や建築をする際の、基礎的なデータを正確に取るという重要な役割を果たしています。
測量士は測量計画に関する最高責任者としての役割を担っているため、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
図面などの作成は測量士しか行うことのできない独占業務となっているため、多くの場面で頼られるはずです。
都市計画や街全体をイメージしながら仕事を進めていくため、非常にスケールが大きくクリエイティブな仕事と言えるでしょう。
非常に高い需要があり活躍しやすい
測量士は測量に関する専門家で、土地や建物の開発の際には欠かすことができない存在です。
つまり、社会的に果たしている役割は非常に大きく、需要が非常に高いのです。
全国のどこでも一定の需要があるため、測量士の資格を取得していれば仕事探しに困ることはほぼあり得ません。
また、測量業務を手掛ける測量会社などは事業所ごとに測量士・測量士補の有資格者を一名以上配置する義務が課されています。
つまり、測量士は「必置資格」であるため資格を有しているだけで測量の世界では貴重な存在として活躍することができるのです。
将来性についても心配がない
測量士の資格は将来性が非常に高いです。
不動産の測量などをする際に必要不可欠な存在であるため、測量士は将来的にも求められ続ける資格なのです。
将来的に建築や土地開発の事業は無くなることはあり得ないため、測量士は将来的な需要も高く、多くの場面で活躍できる資格なのです。
特に、測量士は測量計画を作成できることから、測量士補よりも貴重な人材として各方面から頼られる存在になれるため、将来性についての心配は全くありません。
測量士の将来性について気になる方は以下の記事をご覧ください。
測量士の独学まとめ
測量士の独学まとめ
- 午前試験の足切りに注意を払い、できるだけ苦手分野を作らないようにしよう
- 65%の正解率で合格となるため、メリハリをつけて重要論点や頻出問題を徹底的に対策しよう
- 独学のメリットは多いが、不合格を繰り返してしまう恐れがあるので注意
- 自分が独学に向いているかどうかを冷静に判断しよう
測量士試験はかなり難易度が高いため、独学で勉強を進める場合はしっかりと勉強スケジュールを立てることと効率的な勉強が欠かせません。
こちらの記事で紹介した勉強方法を実践することで、着実に合格に近付くことができるでしょう。
独学にはメリットとデメリットがそれぞれあるため、自分が果たして独学に向いているのかどうかを冷静に判断することも非常に重要です。
測量士はやりがいが大きい仕事で、資格を取得することによるメリットも絶大なので、ぜひ測量士試験の合格を目指して頑張ってください!