公認会計士YouTuberくろいの気になる正体とは?キャリアや今後の展望まで徹底取材!

難関資格の1つとされている公認会計士試験ですが、現在会計士を目指されている方も多くいるでしょう。

また、会計士の業務内容などについて疑問を抱えている人も多くいるのではないでしょうか。

今回は、現役会計士でありYouTuber「くろい」としてご活躍されている白井敬祐様にインタビューをしてきました!

会計士としての働き方や実情、会計士試験合格のための秘訣などについて詳しくお聞きしました。

他では聞くことのできない会計士のリアルなど、会計士を目指している人にとっては大変貴重な情報が盛りだくさんです!

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白井様のこれまでのキャリア

白井様

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加藤

本日はお忙しい中、インタビューに応じていただき誠にありがとうございます。資格Timesを運営しております、株式会社ベンドの加藤と申します。

本日はどうぞよろしくお願いします。

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白井様

現役公認会計士兼YouTuberくろいとして活動をしております、白井敬祐と申します。本日はどうぞよろしくお願いします。

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加藤

早速ですが、1つ目の質問をさせていただきたく存じます。

白井様の公認会計士試験合格から現在までのキャリアについてお聞かせください。

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白井様

私が公認会計士に合格したのが2011年で、この時期はリーマンショック直後の就職氷河期に当たります。

更に、2011年の公認会計士試験は近年まれにみる低合格率であったため、現在は10%ほどである合格率が6.5%という非常に厳しい試験となりました

それほど厳しい試験を突破したにもかかわらず、就職氷河期であったことから就職先を探すのが非常に大変でした

私の場合は30社ほど応募してどこも通らず、唯一内定をいただけた清和監査法人という中小の監査法人に就職しました。

中小の監査法人であるため、主に中小企業への監査業務をメインに行うところからキャリアをスタートさせました。

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加藤

就職氷河期が存在したことはたびたび耳にしますが、公認会計士試験が高難易度である時期と重なっていたのですね。

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白井様

その後、中小の監査法人で働き始めて2年ほどがたち社会の景気も上向いてきたこと、また、業務が自分に合っているのかわからなくなったため、新しいことに挑戦したいと思いました

そこで、大手監査法人であるEY新日本有限責任監査法人にてコンサル業務にトライすることにしました。

それまでのように企業の監査業務などを行うのではなく、IFRS(国際財務報告基準)のコンサルタント業務をメインに行いました。

具体的には、IFRSの導入支援などをメインに担当させて頂き、他にも研修講師などの業務を行うこともありました。

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加藤

会計士になった当初とは違った働き方も行っていたのですね。

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白井様

ただこちらも約2年ほど勤務をし、その後また転職をすることにしました。

転職を考え始めたのは、公認会計士として働き始めて3年目に訪れる修了考査でしたね。

修了考査に合格したのちに、再度転職のことなどについて考えるようになり、エージェントに登録し、自分のことを最も高く買ってくれる監査法人を探しました。

この際4大大手監査法人などを比較した結果、有限責任監査法人トーマツが自分のスキルを高く買ってくれたため、同法人で働くことにしました。業務内容はそれまでと全く同じで、IFRSに関するコンサルタント業務と研修講師を行っていました

ただ、IFRSのコンサルタント業務を始めて4年目で、IFRSのコンサルタントとしての成長が止まっていることを感じ、自分の成長のためにも何か新しいことを始めようかなと思うようになりました。

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加藤

日々成長を追い求める姿勢で仕事に取り組んでいらっしゃったのですね!

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白井様

何か新しいことに挑戦できないかと上司に相談をすると、リクルートホールディングスで出向社員として経理部門に入るのはどうかといわれました

そこで、出向社員の募集に応募してリクルートホールディングスで働き始めることになりました。

当時リクルートにはIFRS関連の経験者がいなかったため、リクルートとして初めて有価証券報告書を提出する際に、私も参加して有価証券報告書の作成に携わりました。

出向社員としての契約は1年ということになっていたので、リクルートホールディングスで1年間働いた後トーマツを退職し、別の事業会社に行くことにしました。

ただその会社がいわゆるブラック企業で、早朝3時、4時まで働くという生活が続き、さすがに耐えかねて数か月でやめてしまいました。

その後1か月ほど無職の状態があったのですが、リクルート時代の同僚に誘われて人員を募集していたリクルートホールディングスに就職をしました

リクルートホールディングスでは、主に連結決算と開示書類作成業務に携わりました。

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加藤

2年ずつ程でそれぞれの会社でキャリアを積まれていったのですね。

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白井様

はい。また、今年で会計士歴10年目になるので節目としてリクルートホールディングスをやめて独立することになりました

独立について

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加藤

主にどのような分野で独立されようと考えているのでしょうか?

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白井様

独立後の業務内容としては、講師業をメインにやろうと考えております。

というのも、現在公認会計士兼YouTuberとして働いているのですが、YouTubeを見た学生などから「くろいさんを見て公認会計士になろうと思いました。」などの声をたくさん受けました。

そこで、独立後は教育関連の仕事をしたいと考えるようになりました。また、もともと研修講師をやっていた点などからたくさん話す仕事がしたいと考えていたのですが、現在の業務は経理なのでそれほど話す仕事ではないので講師業をしたいと考えました。

CPA会計学院という会計士試験の予備校に声をかけていただき、今後はCPAにて講師業をメインに行おうと考えております

公認会計士のセカンドキャリアについて

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加藤

公認会計士の方の多くが、資格取得後は監査法人に入ると思いますが、その後のキャリア選択としてはどのようなパターンが多いのか教えていただければと存じます。

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白井様

一般論にはなってしまいますが、私のように様々な場所を転々としている会計士がいるように、会計士の仕事の可能性は無限大だといわれています。

監査法人に入ってからは、3年~5年ほどでやめることが多いです。その後は、私のように大手企業の経理部で働く人もいれば、ベンチャー企業の上場支援に携わる人もいます。また、コンサルをする人もいれば独立する人もいます。

会計士は会計のプロとされていますが、会計はどの会社にも必須であるため会計士の需要はとても幅広いです。そのため、様々な場所と形で会計士の人が活躍しています

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加藤

会計士には幅広く活躍の場があるのですね。

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白井様

主観にはなってしまうのですが、これらのたくさんの選択肢の中でも、企業の経理部で働く方が多い印象です。

また、ベンチャー企業などになると、会計に関する知識のある人がいない場合が多いので、ベンチャー企業のCFOとして働いている会計士も多いですね

公認会計士の海外勤務について

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加藤

会計士のセカンドキャリアとして、海外でのキャリアを志向する方もいると思うのですが、そういった場合USCPA(英国公認会計士)の資格は必要になるのでしょうか?

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白井様

個人的には不要だと思っています。会計の知識としては日本の会計士でも十分であるからです。

もちろん会計基準の違いなどはありますが、その点は多少の勉強をすれば問題なくついていくことができます。

よって、すでに会計士資格を持っている場合は改めてUSCPAを取得する必要はないと思いますが、日本で会計士の資格を持っていない場合はUSCPAを取得した方がよいと思います

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加藤

わざわざUSCPAを取得しなくても日本の会計知識で問題ないのですね。

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白井様

海外勤務において一番必要なのは、ビジネスで使える実質的な英語力です。例えば、監査法人で海外のキャリアを積もうとしたとき、海外駐在の枠は非常に人気で取り合いになります。

ここでは、競争率が高い上にTOEICの点数が基準として設けられている場合もあります。

ここでペーパーテストにおける英語の基準をクリアしたとしても、その後海外の方と面接を行うこともあるため、海外で会計士として働きたい場合には会計知識というよりも英語でのコミュニケーション力などが重視される傾向にあると思います

仕事内容について

白井様

監査法人時代

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加藤

続いて、監査法人時代の具体的なお仕事内容についてお伺いしたいです。

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白井様

先ほども申し上げたとおり、私の場合は中小の監査法人に勤めていました。そのため、中小企業をクライアントとして監査業務を行っていました。

仕事内容をざっくり説明すると、決算書の適正性を確認するという業務になります。

中小企業を対象とする監査業務の場合、大手企業とは違い会社の経理リソースが不足していることが多く、大手企業と比較して決算書が間違っていることが多いといわれています

実際に、私がクライアントをした中小企業の決算書も間違っている箇所が多く散見され、決算書の様々なポイントを直さなければいけませんでした。

このような状況下だったので、間違っている前提で決算書を修正していくため、当時の業務はかなり大変でしたね

監査の手法として主な業務は、前年の決算書と比較して増減が異常箇所などを探し、ずれている理由などを見つけ修正していくという形です。

あるいは、契約書や請求書などを見て、実態に即した会計処理を行っているのかなどをチェックするという業務内容です。

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加藤

中小の監査法人ならではの苦労などもあるのですね。

中小監査法人と大手監査法人の違い

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加藤

中小監査法人と大手監査法人の違いについてお聞きしてもよいですか。

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白井様

私は中小での監査業務のほかに大手の監査業務も少し行ったことがあるのですが、最も明確な違いは扱う数字の桁の違いです。

中小では千単位、大手では百万単位の決算を扱っていました。

また実際に働いて感じた違いとしては、監査チームの規模の違いです

中小の監査チームはせいぜい2~3人で監査を行うのに対し、大手の監査チームは何十人になることもあります。

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加藤

人数の違いによって監査業務にどのような違いが生まれますか?

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白井様

小規模の監査チームでは、監査業務の始まりから終わりまでの全体を見ることができます

一方、大手の場合は抱えるクライアントの規模が非常に大きいため、数人で行える監査業務量ではありません。

20~30人がそれぞれ分業制で指定の勘定科目を担当することとなります。

そのため、監査業務とは言え自分の担当を決められてしまうため監査全体の一部しか見ることができません。

これらの特徴から、中小企業の魅力は監査全体を俯瞰してみることができる点、大手企業の魅力としては自分の担当した一部についてはより深い見識を得ることができる点だと思います。

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加藤

全体像を見ることができる中小監査法人での監査を経験したほうが転職市場などで重宝されそうだと感じたのですが、その点についてはどうお考えですか?

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白井様

もちろん監査業務全体を見れることは良い点なのですが、中小監査法人では研修期間があまり充実していないという欠点があります

私の場合は初めに中小監査法人に入所したものですから、研修期間は3日ほどで実務経験もほとんどないまま仕事に突入しました。

これが非常に大変で、自ら試行錯誤して実務を身に付けていかなければいけませんでした。自分で実務を覚えていくため、我流の監査技術が身につきます

一方、大手監査法人の場合だと、研修期間が1か月ほどしっかりと設けられているので実務を基礎から身に付けることができます。

そのため、王道の監査技術を身に付けることができます。また、大手で監査業務を行っていた場合ネームバリューもあるため、その後の評価にもつながります。

中小監査法人のほうが監査全体を俯瞰するスキルを身に付けられるとは思いますが、監査スキルの基礎が固まらない点などから、会計士として初めてのキャリアで選ぶのは大変だと感じますね

クライアントについて

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加藤

これまでにどのような業界をクライアントとして担当されていたのですか?

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白井様

私はIFRSのコンサルタントを長い間行っていたのですが、監査時代・IFRS のコンサルタント時代も含めて、IT業や建設業、製造業や製薬業など様々な業種をクライアントに仕事をしてきました。

それぞれの業種・規模によって論点に差があったので、その点は非常に面白かったですね。

例えばIT業を担当するとソフトウェアの比重が大きいため、無形資産の比重が大きくなる一方、製造業を担当する際は機械や工場などの有形固定資産の比重が大きくなります。

そのため、それぞれの業界でスポットを当てる位置を変えて監査やコンサル業務を行っていく必要がありました

公認会計士の仕事内容については、白井様(くろい)のYouTubeでより詳しく解説されています。

これから会計士試験合格を目指されている方は、ぜひ一度ご覧ください!

一般企業在籍時

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加藤

一般企業在籍時のお仕事についてお聞きしてもよろしいでしょうか?

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白井様

一般企業在籍時は、主に経理としてお仕事をさせていただきました。

経理の中にも様々な仕事があり、子会社で働く場合もあれば、親会社で働くこともあります。

私が経験したのは親会社の経理で、連結経理という部署に所属しておりました。そこでは、連結決算や開示書類作成などに携わっていました。

グループ企業として運営している会社の場合、親会社は子会社の売上や利益などの財務情報を集めて合算しなければいけません。それらを行い、グループとして適正な財務状態を開示することを連結決算といいます

開示書類の作成については、上場企業の場合3か月に1度決算をしなければいけないため、四半期報告書など様々な開示書類を作成しなければいけません

経理部だけでこれを行うわけではないので、他部署が作成したものをチェックする必要などがあります。

年に1度の本決算になると、有価証券報告書や株主総会の招集通知なども作成しなければいけないため、作成する書類も増えます。

また、株主総会の開催準備なども行うため、想定問答集なども作成することになります。

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加藤

決算だけでもこれだけたくさんのお仕事があるのですね。

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白井様

決算が一般的に繁忙期というイメージが強いのですが、意外にも繁忙期は楽で、繁忙期以外の仕事のほうがきついことが多いです

繁忙期では、頭を使っていては納期に間に合わなくなるためあらかじめ用意されたタスク通りに決まったことをやるだけです。そのため、体力的にはきついですが精神的に楽であることが多いです。

一方決算以外の仕事では、役員へのプレゼンや他部署との調整なども行うため精神的にかなりきつい仕事が多いです

私の場合はこの精神的な負担が非常に苦痛だったので、何も考えなくていい繁忙期のほうが楽だと感じていましたね(笑)

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加藤

経理の方は年中通じて気の休まる暇がないのですね。

公認会計士が一般企業の経理部に転職する理由として、経理部は比較的仕事が楽だと言われていることなどがありますが、今のお話を伺うと実際にはそうではないのですね。

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白井様

上場企業になると3か月に1度決算がありますし、リクルートホールディングス特有なのかもしれませんが自分で考える仕事が多いため結構忙しくなります。ただ、上場企業でない企業であれば決算は年に1度なのでそれほど忙しくならないと思います

上場企業に転職した理由

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加藤

上場企業はかなり忙しいとのことでしたが、白井様の場合はなぜリクルートホールディングスに転職したのですか?

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白井様

それまでは、コンサルタントとして助言をしていた立場だったのですが、一度リクルートホールディングスで出向社員として働いた際に、今度は自分が助言をされる立場になりました。

自分が助言していた時と同じことを助言されても、助言される側で聞いてみると全く響かずコンサルタントの言っていることに疑問を感じてしまいました

そのため、これまでに自分がコンサルタントとして行ってきたことも全く相手に響いていなかったのではないかと思いました。

人に喜ばれる仕事がしたかったため、コンサルタントはやめて転職して事業会社の中で改善提案をできるような存在になろうと思ったのが理由です

コンサルタントとして働くとどうしても他人ごとに考えてしまうのだとわかりました。監査法人からの転職でコンサルタントになるよりも、一度事業会社で働いてからコンサルタントに転職した方が企業側の気持ちを考えられるようになると思います。

公認会計士試験の勉強方法・時間について

合格までの勉強時間

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加藤

続いて、会計士試験の勉強時間についてお聞きしたいです。

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白井様

私は3年半ほど、吐きそうになるほど会計士の勉強を行い、基本的に1日10時間は勉強するようにしていました。

ネットなどを見ると、一般的には3,500時間ほどで会計士試験に合格できると書いてあるのですが、正直もっとかかるだろうと思います。すごく頭のいい人であればそのような短時間でも合格できるかもしれませんが。

私の周りでも平均2~3年ほどはかかっているので、1日10時間勉強すると考えると、息抜きの時間も考慮して、平均で7,000時間ほどはかかっていると思います。

平均すると1日7時間ほど勉強しているといった感じです。

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加藤

長期間かなりの学習量を維持しないと合格にたどり着くのは困難なのですね。

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白井様

私の場合は、会計大学院というところに通い、そこで2年間勉強しました。会計大学院を卒業すると、会計士試験の1次試験4科目のうち3科目が免除になるのでそこのメリットはとても大きいです

私としては正直使いたくはなかったのですが、初めに言った通り私が受けた年は非常に難易度の高い試験だったため、やむを得ず試験を免除しました。

それでも、1度論文試験に落ちてしまったので親に土下座してもう1年勉強をさせてもらいました。3年目で死ぬほど学習してやっと合格することができた感じです

勉強する際のポイント

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加藤

これまでの話で、会計士の勉強が非常に大変であったことが伝わってきたのですが、実際に勉強していた際のポイントをお聞きしたいです。

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白井様

勉強する際のポイントとして最も大切にしていたことは、内容を理解するということです。

会計士の勉強を挫折してしまう人の多くが、膨大な量をとりあえず暗記すればいいと勘違いをしています

たしかに、暗記だけで試験に合格できる人もいますが、それは本当に頭がいい人だけで、普通の人がすべて覚えられる量ではありません。

よって、基本的には暗記を促進させるために、理解ベースで学習を進めることが合格においては非常に大切になります

私はこの理解を促進させるために、自分で説明しきれるまでテキストを読み込み、問題集を何度も繰り返し解きました。

どうしても理解が進まない場合は、予備校の先生に聞いたり予備校の仲間と問題を出し合って確認をしていました。

中でも、受験仲間と説明をしあうという勉強方法は理解を促進させるうえで、非常に役立ったと思います。

勉強をしていくと、自分の中で理解できた気になってしまうことがあるのですが、人に説明してみると自分がどれだけ理解できているかが客観的にわかるので、私にとってはこれが最善の学習方法でしたね

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加藤

暗記を促進させるためには理解が非常に大切になるのですね!

受験仲間と問題を出し合うなどの方法を上げてもらいましたが、通信などで勉強をしている場合にはどのような方法が効果的でしょうか?

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白井様

予備校の講師を頼りにするといいと思います。ほとんどの予備校が質問対応をしているので、予備校に電話をして自分の考え方があっているかどうかを確認するとよいでしょう。

先生に質問をしてるうちに、勉強方法のアドバイスなども受けることができると思います。

最近では、Twitterで受験仲間と情報交換している人などもいるので、予備校の講師に電話やメールで理解を深めたり、インターネットを活用して情報収集するのもありだと思います

膨大な範囲を勉強する際のポイント

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加藤

膨大な量を勉強する際のポイントはどういった点ですか?

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白井様

私が一番意識したのは、情報を一つにまとめるという点です。1科目に1冊まとめノートを作っていました。

量が多いため結構な時間のかかる作業になってしまうのですが、ノートを作りながら繰り返し目を通すことで膨大な情報を頭に効果的に定着させることができたと思います。

ただ、作業にかかる時間が多いので成果が出るまでに時間がかかってしまいます。そのため、私も1,2年の間はノートを作っても成果が出ませんでした。

しかし、3年でノートが完成してからは、ノートを見ることで勉強ができるため一気に勉強効率が上がり、勉強にかかる時間をかなり短縮させることができました。成績においても成果を出すことができました

person1
加藤

ノートを作ることで勉強効率が上がったのですね。

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白井様

試験直前になると、とにかく暗記が必要になるというフェーズに突入します。

その際に、毎日覚えなければならない論点に触れておかないと、すぐに頭からその論点が抜けてしまいます

しかし、私の場合はまとめノートのおかげで短い時間で繰り返し勉強をすることができたので、知識に触れる機会を短期間で増やすことができ、結果として知識が定着しました。

person1
加藤

具体的にはどのようなノートを作成されていたのですか?

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白井様

まとめノートには、マインドマップのようなものを書いていき、どれだけ広げられるかを試していました

マインドマップが広げられない場合はあまり覚えられていないことがわかりますし、マインドマップを見れば必要な情報を一度に確認することができます。

マインドマップにできない部分は、表を作成して覚えるなどをしていました。ノートの作成以外にも、勉強の効率を上げるなどの工夫をしていたと思います

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加藤

直前の知識を詰め込む作業を効果的に進めるためにも、まとめノートを作成することは非常に大切なのですね。

予備校などでは、よくテキストを一元化した方がよいといわれていますが、テキストの一元化はどうなのでしょうか?

person2
白井様

テキストは冊子なので書き込める場所が少なかったりする場合もあるのですが、テキストで勉強ができる場合にはもちろんいいと思います。

私の場合は、テキストの背表紙を切り抜いてばらばらにし、穴をあけてリングノートに入れるようにしていました。

そして、各ページの間に情報が必要だと感じたときはルーズリーフに書き込んで情報を追加していました。

テキストを自分なりにカスタマイズするとよいかもしれません。テキストでもノートでも、1科目1冊のノートに必要情報をまとめておくと持ち運びなども楽になり、試験会場などでも困らないのでお勧めです。

person1
加藤

ノートにかかわらず、一冊にまとめると勉強の効率が上がるのですね。

モチベーション維持のポイント

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加藤

3年間ハードな勉強を続けてこられたと思いますが、モチベーションをどのように維持されてきたのかについて教えていただきたいです。

person2
白井様

勉強方法などについてもお話ししましたが、最も大変なのはモチベーションの維持でした。私の場合は、地元から東京に出てきていたので、何もできずに帰るのは恥ずかしいというのがモチベーションにつながっていました。

モチベーション維持のコツとしては、休みすぎないようにすることでした。一週間のうち、1日ほどは適度に休むようにしていたのですが、休みの日も羽目を外しすぎないようにしていました。

普段1日10時間勉強をするのに対し、休みの日は午前中だけは勉強をするなどして、休む日も多少は勉強をしていました

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加藤

休むとは言っても1日中休憩していたわけではないのですね。

person2
白井様

休みすぎてしまうと、人間楽な方に走るようになってしまうと思います。また、モチベーションを下げることは簡単ですがモチベーションを上げるのは非常に大変なので、極力モチベーションが下がらないようにしていました。

絶対に会計士になるという強い意志と、モチベーションが下がらないよう勉強することを当たり前にした点が、私が勉強を続けるための工夫でした

会計大学院について

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加藤

先ほど会計大学院のお話が出ていましたが、会計大学院ルートから会計士を目指す人は多いのでしょうか?

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白井様

受かるかどうかは別として、会計大学院から会計士を目指す人は多いと思います

実際に、私の周りもほとんどの人が会計大学院に行っていました。ただ、会計大学院に行っていても試験に落ちることがよくあります。

大学院時代から緊張感を持って勉強をしている人であれば試験は合格できますが、大学院に通っていることで油断してしまっているパターンが非常に多いです

2年の内に合格できると思っていても、結果的に合格までに大学院2年に加えて数年かかってしまう人が良くいます。

そのため、会計大学院を通っているからと言って合格率が高いわけではないのです。

白井様の今後について

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加藤

最後に、白井様の今後の展望についてお聞きしてもよいですか。

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白井様

今後は、独立して教育関連の仕事をしたいと考えております。

もともと人と話すのも苦手で、何のとりえもなく将来についても特に考えていなかった私にとって、落ちこぼれそうになっていた自分を救ってくれた会計士の資格はまさに人生の救世主でした

かつての私のような状態の学生は多くいると思いまして、今後はそういった学生に会計士などの道を伝えることで、人生の有意義な選択肢を提示していくと同時に、会計士という素晴らしい仕事を広めていきたいと考えています

私なりに会計士という仕事への恩返しがしたいという意味でも、より会計士の良さを伝えることができればなと思っております。

person1
加藤

熱いビジョンをお持ちなのですね!

本日は貴重なお時間を頂き、誠にありがとうございました!

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