公認会計士試験に落ちたのは普通?平均浪人期間や試験撤退後の末路まで解説!
「公認会計士の試験になかなか合格できないけれど、このまま勉強していて良いのだろうか」
「公認会計士で何度も浪人するのは、もともと自分に向いていないからなのでは?」
公認会計士試験に挑戦し続けている人の中には、落ちた経験を重ねるうちに、受験意欲を喪失してしまう人もいるかもしれませんね。
ですが、公認会計士試験の世界では浪人は珍しいことではありません。合格体験談ばかりが目について自信を失ってしまいがちですが、実際には浪人している人も大勢います。
この記事では、公認会計士の浪人生活について、その先の進路や合格するために見直すべきポイントを詳しく解説しています。
公認会計士になる自信を喪失した人は、一度立ち止まって参考にしてくださいね。
公認会計士試験に不合格についてざっくり説明すると
- 公認会計士試験に落ちた人は、合格者よりもはるかに高い割合である
- 浪人するのはそれなりの覚悟が求められる
- 就職の年齢なども考慮すると、撤退の勇気も時には必要
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公認会計士試験に落ちたのは普通?
公認会計士は医師や弁護士と同じ様に、超難関資格の1つです。試験合格者の数も、毎年合格率が10%前後で推移するなど、データ上からも非常に難しいと言えます。
合格者の平均学習期間も、短答・論文を合わせると3~4年かかるのも珍しくありません。むしろ論文試験まで一発合格できる人の方がまれだと言えるでしょう。
ネットに書かれていることは、根拠に乏しい個人的な見解も多く、ネットの声に過敏にならないことも大切です。
ただし、試験そのものはかなり難易度が高いですから、合格するまでは相当の覚悟が必要です。
浪人は一般的
前述したように、公認会計士は難易度が高い上に合格率そのものも低い難関資格です。
下記の表を見てみましょう。こちらは、令和2年度の公認会計士の短答式・論文式を合わせた合格者のデータです。
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 | |
---|---|---|---|
願書提出者数(a) | 13,231 | ||
短答式試験受験数 | 11,598 | 1,861 | 16.0% |
論文式受験者数 | 3,719 | 1,335 | 35.9% |
最終合格者数(b) | 1,335 | 10.1% (b/a) |
平成21年度に実施された金融庁の合格者アンケートでも、短答式試験合格までかかった平均学習時間が2.3年、短答式試験~論文式試験合格までの平均学習時間が0.9年という数値が発表されています。
そのため、試験に失敗して浪人することが決まっても、それほど落胆することはありません。落胆しているよりも、次の試験に向かって少しでも勉強するべきでしょう。
ネットを信じすぎない
ネット上では、合格者の声を目にすることが多いのではないでしょうか。「わずか◯◯月で短期合格」というキャッチフレーズも目に付き、自分と比較して落ち込む人もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、それは受験者全体の割合からすれば、ほんのわずかです。
全体の母集団の中で、そのような人は一握りであり、それらの合格者の位置付けを見誤らないようにすることが大切です。
本気で勉強したのに落ちてしまった
公認会計士試験は、私生活を犠牲にして本気で取り組んだのに、落ちたという人も少なくありません。
もちろん生半可な覚悟で臨んだわけではないのでしょうが、1割程度しか合格しない難関資格ですから、どれだけ必死で勉強しても結果が出ないこともあり得るのです。
ですが、それにより自分を必要以上に卑下してしまうのは止めましょう。自信喪失や学習モチベーションの低下など、その後の学習の進捗状況にも影響します。
公認会計士試験に挫折する人も
それでは、公認会計士試験を諦めてしまうのはどのような人なのでしょうか。次は、公認会計士試験から撤退してしまった人のその後について解説します。
会計士試験からの撤退
公認会計士試験は超難関資格ですから、思うように結果を出せず、公認会計士への挑戦から撤退する人もいます。
公認会計士についての学習時間は、少なくとも4,000時間以上もの時間が必要と言われています。就職活動開始の年齢なども考慮すると、撤退する場合には早目に見切りをつけることが望ましいでしょう。
20代で公認会計士に合格できれば就職活動は比較的成功しやすいです。ですが30代での合格では、新卒者との差別化を図る観点からも、社会人経験など何かしらの強みがないと、ポジション争いに負けてしまいます。
また、勉強時間が伸びるにつれて当然予備校代などもかさみます。難関資格の受講料は高額になりますから、学習予算面を考えるのも大切です。
撤退後の末路
試験を途中で諦めたと言うと、ネガティブな印象を持つかもしれません。ですが、就職活動をしていく中で公認会計士試験の勉強で得た知識や経験は、必ず役に立ちます。
法律や会計の知識は社会人であれば必ず身につけたい教養の1つですし、それらを強みとできる部署や企業に入るという選択肢もあります。
「撤退」という言葉はマイナスに捉えられるのでは?と心配になりますが、会計士試験で得た知識を生かせる場をしっかりと探すことで、会計士試験に挑戦したことは就職活動でプラス要素とできるでしょう。
公認会計士試験になかなか合格できない人
中にはいくら勉強しても合格できないという人もいます。勉強期間が長引くほど、「せっかくここまで頑張ってきたのだから」ともう少しだけ努力したくなる人もいるでしょう。
試験に落ちたとは言っても自己否定までする必要はありません。これまでの自分の力不足や不合格の原因を分析しつつ、合格を目指すのも一つの手です。
短答合格を何とか目指す
まずは、短答式試験に合格することです。
短答式試験の合格率は10%前後。それに対して、論文試験の合格率は30%というのが例年の平均値ですから、見方を変えれば短答式試験に合格すれば、最終合格はぐっと近づくと言えます。
なかなか合格できない人は、短答式試験に落ちた人がほとんどですから、「短答式に合格できれば最終合格にも受かる力がある」という気持ちで、勉強しましょう。そうすることで、学習モチベーションは大幅に上がります。
どうして合格できないのか
何年も合格できないのには、必ず共通の原因があります。以下の項目で、心当たりがないかチェックしてみましょう。
- 復習が疎かになっていないか
- モチベーションが低下していないか
- 勉強法が間違っていないか
これらの要因があると、答練や模試の点数が伸び悩み、勉強が進んでいない可能性が高いです。
予備校などの演習結果も分析し、改善することが合格への道しるべとなるでしょう。
合格に近づくために
では、合格するにはどのようにしたら良いのでしょうか。
予備校や通信講座で学習する
一番効果的なのは、予備校や通信講座を利用してプロの講師から学ぶ方法です。
公認会計士試験では、高度な知識が要求されます。独学で学習を進めるとそもそも膨大な試験範囲に対応するには無理があり、勉強方法やわからない部分の理解に苦しむことになります。
そこで、特におすすめの予備校は、「CPA」です。
「CPA」は近年急速に存在感を高めている会計士予備校で、合格者数を破竹の勢いで伸ばしています。
クオリティの高い指導と丁寧な受講生サポートに定評があり、2022年の公認会計士試験では606名もの合格者を輩出しました。これは全体の合格者数1456名のうち41.6%をCPAの受講生が占めていることになります。
前回の試験で失敗してしまった方は、圧倒的な実績を誇るCPAの会計士講座を受講してみてはいかがでしょうか。
万遍なく勉強する
短答式試験では、満遍なく学習するのも大切です。1教科でも40%以下の点数を取ってしまうと、他の科目でどれほど成績が良くても、不合格になってしまいます。
例えば企業法などは、難易度が高い割に実務で使用する割合が低いと感じており、勉強の意義自体に疑問を感じている受験生もいらっしゃるかもしれません。
しかし、短答式試験を突破できなければ論文試験に進めませんから、まずは苦手科目を作らないように、満遍なく学習しましょう。
メリハリを付けて勉強する
長時間勉強を続けていくには、メリハリをつけながら勉強をするのも大切です。
いくら勉強に対してやる気があったとしても、休憩や睡眠を挟まずに毎日勉強をしていては、すぐにモチベーションが下がってしまいます。
もちろん、体力も低下して悪影響をもたらすのは言うまでもありません。
「試験に落ちた」という事態を避けるためには、しっかりと睡眠や休息を確保し、趣味の時間にリフレッシュするなど、メリハリをつけた学習ペースを守って勉強を継続しましょう。
公認会計士試験に落ちた場合についてまとめ
- 公認会計士試験の浪人生は珍しくないが、就職のタイミングも考慮しよう
- 公認会計士に落ちたら、前年までの反省を生かしてまずは短答式の突破を目指そう
- 予備校などを上手に活用し、できる限り早目に合格しよう
公認会計士試験に落ちたというのは、最初こそショックが大きいかもしれませんが、それほど珍しいことではありません。
しかし、合格するには、やはり不合格の悔しさをバネに、自分の中で目標とする年の試験に絶対合格すると強い決意を持って臨み、予備校などを上手に利用すれば合格への道のりも見えてきます。
まずは、短答式試験を突破して合格への機運をつかむことが大切です。そこが突破できたら公認会計士になれる確率はぐっと上がりますから、諦めずに頑張ってください。