ホスピタルコンシェルジュってどんな資格?出題形式や勉強法まで全て解説!

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医師

安藤広真

「ホスピタルコンシェルジュの資格に興味があるけれど、どのくらい需要があるんだろう?」

「ホスピタルコンシェルジュの難易度は?」

興味はありながらも、わからないことが多くて受験をためらっている方もおられるかもしれませんね。 しかし今の日本の状況を考えますと、今後ホスピタルコンシェルジュの需要はどんどん高まることが予想されます。

今回はホスピタルコンシェルジュについて、難易度やメリットをはじめ、 勉強時間や受験資格、合格ラインなどあらゆる情報をまとめました。

読み終わった頃にはホスピタルコンシェルジュの勉強にすぐ取り掛かれるような内容になっています。ぜひご参考下さい!

ホスピタルコンシェルジュについてざっくり説明すると

  • ホスピタルコンシェルジュ上級者向けコースは難易度が高い
  • 初心者向けの級は学生でも合格できるレベル
  • 合格することによって就職時に待遇が上がるメリットがある
  • 通信講座で勉強するのがおすすめ

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ホスピタルコンシェルジュってどんな資格?

気付きと驚き ホスピタルコンシェルジュは、病院における接客能力を養う資格です。

病院においては医療保険制度や医療費に関する疑問が、患者から多く上がってきます。こうした質問に対して滞りなく答えられる接遇力が、ホスピタルコンシェルジュには求められます。

ホスピタルコンシェルジュの資格は1~3級があり、初級者から上級者まで幅広い人が受けやすい試験となっています。

ホスピタルコンシェルジュの主催団体

ホスピタルコンシェルジュは、技能認定振興協会(JSMA)が主催する資格です。

JSMAではホスピタルコンシェルジュの資格の他にも、医療事務管理士、医療事務技能士など医療関係の資格試験など幅広く扱っています。どの資格もかなり人気がある資格ですので、JSMA自体がかなり有名で大きな団体であると言えるでしょう。

そもそもコンシェルジュとは

コンシェルジュはフランス語由来の言葉で、お客様の様々なリクエストに答える人という意味です。コンシェルジュの主な仕事は、ホテルで観光スポットを教えたりレストランの予約をする業務となります。

ここに「病院」を表すホスピタルがつくと、文字通り病院で働くコンシェルジュという意味になります。

病院でのお客様は患者や見舞客です。こうした人たちの要望にスムーズに対応する能力が求められます。

ホスピタルコンシェルジュがいることの安心感

握手を求める手

病院という場所は単に病気を治す場所で、医者と看護師さえいれば良いと思っている方もおられるかもしれません。

なぜホスピタルコンシェルジュが必要なのでしょうか。

患者の不安は病気だけではない

風邪や軽い怪我のようにすぐ治る病気なら良いのですが、長期間入院するような事態になりますと、患者の不安は病気だけではなくなります。

入院するとなれば治療費だけでなく食事や部屋代などの入院費も多くかかります。保険がどのくらい適用されるかなどは医療については素人である患者には明確にわからないことが多く、体の不調も相まって大きな不安要素となることがあります。

こうした時に助けになるのがホスピタルコンシェルジュの存在です。

情報を明確にして患者の不安を軽減する

ホスピタルコンシェルジュが治療費用や内容に対する不安などを明確に説明すれば、患者の不安は大きく軽減します。

不安が軽減すればそれだけストレスも減りますから、治療効果が上がるのはもちろんのこと、患者からのクレームが来る可能性を減らすこともできます。

患者が病院を選ぶ時代

一昔前までは病院という場所は医者の独壇場のような場所でした。

しかし今は患者が病院を選ぶ時代です。SNSの発展によりクレームが多い病院はすぐにわかってしまいます

治療の質だけでなく病院自体の快適性を上げることは、病院経営の効率化にもつながります。ホスピタルコンシェルジュの力はそのためになくてはならない能力です。

ホスピタルコンシェルジュの難易度

本と眼鏡

ホスピタルコンシェルジュの難易度についてを解説します。

合格率や合格ラインだけでなく、試験範囲などもご紹介しますのでご参考ください。

ホスピタルコンシェルジュの試験範囲と出題形式

ホスピタルコンシェルジュの試験は、以下のような内容で行われます

  • 3級:1時間の学科試験
  • 2級・1級:2時間の学科試験と、15分程度の実技試験

実技試験は、病院の事務職員としてどのくらいの応対能力があるかというテストになります。患者役の試験官から色々な疑問やクレームが出され、実際にそれに応えていくというロールプレイング形式です。

試験範囲はどのようなものか

公式から公開されている試験範囲は以下のようなものです。

  • 医療機関における接遇(学科)
  • 医療機関における基本知識・専門知識(学科)
  • 医療機関における接遇・マナー(実技)
  • 説明の明確さ(実技)

なお学科試験においては、どの級も大枠の内容は同じとされています。

ホスピタルコンシェルジュの合格率、合格ライン

ホスピタルコンシェルジュの合格率は、公式サイトによると3級が70%程度、2級が50%程度、1級が10%程度とされています。しかし実際は以下のような統計となっています。

  • 3級:約70%
  • 2級:約22%
  • 1級:約10%

3級は比較的簡単な試験と言えますが、2級、1級はかなりの難関と言えるでしょう。

気になる合格ラインは?

ホスピタルコンシェルジュの合格ラインは、学科と実技それぞれにおいて各分野を50%以上正解することが求められます。つまり苦手分野でも半分以上は正解しなくてはなりません。

上記に加えて、全体の得点を70%以上取ることが合格ラインとなります。どの分野も軽視できませんので、ほぼ満点を取るつもりで挑まないと合格は難しいかもしれません。

病院勤務の経験がなくても大丈夫?

ホスピタルコンシェルジュは病院で活用する資格ですので、病院勤務の経験があったほうが受けやすいと言えます。

しかし最も簡単な3級については、専門学校生や実務経験1年程度の人を想定した検定内容になっています。つまり病院で働いた経験が無い人でも受けられる試験ですから、これから就職や転職を希望する方でもやる気があれば合格できるでしょう。

またホスピタルコンシェルジュの資格は、社会人としての一般常識も養うことができます。電話応対のスキルなども問われますので、病院だけでなく他業種でも活かすことができます。

ホスピタルコンシェルジュを取ることをおすすめする人

ホスピタルコンシェルジュの資格について、公式サイトが掲げる各級の受験対象者は以下のような方々です。

  • 1級:職員の指導・管理をする立場の人
  • 2級:実務経験3年程度で新入職員の指導担当になる立場の人
  • 3級:専門学校生や実務経験1年程度の人

1級・2級については既に病院で働いている人がスキルアップのために受験することが多いです。

既にこうした立場になっている方だけでなく、キャリアアップを希望する方にもホスピタルコンシェルジュの資格は非常におすすめできます。

ホスピタルコンシェルジュの勉強法

ノートに描かれるイラスト

級によっては難関資格となるホスピタルコンシェルジュですが、どのような勉強をすれば良いのでしょうか。

具体的な勉強法や勉強時間などをご紹介します。

どんな参考書が必要?

ホスピタルコンシェルジュの勉強を独学でする場合は、テキストと問題集が必要になります。

しかしホスピタルコンシェルジュには市販の公式テキストがありません。ただ医療接遇や患者接遇マナーについてはそれぞれテキストがありますので、ホスピタルコンシェルジュの試験項目それぞれについて独立した勉強をしていくことになります。

後述しますがホスピタルコンシェルジュには問題集があります。どういった問題が出るかを先に見ておき、わからない部分についてご自身でテキストを選んでいくのもおすすめです。

学科試験は資料を持ち込める

ホスピタルコンシェルジュの学科試験については、資料などを持ち込み、参考にして答案作成ができます。

当日に備えて事前に試験に関する網羅性の高いテキストを入手しておきますと、受験時の負担を減らすことができるでしょう。

問題を解き進める

ある程度知識が備わったら実際に練習問題を解いていくことになります。この時も試験当日と同じように資料を見ながら解いていきましょう

資格試験というと暗記を頑張る方も多いのですが、ホスピタルコンシェルジュの検定に関してはそこまで暗記に力を入れる必要はありません。

しかし問題を解いてみた結果の得点率が50%に満たない場合、もしくは出題内容の意味が理解できないという時は、基礎的な能力が不足しています。ある程度の情報を暗記することも求められるでしょう。

実技試験は気にしなくてよい

2級・1級の実技試験は、学科試験の合格発表から1ヶ月くらい後です。

学科に合格した方であれば、1ヶ月で対策は十分にできるでしょう。事前の対策はあまり気にしなくて良いです。

もし実技試験が不合格だった場合でも、その次の受験では学科試験が免除されます。ですからまずは学科試験に合格することを考えてください。実技試験のことは学科がクリアできてからで十分です。

通信講座も存在

ホスピタルコンシェルジュには市販の公式テキストや問題集がありませんが、通信講座が存在します。独学が難しい方はこちらを利用すると良いでしょう。

ソラストという医療・教育・福祉関連の企業が実施している「ホスピタルコンシェルジュ講座」では、試験範囲内全ての対策を網羅した教材が用意されており、質疑応答やレポート添削も受けることができます。

資格に直結したカリキュラムになっているので効率的に勉強できるでしょう。

なお現在のところ、受講料は税込みで40,700円となっています。 価格は時期によって多少変動しますが、このくらいの予算を想定しておいてください。

どのくらいの勉強時間が必要か

ソラストのホスピタルコンシェルジュ講座では、標準の学習期間は2ヶ月に設定されています。多くの方はこの期間内で試験範囲の知識が身に付くことでしょう。

もしこの期間が勉強時間として足りない場合は、最長12ヶ月まで延長することができます。この期間内はサポートが受けられますのでご安心ください。

ホスピタルコンシェルジュの勉強をするメリット

飛び跳ねる女性

ホスピタルコンシェルジュの資格について勉強すると、どういったメリットがあるのでしょうか。

自分のスキル向上につながる

ホスピタルコンシェルジュの知識は病院で働く人、またこれから転職などを考えている人にとっては、ご自身のスキル向上に大きく貢献できるものになります。

患者の相談や質問に臨機応変に対応できるという証明になりますから、医療事務の基本業務以上のより質の良い対応ができるようになるでしょう。

病院によっては資格手当がつくこともあるため、収入面においても有利となることが考えられます。

病院に安心して来てもらえる

ホスピタルコンシェルジュの試験に合格すると、資格を証明するためのバッジを購入することができます。

バッジをつけて勤務することによりホスピタルコンシェルジュがいることをアピールできますので、患者に安心感を与えることができます。病院全体の信頼度も増しますので、病院の良好な経営に貢献することもできるはずです。

ホスピタルコンシェルジュの試験日程・会場・受験料

書類を書く手

ホスピタルコンシェルジュの試験日程や受験料などをご紹介します。 間違いの無いようにしっかり確認しておいてください。

試験日程と会場

ホスピタルコンシェルジュの試験日程は以下の通りです。

  • 3級:5月・7月・11月・1月・3月(2019年から変更になりました)
  • 2級:7月・1月
  • 1級:9月

どの級も全国30の会場で実施されます。2級、1級の実技試験については札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡の6会場となります。なお学科を飛ばして実技だけを受けることはできません。(免除期間を除く)

受験については、公式ホームページからいつでも申し込むことができます。 (https://www.ginou.co.jp/qualifications/hospital-concierge.html)

なお、合否は受験日から約1ヵ月後に文書で通知されます。

ホスピタルコンシェルジュに受験資格はある?

ホスピタルコンシェルジュの受験資格は特にありません。どのような方でも受けることができます。(実技は学科合格者のみ)

ただ病院での勤務やその他の社会人として活動することが前提の資格となりますので、例えば小学生のようなあまりにもお若い方ですと、今すぐ取る必要はないでしょう。

実務を前提とした資格であることをご留意ください。

ホスピタルコンシェルジュの受験料

ホスピタルコンシェルジュの受験料は以下の通りです。

学科(税込み) 実技(税込み)
3級 4,400円 ーーー
2級 4,400円 4,900円
1級 6,500円 6,500円

なお、一度支払った受験料は理由を問わず返金できません。またキャンセルや受験日の変更もできませんので、申し込み前には十分確認することをおすすめします。

ホスピタルコンシェルジュと合わせて取りたいおすすめ資格

二人並ぶ子供

ホスピタルコンシェルジュの資格は、級が上がればそのままステップアップとなります。ですからまずは1級までを取ることを目標としてください。

その上で、幅広いスキルを身に着けるという意味でおすすめの資格をご紹介します。

メディカルクラーク

メディカルクラークの正式名称は「医療事務技能審査試験」と言います。医療事務資格としては一番メジャーなものです。

医療事務の法律や制度面での知識を深めることで、患者の疑問に答える能力を養います。

メディカルクラークは医科と歯科がありますので、それぞれ目指すほうを取得してください。ホスピタルコンシェルジュと併用する場合は医科をおすすめします。各診療科について幅広い知識を得ることができます。また歯科は歯科に特化した内容なのであまりお勧めできません。

メディカルクラークの詳細はこちらをチェック!

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験はかなり難易度が高いので、ホスピタルコンシェルジュ1級を取ってから挑戦することをおすすめします。両方持っていることでかなりのスキルアップとなるでしょう。

診療報酬請求事務能力認定試験に合格すると、事務制度と患者応対の両面において知識や能力があることが証明されます。病院勤務におけるあらゆる状況で必要とされる人材になることができるでしょう。

診療報酬請求事務能力認定試験の詳細はこちらをチェック!

ホスピタルコンシェルジュまとめ 

ホスピタルコンシェルジュまとめ

  • ホスピタルコンシェルジュは1・2級はかなりの難関
  • 難易度が高い資格だけに取得のメリットは大きい
  • 病院勤務におけるスキルアップのためにはかなりおすすめできる資格である

ホスピタルコンシェルジュについてをご紹介してきました。 病院で働く方にとってはぜひ取っておきたい魅力的な資格です。

まだ勤務経験が浅い方でも、まずは3級取得を目指してみてはいかがでしょうか!

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